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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05

女性も犬もビックリ 実用的なだけが軽の魅力じゃない! スズキセルボvsダイハツソニカvs三菱i スタイリッシュ軽対決

【本記事は2007年1月にベストカーに掲載された記事となります。】安くて広くて実用的、と軽自動車に求められる要素はとても欲張りなものだが、それだけにとどまらず、同じ乗るならカッコよくて安っぽくないほうがいいと思うのもこれまた当然。ユーザーの要求は厳しい。そのニーズに合わせ、最近登場した軽自動車に共通して、各メーカーとも力を入れているのが質感のアップと凝りに凝ったエクステリアデザインだ。そこでスタイリッシュ軽御三家を対決させてみたい。その御三家とは専門家だけでなく一般ユーザーにもデザインのよさが認知されている三菱i、走りに特化した機能美を感じさせるダイハツソニカ、そしてビッグネームを復活させ、これまでのスズキの軽自動車とは一風違うテイストのデザインを採用したスズキセルボの3台。注目度赤丸急上昇中のスタイリッシュ軽のガチンコ対決、お楽しみに!

三車三様の個性をもつエクステリアは注目の的

セルボ:それぞれ個性をいかんなく発揮している御三家で、サイドビューそれが一番現われている。i、ソニカのデザインは評論家、一般ユーザーから評価が高いが、スズキの軽自動車=安っぽいデザイン、というイメージを払拭したセルボの健闘も光る(154ページのデザイン水かけ論ではセルボを特集!)

セルボ:それぞれ個性をいかんなく発揮している御三家で、サイドビューそれが一番現われている。i、ソニカのデザインは評論家、一般ユーザーから評価が高いが、スズキの軽自動車=安っぽいデザイン、というイメージを払拭したセルボの健闘も光る(154ページのデザイン水かけ論ではセルボを特集!)

個性派! という言葉がピッタリの3台。さすがはスタイリッシュ軽の御三家といわれるだけある。フロントマスク、リアビューとも軽規格の制約があるなかオリジナリティを演出することに成功。このあたりは似たようなデザインが多いセダン系モデルも見習ってもらいたいものだ。特にエクステリアで注目したいのはサイドビュー。完全なワンモーションフォルムのiに対し、セルボ&ソニカはノーズがついたタイプとなっている。ノーズからリアまで流れるようなラインはリアミドシップレイアウトだからできた秀逸なデザインで、フロントエンジンのほか2台には真似できない。しかし、ドア形状など違いはあるが、シルエット比較するとiとセルボが似ているのは意外。そのセルボは、フロントフェンダーからリアコンビにかけてボディサイドをシャープなキャラクターラインが入れられている点が引き締まった印象を与え、独特な形状のリアウィンドウがボディサイドまで回り込んだ3次曲面を描いているのがよくわかる。一番シンプルなのがソニカだが、砲弾をイメージさせるプロポーションは一番スポーティと言える。フロントからリアにかけてせり上がるようなデザインを採用したサイドウィンドウはクーペ的で、スパッと切り落とした形状のリアエンドと合わせて躍動感を演出。特徴をひとことでまとめれば美しさのi、ボリューム感のセルボ、シンプルなソニカとなる。

スタイリッシュ軽の走り三本勝負勝つのはどれ? 鈴木直也

ソニカは低重心化を徹底し、走りに特化しているだけに、走りの総合力では3台中ナンバーワン

ソニカは低重心化を徹底し、走りに特化しているだけに、走りの総合力では3台中ナンバーワン

セルボの走りスタイリングは非常に個性的で、「SX4に続いてこのまんまフィアットにOEM供給してあげればいいのに」と思うくらい存在感のあるデザインが印象的なセルボだが、中身の方は基本的にMRワゴンと共通。そういう意味では、乗って「へぇーッ!」と驚くような部分はまったくなく、ごく普通のスズキのファミリーカーの典型、というのが正直な感想だ。今回試乗できたのはスズキがセルボでイチオシのターボモデルのみで、60psのマイルドターボと4ATの組み合わせだが、これがもう徹底的に普通で、市街地から高速までほぼ不満のないドライバビリティを提供してくれるのだが、これといって特別な印象がまったく残らないキャラの薄いタイプ。しかし、いいほうに考えると、気張らず飽きがこないキャラクターだ。また、シャシーもひと世代前のプラットフォームに比べると操舵感や接地性にしっかり感が出てきてとはいえ、最近の軽ニューモデルのなかではアベレージに届くか届かないか。ご近所のおつかいプラスアルファには充分以上だが、普通車ユーザーに「これ一台で充分!」と思わせるようなサプライズはない。デザインが気に入ったらどうぞ、というタイプですね。ソニカの走り技術でライバルを引き離そうという野心に燃えたダイハツの意欲作がソニカで、今主流の背の高いミニバンタイプではなく、走りに特化するためにあえて低い全高を選んでいる。エンジンはエッセでデビューした新開発KF型のターボバージョンで、これまた新開発のCVTを組み合わせるのだが、これが期待に違わぬすばらしいデキ。KF型はNAで乗っても優れたトルク特性に感銘を受けたエンジンだが、ターボ版は中低速での豊かなトルク感がいっそう充実。新型CVTもその優れたドライバビリティをさらに引き立てている。シャシーの味つけは、やや固めの乗り心地ながらどっしりと安定したスタビリティ指向。高速クルージングを得意とするエンジンとこの足の組み合わせによって、軽としては珍しく「どこか遠出しちゃおうかなぁ」と思わせるロングツアラー的キャラクターを醸し出している。初期モデルではCVTのリダクションギアからのノイズが少少気になったが、同じものを使った後発のムーブではほぼ気にならないレベルまで改善されていたから、現在販売しているモデルではすでに解決ずみと考えてもOK。走りでは軽自動車でベストの一台だと思う。iの走りリアミドシップというユニークなパッケージングを採用したことこそが、誰にも真似のできないiならではの魅力の源泉だ。それが端的に現われているのがかわいくスタイリッシュなその外観デザインだが、走りの面でもライバルとはまったく違う独特の走りが印象的。スマート・フォートゥーほどではないけれど、とにかく「見ても乗ってもユニーク」なことがiのすばらしいところなのだ。独特のハンドリングを決定づけているのは、やはりリアミドならではの前輪荷重の軽さだ。リアミドシップというとシャープでシビアなハンドリングを想像するが、スタビリティ確保のためかなり強めのアンダーセッティングにはなっている。しかし、パッと切ったときの素直なノーズの入り方は、やっぱり普通のFFとは歴然と違う軽さ。これが街中の四つ角を曲がる際など、じつにストレスがなくて気持ちイイ。ミドシップというとワインディングをばりばりスポーティに走るクルマと早合点しがちだけれど、iは山道よりむしろ街中をスイスイ走るのに特化したミドシップと捉えたほうが正解。斬新なデザインだけではなく、走りの面でも完成度の高い軽ファミリーカーなのだ。

