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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04

日本のGT&スポーツ総研 突き抜けて、いままたスポーツ&GT入魂! GT-R

GT-Rは本当に凄いのか? 10人の証言

GT-Rは本当に凄いのか? 10人の証言

GT-Rは本当に凄いのか? 10人の証言

【本記事は2008年1月にベストカーに掲載された記事となります。】10月24日、東京モーターショー会場で発表されたGT-Rだが、デリバリーは12月6日から。走りをお伝えできる日を今か今かと待ちわびていた。11月26日、ついにその時はやってきた。宮城県仙台市の仙台ハイランドサーキット。GT-Rの開発にも使われたというサーキットを舞台にグローバル試乗会が開催された。今回はサーキットだけではなく、ナンバー付きのGT-Rが用意され、一般公道での試乗も可能だという。サーキットでのパフォーマンスが「もの凄い」ことは容易に想像できる。それよりも気になるのが一般公道での走りっぷり。乗り心地は!? 2ペダルMTの仕上がりは!? 乗りにくくはないのか!?横浜ナンバーを前後に付けたGT-Rはなにか新鮮だった。これまで何度かGT-Rに接する機会はあったが、太陽光の下、普通の姿のGT-Rを見るのは初めて。さあ、GT-Rはどんなもてなしでボクらを迎え入れてくれるのか!?

証言1 日下部保雄 サーキットと一般道では印象が違うがとにかく凄いクルマ

0~100km/h 3.6秒 GT-R世界へ発進!!

0~100km/h 3.6秒 GT-R世界へ発進!!

とにかく凄いクルマ。レーシングカーをそのままロードカーにしたようなクルマ、というのがGT-Rをひと言で表現するのにふさわしい。サーキットの試乗ではどこにも文句のつけようがなかった。一般道ではどうかというと、基本的にロール、ピッチが抑え込まれたサスペンションチューンなので、サーキットほどの横Gが発生しない一般道では、クルマの動きが少なく、速度感をつかみにくい。コーナーでの挙動はカート感覚なのだ。コーナーの入り口でブレーキングをしてステアリングを切り込むと、ノーズダイブもほとんどないまま、ロールもほとんど発生せずにスパッと向きを変える感覚。また、路面の悪いところではそれなりに硬い乗り心地で、さすがに「いつでも」、「誰でも」、「どこでも」というわけではない。やっぱりドライバーを選ぶクルマだと感じた。デュアルクラッチの2ペダルMTは、サーキットではシフト速度も速く、気持ちよく走れるのだが、一般道ではちょっと違和感を感じる場面もあった。特に1速2速を多用するような都市部の混雑路では、変速がややギクシャクすることがある。また、リバースと1速を繰り返し行き来するような場面では、シフト操作に対して一瞬ギアが行き場所を悩んじゃうようなこともあった。車庫入れの切り返しなどはあまり得意ではないかもしれない。

証言2 斎藤 聡 俺はちょっと見くびっていた……反省しまくり

サーキットと一般道を走り、GT-Rのポテンシャルの高さを実感した

サーキットと一般道を走り、GT-Rのポテンシャルの高さを実感した

“凄い!!”まずはそのひと言しか出てこない。とにかく加速力も旋回能力も突出している。性能的には間違いなく水野さん(GT-Rの開発責任者)が言っているようにスーパーカーだと思う。最初、ちょっと見くびっていたところがあったのだが、乗って考えを改めた。今回試乗して素直に感激した。GT-Rの車重は実は1.7トンもある。決して軽いクルマではないのだが、走らせていてその重量を感じることはなかった。これは、GT-Rのためだけに開発されたトランスアクスルレイアウトや、徹底した低重心化のたまものだろう。トランスアクスルを採用することで重たいトランスミッションとトランスファーをリアタイヤ直前に置き、エンジンをギリギリまで後方にレイアウトすることができた。前後の重量配分が理想的なのだ。絶対的な軽量化そのものに限界がある以上、今回GT-Rが採用したレイアウトは考えられるベストの方法と言っていいだろう。一般道での走りは、意外なまでに乗り心地がいい、と感じた。低速では確かに硬さを感じるのだが、速度域が高まるにつれて硬さが取れ、しなやかさを感じるようになる。これは、ブッシュの柔らかさで乗り心地を出しているのではなく、サスペンションをしっかり動かし、入力をボディで受け止めているから。ヨーロッパのスポーツカーのような印象だ。例の2ペダルMTはサーキットでは最高なんだけど、一般道ではまだまだこなれていない部分を感じた。アクセルをドンと踏み込んで急激に戻し、またドンと踏むような場面でギアが迷うような動きをする。だけど、ボクはそれはたいした問題ではないとも思っている。そんなことはドライバーが特性を理解して、うまく動くように乗りこなしてやればいい。ハイパフォーマンスカーというのは、そういった乗りこなし的な部分も必要だと思う。GT-Rは宝物になるクルマだと思う。うーん、いま、非常にヤバイのだ。GT-Rが欲しくなってきてしまった。

