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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.03

プリウスは「ハイブリット」の王者である 初TEST

鈴木直也に聞くNEWプリウスの進化のポイント

【本記事は2009年4月にベストカーに掲載された記事となります。】鈴木直也に聞くNEWプリウスの進化のポイントプリウスというクルマは、今トヨタが最も技術進歩を追求しているクルマ。ボクの見たところ、新型プリウスも、コストを考えず、とことん技術をつぎ込んでいるように見える。もちろんコスト無視なんてことはないのだが、とうてい年間20万台レベルの量産車とは思えぬ手の込んだことをしているのに驚かされる。特に排気熱回収システムなんて普通やらないでしょ!? 逆にいえば、プリウスはさまざまな燃費向上技術を投入して、こんな細かいところまで手を入れなければこれ以上の燃費向上は実現できない、というところまできているということ。電動ウォーターポンプを採用してエンジンからベルト駆動を廃止したのもそのひとつだ。とにかく細部まで徹底している。パワーコントロールユニットを見ても、半導体のクーリングを水冷で行なっているのだが、技術的ハードルは非常に高い。けど、これによって小型化ができるので、メリットはとても大きいのだ。新型プリウス、ものすごくお金がかかっているのに値下げをするとは、これまたビックリ。

渡辺陽一郎に聞くNEWプリウスの進化のポイント

渡辺陽一郎に聞くNEWプリウスの進化のポイント205万円からという新型プリウスの価格設定。これは、インサイト潰しなどという生やさしいものではなく、160万~220万円あたりの価格帯のクルマを根こそぎ食いつぶしてしまう脅威の存在となるはず。しかも、他メーカーだけではなく、カローラアクシオ1.5Gやプレミオ/アリオン、上はマークX、さらにはセダンだけではなく、180万円あたりのウィッシュなど乗用タイプミニバンまで一気に食いつぶしてしまう可能性がある。これがなにを意味するのか!?新型プリウスの価格設定は、そうした恐ろしさを感じさせるもの。渡辺社長が700万台でも利益を出せる態勢を作る、といっていたが、こうしてミドルクラスの車種をプリウスに収斂することで、車種ラインアップを低減して開発費や生産設備費用などを集中する。これによって700万台でも利益を出せる態勢を作り上げる……、新型プリウスはその第一歩、という意味合いを感じますね。クルマとしての完成度は高く、燃費もよくて値段も安い。これは恐ろしいクルマです。

NEWプリウスその他注目の進化ポイント概要

デビューは5月18日

デビューは5月18日

NEWプリウスその他注目の進化ポイント概要誤解を恐れず言わせてもらえば、新型プリウスは、ビックリするほど普通のクルマである、と感じた。初代から2代目にモデルチェンジした時は、「おっ、こりゃあものすごくよくなっている。ドライバビリティもよくなっているし乗り心地やステアフィールもしっかりした」と感じたものだが、今回3代目となる新型に乗っても「よくまとまっているけれど、進化の伸びしろは2代目で感じたほどではないな」というのが正直なところ。でも、これはすなわち、2代目プリウスの完成度の高さを証明していることでもあり、そこからさらに進化させる3代目のハードルの高さを意味している。最大の狙いはいうまでもなく燃費の向上。そのために注ぎ込まれた新技術は数知れない。が、それは派手なものではなく、細部を徹底的に詰めていく、地味なもの。この集大成が新型プリウスだ。実用燃費がどの程度か? そこがポイント。(編集部)

新型プリウスは旧型を圧倒的に凌ぐ実力?