質感対決 鈴木直也

i:それぞれ個性をいかんなく発揮している御三家で、サイドビューそれが一番現われている。i、ソニカのデザインは評論家、一般ユーザーから評価が高いが、スズキの軽自動車=安っぽいデザイン、というイメージを払拭したセルボの健闘も光る(154ページのデザイン水かけ論ではセルボを特集!)

i:それぞれ個性をいかんなく発揮している御三家で、サイドビューそれが一番現われている。i、ソニカのデザインは評論家、一般ユーザーから評価が高いが、スズキの軽自動車=安っぽいデザイン、というイメージを払拭したセルボの健闘も光る(154ページのデザイン水かけ論ではセルボを特集!)

最近の軽自動車、特に今回集めたようなスタイリッシュ軽で劇的によくなったのは、その外観を印象づけるスタイリング面での質感向上だ。薄っぺらさは微塵もないといっていい。例えば、セルボの彫刻的で彫りの深いサイドキャラクターラインとか、対照的なソニカのシンプルだけど張りのあるボディサイドの面表現、そしてまたiの複雑なAピラーまわりの構造など、そもそもの基本ボディにかなり質の高いデザインと生産技術が表現されている。この手の最新スタイリッシュ軽を2世代くらい前のワゴンRやムーヴの隣りに並べると、クォリティ感の向上は歴然。「最近の軽はよくなったなー!」と驚くこと請け合いだ。ただ、内装のほうは残念ながらそこまで劇的に向上した実感はない。内装の質感アップは正直にコストに跳ね返る。ここで抜きん出たクォリティや質感を表現するのは、外観以上に難しいテーマなのだ。今回の3台を比較すると、内外装とも新しさと質感をバランスよく表現しているのがi、外観のインパクトはかなり強いが内装の質感がちょっと淋しいのがセルボ、ややながら内外装とも大人っぽくまとめているのがソニカというところかな。

価格対決 渡辺陽一郎

ソニカ:インテリアの質感は今後さらなる向上に期待したいが、素材、デザインともオリジナリティを主張。ひと昔前とは大違い。新しさ、バランスのよさを感じさせるのはi

ソニカ:インテリアの質感は今後さらなる向上に期待したいが、素材、デザインともオリジナリティを主張。ひと昔前とは大違い。新しさ、バランスのよさを感じさせるのはi

まずは価格を比べよう。価格帯も加味してグレードを選ぶと、セルボが125万円弱のTX、iが138.6万円のM、ソニカが134.4万円のRSになる。装備と価格のバランスを見れば、セルボが最も買い得。価格がほかの2車に対して約10万円安く抑えられ、エアロパーツやCD&MDオーディオも標準装着される。アルミホイールはソニカ、キーレススタートはiも装着するが、セルボならフルカバーした上でさらに安い。しかし、人気アイテムのHDDナビを付けると話が変わってくる。iが16.8万円でメーカーオプション品を用意するからだ。ソニカはG-BOOK対応だが、28万円弱と高めの設定。セルボではディーラーオプションから選ぶことになり、これもHDD方式では20万円を上まわる。機能の違いを差し引いてもiが8万円前後は買い得だから、セルボとの損得勘定も急接近するわけだ。さらに買い得感を検証するにあたり、リセールバリューも考慮したい。将来の価値だから確定的ではないが、今の人気から予測するとセルボが新車価格の約50%、ソニカが50%少々、iは個性の強いクルマだけに60%程度に達しそう。現段階でiはソニカに対して10万円、セルボには約20万円の差を付ける。従ってスッピンの状態で買って長く乗るならセルボだが、カーナビを装着し、さらに短期間の代替えを考えているならiの優位性が際立つ。

各種サイズ対決 編集部

全長3395mm、全幅1475mmは3車共通で、違うのは全高とホイールベース。セルボがそれぞれ1535mm、2360mm、ソニカが1475mm、2440mm、iが1600mm、2550mmという差が存在。それぞれ一長一短あるが、単純に広さという点では全高とホイールべースの余裕を利してiが一番。しかし、ソニカはシートが立派で座った時の快適性は一番だし、全高の差ほど高さ面での遜色がないし、ラゲッジについてはセルボの使い勝手のよさが光るということで実力は僅差となっている。総合判定スタイリッシュ御三家の対決は、非常に僅差の争いとなった。特にiとソニカはわずか1点差! 低重心を追求し走りに特化したソニカ、突出した性能よりもネガ潰しを重視したセルボに対し、デザイン、使い勝手、走りをすべて高いレベルでまとめているiの総合力の高さが光った結果となった。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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