証言3 桂 伸一 耐久マシンにラジアル履かせたらGT-R。逆にスリック履いたらレーシングカーだ

凄いクルマだ。最近、ボクはポルシェ911GT2とアストンマーチンにヨーロッパで試乗してきたんだけど、新型GT-Rはこれらのクルマと比べても速さとかスタビリティといった部分でまったく遜色がない。2ペダルMTに関しては、確かにあまりの加速の鋭さで、通常の3ペダルMTではドライバーが対処しきれない。それをフォローするという意味で必須だったというのは乗って納得。特に1速なんて一瞬で吹け切っちゃうから、3ペダルだったらあっという間にレブリミッターを作動させちゃうか、さもなければアクセルを踏む右足を緩めなければダメ。GT-Rのパフォーマンスをフルに生かすためには2ペダルMTが必須だったというわけだ。走りは、サーキットではまんまレーシングカー。耐久マシンにラジアルタイヤ履かせたらこんな感じだろう。逆に、GTRにスリック履かせたらそのままレーシングカーだといっても通用するだろう。一般道での乗り心地はちょっと硬い。が、それは普通のセダンとか、そういうクルマの基準で判断するから。GT-Rは硬いことは硬いけれど、ゴツゴツした硬さではなく、決して一般道を走っていて不快になることはなかった。いやいや、20インチのランフラットタイヤを履いているということを考えれば、よくぞここまでまとめ上げてきたな、と感心する。

証言4 中谷明彦 予測レベルで大きな感動はなかった。乗り心地は覚悟が必要だ

乗る前に思っていたレベルだった、ということだ。決してもの凄いとか、腰を抜かすなどといったものではなかった。事前に知らされていたパワースペックや車重、レイアウトなどを考えれば、「この程度は走るかな!?」と予測はつく。で、実際に走ったら、その予測どおりだった、ということだ。ま、もちろんそれなりに速いのだけど、大騒ぎするほどのものではない。そういった意味では、大きな感動はなかった。ハンドリングに関しては、思ったほど楽しくないな、というのが正直な印象。サーキットのように、決められたラインをトレースする性能は高く、また、そうした場合の速さはあるのだが、振り回すような走りをすると楽しくない。一般道だと足が硬い。乗り心地は覚悟が必要だ。サスペンションは3段階のセッティングがチョイスできるのだが、ソフトにしてもやっぱり硬い。ソフトが街乗りモードというわけではないようだ。2ペダルMTの変速ショックは一般道では思いのほか大きくてちょっと驚いた。ランエボXのSSTのほうが圧倒的にスムーズにつないでくれる。GT-Rは変速スピードを重視したということで、ある程度のショックはやむを得ないと割り切るべきか。また、パドルでの操作に対して実際の変速が若干遅れる場面もあった。マニュアルシフトするよりも、オートモードでクルマ任せで走ったほうがスムーズな場面もあった。

証言5 こもだきよし 緊張感なく超高性能を引き出すことができるクルマ

0~100km/h 3.6秒 GT-R世界へ発進!!

0~100km/h 3.6秒 GT-R世界へ発進!!

けっこう速いんだけど、ハラハラする面白みがないクルマなのだ。トランスミッションもRモード以外では自動シフトアップするし、ブレーキもよく効くし、アクセルを踏み込めばドーンと走る。凄く速く走るんだけど、それだけなのだ。試乗した仙台ハイランドサーキットでは、1周回った最初のストレートエンドでメーター読み207km/hまで出てしまう。クルマに慣れるということなく、いきなりパフォーマンスを引き出せてしまうのだ。カリスマ性を感じない。もちろん、それを難なくこなしてしまうこと自体がもの凄いことで、なんともぜいたくな話なんだけどね。一般道での走りは、ひと言で言えば「硬い」。サスペンションをコンフォートモードにしても充分に硬い。今時のスーパースポーツカーは乗り心地がいいもの。BMWのM3だって乗り心地はいい。少なくともGT-Rよりはいいと感じた。サスの動きがイマイチなのだろう。ダンパーをもっと動きのいいものに換えれば乗り心地はずいぶんとよくなるはず。2ペダルMTはもの凄くよくできている。一般道でもストレスなく使えたし、自動シフトアップのタイミングも違和感ないので、通常はオートモードで走ればいい。

