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車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29

車検情報の決定版!車検手続きの流れや必要書類・注意点のまとめ情報

車検情報の決定版!車検手続きの流れや必要書類・注意点のまとめ情報

車検情報の決定版!車検手続きの流れや必要書類・注意点のまとめ情報

日本国内において車を所有していると、車検は何年かに一回「義務」として必ず行わなければなりません。この制度はどのような理由で、どのようなことをしなければいけないのか、またどこで何をすれば良いのか、なんとなく人に任せきりでその意味や意義をきちんと理解されていない方も多いのではないかと思います。そこで、ここでは基礎知識から紹介いたします。

車検とは安全で公害の少ない交通社会を実現することを目的として、法律で自動車に一定の保安基準を決めて、所有している自動車がその基準に適合しているかを定期的に検査して公道の通行を認可する制度です。法的には「道路運送車両法」により定められております。車検(継続検査)は、満了日の1か月前(離島は2か月前)から受けることができます。

車検の役割とは

車検の役割とは、一言で言うと安全な運行を目指す交通社会にするためのものと言えます。
車検制度がなかったら、街中に整備不良車(排気ガスが異常など)や故障してしまう(止まらない、曲がらないなど)といった車が溢れて、公害や事故が多発することになりかねません。そういう社会にならないためにも、日本では世界でも数少ない「車検制度」が義務付けられています。この車検は「国(指定の運輸支局、この章では陸運局とします)」が検査します。また、車両の所有権を明らかにして盗難車ではないかを確認することや、検査と同時に自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)と重量税の支払いも行います。

車検はなぜ必要なのか

車を運転するには、交通ルールを守って運転操作技術に熟達する資格が必要です。そのために「運転免許制度」があります。車検制度も同じ目的で作られた制度です。自動車も道路(公道)を安全に走行するために「安全で健康な車」であることが求められます。そのために、定期的に道路運送車両法で定められている保安基準を満たしているかを検査するのです。

車検の意味

「車検を定期的に必ず受けているから、次の車検までこの車は違法ではない・安全だ」と思い込むことは間違いです。なぜなら、車両検査を受けた時点の保安基準は満たしていても、「次の車検までの安全を保証するものではない」ことを理解することが必要です。大事なことは「次の車検まで車のコンディションに気を使い、安全な状態を保持するために定期点検や整備を行う」ことを、オーナードライバーには要求されているという点を覚えておいてください。

車検の期間はどのくらい?

車検の期間はどのくらい?

それでは、車検を受けなければならない期間について見ていきましょう。自分の車は常に気を使って点検しているから5年や10年は大丈夫だと思っていても、車の細部まで分解し、特殊な工具や検査機器を使用して安全を確認されている方は少ないでしょう。運転免許の更新と同じように、車も検査して健康な車であることを維持しなければなりません。

車検の受付期間(いつからいつまで受けられるのか)

まず車に搭載している「車検証」を確認してください。任意保険に加入するとき以来、車検証をご覧になったことがない方も多いのではないでしょうか。車検証には『有効期間の満了する日』という項目があります。この項目に〇〇年〇月〇日と記載されています。この記載の日付の「1か月前から」車検を受けることが可能です。(離島は2か月前から)満了する日に検査を受けに行かなくても、1か月の余裕があると思ってください。また検査を受けた日から次の有効期間が始まるわけではなく、次の車検の有効期間は車検証に記載されている、「有効期間の満了する日」の次の日を起算日とされます。車検が受けられる期間に入ったからといって早く車検を受けたら、次の車検までの有効期間も早くなってしまうわけではありません。

