中古車購入
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2017.11.20

ONE MAKE MARKET RESEARCH TOYOTA 86 SUBARU BRZ

TOYOTA 86 SUBARU BRZ

スバルトヨタがタッグを組んで作り上げた小型スポーツカーが「86」と「BRZ」。こだわりのFRレイアウトは走りを楽しむためのパッケージングだ。

icon トヨタ 86

  • トヨタ 86

    ※写真はトヨタ 86 GTリミテッド(2014年)

主要諸元 2014年式 トヨタ 86 GTリミテッド(6速MT)

全長×全幅×全高 4240×1775×1300mm
ホイールベース 2570mm
トレッド前/後 1520/1540mm
車両重量 1230kg
総排気量 1998cc
エンジン 水平対向4気筒DOHC
最高出力 200ps/7000rpm
最大トルク 20.9kgm/6400~6600rpm
JC08モード燃費 12.4km/L
サスペンション前/後 ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 215/45R17

中古車参考価格帯 140万円~290万円(12年~17年 ※GRMNを除く)

icon スバル BRZ

  • スバル BRZ

    ※写真はスバル BRZ S(2013年)

主要諸元 2013年式 スバル BRZ S(6速MT)

全長×全幅×全高 4240×1775×1300mm
ホイールベース 2570mm
トレッド前/後 1520/1540mm
車両重量 1230kg
総排気量 1998cc
エンジン 水平対向4気筒DOHC
最高出力 200ps/7000rpm
最大トルク 20.9kgm/6400~6600rpm
JC08モード燃費 12.4km/L
サスペンション前/後 ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 215/45R17

中古車参考価格帯 120万円~270万円(12年~17年 ※tSを除く)

あえてのFRレイアウトでスポーツカー文化を継承

ミニバン軽自動車など実用的なクルマの人気が高まっていくなか、かつては日本でも人気のジャンルだった2ドアクーペは絶滅寸前と言っていい状況だ。しかし「それではいけない」といって立ち上がったのがトヨタ。スバルと共同で専用のエンジンやプラットフォームを開発し、スポーツカーとして新たに発売したのだ。それがトヨタ「86」とスバル「BRZ」である。
ポイントは「FR」、つまり車体の前方にエンジンを置き後輪を駆動する方式を採用していること。世の中の一般的な小型車はエンジンを車体の前方に置き前輪を駆動する。そのほうが機械を置くスペースが小さく済み、室内を広くできるからだ。しかし86とBRZは後輪を駆動。なぜならスポーティドライビングにはそのほうが都合がいいからである。
走りを楽しむのにあたっては、前輪を駆動しないほうがハンドルの操作感が自然だし、後輪で路面へパワーを伝えるのは動物が後ろ足で大地を蹴るかのように生き物の感覚に逆らわない心地よい動き。さらに運転スキルがあれば、後輪を滑らせてのドリフト走行だってできる。それが後輪駆動のアドバンテージなのだ。
そんな後輪駆動のスポーツカーを専用のメカニズムで作り上げたこと。それが86とBRZの最大の特徴であり、最大の魅力である。

今さら聞けない86とBRZ 両車の違いってある?

まず外観の前後デザイン。室内では表皮やシフトレバーの仕上げなども異なる。しかし違いは見た目だけに留まらず、サスペンションセッティングやパワーステアリングの制御など走りに直結する部分でも差異がある。トヨタとスバルの味付けになっているのだ。

今さら聞けない86とBRZ 両車の違いってある?

MODEL HISTORY モデルヒストリー

(1)2012年2月 トヨタ 86/スバル BRZを発表

  • トヨタ 86/スバル BRZを発表

    久々にトヨタがラインアップするスポーツカーとして、またスバルがはじめて販売するFRスポーツカーとしてデビュー。パワートレインは両者共通だが、バネやダンパーの設定の違いで乗り味は異なる。

