車を所有しているのであれば、定期的に車検を通す必要があります。車検は国の定める保安基準を満たしているかどうかの検査なので、基準をクリアしていなければ車検は通せません。

一部の車両は車検ではじかれる可能性があります。その中でも部品に何らかの問題があって、車検通過できない場合もあり得ます。

ここでは車検通過できない部品にはどんな特徴があるかについてまとめました。車検に引っかかった場合の参考にしてみてください。

車検に通らない主要な原因

車検に通らない主要な原因
車検で引っかかってしまう理由を見てみると、いくつか共通する要因があるようです。主要な原因について、まずは見ていきましょう。

「部品が劣化している」「必要なものが装備されていない」などが考えられます。車両を改造してもいいですが、基準を満たさないものは車検ではじかれてしまうため注意しましょう。

部品が劣化している

車は多数の部品で構成されています。部品の中には、経年劣化の起こるものも少なくありません。このため、必要に応じて定期的に交換する必要があります。

もしこの交換をしていないと、一部の部品の劣化が進み、安全面で問題の生じる可能性も出てきます。例えばタイヤの摩耗やライトの光量が不十分、マフラーからの排気漏れなどが起きると車検を通すのは難しいでしょう。

もし何らかの問題が愛車に起きているようであれば、整備してから車検に出すべきです。

装備に問題がある

装備に問題がある
車に何か装備を取り付けている方もいるでしょう。何かしらの装備をつけていること自体は、問題ありません。ただし、その装備が安全性に支障をきたさない範囲であることが前提です。

問題のある装備が取り付けられていると判断されれば、車検に通らない可能性が出てきます。例えば近年、カーナビを取り付けている車両は多いと思いますが、それ自体は問題ありません。

しかし、カーナビのサイズが大きすぎて、フロントガラスのかなりの部分を隠してしまうと安全性に問題があります。純正パーツならまず問題ありませんが、社外パーツの場合は支障をきたす確率が高まるので注意が必要です。

車検に通らない改造をしている

車両を改造していても、所定の手続きを行っていれば車検を通すことも可能です。しかし、安全基準の範囲内に収まっていないと、車検に引っかかる可能性があります。

もし基準を超える改造を行っているのであれば、車検に出す前に見直しが必要です。基準の中にはサイズのほかに、重量も含まれています。

エアロパーツを取り付けている車両もあるでしょう。軽自動車の場合、幅1.48メートル・高さ2メートル・全長3.4メートル以内の条件で取り付けなければなりません。

ライトを改造しても、それ自体は問題ありませんが、白もしくは黄色以外の色のものを取り付けていると車検に引っかかってしまいますので、注意してください。

発煙筒が装備されていない

愛車の内部をチェックしてみると、発煙筒が取り付けられているはずです。この発煙筒は、車両に装備するのが義務付けられています。

もし発煙筒が取り付けられていないと、車検に引っかかってしまいます。発煙筒は事故を起こしたときなどに後続車両に危険を知らせ、二次災害を防ぐためのものです。

通常発煙筒は、助手席の足元などに取り付けられているはずです。簡単に確認できるので、車検に出す前にチェックしておきましょう。

発煙筒には有効期限が設けられています。たとえ発煙筒が取り付けられていても、有効期限切れのものであれば車検に引っかかってしまうので、こちらも確認しておくようにしてください。

車検に通らない部品とは?

車の取り付けられている部品に何らかの問題があれば、車検に引っかかってしまう可能性があります。特に自分でカスタマイズをしている場合、基準を満たしていないかもしれません。

ここでは特に注意したい、車検に引っかかりやすい部品についていくつかピックアップしてみました。心当たりのある方は、特に注意してください。

社外ホイール

社外ホイール
純正パーツであれば、基準を意識して製造されているのでまず車検には引っかからないと考えていいでしょう。しかし社外パーツを取り付けている場合、車検が通らない可能性が出てきます。

社外パーツの中でも人気の高いアイテムの一つが「ホイール」です。インチアップやインチダウンなどドレスアップするのに適しているからです。

しかし、ホイールによっては、車検に引っかかる恐れが出てきます。特にタイヤの外径が大きく変わってしまうカスタムをしていると、スピードメーターに誤差が生じ危険です。

ホイールを変えてもいいですが、純正のものからタイヤの直径が大きく変わらないように調整しましょう。例えばインチアップするならタイヤは薄くする、逆にインチダウンするならタイヤに厚みを持たせてください。

車検の通らないマフラーも

車をカスタマイズするにあたって、マフラーを取り換える方も少なくありません。しかし、社外パーツの中には基準違反のものもあるので注意が必要です。

マフラーを取り換えることで、基準に引っかかってくる項目はいくつかあります。

最低地上高が9㎝未満である、バンパーから顕著にはみ出していると違反を指摘されるかもしれません。

マフラーの基準にはサイズのほかにも騒音や排気ガスに関する項目があります。これらは計測してみないとわからないので、保安基準に適合しているかどうか前もって確認しましょう。