車検期間が過ぎてしまった時の対応方法とは

「車検の期日を忘れてしまった」と慌ててその車に乗って車検を受けに行かないでください。車検が切れた車は『無車検車運行』という交通違反になります。その場合は「違反点数が6点」、そして「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」という重い罰則が待ち受けています。(道路運送車両法第58条1項、108条)また、自賠責保険が切れていたら『無保険車運行』という罰則に該当し、「違反点数が6点」、そして「12ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」と罰則も重くなります。(自動車損害賠償保障法第5条、86条の3)車検期間が過ぎてしまった時は『仮ナンバー』をつけて検査を受けに行くか、業者に依頼して車両運送トレーラーに積んで運んでもらうしか、車を移動する手段はありません。では『仮ナンバー』とはどのようなものでしょう。道路を走っていると白地に赤い斜線が入ったナンバープレートを付けた車を見かけることがあります。別に悪いことをしたからナンバーに赤い斜線が入っているわけではなく、車検の有効期限が切れてしまった場合などに特別に車検場までの運行を許可した臨時のナンバーを発行してもらい走っているのです。「仮ナンバー」や「臨番」という言い方をしますが、正式には「臨時運行許可」を申請して走行しているものとなります。また繰り返しになりますが、車検の有効期限が過ぎたということは「自賠責保険の有効期限も切れている」ということが想定されます。「無保険車走行」の違反は禁固を伴うとても厳しいものなので、無車検車走行の違反をあえてしてしまうことは厳に慎んでください。車検が切れてしまった場合は、ディーラーや車検業者に相談されることをおすすめします。

車検の内訳と費用について

車検費用の内訳は、様々な項目で構成されています。その内容は法定費用と整備点検費、さらに点検した結果、交換しなければならない部品代とその作業工賃などです。では、その中身について詳細を見ていきましょう。

車検費用の内訳にはどんなものがあるのか

車検を受けるにあたって、どのくらいの費用負担の心づもりをしておけば良いでしょうか。車検は大きく分けて法定費用、点検整備費用それと付帯サービス費用の3つに分けられます。この中でも節約できるものと全くできないものがあります。

1.法定費用

法定費用はある決まった額を納付するもので節約は全く出来ません。また車両によって決められた金額のため、どこで車検を受けてもその金額は変わりません。具体的には自賠責保険料、重量税、印紙代の3つを納めます。

2.点検・整備費用

この点検・整備費用という費用は、車検を代行して受けてくれるディーラーや整備工場の費用と考えてください。車両各部位の検査料や整備料、さらには「代行手数料」も含まれます。この費用は車検を依頼する業者によって異なりますので、「相見積り」を取るようおすすめします。

3.付帯サービス費用

付帯サービスとは、言ってみれば部品代とお考えください。タイヤが摩耗していたり、オイルが減っていたり汚れていたりすると車検の整備項目に抵触しますので、交換が必要になる場合もあります。また、検査ですから車を綺麗に洗車したりもします。付帯サービス費用はこれらにかかる費用のことで、この項目も相見積りの対象にして構わないでしょう。

法定費用の料金の違いについて

車検項目のうち法定費用については車両の分類によって金額が決められています。重量税、自賠責保険料、印紙代の3点です。さらにそれら法定費用は非エコカー(一般車両)、エコカー、新車登録から13年経過した車両で金額が変わってきます。以下に大まかな目安をお知らせしますので事前準備できることは対処していきましょう。

【エコカー以外】2年(車検実地時)の自家用車(定員10人以下)の法定費用

 0.5トン以下~1トン以下~1.5トン以下~2トン以下~2.5トン以下~3トン以下
重量税13年未満8,20016,40024,60032,80041,00049,200
13年経過11,40022,80034,20045,60057,00068,400
自賠責保険21,55021,55021,55021,55021,55021,550
印紙代1,1001,1001,1001,1001,1001,100
合計13年未満30,85039,05047,25055,45063,65071,850
13年経過34,05045,45056,85068,25079,65091,050

【エコカー減税50%適用】2年(車検実地時)の自家用車(定員10人以下)の法定費用

 0.5トン以下~1トン以下~1.5トン以下~2トン以下~2.5トン以下~3トン以下
重量税2,5005,0007,50010,00012,50015,000
自賠責保険21,55021,55021,55021,55021,55021,550
印紙代1,1001,1001,1001,1001,1001,100
合計25,15027,65030,15032,65035,15037,650

※本記事に記載されている法定費用は、2020年4月1日時点の情報です。記事内容は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

車検費用の支払い方法について

車検費用の支払い方法について

車検費用は前払い、後払い、分割払い、ローン、ボーナス一括払いなど車検を依頼する業者により、サービスの一環としても様々な支払い方に対応してくれるところがあります。ただし、いずれの支払い方法でも事前見積りはしっかり取っておく必要があります。

車検の支払いの期限はいつ?

