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更新日:2018.11.08 / 掲載日:2018.08.06

【ホンダ・N-VAN】助手席側大開口とフルフラット荷室が軽バンの常識を変える!

N-VAN +STYLE FUN Honda SENSING

文と写真●ユニット・コンパス

 ホンダ軽自動車「Nシリーズ」に2018年7月12日、ニューモデルとなる「N-VAN」が加わった。
 「これからの新しい次の日本の乗り物を創る」という想いからネーミングされたホンダの「Nシリーズ」。ホンダが自社の軽ブランド復権をかけ、ゼロから創り上げたシリーズは大ヒットとなり、いまや販売ランキングの常連となっているのはご存知のとおり。
 軽乗用車の水準を大きく引き上げたホンダが、今度は軽バンの世界に挑戦する。

助手席側のピラーをなくすことで大開口を実現

 コンパクトなサイズに最大級の容積を確保する軽バンは、日々の生活に密接した乗り物。日本全国の津々浦々で、様々な職種や用途に使われている。
 そんな軽バンを、ホンダはどうやって「新しい乗り物」にしたのか。開発においてキーとなったのが、「どれだけ積めるか」ではなく、「どのように積むか」。

 これまでの軽バンは、主にテールゲートから荷物を出し入れするような設計だったが、N-VANでは助手席側をセンターピラーレスとすることで、後席スライドドアと合わせてもうひとつの大開口を実現。ホンダによれば、軽バンでのピラーレス仕様は初。これによって、荷物の種類やシチュエーションに合わせて、荷物の出し入れが便利かつ安全になるという。

N-VAN +STYLE COOL Honda SENSING

 助手席側がセンターピラーレスになっているのは、日本が左側通行だから。たとえば交通量の多い道や、テールゲートを開けるスペースがない環境でも、歩道側から安全に作業が行えるのだ。さらに、開口部が複数あることで、荷物の積み下ろしスピードが早くなることも期待できる。また、重い荷物を荷室の奥側に積み込みたいという際にも、この助手席側開口部は便利に使えそうだ。

  • スライドドアにはピーラが内蔵されている(写真:ホンダ)

  • 側面衝突に備えた車体骨格(写真:ホンダ)

衝突安全性能はもちろん、事故を未然に防ぐHonda SENSINGを採用

 安全性についても当然考えられていて、スライドドアに構造物として働くピラーを内蔵するほか、側面衝突の際にはエネルギーを分散して吸収することで、生存空間を確保する設計となっている。こうした衝突安全性能に加えて、全車に安全運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備。衝突軽減ブレーキ、誤発信抑制、レーンキープアシスト、アクティブクルーズコントロールといった充実した機能を備えている(MTモデルのみ一部機能は搭載されない)。

シートは運転席以外フラットに収納可能

 さらに、N-VANには日々の使い勝手を良くする仕掛けが用意されている。それが、運転席を除くすべてのシートが床にフラットな形で収納できること。
 従来のアクティ・バンでは、車体後部床下にエンジンを搭載し、後輪を駆動していたが、N-VANではフロントエンジン・フロントドライブ方式に変更。センタータンクレイアウトによる床の低さとフラットさによって、従来と同等以上の積載量を実現している。

 ここでいうフラットは、まさにフラット、真っ平らで、段差はまったくない。「機械を小さくし、人間のスペースを最大化する」というホンダ車らしさがまさに発揮された機能だ。これにより、段ボール箱なら71個、ビールケースは40個といった大容量を誇る。最大積載量は350kgだ。
 これらシートはそれぞれ単体で折りたたみできるため、例えば、「運転席のみ」、「運転席+助手席テーブルモード」、「運転席+後席右側」などなど、ユーザーの使い方に応じたシートアレンジとすることができる。

取材時にはバイクを実際に積載するデモンストレーションも行なってくれた。用品として車中泊に便利なマットなども用意されている(N-VAN +STYLE COOL Honda SENSING)

 パッケージングについての情報を一部まとめると。ハイルーフ仕様の「G」、「L」、「+STYLE FUN」では、

助手席側開口部高1230mm
助手席側開口部幅1580mm
最大スペース長2635mm
荷室長1510mm
荷室高1365mm
荷室幅1390mm

と、まさにスクエアな形状を生かした機能性を発揮している。

 ホンダはこのN-VANについて、商用用途はもちろんのこと、ホビーユースとして活用することも想定して、一般ユーザー向けの仕様としてハイルーフ仕様の「+STYLE FUN」とロールーフ仕様の「+STYLE COOL」を用意。「+STYLE FUN」にはフルLEDのヘッドライトが採用されている。
 また、この2タイプについては内装のしつらえもグレードアップ。ボディカラーも専用色を含めた7色から選べるなど、商用車らしさを感じさせないラインアップとなっている。

フロントエンジン+前輪駆動を基本に幅広い仕様を用意

 メカニズムはNシリーズで開発されたものをベースに、商用車に求められるタフネスを与えたもの。

 エンジンは自然吸気(53馬力、6.5kgm)とターボ(64馬力、10.6kgm)の2種類を用意。「G」と「L」は自然吸気のみで、「+STYLE」は自然吸気およびターボをラインアップ。すべての仕様にアイドリングストップシステムが採用されている。

CVTユニット(写真:ホンダ)

 従来の軽バンでは、耐久性やヘビーユース時の駆動力確保のために、トルクコンバータ式ATが主流となっているが、N-VANでは軽乗用車で一般的なCVTを採用。これによって走行時の騒音が抑えられ、低燃費化を進めることができた。もちろん、商用車としての耐久性を満たすため各部品は強化されている。
 マニュアル仕様も用意されているが、これはS660用の6速をベースに、FFおよび4WDに対応するよう改良したもの。6速は高速巡航用のギア比が与えられており、静かさと低燃費に貢献する。
 また、いずれの駆動方式にも4WD仕様を用意。後輪に駆動力を伝えるビスカスカップリングは、普通乗用車用ユニットをベースに応答性を高めたもので、スムーズで力強い登坂性能を発揮するチューニングだ。

 側面大開口+フルフラットという、これまでの商用車にない機能を武器に商用車シーンに切り込むN-VAN。開発チームは、「実際にクルマを毎日使うプロの声を聞きながら研究を行なった」というだけに、その仕上がりには説得力がある。
 さらに「+STYLE」のルックスは、一般ユーザーからも人気を集めそうな魅力的なもので、これもN-VANの人気を後押ししそう。
 「運ぶ」、「積む」ということを徹底的に考えたN-VANは、多くのユーザーにとっていい相棒になるであろう、まさに新時代の軽バンだ。


ホンダ N-VAN +STYLE FUN(CVT)

全長×全幅×全高 3395×1475×1945mm
ホイールベース 2520mm
トレッド前/後 1310/1310mm
車両重量 960kg
エンジン 直列3気筒DOHC
総排気量 658cc
最高出力 53ps/6800rpm
最大トルク 6.5kgm/4800rpm
サスペンション前/後 ストラット/車軸式
ブレーキ前/後 ディスク/リーディング
タイヤ前後 145/80R12

販売価格 126万7920円~179万9280円(全グレード)



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グーネットマガジン編集部

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