  • トヨタ 86/スバル BRZを発表

(2)2013年8月 スバル BRZが一部改良

  • スバル BRZが一部改良

    最上級グレード「S」に従来はオプションだったフルフロアアンダーカバーを標準装備化するなど装備内容を変更。メカニズムやデザインの変更はない。

  • スバル BRZが一部改良

(3)2014年4月 トヨタ 86/スバル BRZが一部改良

  • トヨタ 86/スバル BRZが一部改良

    サスペンションの特性を変更し操縦性を向上。内装ではインパネの装飾が変更され、外観はアンテナがポール式からシャークフィンとなっている。

  • トヨタ 86/スバル BRZが一部改良

(4)2015年2月 トヨタ 86/スバル BRZが一部改良

  • トヨタ 86/スバル BRZが一部改良

    ボディ剛性を向上(リヤウインドウ下のパネルの板厚をアップ)し、あわせてサスペンションやパワーステアリング設定を変更。装備も見直した。

  • トヨタ 86/スバル BRZが一部改良

(5)2016年2月 トヨタ 86に「エアロパッケージ」を設定

  • トヨタ 86に「エアロパッケージ」を設定

    専用の前後バンパーや大型リヤスポイラーを標準装備した特別仕様車を設定。上級仕様の「FT」にはSAHCS製ショックアブソーバーを採用し、走行機能も向上している。

  • トヨタ 86に「エアロパッケージ」を設定

(6)2016年7月 トヨタ 86/スバル BRZがマイナーチェンジ

  • トヨタ 86/スバル BRZがマイナーチェンジ

    大規模マイナーチェンジを実施し「KOUKI(後期)」と呼ばれるモデルへ進化。デビュー以来はじめてライト類やバンパーのデザインが変更された。ボディ剛性が向上し、MT車ではエンジンが出力アップ。

  • トヨタ 86/スバル BRZがマイナーチェンジ

(7)2016年10月 スバルBRZに「GT」を設定

(8)2016年11月 トヨタ 86に「ハイパフォーマンスパッケージ」を設定

  • トヨタ 86に「ハイパフォーマンスパッケージ」を設定

    2016年7月のマイナーチェンジ時に予告されていた高性能仕様を発売。SACHS(ザックス)製のショックアブソーバーやブレンボ製のブレーキ、専用のアルミホイールなどを組みあわせている。

  • トヨタ 86に「ハイパフォーマンスパッケージ」を設定

(9)2017年9月 トヨタ 86/スバル BRZが一部改良

  • トヨタ 86/スバル BRZが一部改良

    ステアリングの支持剛性強化やパワステ制御の煮詰めで操縦性のダイレクト感を向上。レバーに軽く触れると3回点滅するウインカーも採用。

  • トヨタ 86/スバル BRZが一部改良

MARKET DATA マーケットデータ

100万円台前半の予算からねらえるスポーツカー

全体的な相場は、率直に言うとまだまだ高値をキープする。しかし、中古車価格帯の下限が下がっており、100万円台前半の物件がちらほら出てくるようになった。150万円あれば、それなりに選択肢が増えるだろう。86のほうがやや相場が高めで、物件数も多い。

  • 年式

    年式
    デビュー年の2012年式が多いのは、発売時の注目度の高さを物語る。その後、年式が新しくなるにつれて物件の割合が少なくなる。とくに2016年以降の後期型は探しにくい。

  • 走行距離

    走行距離
    登場から5年を迎えたが、走行距離はそれほど伸びた車両は少なく、3万km未満が半数以上を占める。改造車は散見されるが、全体的に見ると状態のよい個体が多い。

  • グレード

  • グレード
    86の中堅グレード「GT」がもっとも豊富で、装備が充実する「GTリミテッド」がそれに続く。一方BRZは86と比べると数が少なく、上級グレード「S」が多め。限定車などは少ない。

グレード×年式別相場(トヨタ 86)

2012年2013年2014年2015年2016年2017年
G161万円173万円165万円187万円191万円229万円
GT186万円198万円212万円219万円232万円254万円
GTリミテッド195万円203万円212万円229万円267万円295万円

走行距離×年式別相場(トヨタ 86)

2012年2013年2014年2015年2016年2017年
3万km未満203万円202万円216万円252万円290万円260万円
3万km~5万km185万円194万円196万円215万円210万円
5万km以上165万円168万円172万円159万円

グレード×年式別相場(スバル BRZ)

2012年2013年2014年2015年2016年2017年
S187万円196万円209万円221万円243万円291万円
R166万円168万円188万円184万円215万円231万円

走行距離×年式別相場(スバル BRZ)

2012年2013年2014年2015年2016年2017年
3万km未満189万円212万円222万円236万円256万円280万円
3万km~5万km187万円195万円193万円214万円206万円
5万km以上165万円168万円188万円178万円

※すべての価格は参考価格です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2017年10月調べ。

INTERIOR インテリア

あくまで運転感覚優先 低く座って挙動を体感

  • INTERIOR インテリア

  • スポーツカーを操る感覚を重視した室内は、ドライバーを包み込むようなデザインと低く構える運転ポジションが特徴的。着座位置は徹底的に低く設計され、曲がる際に車両との一体感が味わえるように作られている。いっぽう後席は「なんとか人が座れる」レベルに留まる。

INTERIOR インテリア

峠道など体が左右に揺さぶられるときでも身体をしっかりと保持するバケットタイプのシートを全車に採用。後席は2人掛け。足元や頭上のスペースは狭い。

MECHANISM メカニズム

走りにこだわった設計が貫かれている

  • MECHANISM

  • ハンドリングを楽しむためのFRレイアウトが最大のポイントだが、低い位置に搭載したエンジンや毎年のように改良を受けて洗練されていくサスペンションなどこだわりが貫かれている。エンジンは直噴を採用した自然吸気の水平対向。後期型になりMT車用は7馬力の出力、0.7kgmのトルクアップを果たした。

MECHANISM

エンジンやシャシーは新開発。昨今のクルマ作りはコストを抑えるために車種を超えて共用するのが常識だが、専用開発して走りにこだわる。

  • MECHANISM

後期型86/BRZってどのくらい進化してるの?