原則的には車検費用は前払いが基本です。車検証を見ればいつまで車検が残っているのかがわかります。本来ならば法定費用も含まれているのですから、前払いする必要があります。しかし、ディーラーや車検代行業者もサービスの一環として融通を聞いてくれるところもあります。そのため、支払い方法の都合で業者を探すのも良いかもしれません。

車検代の支払い方法にはどんな種類があるのか

【前払い】

前述した通り、車検費用には法定費用の一部に「税金」も含まれます。法定費用は車検を受ける車の保有者(ご自身)が納付するという前提からすれば、前納が必然かもしれません。中には法定費用だけは前払いにして、整備料や部品代などは後払いにしてくれるところもあるようです。

【後払い】

前払いが原則であることに対して、車検終了後に一括で支払う業者も少なくありません。これはディーラーなどに多く、すでに車両の購入などでお客様との信頼関係が出来ている場合に限られると言えるでしょう。そのため前述の法定費用に関しても、一旦ディーラーや業者が「立て替えておく」という方法だと考えるのが妥当です。

【分割払い】

車検にかかる費用は決して安くはないものです。一括で支払うことを準備できずに車検期日が来てしまった、という方のために分割払いのシステムがあります。ディーラーや業者の中には、クレジット会社と提携して分割払いを請け負ってくれるところがあります。または銀行やクレジット会社にオートローンを申し込む方法です。この場合は車検の見積書を取って申し込む形になります。

【ローン、ボーナス一括払い】

分割払いと同じ方法ですが、車検費用をボーナス一括払いでクレジット払いにする、またはローンを契約するときにボーナス一括払いの適用があるかを確認してください。その際にはボーナス払いの設定月を間違わないように気を付けてください。

車検の一般的な手続きと流れについて

車検を受ける時期がやってきた際に、車検を依頼する業者をやみくもに探していては、どんどん期限が迫ってしまいます。それではどのような手順で車検を進めて行けば良いのでしょうか。

一般的な車検の手続きや流れとは

車検を受けたいと思ったら、どのような流れで車検を取るのでしょうか。ステップごとに紹介していきます。

【車検の見積りを取る】

まずは何にいくらかかるのか、見積りを取る作業です。ディーラーや整備工場にいきなり車を持ち込んでも、受けてくれるかどうかはわかりません。最初に電話やインターネットで見積り作成のお願いをするところから始まります。そして実際に車を持ちこんで、どのような整備作業が必要かを見積もってもらいます。車検には56項目という細かい検査項目があり、車検を受けるにあたって整備が必要な項目を確認して見積りを作成してもらいます。当然ですが複数社から見積りを取り、比較して依頼する業者を決めましょう。

【予約】

費用や不明点の確認を済ませ、見積りに納得して依頼する業者が決まったら、正式入庫の予約の連絡をします。さらに車検終了後の納車(引き取り)のおおよその日付を確認をして、車を持ち込みます。また車を預けてしまって代車が必要になる際には、代車の申し込みも予約時に確認します。

【入庫】

入庫日が決まったらその日に車を持ち込みます。その際、車内に置いてある装飾品(ぬいぐるみやカー用品など)は車検には関係がありませんので、自宅に置いておきましょう。車が返却されたら大事なものがなくなったなどということの無いように、車検にだけ必要なものを確認してその他のものは自分で保管することが必要です。また入庫の際には車検に必要な書類がありますので、入庫する業者によく確認して漏れの無いように準備して持っていきましょう。

車検にかかる時間はどのくらい?

