車を所有していると自賠責保険への加入が必須です。この自賠責保険は基本的に「月割り・月単位」での加入が可能で、車の売却や廃車の際も保険料が月割りで返金されます。

しかし、車種や手続きの内容によって取り扱いに若干の違いがあったり、車検とあわせて自動的に更新されたりするので、一般には意識されないことも多いです。

この記事では、「月割り」が可能という性質を踏まえた自賠責保険の利用方法を説明します。

自賠責保険には「月割り」で加入できる

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、基本的に1カ月単位の「月割り」で加入できます。しかし、実際にはまとまった期間で加入するケースがほとんどです。

以下では自賠責保険の内容や手続きのポイントを説明します。

自賠責保険とは何か

自賠責保険とは何か
自賠責保険の正式名称は「自動車損害賠償責任保険」です。これは自動車損害賠償保障法第5条に基づき、軽自動車やオートバイを含む全ての自動車の所有者が必ず加入しなければならない保険です。

自賠責保険に加入せずに公道で車を運転すると、同法に違反したことになり処罰の対象となります。違反点数6点に加えて免許停止、そして1年以下の懲役か500,000円以下の罰金を科せられます。また、加入はしていてもその証明書を携帯していないことが分かれば、さらに300,000円以下の罰金です。

自賠責保険は、被害者一人ごとに支払限度額が定められている点が特徴です。例えば、一度の事故で複数の被害者が発生したとしても、被害者一人一人に対する支払限度額は変わりません。

また、事故の加害者が保険の手続きをできない状態に陥っても、被害者側から損害賠償額を請求することができます。治療費といった当座の出費のために、賠償額の一部を「仮渡金」として受け取ることもできます。

自賠責保険の加入や更新期間について

自賠責保険の加入や更新期間について
自賠責保険の概要を踏まえ、次は実際に自賠責保険に加入する際のルールを説明します。

車検時の取り扱いや検査対象外軽自動車の具体的なケースについては、項目を改めて説明します。

「月割り」で加入できる

自賠責保険は、1カ月単位の「月割り」で加入できます。実際に1カ月のみで加入したり更新するケースは多くありませんが、必要に応じてごく短い期間だけ利用することが可能です。

公道を走行する車は自賠責保険への加入が必須なので、短い期間の運転でも加入しなければなりません。例えば、廃車のためや無車検・無保険の車を車検場や整備工場などに移動させるためといった、わずかな期間だけ加入するケースもあります。

一方、普通自動車なら新車購入時は37カ月(3年1カ月)で加入し、車検の際には25カ月(2年1ヶ月)などの期間で更新されます。この1カ月分だけ中途半端に多いのは、自賠責保険と車検のそれぞれの有効期間が切れるタイミングにズレがあるからで、ずれた期間に車を運転しても無保険状態にならないようにするための措置です。

検査対象外軽自動車の場合は60カ月まで保証期間を設定できます。反対に、最低でも12カ月からの加入しかできないので注意しましょう。

保険料の金額も決まっている

自賠責保険の保険料は、加入する期間ごとに金額が一律で決まっています。車種や排気量によっても異なりますが、任意保険ほど条件が細かくないので、手続き前に早見表などをインターネットで検索して金額を調べることが可能です。

ただし、この保険料の金額体系は改定されることがあり、改定のための審議は頻繁に行われています。そのため、古いデータで調べないよう、常に最新の料金体系をチェックするようにしましょう。

保険料が高くなったり安くなったりする要因は様々です。最近はコロナによる外出の機会の減少、車の安全性能の向上により交通事故の発生件数の減少などの影響で、自賠責保険料も任意保険も値下げの傾向があります。

先述したように自賠責保険は月割りで加入できますが、加入する期間が長ければ長いほどお得です。自分で選択できるのであれば、できるだけ長期間の加入を選ぶといいでしょう。

車検にあわせて更新する場合

普通自動車や軽自動車、バイクなどほとんどの車は定期的に車検を受ける義務があり、この時に自賠責保険の更新手続きが行われます。

車検の有効期間が3年なら37カ月、2年なら25カ月と、車検期間を完全にカバーできるよう1カ月分多く自賠責保険に加入することになります。

この時希望すれば、車検の時に自賠責保険の更新手続きをせず、後で自分で行うことも可能です。そうすれば、当面の車検代には自賠責保険料が含まれないので少し安くなります。

しかし、懇意にしている保険会社や代理店がある場合などでもなければ、自賠責保険の手続きだけを自分で行うメリットは特にないです。任意保険と違って自賠責保険は保険会社ごとに保険料が異なるものでもありません。