心配であれば、JASMA認定品がおすすめです。JASMAとは、「日本自動車スポーツマフラー協会」の略称で、保安基準よりも厳しい自社基準を設けているので車検に引っかかることはほとんどありません。

ランプのカスタマイズ

ランプのカスタマイズ
ランプ類は自分でも簡単に取り換えることができるので、カスタマイズの中でも人気のパーツです。しかし社外パーツに交換する場合、いくつか注意点があります。

特に注意しなければならないのは「ライトの色」です。ヘッドライトは白、ウィンカーはオレンジ、ブレーキは赤と決まっていて、それ以外の色のライトを取り付けていると保安基準違反です。

ヘッドライトの中には、青白く光るような社外パーツもあります。「車検対応」と書かれていても車検に引っかかるかもしれません。

ヘッドライトのバルブを社外品に交換した場合も、車検に引っかかるリスクが高まります。光量不足を指摘される可能性があるので、注意してください。

エアロパーツの装着に注意

自分の愛車をかっこよくしたいと思っているのであれば、エアロパーツは人気です。今ではいろいろなメーカーから多様なアイテムが販売されているので、オリジナリティも出しやすくなっています。

しかし、エアロパーツを取り換えたことで、車検に引っかかるかもしれません。特に車のサイズが大きく変わってしまうような改造をしないようにしてください。

車検証には車のサイズに関する情報が記載されています。これよりも全長3㎝・全幅4㎝・全高2㎝を超える変更があると、車検に引っかかってしまいます。

また、重量も100㎏以上変わってしまうようなカスタマイズは、そのままでは車検通過できません。特にオーバーフェンダーを取り付けるところの基準を超える可能性があるので、注意してカスタマイズした方がいいでしょう。

反射板の取り付け方

乗用車は反射板を取り付けることが義務付けられています。反射板を取り付けるのは、後方のみと限定されていて、もし後方以外に反射板をべたべた取り付けると、保安基準違反になってしまいます。

また、反射板の色は「赤」と決められているので、それ以外の色のものを取り付けないようにします。白のリフレクターが販売されていたりするので、勘違いのないようにしてください。

さらに、反射板は左右対称に取り付けるように義務付けられています。車両の中心に対して、対称の位置に取り付けられているか確認しておきましょう。

フロントガラスに貼ってあるステッカー

フロントガラスに貼ってあるステッカー
街中を見てみると、車のボディにいろいろなステッカーを貼っている車両を見かけるでしょう。ステッカーを貼ること自体は問題ありません。ただし、フロントガラスにステッカーを貼り付けていると、車検に引っかかる恐れがあるので注意してください。

フロントガラスに貼り付けていいシールは決まっています。それは「車検ステッカー」や「丸型の検査シール」などです。

また、ダッシュボードにぬいぐるみなどを載せている車両もしばしば見かけますが、あまりに多いとエアバッグが膨らんだときに物が飛んでくるので危険です。車検に出す際には、ダッシュボードに置物のある人は取り除いておくといいでしょう。

ガラスフィルム

フロントガラスはステッカーのほかに、フィルムに関する規定もあるので注意が必要です。フロントガラスの基準として、可視光線透過率70%以上を確保していなければなりません。

透過率70%以上かどうか、素人が見た目で判断するのは難しいです。商品のパッケージなどに透過率などが書かれているはずなので、こちらで確認してください。

紫外線の透過率については、保安基準で条件は設けられていません。ちなみに市販されているフィルムのほとんどが紫外線を99%カットしているので、日焼け対策に有効です。

サイドガラスについても同じ透過率の基準が適用されます。ただし、リアガラスについては特に基準は設けられていないので、スモークフィルムのようなものを取り付けていても問題ありません。

違法改造車と車検

違法改造車と車検
車を改造すること自体は問題ありませんが、保安基準を満たしていないものは違法改造です。当然ですが、違法改造車は車検に通りません。

違法改造車になってしまう項目はいくつかあります。

遮光フィルム

遮光フィルムを運転席並びに助手席に貼ると、車検に引っかかる可能性が出てきます。違法な遮光フィルムになるかどうかは、透明度がポイントです。透明度80%以下の場合保安基準に引っかかりますし、視界不良で危険です。

タイヤのサイズ

タイヤが大きすぎるのも違法改造に該当する可能性が出てきます。タイヤがボディからはみ出していると、車検に引っかかる恐れがあります。前後のタイヤ一つだけでもはみ出していれば、車検が通らないかもしれないので注意しましょう。

