年式が古い車は、維持費が高いと思われがちです。それは家電製品でも同じことが言えて、長く使うと中の部品が劣化して性能が落ちてしまうからです。

車も同様に年式が古いと燃費悪化によるガソリン代の増額など、維持費において何かと損をする可能性が高まります。

こちらでは、車の年式が古いと維持費にどう影響するのか見ていきましょう。また、定期的な買い替えは必要なのか、必要ならどのタイミングが良いのかなどを知っておくと役立ちます。

車の年式とは?

車の年式とは?
そもそも、車の年式とは何でしょうか?
車が製造後に検査を経て運輸局や軽自動車協会に初めて新車として登録された年のことです。

年式は車の売買においてとても重要な意味を持ちます。それは、年式を見れば車が製造、初年度登録された日からどの位の年月が経過しているのかが、すぐに分かるからです。

また、年式が古い車は、部品が劣化し性能が落ちている可能性があるため、価格が安くなる傾向もあります。

車の年式の調べ方
車の年式の調べ方
車の年式はどのように調べるの?
車検証もしくは、新車保証書に記載されています。また、シートベルトからも確認ができます。
車検証で調べる方法

車検証の真ん中あたりの、「初年度登録年月」という項目が年式になります。また、「登録年月日」という項目は、車検証の内容が変更になるたびに更新されていくものです。年式とは関係ないため間違えないように注意してください。

新車保証書で調べる方法

新車を購入した際についてくる、新車保証書からでも年式は確認できます。新車保証書は、車検証と一緒のファイルに入っている場合が多く、記載されている登録日が年式です。

シートベルトで確認する方法

シートベルトに貼りついているタグからも、年式が予想できます。タグに記載された4つの数字は西暦で、それが年式にあたります。ただあくまでも推測できるというだけなので、正確な年式ではないので注意しましょう。

初年度登録と製造年月日は違う

車の「製造年月日」を年式と勘違いする人も多いので注意が必要です。

製造されてから数年後に初めて運輸局に登録されるケースもあり、そうなると初年度登録と製造年月に誤差が生じます。年式と製造年月は必ずしも一致するわけではないことを覚えておいてください。

特に海外で製造され日本に入ってくる輸入車は、海外で製造されてから登録するまでにタイムラグが生じることがあります。そして、海外で数年使用後に日本に入ってきた並行輸入車だと、車検証に記載されたものと実際の年式にズレが生じることもあるので確認してみましょう。

高年式・低年式の違い

主に中古車業界では、車の年式を示す用語として「高年式」「低年式」という言葉が用いられます。

高年式とは?
年式が新しい車という意味です。一般的に初回の車検を受ける前まで、つまり初年度登録から3年未満の年式の車を指します。
低年式とは?
発売からかなりの年数が経過した、年式がだいぶ前の古い車を意味します。登録から大体7年以上過ぎた車を指します。

また、「年落ち」という言葉もよく使われますが、これはその車の初年度登録から何年経過したかを表す言葉です。例えば、3年落ちの車というのは、初年度登録から3年経過した車になります。

車の維持費とは?

車の維持費とは?
車の維持費はといっても、さまざまな費用がありますが、以下の4つの分類で考えると分かりやすいです。

  • 税金
  • 保険料
  • 燃料費
  • メンテナンス費

それぞれの費用について詳しくご説明します。

車の維持費 税金

車の維持費 税金
車の維持費のうち、税金である「軽自動車税または自動車税」と「自動車重量税」は、法律で支払うことが義務となっているので免れることはできません。

軽自動車税と自動車税の料金はいくらぐらい?
車の排気量によって税額が決まっています。軽自動車税は一律1万800円ですが、普通車は5000㏄刻みで排気量が大きいと税額も高くなります。普通車だと約3万~10万円位までの幅があります。
軽自動車税と自動車税を安くする方法はある?
軽自動車税と自動車税は「エコカー減税」が適用されるので、税金が安くなることがあります。電気自動車などは約75%減税、ハイブリッド車なども決められた燃費基準の達成率に応じて減税割合が決まっています。

毎年納めるものなので、減税されると維持費に大きく影響してくると言えるでしょう。逆に、初年度登録からかなり年数が経過していると増税の対象ともなるので注意が必要です。

自動車重量税の料金はいくらぐらい?
車の重量に応じて税額が決まっています。基本的に0.5t刻みになっており、重量が重いと税額が高くなります。軽自動車だと年に約1万円、普通車では年に約2~5万円程になります。これらは、車検時に納めます。
自動車重量税を安くする方法はある?
自動車重量税も、エコカー減税対象車なら減税となりますが、逆に年式が古いと年数によっては増税となることもあるので注意が必要です。