車検不要の検査対象外軽自動車の場合

原付を含む250cc以下のバイクは「検査対象外軽自動車」といい、車検が不要です。しかし自賠責保険に関しては、普通自動車などと同様に加入していないいけません。

では、どのように手続きをするかというと、バイク等を購入した時点で、販売店で加入するのが一般的です。そうした販売店は損害保険会社の代理店となっているので手続きも簡単にできるでしょう。

保険会社の営業店に直接問い合わせるか、郵便局、コンビニエンスストア、保険会社のホームページなどを利用しても加入、あるいは更新手続きを行えます。

更新時期が近くなると知らせが届くことが多いですが、自分でも有効期間は覚えておいてください。

加入期間は最短で12カ月~となり、手続きすると証書とステッカーが届きます。公道を走る際は、証書を携帯してステッカーを所定の位置に貼った状態でないと法律違反になるので気を付けましょう。

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自賠責保険の実際の手続きとは?

自賠責保険の実際の手続きとは?
自賠責保険に加入、あるいは更新する場合の大まかなルールを説明してきました。では、実際の手続きではどのように取り扱いわれるのでしょう?

まずは「新規加入する時」と「車検で更新する時」の2つの場合について解説します。

①新規加入の場合

自賠責保険に新規で加入する場合、その車両が普通自動車や軽自動車なのか、検査対象外軽自動車なのかによって手続きが異なります。

普通自動車や軽自動車の場合

新車であれ中古車であれ、ディーラーや販売業者側で自賠責保険の加入を済ませてから納車するものです。そのため、加入手続きのことを意識する必要は特にありません。

検査対象外軽自動車の場合

保険会社や代理店などで自分で加入手続きをすることになります。加入手続きの方法は後述します。

②車検時に更新する場合

普通自動車や軽自動車の場合、自賠責保険の更新手続きは車検と同時に業者が済ませてくれます。そのため、車検制度が適用されない検査対象外軽自動車とは異なり、ユーザーがその内容について特に心配する必要はないでしょう。

保険期間は車検有効期間と少しだけズレる

自賠責保険と車検の有効期間が切れるタイミングにズレがあるというのは、例えば両者の有効期間が4月1日だった場合、車検はその日の24時に切れるのに対し、自賠責保険はその日の昼12時に切れることになります。つまり、両者の有効期間が同日だったなら、自賠責保険のほうが12時間早く切れるということです。

実際の手続きで車検と自賠責保険の有効期間を全く同じにしてしまうと、万が一事故を起こした場合に保険が利かなくなってしまう恐れがあります。

また、事故を起こさずとも自賠責保険が切れてしまうと法律上公道を走ることができません。車検を受けようにも運転ができないので、車検場への車の移動に苦労することになるでしょう。

自賠責保険の加入期間が車検の有効期間よりも1カ月分長くなる理由は、このためです。

車検の有効期間をしっかりカバーできるよう、2年なら25カ月という形で1ヶ月分多く加入します。

保険料は車検代に含まれる

自賠責保険の更新手続きは多くの場合、車検の時に行われるため、保険料も車検代に含まれます。

車検代も細かい内訳を見るといくつかの項目に分かれますが、自賠責保険料はこのうち「法定費用」に分類されます。金額などが気になる場合は、事前に見積もりを出してもらったり請求書を確認してみたりするといいでしょう。

もともと車検費用が安く済む専門店やガソリンスタンドなどの場合は、車検代の約半分が自賠責保険料であることが多いです。保険料は車検業者がいったん立て替えて支払っており、車のユーザーはその分を返している形です。

車を購入して新規登録とあわせて自賠責保険に加入する場合も同様の扱いになるので、保険料は購入代金に含まれているでしょう。

原付など検査対象外軽自動車の場合は車検を受ける必要がないので、自賠責保険料は加入や更新の手続きのたびに支払わなければなりません。また、保険会社のホームページを通して支払う場合は、クレジットカードが必要になります。

ステッカーは発行されない

車検や法定点検を済ませると、それぞれの有効期間を示したステッカーが発行されます。しかし、自賠責保険については、その有効期間が車検と同じなので、加入したからといってステッカーが発行されることはありません。

ただし、原付などの検査対象外軽自動車の場合は、車検シールも車検証もないので自賠責保険加入ステッカーと証明書が交付されます。この交付されたステッカーは、ナンバープレートに貼っておくルールとなっています。

「検査対象外軽自動車」の場合

「検査対象外軽自動車」の場合
基本的に車検制度の適用対象となる車の場合について、説明してきました。

では、車検を受ける必要がない「検査対象外軽自動車」の場合は、どのような手続きで自賠責保険に加入するのでしょう?

加入期間は自分で決める(最短で12カ月)

検査対象外軽自動車の場合、車検を受けることがないので、普通自動車のように車検と同時に自賠責保険の更新をすることがありません。賠責保険の手続きは全て、対象車両の持ち主が自分で行います。

では、原付などをはじめとする検査対象外軽自動車は、どれくらいの期間、自賠責保険に加入するといいのでしょう?

