新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.06.23 / 掲載日:2017.11.30

クラウン VS カムリ!ライバル車と比較する夢の大対決、勝負の行方は?

 想定するライバルは2台。最近は減ってきたが、クラウンはやはり歴代モデルを乗り継いできたユーザーが圧倒的に多いので一台は「現行クラウン」だろう。歴代クラウンは基本的にはオーナードライバー向けモデルだが、その一方で法人需要も担ってきたモデルである。そのため、これまで様々な若返りを行なってきたものの限界があったのも事実だ。
 そこで新型はボディサイズ、取り回し性、乗降性の良さなど、クラウンの良さを残しながらも、パーソナルユースを強く意識するようだ。それのあらわれが6ライトのクーペルックを採用した「デザイン」であり、ジャーマン3をベンチマークとしニュルブルクリンクで鍛えた「走り」、そして全車標準装備された車載通信機による「つながる機能」などだ。
 このようにクラウンの殻を破った新型だが、忘れてはいけないのは「日本人のためのクルマ」と言うコンセプトは一切変わっていないことである。クルマ好きは「クラウンは保守派の代表」と言う人もいるが、歴代モデルを振り返ると様々なチャレンジを行なっている。そんなチャレンジにユーザーは何だかんだ言って順応していることを考えると、新型も素直に受け入れられるのはもちろん、これまでクラウンをリストに入れていなかった人も注目する一台になるのかもしれない。
 もう一台のライバルは同じトヨタの「カムリ」だ。FFとFR、北米メインと日本専用モデルというようにキャラクターは大きく異なるが、「セダンの復権」をかけて変革が行なわれたモデルという部分では、多くの共通点がある。
 エクステリアは保守的なセダンから低重心でワイド&ローのスタイルのスポーツセダンに変貌。走りはパワートレーンもシャシーも刷新された「フルTNGA」を採用している。おそらく新型クラウンにはカムリに搭載されるハイブリッドシステムの縦置き版が搭載されるはずだが、その他にV6エンジンが設定されるのがカムリとの大きな違いだろう。
 もちろん、クラウンよりボディサイズが大きくパッケージに有利なFFなので居住性はカムリに軍配が上がるが、逆にクラウンは歴代モデル以上にFRであるメリットをアピールしてくるはずだ。そういう意味では、これまでは「とりあえずクラウン」、「とりあえずカムリ」と漠然と選ばれていたが、新型はどちらも積極的に選びたくなる一台になることは間違いないだろう。

  • クラウンコンセプト

    その全貌はまだ明らかにされていないが、お披露目された現車と関係者の話を聞く限り、次のクラウンは現行型以上に、走りを売りとするモデルに進化しそうだ。さらに通信による情報共有を狙うコネクト関連も気になる。登場まで大きな注目を集めるのは必至だ。

  • 現行クラウン

    ここ数代、走りを意識したキャラを強めているクラウンだが、現行型は硬めのサスチューンを施すアスリート系が人気の中心になっている。特にマイナーチェンジで設定された2L直4の直噴ターボは最近のトヨタスポーツ系モデルに採用が進む最新ユニット。欧州車に迫る走りが持ち味だ。

  • カムリ

    先代カムリは、世界はともかく日本での人気はイマイチだったが、2017年7月に日本に導入された現行型は、TNGA技術を核とした最新テクノロジーが注がれたこともあり、日本での販売を大きく伸ばしている。特にFFレイアウトの強みを活かした広大なキャビンは、居住性を重視するユーザーから高い評価を得ている。

関連記事:【新型クラウン 最新情報】フルモデルチェンジした次期クラウン・気になるスペックは?

伝統のクラウンにふさわしい充実装備&内装を持つクラウンコンセプト

  • メーターパネルはカムリとほぼ同様だった。

  • シフトレバー周辺にEVモードの切替スイッチを確認。次期クラウンはハイブリッドの販売比率がさらに高まるかも。

  • FRレイアウトを採用しながらも、足もとにも十分なゆとりを持つ。走りを強く意識しながら居住性もしっかり確保されるのはお見事。

  • 詳細はまだ不明だが、フロントガラス上にはセンサー&カメラユニットが配される。新型にもトヨタセーフティセンスP相当の上級システムが組み込まれるはずだ。

高級車らしい車格感は 現行クラウンでも十分感じられる

  • センターコンソール内にモニターを内臓するオーソドックスなレイアウト。安っぽさは皆無で、上質なキャビン空間はさすがクラウンと唸らされる。

  • リヤフロアの中央を通るセンタートンネルはFR車の泣き所。膝前のゆとりは十分だが、その存在が少し気になってしまう。

  • マイナーチェンジで追加された2L直4ターボは235PS/35.7kg・mと十分な出力を発揮する。アクセル操作に遅れることなく反応するリニアな特性も魅力。

キャビンのゆとりは 明らかにカムリの方が上

  • センタークラスターパネルは、フラッシュサーフェス(段差や見切りが限りなく少なく、ツライチに近い仕様)デザインを採用。運転席からの見晴らしの良さもカムリの美点のひとつだ。

  • FFレイアウトの強みはスペースのゆとりに現れる。クラウン系もゆとりある後席を持つが、カムリの広さと寛ぎ空間に比べると、差があることを実感してしまう。

  • パワートレーンはハイブリッド車のみ。TNGAの「ダイナミックフォースエンジン2.5」と「THS 2の組み合わせで178PS+88kWの高パワーと33.4km/Lという高燃費を両立する。

次期クラウンの走りはどうなる?

 プラットフォームは11代目(ゼロクラウン)以来となる全面刷新。秋山CEは「走りはジャーマン3をベンチマークに開発」、「ニュルのレースに出たいと思うくらい」と語るように、日本専用モデルながら高いレベルを目指している。TNGAに則って開発されたプリウスやC-HR、カムリの進化度から考えると、その言葉にウソ偽りはなく、クラウンらしいフラットな快適性と安心感の高い走りが高いレベルで両立しているはずだ。そういう意味では、欧州勢とガチンコ勝負できる初のクラウンと言えるのかもしれない。

最速予想 次期クラウンの登場で アッパーミドルセダンの 勢力図はどう変わる?

日本でもセダン人気が復活するかも? それだけのポテンシャルを秘めている

TNGAの技術が注がれることからも、大きな進化を遂げるのは確実。特にニュルブルクリンクで鍛え抜かれた足回りは、この先のクラウンの進む道を大きく左右するはずなので注目したい。

 日本のセダン市場は縮小傾向ながらも一定の需要は存在している。ただし、その多くは世界的なトレンドに合わせてボディサイズが拡大しており、日本の道では持て余しているのも事実である。
 そんな現状に対し、新型クラウンは全てが刷新され、見た目も走りも大きく変わったが、サイズアップしなかったのは逆に“強み”になるかもしれない。そういう意味では、新型にはガチンコのライバルは存在しないので、独自のポジションを築いてほしいと思う。
 風の噂では次期マークXはカムリベースでFFになると言われているが、個人的には新型クラウンのコンポーネントを用いて開発すれば、面白いスポーツセダンになりそうな気がするのだが……。

提供元:月刊自家用車

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