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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05
ボルボの新風 XC70竜飛に吹く!
ニューXC70のポイント
堅実なイメージのインテリアから、優雅で品のよいインテリアに変身したニューXC70。アルミプレートやシートのステッチは王室出身デザイナー、シグヴァルド、ベルナドッティ氏のデザインがヒントだという
【本記事は2007年12月にベストカーに掲載された記事となります。】ニューXC70のポイント今では当たり前になったクロスオーバー型ジャンルの草分け的存在のボルボXC。XCはそのシリーズ名が表わすようにクロスカントリーの略で、’97年に登場した70シリーズのXCがその第一弾だった。V70が今年新型に切り替わり、そのボディを使ったXC70もフルチェンジ、3代目が日本でも11月1日から市販を開始。エンジンはXC90や新型V70に採用されている3.2Lの直6、238psを横置きに搭載。6速ATと組み合わせられる4WDモデルとなる。“ファーストクラス”の快適性と多用途な機能性とをうたっているだけに上質で安全な万能4WDに進化している。特にヒルディセントコントロールやBLISと呼ばれるドライバーの死角からクルマやバイクの侵入を感知、警告する新装備も注目。価格は625万円。
走りや乗り心地が大幅に進化!
スムーズでビート感のあるNAの直列6気筒エンジンを採用したXC70。3192ccで最高出力は238ps。最大トルクは32.6kgmと充分
走りや乗り心地が大幅に進化!青森からまずは陸奥湾にそって280号線を北上する。ここで最初に味わったのは、新型V70にも搭載された新開発直列6気筒3.2Lエンジンのフィーリングだ。これは可変バルタイ&リフト機能を備え、238ps/32.6kgmを発生するスグレもの。さらにエンジン全長も従来の5気筒に比べわずか3mm長いだけのコンパクトさ。ところでボルボがなぜエンジンを横置きに搭載するのかは、衝突時のエンジンルームの変形に対して有効なスペースを確保するためで、ボルボが目指す安全性能の志の高さがうかがえる。このエンジンは実に気持ちよかった。レスポンスもシャープで、トップエンドまでスムーズに吹け上がるフィールはV6にも勝る直6ならではのアドバンテージだ。プレミアムなボルボには意外だったが、エキゾーストサウンドもドライバーを心地よくさせるスポーティなもの。竜飛から小泊に抜けるアジサイロード、龍泊ラインというハンドリングを試すのにちょうどいいワインディングで楽しい走りをみせてくれた。動力性能も不足はない。1880kgのボディはそれなりの車重だが、ギアトロニックの電制6速ATとあいまって、スムーズかつ力強い走りが魅力的だ。XC(クロスカントリー)となればオフロード性能も気になるが、XC70は先進のプレチャージ式電制AWDを採用。発進時の起動レスポンスが大幅に向上し、さらに力強い走破能力をみせている。アプローチ&デパーチャーアングルも増し、グランドクリアランスもタップリと190mm確保されており、ヒルディセントコントロールや坂道発進をアシストするスマートな電制パワーパーキングブレーキも装備されてオフロード性能は確実に進化だ。
オンロードの走りも快適
オンロードの走りも快適だった。剛性アップされたボディと洗練のシャシーでSUVとは思えない軽快なハンドリングだし、乗り心地もプレミアムSUVにふさわしい重厚な味。ボルボ独自の“FOUR-C”アクティブパフォーマンスシャシーもなかなかの出来。これはいわゆる可変ダンパーシステムで、コンフォート、スポーツ、アドバンスの3モードがあり、どれもが的確なマッチングでドライビングが楽しめる。アドバンスモードにいたってはスロットルレスポンスもシャープとなり、スポーツSUVの走りが楽しめる。3つのパワーアシストレベルが選択できる車速感応式パワステもスグレものだ。前記した可変ダンパーシステムと合わせ、乗る人や走りのシーンによって好みがセレクトできる。ちなみに日常のドライブで私がほどよいフィールと思えたのは可変ダンパーがスポーツ、パワステは中間レベルだった。今回、竜飛で強風にさらされることはなかったが、真冬には雪も飛ばされ、凍てついた世界になるという。しかしそんな竜飛でも、この新しいXC70なら、充分活躍できることを確信した。
竜飛といえば青函トンネル
記念館からケーブルカーで海底下140mまで下りられる
竜飛といえば青函トンネル太宰治の小説「津軽」の中で「ここは本州の袋小路だ……」と表現されている竜飛岬。太宰治のこの文学碑は竜飛岬の最北端の竜飛集落にある。この竜飛が有名なのは青函トンネルの本州側の起点であることだ。全長53.9kmという青函トンネルは昭和47年に着工、16年の歳月と約7000億円の巨費を投じ昭和63年に完成した。年間200日は20mを超える強風が吹き荒れる竜飛は風の岬といわれ、高台には風力発電の風車が立ち並ぶ。青函トンネル完成時に開設された青函トンネル記念館からは海底下140mの地下体験坑道に入ることができる(入場料大人1300円)。そのほか日本唯一の階段国道339号線、「津軽海峡冬景色」の記念碑など、竜飛は見どころもいっぱいだ。