自賠責保険は原則的には1カ月から加入ができますが、検査対象外軽自動車は最短でも12カ月からの申し込みとなります。それ以上の期間については自分で決められるので、好きな期間を設定してください。

尚、最長で60カ月分まで加入できますが、期間を長く設定すればするほど、保険料はお得になります。

ちなみに、最低でも12カ月分は加入しなければなりませんが、有効期間内に廃車にする場合は、残りの期間分の保険料が返ってきます。そのためには申請の手続きなども必要になるので、覚えておきましょう。

販売店やコンビニエンスストアなどで手続き可能

検査対象外軽自動車の場合、自賠責保険の加入や更新手続きは、現在自賠責保険を契約している保険会社の本店や営業所で可能ですが、その他にも大手のコンビニエンスストアやインターネットで受け付けています。

また、バイクの販売店も損害保険会社の代理店となっていますし、自動車販売店や修理工場も同様です。さらには郵便局の窓口でも加入ができますので、最も利用しやすいところを選ぶといいでしょう。

コンビニエンスストアで手続きを進めるなら、大手の店舗ならどこでも可能です。ただし、手続き方法は店舗によって異なるので、あらかじめ確認しておいてください。

インターネットで手続きを行うなら、自賠責保険証明書や印鑑などの必要書類一式を準備して損害保険会社のホームページにアクセスしてみましょう。なお、この場合はクレジットカードで保険料を支払うことがほとんどです。

自賠責保険証明書とステッカーが交付される

申し込みの手続きが終わると、間もなく「自賠責保険証明書」と「ステッカー」が届きます。いずれも公道を運転する際に絶対に必要になるもので、特にステッカーは、所定の場所に貼っておかなければなりません。

ステッカーは正式には「保険標章」といいます。原付であればナンバープレートの見えやすい位置に、また250cc以下のバイクであればプレートの左上に貼ります。

これとあわせて自賠責保険証明書も携帯するようにしてください。ステッカーには自賠責保険の有効期限が記載されており、見ると一目で内容が分かります。

ステッカーを貼らない状態で公道を走行するのは法律違反となり、300,000円以下の罰金が科されますので注意しましょう。

尚、証明書とステッカーが届く前に自賠責保険の有効期間が切れてしまったら、届くまでは公道の運転は控えてください。

ステッカーが届いたら期限が切れたものの上から重ねて貼っても問題ありませんが、剥がれないように気を付けましょう。

返金も「月割り」で行われる

返金も「月割り」で行われる
自賠責保険料は「前払い」なので、車を手放したり処分したりした場合、残り期間の月数に応じて保険料が返ってきます。

ただし、返金額の計算は点数制なので単純ではありません。売却か廃車かの違いによって異なる部分もあります。

車を売却・廃車にした場合

車を売却すると、自賠責保険の残り期間が3カ月以上あれば残った分の保険料が返金されます。また、廃車する際も一時・永久抹消登録の双方ともに返金されますが、残存期間が1カ月以上あることが条件です。

売却・廃車ともに、買取店に手続きを依頼するのであれば、全て業者側で手続きを代行してくれるでしょう。

一方、お店に依頼せず自分で廃車にしたり個人間で売買したりするのであれば、自賠責保険の解約も自分で行います。

返金される保険料は3カ月分から

車を売却すると、自賠責保険の残り期間分の保険料が返金されます。業界内で統一された基準にのっとって計算されるので、どの買取店に車を引き取ってもらったとしても同じ金額が返ってくるでしょう。

計算方法は、日本自動車査定協会(JAAI)が基準を定めています。それによると、残存契約期間に基づいて点数化し、その点数に応じて返金する額が決まることになっています。この計算方法を知っておくと返金額もあらかじめ算出できるでしょう。

いずれも保険の残存期間が2カ月以下だと点数がゼロとなり返金されません。そして3~4カ月なら1点、5カ月で2点、6カ月なら3点です。

さらにその車の次の車検までの期間が3年か2年かによってもまた少し違ってきます。金額は1点につき1,000円です。例えば残存期間が6カ月なら3点なので3,000円となり、車を売却した際の買取額にこの金額がプラスされることになります。

このあたりの金額体系は、早見表などで確認するといいでしょう。

まとめ

①自賠責保険は「月割り」で加入することができる
②自賠責保険は、車種にかかわらず必ず加入しなければならない
③車検がある車は、車検を受けた時に自賠責保険も更新される
④この場合、保険期間は車検有効期間と少しだけズレる。また、保険料は車検代に含まれる
⑤検査対象外軽自動車は、自賠責保険の加入期間や手続き場所などを自分で決めて加入しなければならない
⑥車を売却・廃車した場合も、自賠責保険料の返金額は月単位で計算される

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