さて無事に車は車検に向けて出発しました。それでは予約を入れてから車が戻ってくるまでの期間はどれくらいかかるのか、それぞれの工程(予約・見積り・当日)ごとにどれくらい時間がかかるのか、一般的な範囲で簡単に触れておきます。

【予約から入庫まで】

車検整備の見積りは必ず複数社から取りましょう。一日に何社も車を運びながら見積りを書いてもらうには時間がかかります。目安としては一日に2~3社程度で考えておくと良いでしょう全部で4~5社から見積りを取って検討、疑問点の解消まで1週間というところでしょうか。「1週間後には決めて予約を入れます」と業者に伝えておけば、良いコミュニケーションになるでしょう。その後、見積りに納得出来たら入庫の予約をします。入庫当日、必要書類が全て準備できていれば車を持ち込むだけです。ここまでは見積り検討に1週間、予約を入れるのに3日前後、合わせて10日くらいの余裕を持っていたいものです。

【整備から車検まで】

車検整備には通常、次のような整備手順があります。

1.点検整備記録簿を確認
2.エンジンルームの点検整備
3.室内操作系の点検整備
4.足回りの点検整備
5.下回りの点検整備
6.ボディの点検整備
7.灯火類(ライト、ウインカーなど)の点検整備

これらの項目で正常に作動しない、欠品部品などがあれば修理交換をすることで日数は前後しますが、入庫日数はだいたい2~3日間と思っておけば良いでしょう。なお、今は「1時間車検」や「日帰り車検」など短時間で車検を通す方法もありますが、それは別の章で紹介します。

車検の見積りの重要性

車検の見積りの重要性

「見積りは複数社から」と何度となく記述していますが、それはなぜでしょうか。車検は数年に一度とはいえ、決して安くはない費用を払うわけですから、納得してお金を使っていただきたいものです。それでは車検の見積りを取るメリット、デメリットについて紹介します。

複数の見積りを取ることの重要性について、そのメリット・デメリット

法定費用は全国決まった額として自明のものですが、整備費用は各社に違いがあります。そのため、見積りを取った際にあまりにも整備費用が安い業者、交換部品が少ない業者などは、他の業者と比べてなぜそこまで価格が抑えられるのかなど、しっかりと確認しておいた方が良いでしょう。整備しなければいけない部位、交換しなければいけないパーツはしっかり交換しながらも、その整備内容や価格に納得できる業者を選定することが、見積りを取るメリットではないでしょうか。複数の見積りを取ることにデメリットはほぼないとは考えられますが、あえて挙げるのであれば、複数見積りがあることによって判断に迷ってしまうということでしょうか。また、単純に多くの車検業者に問い合わせをすることになるため、労力を使うことにもなります。しかし、車検が終わった後にトラブルにならないためにも、事前に整備項目や価格などを把握しておくことは重要なので、少なくとも2~3社ほどの見積りは取っておくことをおすすめします。

車検見積りに必要なものや情報とは

今はインターネットや電話でも見積りを取ることができますが、それだけでは不安はぬぐいきれません。車検の見積りの中でわかりにくい、納得しづらい項目はやはり「整備作業費」でしょう。整備・交換にかかる費用について、「これは車検の検査項目にある部位・パーツであって、修理や交換が必要な項目」であることや、「そのためにどういった作業や工賃として、これくらいの料金が発生します」など、理解できるレベルの説明と見積りならば、納得した上で安心して依頼できるのではないでしょうか。納得した見積りや説明を受けるためには、実際に車を持って行き、実車を見て見積りをしてもらうことが重要です。また、見積りをしてもらうときに「車検証」「自賠責保険の証明書」「整備点検記録簿」は用意していくことが望ましいでしょう。

名義変更や住所が変わる時の手続きはどうしたら良いのか

結婚した、引っ越した、車を相続したなど「車にまつわる異動」があった際にはどうしたら良いのでしょう。ひとつずつ紹介します。「結婚して姓が変わった場合」は、当然車の持ち主が変わることを申請しなければなりません。これを「変更登録」といいます。車検と同じように地域の陸運局に申請します。必要な書類は主に「戸籍謄本(婚姻届提出後)」「車検証」「認印」などがありますが、手間がかかるのは車の「所有者」と「使用者」が違う場合や、「ご自身で申請する場合」と「ディーラーなどに依頼する場合」で、書類が変わることです。詳しくは地域の陸運局に確認してみることをおすすめします。

