車を売却する場合は、まず買取業者に査定を依頼して日時を打ち合わせます。そして査定を受けてから価格交渉などを経て、売主と買主が金額に納得すれば売却手続きは完了です。

買取査定自体は時間がかかりませんが、そこに至るまでの手続きを含めると、車の売却もそれなりに手間がかかります。

ここでは、車買取の全体的な流れと時間を節約するための方法、そして買取査定を受ける際の注意点などを解説します。

買取査定でかかる時間と時短術

車を売却する際、査定を受けて見積もりを出してもらうまでの時間はどのくらいかかるのでしょうか?その大まかな流れを説明していきます。

また、買取査定をスムーズに進めて、手続きにかかる時間を節約する方法はどのようなものがあるのか見ていきましょう。

車の査定から買取までの流れについて

車の査定から買取までの流れについて
最初に、車を売却するために買取業者に連絡をして打ち合わせを行い、見積もり提示を経て買取代金が支払われるまでの流れを見ていきましょう。

査定方法には、持ち込み・出張査定・一括査定の3種類がありますので、これらの選び方なども解説します。

車の査定と買取はどのような流れで行われますか?
車を売却する場合、まず買取業者との打ち合わせを経て買取査定が行われます。そして査定後に提示された見積もり金額を検討して、納得がいくようであれば車を引き渡すことになります。その後、1週間ほどで指定した口座に買取額が振り込まれ、全ての手続きは終了です。
①査定方法を選ぶ

車を査定に出す場合は、自分に合った査定方法を選ぶことが大切です。

中古車買取の査定方法には「持ち込み」「出張査定」「一括査定」の3種類があります。

持ち込み査定は、買取店に車を直接持ち込んで査定を受ける方法です。自分で運転して行く必要がありますが、時間や手間をかけてでも直接業者に会いたいという方に向いています。

出張査定は、買取業者が自宅や指定した場所まで来て査定してくれるため、運転して店舗まで行く手間が省けます。自分の都合に合わせて査定してもらえるため、忙しい方や遠方に住んでいる方には便利です。

一括査定は、複数の買取業者に一度に査定依頼を出し、最も高額な買取業者を選ぶことができる方法です。インターネット上で手軽に査定依頼ができ、多くの業者から査定を受けることが可能なので、買取額を最大限に引き上げたい方にはおすすめです。

ただし、特定の業者だけを選ぶことはできず、しつこく営業電話がかかってくるなどのデメリットもあるので、一括査定を利用する際は注意しましょう。

それぞれの長所と短所を見極めて、自分に合った査定方法を選びましょう。

②買取査定を依頼する

中古車の買取査定を依頼する場合は、電話やインターネットで申し込みができます。

電話での申し込みは、直接連絡することの確実さと安心感がありますが、その反面、営業時間内でないと受け付けてもらえないという欠点もあります。また、予約の段階で車の詳細な情報を伝える際、口頭で伝えるのは手間がかかるでしょう。

その点、インターネットでの査定依頼なら営業時間に縛られることもなく、自分の都合に合わせて査定依頼ができます。お店側も時期によっては繁忙期だったり、混雑していたりすることがありますが、インターネットでの査定依頼なら気兼ねなく申し込めるでしょう。

また、インターネットだと車の情報も入力すればいいので楽です。

いずれにせよ、希望日時や場所、査定の方法などをきちんと先方に伝えて、スムーズに依頼手続きを進めるようにしましょう。

③車の査定

買取査定が始まると、査定士が車を点検して外装や内装、そしてエンジンルームや足回りをチェックします。

車の査定項目は業界共通のリストが使われるので、根本的な査定基準については業者ごとに違いが出ることはありません。

また、傷や汚れ、車の状態や装備品なども確認するので、車の清掃や購入時に付いてきた付属品を用意しておくことを忘れないようにしましょう。

車種や年式、走行距離、修復歴や事故歴などの情報を事前に伝えておけば、査定はさらにスムーズに進みます。

④査定額の提示と交渉

車の買取査定が行われると、買取業者から買取額の見積もりが提示されます。この査定額はあくまでも見積もりであって、実際の買取額は交渉次第で変わってくることがあるので、金額に納得がいかない場合は交渉することも可能です。