証言6 川島茂夫 普通に乗って普通に使える。筋肉バカではなかった

けっこう使えるクルマだなぁ、と思った。ただの“筋肉バカ”ではなく、普通に乗れるという点で高く評価したい。これなら通勤にも使えるし、買い物グルマにもなる。正直、買い得だと思った。今なら777万円でGT-Rが手に入るが、毎年のように手が入り、そのたび値段が上がっていくはずだ。最終的には900万円程度になっちゃって、本当に手が出ないクルマになってしまう。NSXもそうだったでしょ。エンジンはもの凄くスムーズでドライバビリティも高いし、足はRモードでは確かに硬いけど、コンフォートモードにすれば一般道でも充分OK。充分に実用的なクルマだと思う。気負わずに乗れるハイパフォーマンスカーって、実は世界的に見てもそうそうあるものではないのだが、GT-Rはまさにそれ。ブレーキペダルのタッチひとつとっても普通のクルマの感覚だし、ステアリングも気むずかしさを感じるものではない。普通に乗るかぎり、本当に普通に乗れるのがGT-Rの魅力なのだ。ハンドリングはよくも悪くも日産的。ブレーキ残してターンインするとリアが出ちゃうあたり、ちょっと古いタイプのハンドリング。でも、そういうハンドリングが好きだという人もいるので、それもアリだとは思う部分もある。電子デバイスの使い方がとっても上手で、姿勢制御システムは、いつ介入したのかほとんどわからないうちにさりげなくラインを修正。ブレーキで抑えられている感覚や、アクセルを踏んでいるのにトルクが絞られていることをドライバーが感じることはない。

証言7 ピーター・ライオン ドライバーのミスに寛容。誰でもハイパフォーマンスを味わうことができる

まずはひと言、走りの部分では凄くいいクルマだと思った。でもデザインは内外装ともにちょっとエモーショナルさに欠けているように感じた。空力重視でエクステリアデザインも作られていったことはわかるが、かっこよさであるとか、美しさも欲しかった。リアスポイラーにしても、あの形状はいささか古く、ポルシェやアウディR8が採用しているような、電動タイプのものがあってもよかったかもしれない。トランクスペースにゴルフバッグを2つ積めなくてはならないというのがなんとも日本車らしい。走りはとにかくすばらしい。ドライバーのミスに寛容なクルマなのだ。ポルシェ911ターボがミスにシビアなのと対照的。多少のミスはGT-Rがちゃんとフォローしてくれる。一般道では乗り心地の硬さを感じたものの、スポーツカーならこの程度は許容範囲。2ペダルMTの出来もよく、一般道でも充分実用的に使える。

証言8 西川 淳 実に奥の深いクルマと実感。どう味わうかがオーナーの楽しみ

サーキットで乗って奥深さを感じました。特に鈴木利男さんの横に乗って、こんな動きをさせることができるんだって、奥の深さを思い知りました。まず最初に公道で乗ったら、凄い加速と旋回Gでビックリしたんですが、それは一度味わったらもういいや、という類のもの。飽きちゃうとは言わないけど、なんべんも味わわなくてもいい。でも、サーキットで利男さんの運転を見たら、まだまだボクの知らない世界がたくさんあったんだな、と。どうやったらあの領域に少しでも近づくことができるかと、考えながら乗れば奥の深さを楽しむことができると思う。公道で試乗した時に感じた範囲だったら、せっかく買った意味がありませんよ。ええ、私、GT-R買いました。色はバイブラントレッドです。じっくりと時間をかけてGT-Rを味わいたいと思いました。証言9 田中哲也 高いレベルであらゆることがバランスされているクルマひと言でいえば、悪いところを探すのが難しいクルマ。アクセルを踏めばドンとパワーが出て速いし、ステアリングを切ればスパッと曲がってスタビリティも高いし、文句のつけようがありません。サーキットでガンガン走らせていて怖さを感じないクルマなのだ。市販車は、サーキットを本気で走らせると、けっこうおっかないのもある。あえて文句をつけるとすれば、ちょっと重たいところ。でも、コーナリングなどでは重量をあまり感じさせない動きをするし、決定的な弱点ではない。強いていえばS字の切り返しのような場面でやや重さを感じることがある、という程度。2ペダルMTはメチャいい。特にシフトダウン時に空走感がまったくなく、スパッとシフトが決まるので、サーキットではギリギリまでコーナーに突っ込んでいける。これは一般的なシングルクラッチの2ペダルMTでは無理で、デュアルクラッチを採用しているからこそ。いかがだっただろうか!? それぞれのGT-Rファーストインプレッション。「凄い」という第一声を発する人がものすごく多かったのが印象的。

証言10 気になる部分をチェックした!! GT-Rはホントに「誰でも」なのか?

編集部ウメキもGT-Rに乗らせていただきました。開発陣の言う「いつでも」、「どこでも」、「誰でも」を本当に実現しているのか!? そこを確かめたいと思ってGT-Rに乗りました。はい、凄かったです。ワタシは別にサーキットでタイムを削りに来たわけではありません。普通に乗ってどうなんだ!? を確認しに来たんです。もちろん無茶な運転なんてしていません。でも、たった3周走っただけで首が痛いんですね。そう、ゆっくり走らせているつもりだったのに、思った以上にコーナリング速度が出ていて、強い横Gを味わっていたのだ。あまりにサラッと走ってしまうから気付かなかったけど、GT-Rはワタシごときの運転スキルなどあざ笑うかのように、「まだまだジョギング程度」の雰囲気でとてつもないハイレベルの走りを味わわせてくれたのだった。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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