車の維持費 保険料

車の維持費 保険料
保険料には「自賠責保険」と「任意の自動車保険」があります。

自賠責保険とは?
法律で加入が規定されている強制保険です。車検時にまとめて支払い、保険期間が更新されていきます。普通車も軽自動車も年間約1万1000円程かかるでしょう。
任意の自動車保険とは?
自分の自由な意思に基づき加入するのが自動車保険で、自賠責保険だけでは特に対物の補償が不十分なので、万一の事故に備えて加入するドライバーがほとんどです。
自動車保険は、保険会社や保険商品によって補償内容や保険料が大きく違ってきます。保険料は車種や年式、車のグレードや運転者の年齢などに応じて差が生じるので、一概には言えません。一般的には軽自動車だと年間約8万円程、普通車では約10万円前後かかると言われています。

車の維持費 燃料費

車の維持費 燃料費
燃料費に含まれるのは「ガソリン代」です。

ガソリン代は、ガソリンの価格や車の燃費性能、走行距離などによって金額に差が生じます。

ガソリン価格は、地方よりも都会の方が物価の関係でやや高く、また産油国の経済状況などに応じて変動します。さらに、レギュラーガソリンよりもハイオクのほうが10~30円程高いです。

また、車の燃費性能によってもガソリン代には違いがあります。一般的に軽自動車やコンパクトカーは燃費が良いとされています。
例えば、ガソリン価格が1ℓ130円で年間走行距離が平均の1万㎞と仮定した場合は以下のような計算になります。

  • 軽自動車だと燃費が18㎞/ℓだとして、ガソリン代は年間約7万2000円
  • コンパクトカーだと燃費が15㎞/ℓだとして、ガソリン代は年間約8万6000円
  • 普通車のミニバンで燃費が10㎞/ℓだとして、ガソリン代は年間約13万円

車の維持費 メンテンナンス費

車の維持費 メンテンナンス費
メンテナンス費に含まれるのは「車検費用」や「オイルエレメントやタイヤなどの交換費用」です。

車検は、初回は3年、以降2年ごとに受けなければなりません。

車検の料金はいくら?
軽自動車だと約3万円、普通車だと約5~7万円程度かかるでしょう。また、法定点検費用も約1~3万円ほどになります。交換部品があれば、もっとかかる可能性があります。

また、オイルエレメントやタイヤなども定期的に交換しなければなりません。交換箇所によって半年~3、4年に1回と頻度は異なり、また走行距離が多いと交換が早まります。

オイルエレメントやタイヤなどの交換費用はいくらぐらい?
メンテナンス費用はざっと軽自動車で年間約3万程、コンパクトカーでは約5万円程、普通車のミニバンでは約7万円前後は必要となってきます。

年式の古い車は月の維持費が高い

年式の古い車は月の維持費が高い
車の年式が古いと一般的に維持費は高くなると考えられています。

なぜ年式の古い車は、維持費が高いの?
理由は、主に以下の4つです。
・メンテナンス代が以前に比べるとかかるようになる
・ガソリンの消費が多くなるので燃料費がかさむ
・税金が高くなる
・自動車保険料も高くなる

それぞれの内容について詳しくご説明します。

部品が劣化しておりメンテナンス回数が増える

車を長年乗り続けると部品が劣化、消耗するのでメンテナンスも新車の時よりも頻繁に必要となります。

例えば、10年以上もしくは走行距離10万㎞以上乗るとタイミングベルトが切れる、ラジエーターホースの故障やエンジンマウントの劣化などが予想されます。そうなると、整備箇所が増えて、交換部品代が高額になる可能性があるでしょう。

また、走行距離が30万㎞以上になると「オーバーホール」と言って、エンジンの分解とクリーニングが必要となり、費用が30~50万円程かかると言われており、維持費が馬鹿になりません。

他にもパワーウインドのスイッチ不良やエアコンの修理などでトータル5~10万円程の修理費がかかることもあり、維持費がぐっと高くなってしまうリスクがあるのです。

燃費が悪くなりガソリン代がかさむ

年式が古く走行距離も平均的な車は、長年走り続けているのでエンジン部分に負担がかかり、消耗しているのは否めません。そのため、アクセルを踏んで車を動かすまでに少し時間を要し、その間にガソリンが消費されてしまいます。

古い車の燃費性能が著しく落ちるというわけではないですが、燃費性能が優れた新車が出てくるので燃費の悪さが目立つようになってきます。

また、タイヤも道路との摩擦ですり減り、劣化が進むでしょう。交換せずにいると溝がなくなって、スリップにより事故のリスクも高まります。

年式が古いと増税になる

車の年式が古くなる、つまり低年式の車は場合によっては税額が高くなるので要注意です。

自動車税や軽自動車税は、初年度登録から13年以上経過したガソリン車の普通車は約15%、軽自動車は約20%も増税となります。ディーゼル車は初年度登録から11年以上で増税となるのです。

自動車税は排気量によって税額が決まります。普通車で排気量が大きい車は、ただでさえ税額が高いのに年式が古いとさらに増税となって、経済的負担が大きくなるでしょう。

そして、自動車重量税に関しても、初年度登録から13年以上18年未満の普通車は約28%、軽自動車は約24%増税となります。また、初年度登録から18年以上経過すると普通車は約35%、軽自動車は約33%も増税となるのです。