複数の業者から見積もりを取って比較すれば、適正な価格を見極めることができます。その場で即決せずに、提示された見積もりは一度預かって冷静に結論を出すことが大切です。

希望売却額を伝えるかどうかは状況次第です。買取相場を調べた上で伝えるのも一つの方法ですが、最初から売却額を伝えてしまうと、反対に業者のほうもそれ以上の買取額を示さなくなる恐れがあるので注意しましょう。

また、あまりに高すぎる希望額を提示したり、横柄な態度で臨んだりすると、逆に交渉が難しくなるかもしれません。

最終的には、買取業者の信頼性や手数料なども考慮し、総合的に判断して売却先を選びましょう。

⑤買取料金が支払われる

査定後、買取業者で車の引き取りや各種手続きを完了させたら、売主の銀行口座に買取料金が振り込まれます。

車を受け渡してから口座にお金が入金されるまでは1週間程度かかることがあるので、しばらく待つようにしましょう。

買取査定にかかる時間について

買取査定にかかる時間について
ここまでで、車を売却する際、買取店との打ち合わせから見積もり提示を経て、代金が支払われるまで、どのような流れで進むのかを見てきました。

ここからは、査定をする際、車の箇所ごとにどれくらい時間がかかるのかを説明していきます。

外装・内装(15~30分)

車の買取査定にかかる時間は、車の状態や買取業者によって異なります。このうち外装や内装の点検は、15~30分程度の時間がかかるとされており、車の傷や汚れ、内装の状態を詳しくチェックすることになります。

時間を節約するためには、事前に車の内外装を清潔にし、汚れを落としておくことが大切です。車が泥などで汚れていると細かい箇所の点検がやりにくくなり、査定に時間がかかるだけでなく、査定額も低くなる可能性があります。

特に車内に食べこぼしなどの汚れがある場合は、査定員の印象を悪くしてしまうため、きちんと清掃しておくことが必要です。また、同様の理由から、座席やトランク内の荷物を整理し、不要なものは取り出しておくことが望ましいでしょう。

洗車や車内清掃にかかる時間や費用は、査定額に比べればわずかかもしれません。しかし、査定員の印象や査定作業のスムーズさに影響を与えるため、重要なポイントだと言えます。

エンジンルーム(5~10分)

車の買取査定でエンジンルームのチェックは重要なポイントの一つです。この作業には、5~10分程度かかるとされています。

「エンジンルーム」と一言で言っても、実際には様々な精密機械によって構成されているので、それらの部品をチェックすることになります。

エンジンルームの点検時間を節約するためには、事前に車の詳細情報を準備しておくことが重要です。車の年式や走行距離が分かればエンジン本体の劣化具合も分かります。また、過去に故障した経歴があれば必ず申告しておきましょう。

足回り(3~5分)

車の買取査定では「足回り」と呼ばれる部分も点検され、3~5分程度の時間を要します。具体的にはタイヤやホイール、ブレーキ、サスペンションなどです。

タイヤは、残り溝の深さや偏摩耗の有無についてチェックされ、摩耗が進んでいると査定額も低くなるでしょう。

ブレーキは、ブレーキパッドやローターの状態がチェックされます。ブレーキパッドが減っている場合やローターに歪みがある場合はタイヤと同様に交換する必要があるため、査定額が低くなる可能性があります。

フレーム(5~10分)

車のフレームとは、車体の骨格部分で、エンジンやサスペンション、ボディを支える大きな鉄骨のことです。フレームの異常は外見からは分かりにくく、査定では5~10分程度かけてチェックが行われます。

細かくチェックされる理由は、フレームに問題があると車の安全性が著しく低下するためです。特にひび割れや錆、修理跡などの有無によって車の査定額は大きく左右されることから、重要パーツとして点検されます。