次は「引っ越した場合」です。厳密には引っ越した場合の住所変更の手続きは申請しなくても車には乗ることができますが、本来は引っ越してから15日以内に変更手続きをするという決まりがあります。仮に引っ越し先の住所で管轄する陸運局が変わってしまう場合は、「ナンバープレートの変更」も必要になりますのでよく確認してください。この際に必要な書類は主に「車検証」「住民票」「車庫証明」「自動車税申告書」「認印」などです。この場合も、何度も陸運局に行っては戻りを繰り返すことの無いように、必要な書類と手数料の確認は地域の陸運局に前もって問い合わせをしてください。

また故人の車を遺産相続する場合、まず遺産相続手続きが必要になります。遺産相続の対象が一人という例はあまり多くはないことだと思いますので、相続人が複数いる場合を想定します。必要な書類は「遺産分割協議書」「相続人全員が記載されている戸籍謄本」「相続人の印鑑証明」「実印」などが必要になります。この相続申告と同時に「名義変更」の書類も必要になります。遺産相続にまつわる諸問題は、単にこれだけでは済まないことがありますので、「同時に廃車にする」ことや「そのまま車を譲渡売買する」ことも含めて、どの順番に申告・申請したらよいか関係各所に確認して効率的に申請処理を行ってください。

車検に必要な書類や持ち物とは

車検が近づいてきたら、何を準備すれば良いのでしょう。改めて車検前に準備しておく書類や持ち物について確認しましょう。

車検に必要な書類と書き方について

車検は業者に依頼する場合と、ご自身で車検を受ける場合(ユーザー車検)と大きく二つに分かれます。まず業者に依頼する場合、主に以下の書類が必要になります。「車検証」「自賠責保険証明書」「自動車税の納税証明書」の3つです。もちろん前提条件として「自動車税を滞納していない」必要があります。また、車検証に明記されている「使用者」の認印が必要になることがあります。

次にご自身で車検を受ける「ユーザー車検」の場合は、すべての書類をご自身で用意する必要がありますのでちょっと苦労します。「車検証」「自賠責保険証明書」「自動車税の納税証明書」「自動車検査票」「自動車重量税納付書」「継続検査申請書」「定期点検整備記録簿」など、だいたいは車に常時保管している書類や当日書いて申請するものですが、漏れがあると「出直し」になりますので、慣れた人に監修してもらうと良いでしょう。また、「使用者の認印」も忘れないようにしましょう。さらに「自賠責保険」は車検を受ける前に保険期間の継続申請を行っている必要があります。

車検の書類をなくしてしまった時の対応方法について

以上のように、車検を受けるにはたくさんの書類が必要です。車内に保管しておいたから確認しなかったなどで紛失している書類があったら、車検は受けられないどころか、書類によっては車に乗れなくなります。必要書類を紛失してしまったら、再発行を申請するしかありません。

「車検証」を紛失したら以下の書類を用意してください。

・車の使用者の委任状(車の使用者本人が申請する場合は不要)
・使用者の認印の押印がある理由書
(車検証の汚れなどによる再発行の場合は現存の車検証があれば理由書は不要)
・申請者の身分証明書
・手数料納付書
・申請書

この再発行はディーラーなどに代行を依頼することも出来ますが、その際は申請料以外に代行手数料も発生します。

次に「自賠責保険証明書」を紛失した場合です。自賠責保険証明書の再発行は、その自賠責を請け負った保険会社や保険代理店に再発行を依頼することになります。「自賠責保険証明書再発行申請書」を記入して、ご自身の身分証明書を一緒に提出すれば再発行は可能です。ただ再発行には早くても1週間くらい時間がかかりますので、車検時期が迫っている方は早めに準備を始めていただく必要があります。

