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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05

限定車の誘惑 日産 フェアレディZ Version NISMO TYPE 380RS

380RSコンペティション

Version NISMOTYPE380RS-COMPETION TYPE380RSに搭載されている3.8Lエンジンはこの380RSコンペティション用のレーシングエンジンをデチューンしたもの。3.8L V6は400ps以上/43kgm以上。このTYPE380RSコンペティションはスーパー耐久シリーズ(STクラス1)などのプロダクションレース専用車両で2625万円で販売

Version NISMOTYPE380RS-COMPETION TYPE380RSに搭載されている3.8Lエンジンはこの380RSコンペティション用のレーシングエンジンをデチューンしたもの。3.8L V6は400ps以上/43kgm以上。このTYPE380RSコンペティションはスーパー耐久シリーズ(STクラス1)などのプロダクションレース専用車両で2625万円で販売

【本記事は2007年8月にベストカーに掲載された記事となります。】「走り出した瞬間、史上最強のZはこれだ」と思った。このバージョンNISMOタイプ380RSは、今年1月から販売されているバージョンNISMOをベースにレーシングマシン譲りのVQ35HRをボアアップした3.8L V6を搭載したもの。バージョンNISMOシリーズにはスーパー耐久用ベース車両としての役割もあり、そのために排気量を3.8Lに拡大したレース仕様車が開発された。これが380RSコンペティションだが純粋な競技車両で2625万円もする。

エンジンの中身はほぼ完全に“別物”

公道仕様にデチューンした350psの3.8L V6 アルミ鍛造ピストン、強化コンロッドのほか、高強度クランクシャフト、バルブスプリングなどはレーシングエンジンと共通。異なる点はインテークマニホールドやエキゾースト、空燃比や点火時期など。3.8L V6は3788ccの排気量から、350ps/40.5kgmを発生

公道仕様にデチューンした350psの3.8L V6 アルミ鍛造ピストン、強化コンロッドのほか、高強度クランクシャフト、バルブスプリングなどはレーシングエンジンと共通。異なる点はインテークマニホールドやエキゾースト、空燃比や点火時期など。3.8L V6は3788ccの排気量から、350ps/40.5kgmを発生

そこでこのS耐用に開発された3.8Lエンジンの醍醐味を公道でも楽しめるようにと企画されたのが380RSなのだ。コイツの凄さを理解するには、まずはエンジンの成り立ちを説明しなくちゃいけないだろう。ストロークを7mm拡大して95.5mm×88.4mmで3798ccとした基本ブロック以下、鍛造ピストン、強化コンロッド、スペシャルカム、バルブスプリングなど、エンジンの中身はほぼ完全に“別物”といっていいスペシャル。350ps/40.5kgmというスペックは公道での使い勝手を考えてデチューンされ、ECUと吸排気系以外は400ps以上を発揮するS耐仕様とほとんど同じパーツで組み上げられている。

爆発的な瞬発力

TYPE380RSのベース車両でNISMOとオーテックジャパンの共同開発車。ヤマハ製パフォーマンスダンパーや専用高剛性ボディ、専用サス、RE-01R(フロント、245/40R18、リア、275/35R19)などによりスポーティなハンドリングと快適性を両立。6MTが439万9500円、5ATが449万4000円

TYPE380RSのベース車両でNISMOとオーテックジャパンの共同開発車。ヤマハ製パフォーマンスダンパーや専用高剛性ボディ、専用サス、RE-01R(フロント、245/40R18、リア、275/35R19)などによりスポーティなハンドリングと快適性を両立。6MTが439万9500円、5ATが449万4000円

これだけ凝ったエンジンを搭載しながら価格はバージョンNISMOにプラス90.3万円の539万7000円。実際に走らせても、このエンジンは期待を裏切らない。まず「オォッ!」と思うのは、5000rpmから上での弾けるようなパンチ力だ。2速、3速あたりの低いギアだと5000rpmを境にグワッと加速感が勢いづいたと思うとすぐレッドゾーン。ウカウカしてるとシフトアップが遅れそうになるほどトップエンドがシャープに吹け上がる。もちろん、排気量が3.8Lもあるから2000rpmくらいでトロトロ走ってもぜんぜんOKなのだが、4800rpmというトルクピークからもわかるようにこのエンジンは基本的にはけっこうな高回転型。大排気量なのに回せば回すほどグイグイ伸びてゆくし、回してもまったくストレスがない。だから、例えば高速で遅いクルマをパスする時など、6速/2100rpmの100km/hから2段3段イッキに落として4速や3速を使うのが快感。もちろん、6速のままでも充分な加速力は得られるのだが、下のギアで4000rpm以上をキープした時の加速の鋭さは特筆ものでこの爆発的な瞬発力こそが持ち味といえる。

乗り心地

専用フロント&リアバンパー、リアスポイラー、サイドシルプロテクター、フロント&リアフェンダーモール、専用サスペンション、レイズ製鍛造アルミホイール&RE01-Rタイヤ(フロント:245/40R18、リア:275/35R19)はVersion NISMOと共通

専用フロント&リアバンパー、リアスポイラー、サイドシルプロテクター、フロント&リアフェンダーモール、専用サスペンション、レイズ製鍛造アルミホイール&RE01-Rタイヤ(フロント:245/40R18、リア:275/35R19)はVersion NISMOと共通

あえて注文をつけるとすれば、高水準のエンジンに比べるとクラッチ/ミッションなどのパワートレーンが粗削りで、シフトフィールや駆動系のソリッド感といった部分に洗練度が足りないこと。駆動系にもさらなるレベルアップが必要といえるだろう。サスペンションに関してはすでに標準のバージョンNISMOで経験ずみでハンドリング優先ながら乗り心地も意外に不快じゃない点を評価していたが今回さらにパワフルなタイプ380RSにもこの足がしっかりバランスされていた。しっかりした手応えのステアリングフィールは、舵角に比例してコンスタントに反力が増してくるやや重めの味つけだがタイヤがスゴいから(前245/40R18・後275/35R19のポテンザRE-01R)舵角を増してもコーナリングフォースはぜんぜん衰えず、とにかく切れば切っただけぐいぐい曲がるという感覚。

オン・ザ・レール感覚

ワインディングではまさにオン・ザ・レール感覚!! ワインディングでの走りの気持ちよさはもちろん、一般道での快適性を犠牲にしていない点がいい

ワインディングではまさにオン・ザ・レール感覚!! ワインディングでの走りの気持ちよさはもちろん、一般道での快適性を犠牲にしていない点がいい

その一方でトラクションも抜群だから2速あたりでフルパワーをかけてもなかなか後輪はブレイクせず、イイ感じでリアが路面を蹴りつつコーナリング速度が上がってゆく。このくらいコーナリングパワーが絶大だとドライ路面ではほとんどどこでもオン・ザ・レール感覚。このバージョンNISMOタイプ380RSは300台の限定生産だが、すでに約半数が売約済み。史上最強のZと呼ぶにふさわしい内容だった。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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