【車のローン一括返済は本当にお得?】ローンを一括返済に変更するか見極める方法と必要な手続き
- 2018.9.12
- 【車売却ガイド】車買取・査定の為のお役立ち情報
一括返済はお得、返済額が必ず減ると思われがちですが、ローンの種類によっては、金銭的メリットが少なくなってしまったり、手間などの時間コストが想像以上にかかってしまったりするケースも少なくありません。
そういった事態を防ぐためには、事前に自動車ローンの一括返済に関する知識を蓄え、実際の手続きを検討してみましょう。きっと想定外のロスや想定外のデメリット発生を避けられるはずです。
ここでは、自動車ローンにまつわる2種類の金利「実質年利(実質年率)とアドオン率」の違い、自動車ローンを一括返済するメリット・デメリット、そして一括ローン返済後に取るべき手続きの流れについて、詳しくお伝えしていきます。
上記観点から現在のローンの状態を振り返ることで、より理想に近い返済計画を立てることが可能です。正しい知識を得た上で、一括返済したり、他のローンに借り換えたりすることで、返済額の軽減につなげることができます。
目次
【車のローンの一括返済】ローンの金利のタイプはどちら?アドオン率と実質年利について
信販系自動車ローンのアドオン率とは何か?
アドオン方式(アドオン率)といった言葉をご存じでしょうか?これは、信販系の自動車ローンで主に用いられる利息の計算方式です。
金利(利息)の計算は、「アドオン方式」「実質年利方式」の2種類があり、通常は「実質年利方式」に基づいて計算されるのですが、とても計算が複雑になります。一方の「アドオン方式」では、返済の回数によってアドオン率が定められており、それをローンの元本にかけることにより、次のように算出されます。
・ローンの元本(借り入れた金額)×アドオン率=金利(利息)総額
・ローンの元本(借り入れた金額)+金利(利息)総額=ローンの総返済額
・ローンの総返済額÷返済回数=月々の支払い額
計算が簡単で、ローンを完済するまで月々の支払い額は変動することがないため、支払い計画を立てやすいといったメリットがあります。先に利息分を組み込み、総返済額を算出するため、月々の支払いによって元金が減っても、月々支払う利息は変わらないというのが大きな特徴です。
アドオン方式は、繰り上げ返済を想定した仕組みではないため、実施する場合は一部ではなく、一括返済となります。また、一括返済をする場合、残金の計算方法はとても複雑で、利息軽減につながらない可能性もあります。繰り上げ返済の手数料がかかる場合もあり、注意が必要です。
なお、アドオン率を実質金利と誤って認知しないよう、利用者に向けて表示する際は、アドオン率だけではなく、アドオン率を実質金利に置き換えた表示をするように定められています。一括返済する際は、自分の組んだローンがどれに該当するのかをローン会社に確認してみましょう。
実質年利とは?銀行系・ディーラーローンは利息計算に実質年利を利用
次に、「実質年利方式」による利息計算について見ておきましょう。これは、銀行系やディーラーローンなどでよく使われる計算方法です。返済するごとにローンの元本(借り入れた金額)が減る特徴があります。
例えば300万借り入れしたとしても、毎月支払いを続けることで、元本は減り続けます。この元本に対して金利(利息)が加算されるため、支払いの初期は利息額が多く、支払いが進めば進むほど利息額は減る仕組みとなります。
一括返済をする場合、「償還表」が手元にあれば、大まかな残額を自分で計算することもできます。ただし、早期返済をする場合、手数料がかかることもあり、その手数料が高くて損をするケースもあるため、注意が必要です。
普通車の「自動車税」は、「総排気量」によって金額が変わります。
車のローンを一括返済するメリットとデメリットは?違いが出るポイントは金利
それでは、次に一括返済を考えている方向けにメリット・デメリットをご説明します。現在のご自分の支払い方法がどちらに当てはまるのか、照らし合わせながら見ていきましょう。
一括返済のメリットは?実質年利なら利息が減って支払い総額が少なくなる
<ローンを一括返済するメリット>
・「実質年利方式」のローンを利用している場合、まとめて返済することで支払い総額が安くなる・車の売却を考えている場合、一括返済しておくことで、売却手続きがスムーズになる
・早く支払いを終えることで、精神的な負担がなくなる
実質年利方式の場合、利息はその月の残高に金利をかけて算出されます。毎月返済するたびに、ローンの元本(借り入れた金額)は減り、早く返済すればするほど、当初の予定よりも支払い総額を抑えることができます。そのためローンの一括返済において、「実質年利方式かどうか」は重要なポイントとなります。
一括返済のデメリットは?ローン解除のための手数料とアドオン方式に注意
<ローンを一括返済するデメリット>
・一括返済をすることで、家計を圧迫する・一括返済するために、カード会社所定の手数料がかかる(高額である可能性も)
・アドオン方式を利用したローンでは、残金の計算方法が複雑で、場合によっては利息軽減につながらないこともある
家計に余裕がない状態での一括返済が危険なことは言うまでもありませんが、ローン解除に必要な会社所定の手数料も、想像以上に高額である可能性があります。金利分以上に手数料がかかってしまえば、何のための一括返済か分かりません。
また、アドオン方式の場合、利息軽減につながらないこともあるため、事前調査が不可欠です。一括返済が可能な経済状況だとしても、まずは自分が利用しているローンについて調べましょう。
「一括返済した場合の手数料はいくらか」「総支払い金額はどうなるか」などを詳しく調べた上で、損をしない返済方法を考えることをおすすめします。