最後に「自動車税納税証明書」を紛失した場合です。自動車納税証明書の再発行は自動車税管理事務所、または各都道府県の税事務所で手続きをします。必要な書類は以下となります。

・車検証
・自動車税の納税を行った際の領収証書

代行車検とは

平成7年の道路運送車両法の一部改正によって、車検制度の規制が少し緩和されました。それまでは認証工場などでしっかり整備をしてから陸運局などに車両を持ち込む仕組みだったのですが、改正以降は「車検と整備がセットではなくなった」ことで単独の車検でも構わなくなりました。それで出てきた車検方法が「ユーザー車検」と「代行車検」です。

代行車検の流れと注意点

「ユーザー車検」とは車の使用者が自身で点検整備を行い、自身で車検に行くという方法に対し、「代行車検」は「車検だけを代行業者に任せる」方式です。代行車検業者はユーザーの代わりに車検会場に車を持ち込み、検査ラインを通すことは出来ますが、車両整備は「認証工場ではない」代行業者は出来ませんし、当然ながら点検整備記録簿に記載も出来ません。車検代行業者に依頼する流れは、「車検代行の予約」「車の入庫」「車検」「車両引き取り」「料金支払い」という流れです。代行車検業者は前述した通り、整備は出来ません。代行業者によっては、見積りの段階で整備した方が良いポイントを教えてくれる場合もありますが、あくまで最低限「車検を通すだけ」を行う業者と考えてください。ですから車検は通っても、後々不具合や故障が発生しても車検代行業者に責任はとれませんので、「自身の車の管理・整備はご自身で」ということをご理解ください。

車検の検査項目について

車検の検査項目について

陸運局で行われる車検とは、どのような手順でどのような検査項目があるのでしょうか。簡単にですが、検査項目を覗いてみましょう。

車検の検査項目と検査内容について

車検の検査会場は大きな生産ラインに乗った工場のように検査項目が進みます。検査といっても走行して検査するような場所はありませんので、ローラーの上で走行確認をする程度です。なお、車検の検査内容については、地域によって若干の違いがあることを前もってご理解ください。

【同一性の確認】

車検証や申請書類に記載している内容と、検査する車両が同じ車であるかを確認します。車両のボンネットを開けて、車検証に記載されている車体ナンバーやエンジンナンバーと同一であるかを確認します。車検証に記載されている外形寸法などの同一性も、次の外廻り検査で変更や改造が行われていないかを確認されます。

【外廻りの検査】

検査車両の外観や灯火類に問題がないか確認します。ヘッドライト、スモールライト、ウインカー、フォグランプ、テールランプ、ブレーキランプ、ナンバー灯、などのライト類について、点灯・点滅するか、色・明るさ、地面からの高さや左右の位置などについて検査をします。ワイパー、ホーンの検査をするところもあります。

【サイドスリップ検査】

前輪タイヤの横滑り量(直進安定性)を確認するため、テスター(車を止めたまま車輪だけを回転させる装置)に車を載せて検査をします。いわゆる「ホイールアライメント」の調整が出来ているかの検査です。検査コースのラインにタイヤを合わせ、ゆっくりとライン(鉄板)の上を走行します。アライメントの調整がきちんと行われていないと、タイヤの偏った磨耗(片減り)や直進安定性に支障をきたします。このとき、ステアリングを切ると正確な検査が行われず不通過になることがあります。

【ブレーキ検査】

検査台(テスター)のラインの上でローラーが動き、タイヤが回ります(ギアはニュートラルにします)。検査台の指示に従ってブレーキを踏み、前輪及び後輪ブレーキと駐車ブレーキの利きを確認します。

【スピードメーター検査】

その場で実際にスピードを上げて、その速度と車両に搭載されている速度表示機器(スピードメーター)の誤差を確認します。実際のスピード(タイヤが回っているスピード)と、スピードメーターの表示が基準範囲内の誤差であれば「検査OK」となります。