新型プリウス徹底チェック!! 新型プリウスはボディサイドのエッジラインがシャープな印象。ボディサイズは全長4460mm、全幅1745mm、全高1490mm

新型プリウス徹底チェック!! 新型プリウスはボディサイドのエッジラインがシャープな印象。ボディサイズは全長4460mm、全幅1745mm、全高1490mm

新型プリウスは旧型を圧倒的に凌ぐ実力? 電脳王舘内端が全方位徹底チェックした!新型プリウス、驚きは思いのほか小さかったプリウスをひと言でいえば、トヨタらしい端正なクルマである。どこも非の打ちどころがなく、すべてに神経がゆき届いている。ハイブリッド車の優等生といってよい。それだけに、面白さには欠ける。また、初代のプリウスが登場した時のようなワクワク感が少ない。というのも新型プリウスは、あまりにもフツーのクルマだからだ。ハイブリッドだという前に、とてもよくできたトヨタ車なのである。そこにいくとインサイトは、個性的なハイブリッドだ。なぜならとてもエンジン車チックだからである。ハイブリッドだと説明されなければ、たいていの人はそれと気づかずに乗ってしまうに違いない。インサイトは、ハイブリッドである前に、よくできたエンジン車である。だが、そんな贅沢な話は日本だけに通用する話だ。欧米は、これからようやく自国産のハイブリッド車が登場してハイブリッド時代を迎えるのだから。世間では新型プリウスが205万円と大割引きセールだとか、インサイトが2月だけで1万8000台も受注したとか、大騒ぎしている。しかし、なぜ今ハイブリッド車がそんなに騒がれるのだろうか。そんな素朴な疑問を抱いたことはないだろうか。まずは、そこから考えてみたい。ハイブリッド車の開発と販売は自動車の死活問題なのだから。

脱石油化への第一歩がハイブリッド

エンジンは1.8Lに排気量アップされ、高速巡航燃費の改善をはかった。10・15モード燃費は35.5km/L~38.0km/L

エンジンは1.8Lに排気量アップされ、高速巡航燃費の改善をはかった。10・15モード燃費は35.5km/L~38.0km/L

脱石油化への第一歩がハイブリッド自動車が抱える大問題は、地球温暖化と石油の枯渇だ。ガソリンにしろ軽油にしろ、自動車が石油を使うかぎり、走ればCO2を排出して地球温暖化を促進し、走りたくとも石油が枯渇してそれほど遠くない将来に走れなくなる。自動車が生き残るには脱石油が至上命令なのだ。このことに対する危機感が強いメーカー順に、次世代車と呼ばれる脱石油あるいは省燃費車の開発に積極的に取り組んでいる。トヨタとホンダは、真剣に自動車の未来を考えている代表的なメーカーだ。ほかのメーカーはどうだってか。経営トップの危機感が薄く、次世代車開発に取り組むのが遅かったか、まったく取り組んでいないメーカーは、再編の波に飲み込まれ、消滅するのが落ち。オバマ新政権は、新しい産業を興し、自動車の脱石油化を進めて、雇用を促進するという。そのために数十兆円規模の税金を投入するという。いっぽう、ヨーロッパではディーゼル車の勢いが弱まったぶん、ハイブリッド車と電気自動車に熱い視線が注がれるようになった。一部のメーカーは、数年以内にマーケットに投入するという。米国も欧州も、自動車の脱石油化に真剣なのである。現在は、脱石油への一里塚にある。その最も現実的な回答は省燃費であり、その最も有力な回答がハイブリッドなのだ。’97年にハイブリッド車一番乗りを果たしたトヨタの戦略が、いかに先見的であったか。そして、2年遅れで初代インサイトを登場させたホンダも、その後に次世代車開発では紆余曲折があったが、これまた自動車を愛して止まない先見性のあるメーカーなのだ。さて、ハイブリッド車は本当に最も有力な現実的解決策なのだろうか。すでに述べたように、次世代車に求められる特性は、脱石油が可能であるか、省燃費である。脱石油の回答は、電気自動車、燃料電池車、バイオ燃料車だ。しかし、電気自動車はまだ航続距離が短く、高価である。大量普及にはあと5年から10年はかかる。燃料電池車は、遠い将来にも普及は不可能だろう。たとえば水素の原料は石油といっしょに枯渇が心配される天然ガスといった基本的な問題がある。また、バイオ燃料は、供給量がわずかである。省燃費の回答は、小型化、ディーゼル車、そしてハイブリッド車だ。小型化はすべての自動車に求められるが、だからといってそれだけで石油エネルギーから離れられるわけではない。ディーゼル車は、今後の厳しい排ガス規制をクリアさせようとすると燃費が悪化し、コストアップが避けられない。ニッサンのX-トレイルディーゼルに見られるように、ハイブリッド車よりも高くなる。しかも、ディーゼル車が興隆していたヨーロッパでも半分近くの国で軽油価格がガソリンよりも高くなってしまい経済的メリットが少なくなっている。そして、何よりも商品性がハイブリッド車よりも劣っている。トヨタは、初代プリウスの発売から今日まで、ディーゼルには懐疑的であり、積極的な開発は行なってこなかった。ホンダはNOx触媒の問題等で新排ガス規制に対応は無理だと判断したようだ。中型以上の乗用車はディーゼルで対応するといっていたが、それを訂正し、ハイブリッドで対応するという。

「普通」はプリウスへの最大級の賛辞だ

大人4人がゆったり乗れて、高速道路の流れをリードできて、一般路の渋滞では静かなEV走行。ガソリンタンクは45Lだから、10・15モード燃費を信ずれば無給油で1710km!!