  • 後期型86/BRZってどのくらい進化してるの?

  • ボディ剛性向上やサスペンションの煮詰めなど走行性能は着実にレベルアップしている。ただし“違い”は腕に覚えのあるドライバーが高い領域でわかるハイレベルな次元であり、FRスポーツカーの楽しさはデビュー初期モデルでも十分に味わえる。

icon GRMN

理想を追求したスペシャルモデル

  • GRMN

  • 648万円の価格でわずか100台だけが販売された86 GRMN。86の理想を追求したメーカー製のスペシャルモデルで、補強を施した車体に、手作業で内外装を組み込む製造方法も異例だ。エンジンは競技車両のようにバランス取りした部品を使い職人による手組み。

GRMN

インテリアは赤を挿し色にしてスポーティ感を強調。メカニズムを手作業で組み立てているのは製造によるバラツキをなくし、設計通り完璧な性能を引き出すためだ。

中古車平均価格 590万円~700万円(15年~16年)

編集部イチオシ!買いのグレードはどれ?

トヨタ 86を選ぶなら・・・

  • ⇒86 GT

    トヨタ 86 GT

    86をねらうなら、中堅グレードの「GT」がオススメだ。価格が手ごろなことに加え、物件数が圧倒的に多いのがメリット。このグレードなら17インチアルミホイール、トルセンLSDと走りに関する重要な要素が揃っている。

  • トヨタ 86 GT

スバル BRZを選ぶなら・・・

  • ⇒BRZ S

    スバル BRZ S

    BRZは「Rカスタマイズドパッケージ」というチューニングベース車を除けば、「S」と「R」の差はあまり大きくない。上級の「S」は8スピーカーやフルオートエアコンなどの快適装備が充実。物件数が多いので、「S」が探しやすいだろう。

  • スバル BRZ S

自動車ジャーナリスト工藤貴宏の トヨタ 86/スバル BRZ の GOOD と BAD

  • 工藤貴宏

GOOD

スポーツカーという価値 存在だけで小躍りしたくなる

この時代にリーズナブルな価格でFRスポーツカーを提供してくれたこと。クルマ好きとしては、そんな86やBRZの誕生と存在だけで手放しで喜びたくなる。トヨタスバルのコラボで作り上げた走りも爽快だし、毎年のように車体やサスペンションの改良を重ねて進化させることで「時代遅れにしない」姿勢も好感が持てる。

BAD

ターボエンジンを積んでよりパワーがあれば魅力倍増

あえてスポーツカーを作るという決断、クルマ作りへの情熱、そしてハンドリングやしっかりと改良を重ねる姿勢などトヨタとスバルの取り組みは称賛に値する。強いて満足できない部分をいえば、ピュアさにこだわるあまり高出力のターボエンジンを用意していないこと。ドリフトを楽しむようなドライバーにとってはパワー不足だ。

ユーザー口コミレビュー

思った以上にコーナリングがよく、燃費もいい。エコの時代に逆行したクルマに乗っているという優越感にも浸れる。クルマを走らせることを存分に楽しめるクルマ。ただ価格は少し高い。
総合評価:4.4/5.0
ドライバー歴:13年
グレード:BRZ プレミアムスポーツパッケージ

2500回転あたりで走るにはそこらの車と大差がない。4000回転あたりまではおとなしく素直、しかし5000回転あたりで一気にパワーバンドに入る。純正タイヤではグリップ力に欠ける。
総合評価:4.3/5.0
ドライバー歴:3年
グレード:86 GT

クルマを操作してること自体が楽しい。ハンドリングや足まわりの動き、荷重のかけ方、タイヤの接地感を感じながら走るともっと楽しい。アクセルペダル位置が高く、ヒール&トゥがしにくい。
総合評価:4.1/5.0
ドライバー歴:25年
グレード:86 GTリミテッド

※口コミレビューは、グーネットに投稿されたものを一部抜粋・改変して記載しています。総合評価は5点満点。


※すべての価格は参考価格です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2017年10月調べ。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