一括返済ができる?ローン会社へ確認・相談しよう
<確認方法>
ローン会社、銀行に相談する方法は「電話」「問い合わせフォーム」「窓口」といった中から、使い勝手がよい方法を選びましょう。電話の場合、ローン契約者本人からの問い合わせ以外は受け付けていないことがあります。また、ローン会社や銀行のWEBサイトに、一括返済、繰り上げ返済が可能かどうか記載されていることがあります。併せて確認しておくとよいでしょう。一括返済依頼書などの書類がダウンロードできることもあります。
<確認事項>
問い合わせを行った際には、・一括返済が可能かどうか
・一括返済をする場合の手数料はいくらか
・一括返済の申し込み方法には、何があるのか(インターネット、窓口、郵送など)
・一括返済をした場合と、しない場合の最終的な支払い総額はどう違うのか
・一括返済の支払い日はいつか
・一括返済の支払い方法には何があるのか(クレジットカード、引き落とし、振込など)
といった内容を確認しておくと、その後の検討・申し込みがスムーズです。
利用しているローン会社、銀行によってルールは異なります。必ず確認し、本当に一括返済をすることによるメリットがあるのかどうかを検討するようにしましょう。
車のローン一括返済後に必要な手続きは?所有権移転手続きはすぐにしよう
車の所有権は車検証でチェック!完済後は所有権を自分に移そう
いくらローンを完済したとしても、所有者が自動的に切り替わるわけではありません。完済後、自分で手続きを行う必要があります。
<所有権を変更する手順>
・車検証を確認する所有者の部分に書かれている名前を確認しましょう。メーカーやディーラー、中古車販売店と記載されているはずです。
・所有者に、所有権解除の許可を取る
ローン会社などが所有者の場合、窓口に連絡することで所有権解除や名義変更の手続きに必要な書類が送られてきます。
・自分で手続きをする場合、普通車は管轄の陸運局、軽自動車は軽自動車検査協会へ
持参するもの
・所有者の譲渡証明書(実印の押印ありのもの)
・所有者の委任状(実印の押印ありのもの)
・所有者の印鑑証明書
・車検証
・自動車税(軽自動車税)納税証明書
・使用者の印鑑証明書(発行後3カ月以内)
・ローン完済証明書(ローン会社に連絡し発行を依頼)
・登録検査印紙代(500円)
<所有権変更は、代行も可能>
自分で手続きを行うのは大変だと感じる場合は、所有者に所有権解除の代行を依頼することも可能です。その場合、所有者に連絡を取り、上記に記載した書類を郵送しましょう。また、これらは大変重要な書類のため、万が一の郵便事故に備え、必ず簡易書留で送ることをおすすめします。
また、会社によっては車検証の原本の郵送を求めるケースがあります。原本を送った場合、新しい車検証が届くまでの間に公道を走ってしまうと「車検証不携帯」となるため、車に乗れないことを踏まえ、対応が必要です。
コピーでも問題がないかを確認した上で原本を求められた場合は、1週間ほど車に乗れなくなる可能性があることを想定しておきましょう。
自分の車を自由にできない?車の所有権解除を行う意義
しかし、車の所有権解除を行うことによるメリットも、きちんと存在しています。
例えば、
・いつでも車を中古車販売店に売却することができる
・友人や知人に個人売買をすることができる
・新車購入時に、ディーラーへの下取りに出すことができる
といった売却時のメリットは、大きいといえます。車を売却する際には、売却相手を問わず、所有者が自分であることが求められるためです。
また、下記などの心理的な安心感が得られることも、大きなメリットといえるでしょう。
・所有者を自分に変更しておくことで、書類上も「自分の車」と認識できる
・車に対する愛着が湧いたり、親しみが増したりする
特に、新しい車を買うために、現在の車を下取などに出す際には、所有権が自分にあるかどうかで、手続きのスムーズさが大きく変わります。しかし、所有権解除の方法がよく分からないという方は、中古車買取業者に依頼する方法もあります。
また、もしもローンが残っている状態で車を売却したい場合は、下記の記事もご参照ください。
【車買取時にローンが残っている場合】売却額から残債を支払う方法やケーススタディ
ローンを完済させ、所有権を移動させている状況はベストですが、実際には、ローンが残っている状態や所有権解除がされていない状態であっても、信頼できる中古車買取業者を見つけることで、車の売却は可能です。
まとめ
・信販系の自動車ローンに多いアドオン方式では完済まで月々の支払い額は一定となる
・アドオン方式のローンを一括返済しても利息軽減につながらない場合もある
・実質年利方式は、銀行系やディーラーローンで使われることが多い
・実質年利方式とアドオン方式では、金利(利息)の計算方法が違う
・実質年利方式で借りている場合は、一括返済すると支払い総額が少なくなるメリットがある
・ただし、一括返済するためには手数料がかかる
・一括返済がお得だと思ったら、まずはローン会社に確認を取ること
・ローン返済中の車の所有権は自分ではないため、ローン完済後に所有権を移すこと
・車の所有権が自分にない場合は、売ることも譲ることもできない
・所有権解除を行えば、売却や譲渡の際の手続きが楽になる。ただし、分からなければ中古車販売店などに依頼するのも一つの手
・ローン完済前でも車を売却する方法があるため、中古車販売店などに相談を
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ローンが残っている車であったとしても、お得に高値で買い取ってもらえる可能性があります。
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