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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03

2.5LターボでAT インプレッサSTIA-Line登場 300ps、35.7kgmを発揮

エボXに一歩も二歩も後れを取ってしまった

【本記事は2009年3月にベストカーに掲載された記事となります。】インプレッサSTIのデビューは’07年10月。ライバル、ランエボXがツインクラッチSSTなる超強力な武器を引っ提げて登場したのに対し、インプSTIはオーソドックスな6MTのみという設定である。コアなインプファンには、これはこれでスパルタンだということでウケているのだが、やっぱりエボXに一歩も二歩も後れを取ってしまった感は否めない。

STIに待望のATモデルがラインアップ!!

AT専用2.5Lターボは300ps、35.7kgmを発揮

AT専用2.5Lターボは300ps、35.7kgmを発揮

■STIに待望のATモデルがラインアップ!!2月24日、インプレッサWRXISTIシリーズが一部改良を実施。これと同時に、新グレード「Aライン」が追加された。こいつの特徴は、水平対向4気筒エンジンを標準タイプの2Lから500cc排気量を拡大し2.5L(2457cc)としている点。そして、インプレッサSTIとしては歴代初となるATを搭載しているところにある。「先代インプレッサではSTIモデルの購入層は33.6歳でした。現行型では39.7歳と、年齢層がアップし、これと同時にATを要望する声が多数寄せられるようになってきたのです」インプレッサSTIシリーズの開発を担当する森宏志プロジェクトゼネラルマネージャーはATモデル投入の経緯をこう説明した。「ただし、インプレッサSTIですから……。スポーティな走りはきちんと確保しなければなりません。ATとのマッチングを考えたうえでの2.5Lという選択です」と森プロジェクトゼネラルマネージャー。

2.5Lエンジン

2.5Lフラット4ターボはSTI専用チューン Aライン専用に開発された水平対向4気筒2.5Lターボエンジンは、輸出仕様の2.5Lターボをベースにピストンやコンロッドなどを専用品に変更し、トルク特性などを専用チューニング。最高出力300ps/6200rpm、最大トルクは35.7kgmを2800~6000prmで発生する超フラットトルク型である

2.5Lフラット4ターボはSTI専用チューン Aライン専用に開発された水平対向4気筒2.5Lターボエンジンは、輸出仕様の2.5Lターボをベースにピストンやコンロッドなどを専用品に変更し、トルク特性などを専用チューニング。最高出力300ps/6200rpm、最大トルクは35.7kgmを2800~6000prmで発生する超フラットトルク型である

この2.5Lエンジンは、輸出仕様のインプレッサにすでに搭載されているものとはベツモノ。エンジン本体の基本は同じだが、ピストンやコンロッドは専用パーツとなっており、チューニングも国内仕様専用となっている。最高出力300ps/6200rpm、最大トルク35.7kgm/2800~6000rpmというスペックで、性能曲線図を見れば明らかなように、トルクカーブは2800回転から6000回転まで横一線の超フラットトルクエンジン。6MT仕様の2Rターボが高回転型のエンジン特性としているのに対し、2.5Lターボは対照的なまでにフラットトルク型としているのが特徴的だ。最大トルクは2800回転以上で発揮されるが、2500回転時には最大トルクの95%、つまり約32kgmが発揮されているという。「ATで気持ちよくスポーティに走れるよう、フラットトルクエンジンが必須でした」と森プロジェクトゼネラルマネージャーは解説する。