重課の割合が高く、重量のある普通車に乗っているとかなりの経済的負担となるでしょう。

ただし、ハイブリッド車はエコカー対象車となるので、重課の対象とはなりません。逆に大幅に減税されるのでお得です。

年式が古いと自動車保険料が高くなる

税金と同様に、年式が古い車は任意保険である自動車保険の保険料が少し高くなるのも気を付けたい所です。

年式が古いと車の評価が下がり、事故のリスクが高くなるからです。

また、自動車保険では車両率クラスと言って保険料が決まる要素があり、4つの区分に分けられています。

その一つ、事故の際に車体の修理代を補償するのが「車両保険」です。低年式の車はこの車両保険の保険金額が低くなる仕組みになっているのです。

つまり、例えば事故を起こして車の修理代が50万円かかっても、実際に保険会社からは30万円しか補償されないということになります。

車両保険の金額は車の時価によって決まります。そのため、あまりに古い車は車両保険の金額がつけられないということで、年式だけで加入を断られることもあるのです。

年式の古い車を乗るよりは買い替えの方がお得

年式の古い車を乗るよりは買い替えの方がお得
年式の古い車に乗り続けることは、車の購入費がかからないのでお得だと思われがちですが、実際にはそうとは限らないのです。

税金が高くなり、自動車保険の保険料も値上がりし、事故の際の車両保険で十分に補償してもらえなくなります。

また、燃費の悪化やメンテナンス費用が以前よりかかるなど維持費が増額となるのが現状です。しかも、故障すれば修理代は馬鹿にならず、すぐに乗り換えなければならなくなり逆に不経済的だと言えるでしょう。

故障する間に計画的に新しい車に乗り換えた方が経済的です。

新車では購入費が高くつく

新車では購入費が高くつく
車を乗り換えるのに、新車を購入するにはまとまったお金が必要となります。

ローンを組んで分割返済するにも、返済金に金利がつくので結局車両購入額以上の額を支払うことになります。そうすると「維持費」に「ローン返済金」が上乗せされて、車費用が家計を圧迫することもなりかねません。

しかも、長期間のローン返済はかなりの負担になる家庭もあるでしょう。

また、新車を購入しても、長年乗り続けると再度低年式の車になるので途中で買い替えが必要となります。車の買い替えは一般的に5~7年、10年目がタイミングとなる言われています。

例えば、20歳~70歳までの50年間、10年ごとに買い替えても生涯5回、7年ごとだと約7回は車を購入しなければなりません。軽自動車でも新車は130万位はかかるので、新車を購入し続けると結構な出費になってしまうことが分かります。

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選び方によっては中古車でも維持費軽減につながる!?

選び方によっては中古車でも維持費軽減につながる!?
一生涯、車を新車で乗り続けると、車種や走行距離、住んでいる地域などで違いはありますが、3000万円前後の維持費、購入費が必要だと考えられています。

しかし、「中古車」を購入することで、購入費の負担額を減らせます。

中古車と言うと性能面で不安があるという人もいますが、上手く選べば比較的長くいい状態で乗れるのです。それこそ、年式が新しい高年式の車で、走行距離が長くない車両が理想的です。

年式の割に走行距離が長いとその分エンジンが消耗している可能性があり、燃費性能に影響が出ることが考えられます。走行距離は年間平均が約1万㎞とされています。年式は3、4年落ちが良いとされているので、走行距離も長くて5万㎞未満の中古車を選ぶのがポイントです。

ただ、年式が古くても走行距離が短いという中古車もあります。この場合、年式の割に乗らなかったということになるでしょう。エンジンを長い間動かしていないと逆に故障の原因となり、あまり良いとは言えないので注意が必要です。

乗っている車を業者に査定に出し、高額買取を目指す

乗っている車を業者に査定に出し、高額買取を目指す
車を乗り換えるタイミングで、今乗っている車を処分することになります。

その際、手間を省くために、車の購入先であるディーラーに下取りに出す人も少なくありません。しかし、下取りに出しても買い叩かれるので大した金額にならないものです。

その点、中古車買取業者を利用することで人気車種なら高値で買い取りしてもらえる可能性があるのでお得です。数社に買取額の見積もりを出してもらい、実地査定を受けて最終的に少しでも高く売れそうな業者を見つけましょう。

高く売れれば、その分を次の車の購入資金に充てることができて経済的です。

まとめ

①車の年式は運輸局で初めて登録された年月を意味します。
②年式は車検証の初年度登録年月で確認できます。
③車の維持費は税金や保険料、燃料費やメンテナンス費に分けられます。
④年式の古い車は初年度登録からの年数に応じて、増税や自動車保険の増額の対象となります。
⑤古い車は燃費悪化にもつながるの、定期的な買い替えにより維持費もお得になるでしょう。

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