車検に引っかかった場合の対処法

車検を受けた結果、不合格になるかもしれません。もし車検不通過になった場合、基準を満たすように整備などをする必要が出てきます。

もしくは、構造変更申請することで対処する方法もあります。車検を受け直すのも含め、どう対処すればいいかまとめました。

車検通らない場合には必要な修理を

車検通らない場合には必要な修理を
車検に引っかかった理由が基準を満たさない部品を取り付けているのであれば、その部品を取り外すなり、基準をクリアしている部品に取り換えるなりの整備をしましょう。基準を満たしていない項目をクリアにすれば、次に車検を受けた際には問題なく通過できます。

車検のベースになる保安基準は、安全に運転することを目的にしています。必要な修理や部品交換をすることで、安全に運転できるようになるので速やかに対処してください。

低年式の古い車両になると、部品が劣化しているために車検に引っかかる可能性もあります。交換すべき部品が多いと、それだけ整備費用も余計にかかってしまいます。

出費が大きければ車の買い替えなど、別の方法も検討するといいかもしれません。

構造変更の申請をする

車を改造して車検に引っかかった場合、構造変更申請することで車検を通す方法もあります。構造変更申請手続きをして、安全性を担保された改造車両と認定されれば車検も通せます。

構造変更申請は、陸運支局もしくは自動車検査登録事務所で行います。このときに以下の必要書類を添付して申請手続きしなければなりません。

  • 車検証
  • 自動車検査票
  • 点検整備記録簿
  • 自賠責保険証明書
  • 自動車重量税納付書 など

まずは構造変更申請をしてから車検に出しましょう。逆の手順だと、車検が二度手間になってしまいます。

中には改造を業者にお願いする人もいるかもしれませんが、その場合、業者のスタッフに構造変更申請を含め、アドバイスを受けながら作業をお願いすることをおすすめします。

再度車検を受ける

再度車検を受ける
車検に引っかかってしまった場合、整備など必要な対処をして再度車検を受けなければなりません。車検を通過しないと、公道で車両が走れなくなるからです。

車検の再試験を受ける場合、何かルールがあるのか疑問に思うかもしれません。車検の再試験までの期間によって扱いが変わってしまうので、注意しましょう。

当日受け直すことも可能

車検に引っかかった場合には問題の部分を修正した上で、再度検査を受けなければなりません。再検査は指定工場でも車検場でも受けることは可能です。

再検査は当日でも問題ありません。初回を含めると最大3回まで無料で受けることができます。必要な手続きや作業を行った上で、再度検査を受けられます。

3回検査を受けても合格できず、それでもスケジュールの関係などでその日のうちに車検を通したい場合、再申請を行えば再度受験も可能です。

「車検をその日のうちにどうしても通したい」「一発で検査が通るか自信がない…」という方は、朝早く受験するのがおすすめです。再度検査を受けるとなると、それだけ時間もかかります。

15日以内に再検査が受けられる場合

15日以内に再検査が受けられる場合
中には車検不通過で、後日必要な手直しをして再試験を受けたいという方もいるでしょう。その場合、15日が一つのボーダーラインになります。

もし15日以内に再度検査を受けるのであれば、「限定自動車検査証」が必要です。不適合箇所があっても限定自動車検査証があれば、公道を走行できます。

一見すると車検証と同じような見た目ですが、検査の結果不適合になった箇所の内容が記載されていて、若干検査証と異なります。

この限定自動車検査証はその名の通り、期間限定です。発行された当日を含め、15日が有効期間なので15日以内に再度車検を受けましょう。

15日間で再検査が受けられない場合

もし再受験するのが車検で引っかかった日から15日以上かかってしまうのであれば、再度検査を受けなければなりません。

15日以内に再検査ができる場合は、不適合といわれた箇所だけの検査で済みます。しかし、15日以上の間を置いた場合、新規検査扱いです。すべての箇所を一から検査を受けて、すべての基準をクリアしていなければなりません。

そのため、費用も異なります。15日以内に再検査を受けるのであれば、限定自動車検査証を発行してもらって費用は1300円で済みます。

しかし、新規検査扱いになると、小型車1700円・普通車1800円と検査手数料がかかってしまいます。さらに、費用はこれだけにとどまりません。

限定自動車検査証の期限も切れてしまうので、公道をそのままでは走行できなくなります。けん引するレッカー車や積載車を手配するか、仮ナンバーを取得しなければならなくなるので、なるべく15日以内に再検査を受けるのがおすすめです。

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まとめ

①車検に引っかかるのは部品に問題のある場合も
②カスタマイズ・改造車の中には車検不合格になる部品もあるので注意が必要
③車検が通らない場合には修理や適合するように整備を行う
④再検査は15日以内に行う

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