買取査定の時間を節約する方法について

買取査定の時間を節約する方法について
ここまでで、買取査定の手続きの流れや、車の査定箇所ごとのチェック時間はどれくらいかかるのかを見てきました。

以上の内容を踏まえて、買取査定をスムーズに済ませて、見積もり提示までの時間を節約するための方法を解説していきます。

車の買取査定の時間を節約する方法には、どんなものがありますか?
車の買取査定の時間を節約する「時短術」としては、売却する車の一般的な買取相場を調べておき、自分なりに売却してもいい金額のラインを決めておくことです。また、複数の業者の査定額を比較することも大切ですが、2~5社程度の信頼できる業者に絞ることで、より効率的な査定が可能になります。
買取相場をチェックしておく

買取査定の時間を節約する方法として、まずは売りに出す予定の車の買取相場をチェックしておくことが挙げられます。

車の買取業者のホームページ内などで車の情報を入力すれば、すぐに確認できるので試してみましょう。

買取相場を把握しておくと、自分の所有している車の商品価値がどれくらいかが分かります。大まかでもいいのでイメージを掴んでおくと、査定時に示された金額について、適正かどうか素早く判断できるでしょう。

オンラインでの価格チェックも活用

前項の買取相場の話とも通じますが、オンラインで査定価格をシミュレーションできるサービスを利用すれば、それぞれの買取業者がどれくらいの値をつけるかの予測を立てやすくなります。

多くの買取業者の自社サイトでこうした簡易的な査定ができるので、活用してみましょう。

こうしたサイトを活用することで、より高く買い取ってくれそうな業者を効率的に絞り込むことが可能となります。

ただし、オンラインでの査定は目安であり、正確な査定には現車確認が必要です。あくまでも参考程度にとどめておきましょう。

自分なりの「最高入札額」を決めておく

車の買取査定の時間節約方法として、自分なりの「最高入札額」を決めておくのもよいでしょう。

一定のライン以上の買取額を示す業者が出てきたらすぐに売却しようと最初から決めておけば、迷わずに済みます。

情報を整理しておく

車の買取査定の時間を節約するためには、売却する車の情報を整理しておくことが重要です。

車の年式、走行距離、車種、オプションの有無などの基本情報に加えて、修理歴、事故歴なども整理しておきましょう。

もちろん修理歴についてはメンテナンスノートに記してあるので、車検証や自賠責保険証、自動車税の納税証明書などと一緒に準備しておいてください。

必要な情報をあらかじめきちんと準備すると、査定がスムーズに進むだけでなく査定士の心証もよくなります。

買取店や業者を厳選する

買取査定の時間を節約するために、買取店や業者を厳選することも大切です。

ネットでの口コミや前述した買取店ごとのサイトでの査定額チェック、店舗の立地などを参考にしながら、信頼性と利便性の高いところを選びましょう。

買取査定では、複数の業者から見積もりを取って比較することで、最も高い買取価格を提示してくれた業者を選ぶことができます。ただし、信頼性の低い業者にまで査定を依頼する必要はありません。

買取店や業者は絞り込む

信頼性と利便性の高い業者に査定を依頼するのがいいと前述しましたが、それでも10件も20件も査定を依頼するのはあまり意味がなく、かえって非効率でしょう。

車の買取店・買取業者は評判の良し悪しは様々ですが、買取査定の際のチェック項目などの基本的な事柄はどこも同じです。

普通なら中古車市場の買取相場から大きく逸脱した金額を示すことはないので、依頼する業者が増えれば増えるほど相対的に大きな差はなくなっていくでしょう。

そのため、車の買取査定の時間を節約しつつ、ある程度の件数の買取査定を受けるのであれば、依頼する業者は2~5社にとどめてください。それ以上になると売る側も混乱しますし、対応しきれなくなってしまいます。

今は、インターネットで一度申し込むと自動的に複数の業者に査定を依頼できる一括査定という方法もあります。しかし、一括査定は対象の業者やその件数を選べないことから、上記のように対応しきれなくなることも多いので注意しましょう。