【ヘッドライト検査】

ブレーキ検査やスピードメーター検査の検査台と同じ場所でヘッドライトをロービームで点灯させ、ヘッドライトテスターによって光量と光軸のずれを確認します。

【排気ガス検査】

次の検査台に移動し、排気ガス検査を行います。検査台で排気管(マフラーの出口)に測定機器を差し入れて、排出されるガスの中の一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の濃度を検査します。排気ガス検査の合格基準は、普通自動車(4サイクル)の場合、CO:1%以下、HC:300ppm以下となります。

【下廻りの検査】

ブレーキ、サスペンション、マフラーなどの部品の取付状態やオイル漏れ、かじ取り装置の操作性能などについて検査をします。検査ラインの決められた停止位置に車両を前進させ、エンジンを切ります。さらに駐車ブレーキは引かずに、ギアをニュートラルまたはパーキングに入れて、検査車両を下から見て舵取り装置(ステアリング機器)の不具合や各部位のオイル漏れなどを確認します。

車の消耗品と交換時期の目安

次に直接車検に影響するかは別問題ですが、車には数々の消耗品が使用されています。「車を健康な状態」に保つためには、定期的な確認と交換が必要となるため、消耗品と交換時期の目安についての知識を持っておくと良いでしょう。

【ワイパー類】

フロントウインドウワイパーにしてもリアウインドウワイパーにしても、主たるゴム部分は経年劣化してしまいます。今年はそんなに雨が降らなかったからゴムも劣化していないだろうという先入観は間違いです。随時「硬化」していないか確認してください。固くなったなと思ったら何時でも交換しましょう。

【オイル類】

エンジンオイルは常にチェックして減っていたらつぎ足し、最低でも6か月に一度は交換しましょう。古いオイルを使い続けると最悪の場合、エンジン内の焼きつきなどという重大なトラブルになる可能性があります。

【オイルフィルター】

エンジンオイルの全交換に合わせて交換しましょう。

【ウインドウォッシャー液】

エンジンルームを開けてリザーバータンクの量を確認します。こちらも減っていたらつぎ足します。

【ラジエーター液】

エンジンをオーバーヒートさせないように24か月点検の際には、液の量を確認してください。同時にラジエーターキャップの劣化も確認して必要に応じて交換しましょう。

【ブレーキフルード(ブレーキオイル)】

24か月点検の際には必ず確認しましょう。

【ブレーキパッド】

タイヤ交換などをする際には、そのパッドの厚みと減りを確認してください。パッドの厚みは1mm以下になったら交換するというルールがありますので、点検の際に注意しましょう。

その他に走行年数や走行距離に応じて交換すべき消耗品がありますので主なものを以下にお知らせします。

【バッテリー】(3年~5年ごとに交換)

バッテリーの劣化は目で見えません。劣化が進むと突然エンジンがかからなくなったり、ライトが点灯しなくなったりして慌てるものです。バッテリーテスターなどで充電量を確認しましょう。

【タイミングベルト】(10万kmごとに交換)

ベルトが傷んで破断の恐れがあるので10万kmを目安に交換します。出来るだけ早く専門店や修理工場に入庫して、交換が必要かを確認しましょう。

【各種Vベルト】(5万キロから随時チェックして劣化していたら交換)

Vベルトはエンジンがかかっているときはオルタネータやパワステポンプを駆動するため常時負荷がかかっているベルトです。法定点検時には必ずベルトに傷みがないか確認しましょう。

【その他、交換時期を覚えていてほしいパーツ】

●かじ取り装置
・パワーステアリングフルード(パワステオイル)は6万キロを超えたら随時点検と交換が必要)

●制動装置
・ブレーキホース(10万kmごとに交換)

●懸架装置
・ショックアブソーバー(10万kmごとに交換)
・スプリング(10万kmごとに交換)

●電気装置
・スパークプラグ(4万キロごとに交換)
・プラグコード(10万キロごとに交換)

●エンジン・吸気系
・エアクリーナーフィルター(3年~5年ごと)
・サーモスタット(10万kmごとに交換)
・ラジエーターホース(10万kmごとに交換)
・燃料フィルター(10万キロ~15万kmごとに交換)