大人4人がゆったり乗れて、高速道路の流れをリードできて、一般路の渋滞では静かなEV走行。ガソリンタンクは45Lだから、10・15モード燃費を信ずれば無給油で1710km!!

「普通」はプリウスへの最大級の賛辞だハイブリッド対ディーゼルの戦いの決着はついた。ハイブリッドの勝ちである。新型プリウスを見ると、そのことがよくわかる。自動車に求められる基本的な性能は、だれでも、いつでも、どこへでも行けることだ。上記の次世代車のうち、いくつかはこの性能を満たせない。しかし、プリウスはごく普通に満たせる。そればかりか、乗員のスペースも5人分確保できており、荷室もゴルフバッグが3セット積める容量がある。当たり前のようだが、次世代車では普通とはかぎらない。例えば、初代のインサイトは2人しか乗れなかったのだ。乗り心地、静粛性、加速感といった商品性の高さは、次世代車が普及していくうえで、とても大事だ。我慢を強いるようでは普及はかぎられる。例えばディーゼルが好きな人はともかくとして、ごく一般的なユーザーにとっては、振動の強さと騒音の高さ、独特な加速感には違和感が強いだろう。この点、プリウスは合格どころかあり余る魅力を持っている。だれでも感じられるのは、停止した時のアイドリングストップによる静かさだ。しかも、モーターで発進するので、その静かさは連続する。さらにご希望であれば“EVモード”を選ぶことで、その後しばらくは電気自動車状態で走れる。そのうえ、モーターが50kWから60kW(82馬力)へと向上したので、ハッピーな加速感を味わえる。これはご機嫌だ。エンジンが始動してモーターのパワーに重なると、とても新しい感覚の加速感=シナジードライブが味わえるのだが、あまりにも見事にエンジンパワーとモーターパワーが調合されているのでわかりにくく、かえってハイブリッドの魅力をそいでいると感じられるほどだ。この点は、プリウスがインサイトをずっと上回って魅力的である。ただし、エンジンが好きでたまらないがCO2排出量も気になる人には、インサイトを勧めたい。ハイブリッドだろうが何だろうが、インサイトにはあのホンダのエンジンが載っているのだ。しかもプリウスのように実質的な排気量減少機構であるアトキンソンサイクルではない。エンジンの魅力は、インサイトが上である。次世代車の最大の要件は、CO2排出量が少ないか、ゼロ(走行中の電気自動車)であることだ。この要件を満たすもっとも現実的な回答はハイブリッドである。本当だろうか。これについては、しっかりした燃費テストを待つしかないが、プロトタイプ車を富士スピードウェイの周回路で走らせたかぎりでは、かなり飛ばしたのだが私の腕ではリッター20kmを切ることができなかった。これはお見事。また、10・15モード燃費はリッター38kmだという。実用燃費に効く空気抵抗や、排気量を大きくして実用域のエンジンの効率を高めたので、おそらく実用燃費も驚く値が出るだろう。今後にハイブリッド車が世界の自動車の潮流になるのは間違いない。ハイブリッド車開発どころではないビッグスリーはともかく、生き残りをかけたメーカーは、こぞってハイブリッド車を開発し、発売する。しかし、トヨタの優位は12年以上ある。性能でも、コストでも、トヨタのハイブリッド車を上回るハイブリッド車はやたらには出てこない。プリウスはその先頭にいる。新型プリウスは、ハイブリッド車のグローバルスタンダードとしてしばらくの間君臨するに違いない。それはそうだとしても、何かすっきりしない。その原因は、トヨタをぶち抜いて、次世代車のトップに躍り出るメーカーがないことではないだろうか。その可能性をもっているのはホンダだけというのは、なんとも寂しいではないか。ハイブリッド車とはかぎらない。電気自動車でもいい。とにかくこの2社を痛めつけるメーカーはないのか。えっ、ないってか? ウーン。そうだろうな。みんなだらしないものね。