買取査定を受ける際の注意点について

買取査定を受ける際の注意点について
最後に、車の買取査定を受ける際に注意しておくべき点について解説していきます。

これから査定を受けるという方は、ぜひ参考にしてください。

車の買取査定を受ける際、注意すべきことはありますか?
車の買取査定を受ける前に、車の清掃や簡単なメンテナンスは済ませておきましょう。故障・不具合がある場合は、費用をかけてわざわざ修理せずにそのまま査定に出し、車の状態を包み隠さず申告してください。また、高値買取を狙うのであれば、年間を通して売却するタイミングを選ぶことが大切です。
掃除・メンテナンスを済ませておく

中古車の買取査定において、車の清掃と簡単なメンテナンスは重要です。

特に車内のにおいや泥、食べこぼしなどの汚れがあると車のイメージが悪くなる上に、業者が買い取った際のクリーニングでコストがかかることが考えられるので査定額にも影響するでしょう。

車内のにおいは、査定に出す前に風通しのよいところで数時間ドアを開け放っておくなどしましょう。消臭剤も有効ですが、においつきのタイプのものは避けてください。

また、においの原因になりうる食べこぼしや泥なども、掃除機やブラシで取り除いておくことをおすすめします。

ボディの洗車は、査定のチェック項目とは関係ないので不要だと思うかもしれません。しかし、汚れたボディはチェックしにくいので査定の効率にも関わりますし、査定士の心証が悪くなることも考えられます。

簡単なメンテナンスとして、小さな洗車傷などを研磨する程度の処理を行っておくとよいでしょう。

ただし、故障箇所の修理をすると費用が高くつくので、修理を要する部分があっても買取査定にはそのままの状態で出したほうが無難です。

修復歴などについて虚偽の申告をしない

車に修復歴や故障がある場合、隠し立てや虚偽の申告をしてはいけません。正確な情報を提供しないと査定がスムーズに進みませんし、最悪の場合は売買契約を締結した後で取り消しを求められる可能性があります。

必要な情報提供をせずに車を売却し後で故障や欠陥が発覚すると、「契約不適合責任」という民法上の法的責任を負うことになります。損害賠償や契約取り消しなどの措置を取られることがあるので、要注意です。

高値買取はタイミングが大事

車には、高値で買取がされやすいタイミングとそうでないタイミングがあります。

例えば、1~3月の決算期直前の時期は、中古車販売店も多少無理をしてでも車を買い取って在庫を増やし、販売台数を増やそうとするので高値買取が期待できます。

一方、その反対に決算期を過ぎた4月以降になると、車の需要が下がり、市場に在庫が溢れることから、買取価格も安くなる傾向です。

このように、適切な時期を狙って車を売却すれば、高値で売却できる確率もアップするでしょう。

繁忙期に売却するメリットは?

買取店の決算期直前にあたる1~3月に売却すると車の高値売却が期待できると前述しました。この時期は販売店や買取業者も繁忙期となるため、そうした時期ほど車は高く売れると言えるでしょう。

しかし、繁忙期は買取業者でもスケジュールが詰まっており、いざ車を査定に出そうとしても順番待ちになってしまうことが考えられます。

スムーズな車の売却に支障が出る可能性もあるので、売却は余裕を持って進めましょう。

まとめ

①車買取は査定依頼、査定、見積額の確認、交渉、契約という流れ
②査定時間は、車の外装・内装、エンジンルーム、足回り、フレームなどの箇所によって異なる
③車の買取相場を確認し、買取業者を絞り込むことで時間の短縮になる
④また、自分にとっての「最高入札額」も決めておくとよい
⑤査定を受ける際は事前に掃除やメンテナンスを行い、車の状態について虚偽の申告をしないことが重要
⑥車の高値買取を狙うならシーズンを意識するのが大事

※本記事は公開時点の情報になります。
記事内容について現在の情報と異なる可能性がございます。
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