5速ATはインプレッサSTI専用チューン

インプレッサSTI史上初のAT。ATノブは直進タイプで、Dレンジから横移動させることでマニュアルモードとなる。パドルシフトも備えている

インプレッサSTI史上初のAT。ATノブは直進タイプで、Dレンジから横移動させることでマニュアルモードとなる。パドルシフトも備えている

■5速ATはインプレッサSTI専用チューンインプSTI史上初めて組み合わされるATは、レガシィGTなどに搭載される5速ATがベースとなっているが、300ps、35.7kgmという大パワー、大トルクに対応させ、また、シフトレスポンスを向上させ、よりスポーティな走りに対応するようにするため、今回のAライン専用チューニングとなっている。とはいえ、ライバルランサーエボリューションXは革新的なツインクラッチSSTを搭載する。コンベンショナルなトルコンATでは、どうしても見劣りする感が否めないが……。「それについてはおっしゃるとおりという部分もあります。しかし、スポーティな走行にも充分対応できるよう、シフトアップのレスポンスをシャープにするなど、チューニングは煮詰めています。0→100km/h加速タイムを計測しても6MT仕様に大きく後れを取ることもなく、充分走りを楽しんでいただけると思います」と森プロジェクトゼネラルマネージャー。たしかにランエボXはSSTという飛び道具を持っているが、エンジンは3ペダル仕様とまったく同じ2Lターボ。インプレッサSTIは、トランスミッションの先進性、革新性では見劣りするものの、これをカバーするためにトルクフルな専用2.5Lターボエンジンを開発し、搭載している。社内テスト値では0→100km/hは6秒とのこと。充分速い。

シャシーは6MT車と同じ、4WDはVTD方式

2.5Lターボ+5ATの「Aライン」と2Lターボ+6MT仕様車のエクステリアの違いはいっさいなし。外観からの見分けはほぼ不可能である

2.5Lターボ+5ATの「Aライン」と2Lターボ+6MT仕様車のエクステリアの違いはいっさいなし。外観からの見分けはほぼ不可能である

■シャシーは6MT車と同じ、4WDはVTD方式ボディ、シャシー、サスペンションなどは基本的に6MT仕様車とまったく同じだが、4WDシステムはATに合わせて可変トルク配分電子制御VTDIAWDを採用。MT仕様のDCCD式フルタイム4WDとは性格を分けている。前後トルク配分の基本は45対55となる。より緻密な前後トルク配分をすることで、ナチュラルなハンドリングと確実なトラクションを両立するシステム。6MT仕様車では標準装着となっているブレンボ製対向ピストンブレーキシステムは、Aラインではオプション設定(+21万円)。価格は6MTのWRXI-STIの368万5500円に対し、ATのAラインは315万円、本革シートなどを標準装備としたプレミアムパッケージは336万円となり、買い求めやすい価格設定となっている。

6MT仕様は一部改良

シートは6MTモデルと同じモノフォルムハイバック形状のバケット。プレミアムパッケージでは本革シート。レカロシートのオプションは装着不可

シートは6MTモデルと同じモノフォルムハイバック形状のバケット。プレミアムパッケージでは本革シート。レカロシートのオプションは装着不可

6MT仕様は一部改良今回の一部改良で、既存の6MT仕様車にも細かい部分だが、変更が加えられている。エクステリアに関してはいっさい変更はないが、ボディカラーに新色のサテンホワイトパールが追加されている。また、ヒルスタートアシスト機能が標準装備となっているが、これのキャンセル機能が付加されている。ユーザーから、あえて必要としないとの声が多く寄せられたためだという。また、Aライン同様、運転席8ウェイパワーシートが採用されている。価格は従来の365万4000円から3万1500円アップの368万5500円。

こちらも気になるコンセプトCはいつ登場?

東京オートサロンに出展されていた「コンセプトC」はスペックCとしてデビューする!?

東京オートサロンに出展されていた「コンセプトC」はスペックCとしてデビューする!?

東京オートサロンに今回デビューしたAライン(ショー時は「コンセプトA」の名だった)と並んで出展されていた「コンセプトC」の動向が気になる。コンセプトCは標準タイプのSTIに対し、ボールベアリングターボ、インタークーラースプレー、アルミ製フロントフード、19インチアルミホイールを採用するとともに軽量化を実施しているという。その内容は、先代インプSTIに設定されていたスペックCそのもの。当然、今後スペックCとしてデビューすることは間違いないだろう。ボールベアリングターボはタービン軸受け部にボールベアリングが採用されていることで、レスポンスに優れるメリットがある。「今のところはなんとも言えません。WRCからは撤退したとはいえ、国内ラリーではインプレッサはこれからが勝負ですから」と、スバル関係者。現在のWRX STIでは、ラリーベースマシンとするには装備が充実しすぎており、もっとベースマシンに特化した仕様の追加に期待がかかっている。ラリーマシンベースとして、スペックCの登場に期待したい。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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