大幅に質感が向上したインテリア

新型プリウスのインテリアはこのとおり。操作系はセンターパネルに集中配置される

新型プリウスのインテリアはこのとおり。操作系はセンターパネルに集中配置される

大幅に質感が向上したインテリア新型プリウスの室内は、ドアを開けた瞬間、「おっ、質感高くなったねぇ!!」と感じた。現行型のインテリアも特に質感が低いというわけではないので、かなり高級感を感じられる、ということ。現行型よりも20万~30万円と、大幅に値下げを断行したにもかかわらず、エクステリアもインテリアも、どこひとつ質感を下げていない。特にいいな、と感じたのがインパネ表皮のタッチ、ドアトリムのタッチである。常に目に触れ、実際に手でも触れる部分だけに、質感のよし悪しがそのクルマの印象のよし悪しに直結する。インテリアで大きく印象が変わったのがセンターコンソール。現行型ではシフトノブはインパネに配置されていたが、新型では、インパネからセンターアームレスト部分に向かって斜めのパネルが橋のように渡されていて、ここにカーナビの収まるスペース、空調のコントロールパネル、そしてシフトレバーが配置されている。シフトレバーは現行型同様、軽いタッチで操作できるエレクトロシフトマチックを採用。ステアリングに近い位置にレイアウトされたことで、操作性が格段に向上している。また、このブリッジ状のセンターパネルがドライバーの左腿をサポートし、コーナリング時に腿を当てて踏ん張ることができるので、具合がよかった。リアシートは居住性がグンと向上したのがうれしい。現行型はリアシートのヘッドスペースがちょっと不足気味で、背の高い人だと天井に頭が接触してしまうことがあったが、新型では頭上スペースに余裕ができ、身長176cmの編集部ウメキが座っても余裕。リアシートの居住性は、インサイトに大きな差をつけた部分だ。

NEWプリウスもっと知る!!

エンジンはこれまでの1.5Lから1.8Lに排気量アップされている。これは、排気量拡大によってトルクを拡大し、高速巡航時のエンジン回転を引き下げ、燃費を向上させるため。効果は絶大だという

エンジンはこれまでの1.5Lから1.8Lに排気量アップされている。これは、排気量拡大によってトルクを拡大し、高速巡航時のエンジン回転を引き下げ、燃費を向上させるため。効果は絶大だという

NEWプリウスもっと知る!! Q&AでNEWプリウスを知る!どこが進化した? どこが凄いのか?Q、新型プリウスの10・15モード燃費は実際のところ、現行型よりどの程度進化しているの!?A、新型プリウスの話をする時、真っ先に「今度のプリウスは、燃費がものすごくて、10・15モードが38.0km/Lになっている」との話題が伝えられる。これは間違いではないのだが、38.0km/Lの10・15モード燃費をマークしているのは、最廉価、例の205万円の「L」だけだということを、まずは認識しておいていただきたい。「L」はタイヤサイズが他グレードよりも185/65R15とワンサイズ細く、また、装備も簡略化されていることで車重も1310kgと軽い。ひとつ上の「S」グレードだとタイヤは195/65R15となり、車重は1350kg。これらにより、「L」以外の「S」、「G」の各グレードの10・15モード燃費は35.5km/Lとなるのだ。ツーリングセレクションは215/45R17サイズのタイヤを装着するということもあり、10・15モード燃費値が低下するかと思いきや、ベースグレードと変わらず35.5km/Lをキープするのはお見事。35.5km/Lといえば現行型プリウスの「燃費のいいほう」、Sグレードの値と同じ。なーんだ、“リッター38km”ばかりが強調されるから、ものすごく燃費がよくなったような気がするけど、実は中心グレードは現行型と同じじゃないの、と思われる方もいるだろう。でも、現行型の「燃費の悪いほう」、Gグレードは33.0km/Lだから、こちら同士を比較すれば33.0km/Lから35.5km/Lに燃費は7.5%向上していることがわかる。燃費のいいほう同士の比較でも35.5km/Lから38.0km/L なので、伸びしろは約7%。単純に計算しても、新型プリウスの10・15モード燃費は7~7.5%向上しているということである。さらに、JC08モード燃費の数字をチェックする。JC08モードとは、現在の10・15モードによる燃費測定よりも、より実際の走行に即した走行モードにより計測された燃費値。このJC08モードで現行型プリウスの「S」を見ると、29.6km/L、新型の「S」は30.4km/Lという数字が出ている。10・15モード燃費値は両車ともに35.5km/Lで同じだが、JC08モード値では0.8km/L、約2.7%の燃費差が表われていることがわかる。Q、燃費向上のため、どこが開発時のポイントとなった!?A、「燃費をどれだけ上げられるかがポイントでした」新型プリウスプロトタイプ試乗会の場で、開発責任者の大塚明彦チーフエンジニアは、新型プリウスの開発のポイントを端的に表現した。「そのために、ハイブリッドシステムの進化と、車両側の進化を同時に、徹底的にやりました」と大塚CE。特に力を入れたのがエンジンの効率アップだったという。排気量を従来の1.5Lから300cc拡大して1.8Lとしたのも効率を追求した結果。エンジンの出力は現行型の76psから99ps、11.2kgmから14.5kgmへとアップしている。これにより、特に高速巡航時のエンジン回転を低く抑えることが可能となり、モーターアシストの介入しない高速巡航燃費が大幅に向上しているという。特に速度レンジの高い欧州向けでその効果が大きいとのこと。もちろん上限100km/hの日本国内でも効果はある。エンジンに関しては、このほかにもクールEGRの採用による効率アップ、電動ウォーターポンプの採用によりエンジンによる補機類の駆動をいっさい廃止してロスを低減、ローラーロッカーアームの採用によるフリクションの低減など、徹底的にロスを低減。排気熱再循環システムを採用することで暖機をすばやく完了できるようにする工夫も凝らされている。モーターに関しては完全新設計。2段切り替えリダクションギアを使うことで1万3500回転を可能としている。電圧は500Vから650Vにアップし、出力は68psから82psへとアップしている。バッテリーもインバーターも進化した。これにより、モーターで走る領域が大幅に拡大している。発進加速時はもちろんのこと、追い越し加速時などもモーターが主体で加速させていくイメージ。上手く加速すれば70km/hあたりまではモーターのみでの走行が可能だということだが、実際に走らせてみると、50km/hあたりまでは普通に走らせてもエンジンはかからない。が、それ以上の速度になると、ちょっとアクセルの踏み加減が大きくなると、スッとエンジンが始動する。なかなか70km/hまでのモーター走行はかなわなかった。スイッチで選択できるEV走行も最大2kmまで可能となっている。

停車時のアイドリングストップはインサイトとどう違う!?

インパネのスイッチでパワーモード、エコモード、EVモードを選択可能。EV走行は現行型の1kmから最大2km程度まで可能となり、モーター走行領域を拡大

インパネのスイッチでパワーモード、エコモード、EVモードを選択可能。EV走行は現行型の1kmから最大2km程度まで可能となり、モーター走行領域を拡大

Q、停車時のアイドリングストップはインサイトとどう違う!?A、システムに動力分割機構を用いるプリウスのTHSIIは、完全にモーターだけでの走行ができるのがポイント。インサイトの方式では、機械的にエンジンとモーターがつながっているため、発進時には必ずエンジンが回ることになる。信号待ちなどでの停車時にはアイドリングストップするが、ブレーキペダルを緩めた瞬間にエンジンが始動するし、停車中でも外気温などの条件により、案外頻繁にエンジンは回り出す。特にエアコンを使っているとエンジン停止は思いのほか短時間。エンジン始動時に軽いショックがあり、とても気になる。が、プリウスは発進時に緩やかにアクセルペダルを踏み込めば、50km/hあたりまではモーターのみでの走行が可能。また、エアコンは電動インバータータイプでエアコン使用時もアイドリングストップするし、エンジン始動時にもほとんどショックがないので、いつエンジンが始動したかわからないほど。Q、「ECO」、「POWER」各走行モードで燃費はどの程度変わる!?A、プロトタイプの試乗時に富士スピードウェイ内の連絡路を走り燃費を計測した。途中には一時停止箇所があったり、アップダウンがあったりと、郊外の一般路といったシチュエーション。約7kmの行程だったが、通勤コースと思えばだいたいこんなものか。ノーマルモードで走ると車載燃費計の数字は22.2km/L、続いてECOモードで走ると24.8km/Lにアップ。ややアクセル操作に対してクルマの反応が鈍くなるが、とくにダルさを感じるほどではない。続いてPOWERモードで走ると23.1km/L 。ノーマルモードよりいい結果となった。これは、発進加速や上り坂で一気に速度をのせたことで、かえって効率のいい運転ができたためと推測される。Q、インサイトとの動力性能差は!?A、インサイトのシステム出力は98ps、対する新型プリウスは136psと圧倒的。車重はインサイトの1190kgに対してプリウスは1350kgと160kg重たいが、その差を補ってあまりあるパワー差を実感する。パワーウェイトレシオでも約2.2kg/psプリウスの勝ち。特に、モーターのパワーが大きいプリウスは、発進加速、あるいは追い越し加速といった場面でインサイトより確実にパワフルな走りが可能だ。Q、プリウスはどこに買いに行けばいい!?A、全店扱いなので、トヨタ車を扱うすべてのディーラーで新型プリウスは購入できる。発表日は5月18日だが、発表日にはすでに納車待ちとなっている可能性が高い。欲しい人は早めに商談をすべし!!また、プリウスは当然重量税、取得税の免税対象。205万円の「L」だと、約11万円相当の税金が免税となる。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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