●動力伝達装置
・デファレンシャルギアオイル(5万キロごと)
・ミッションオイル(5万キロごと)
・ドライブシャフトブーツ(7万キロ~10万キロごとに交換)

●その他
・車載の発煙筒(4年ごとに交換)

これらの消耗品の中には年数や走行距離を待たずに劣化し、車検よりももっと前に交換すべき部分もありますので、法定点検(12か月・24か月)の点検時には交換するかどうかを、サービス工場などでチェックしてもらった方が良いでしょう。

車検と一緒に交換したほうが良い部分や消耗品とは

車はオイルやゴム製品など「消耗品の集合体」と言っても過言ではありません。消耗品の交換時期や寿命を理解しておくと、整備代として余計な費用をかけることも少なくなりますし、放置して故障を引き起こすリスクを減らすことができます。ここでは、消耗品の中でも車検時期に合わせて交換しておくと「故障予防」にもなり、「健康な車」でいられる部品を紹介します。

【冷却水】(LLC)

ラジエーターを満たしているエンジンの冷却に使われている液体です。「ロングライフクーラント(LLC)」と呼ばれており、この液体が古くなり劣化してくると水アカなどが発生しラジエーター内部を詰まらせ、冷却能力が低下してエンジンがオーバーヒートする原因にもなります。カー用品店などでも購入することは可能ですが、サービス工場に持ち込んで全量交換してもらうことをおすすめします。全量交換費用の工賃込みの目安は5,000円ほどです。

【ブレーキフルード】(ブレーキオイル)

ブレーキペダルを踏んだ力をブレーキに伝えるオイルです。このオイルが古くなると山道などブレーキを多用するような道でブレーキが過熱して制動が効かなくなる(ベーパーロック現象)ことを招きかねません。安全を考慮して車検のたびに交換した方が良いでしょう。部品代を含めた工賃も4,000円程度が目安です。

【バッテリー】

車に必要な電力を溜めておく部品です。このバッテリーが劣化したり寿命を迎えたりすると、いわゆる「バッテリー上がり」が起こり、エンジンがかけられなくなります。この部品も車検ごとに新品と交換した方が安心です。最近はサービス工場に「バッテリーテスター」が置いてあり、このテスターを使用し、寿命を見極めることで節約することも可能です。車種によって異なりますが、交換するとなると工賃込みで1万円はかかるでしょう。さらに初回充電が必要になり、交換時間もかかります。

【スパークプラグ】

エンジンの心臓ともいわれる「スパークプラグ」エンジンの中でガソリンと空気を混ぜた混合気と呼ばれる気体を燃やして動力を発生しますが、ガソリンは高温になっても自分では発火しづらく、火をつけてあげる必要があります。このガソリン(混合気)に火花を飛ばして着火させる部品がスパークプラグです。スパークプラグが古くなるとパワーダウンや燃費の悪化が起こります。この部品は劣化の速度がゆっくりとしていますのでなかなか交換の時期がわかりません。気になるという方は車検のときに交換した方が良いでしょう。交換費用は工賃込みで5,000円前後です。なお、プラグがプラチナプラグ(白金プラグ)やイリジウムプラグであれば、その寿命は走行距離10万キロと言われています。

車検中に代車は出るのか

車検中、ご自身の車は点検・整備と車検を通すために持ち出されています。そのため、愛車が返ってくるまで代わりに乗る車を手配してもらうことが必要です。ディーラーや指定整備工場などで車検を依頼することが一般的だった頃は、代車は当たり前のように手配してもらい、費用もかかりませんでした。しかし、現在では代車が用意されないケースも増えているので、どのような形で代車を利用すれば良いかについて説明していきます。

代車を借りる時のマナーと注意点について

代車を借りるケースは有料、無料の2種類があります。有料のケースには、車検予約の際に代車を申し込むと使用料が日単位で発生するタイプや、レンタカーを手配してくれるタイプがあります。「レンタカー」であれば、契約書も約款もしっかりしていますので、万一の場合もしっかりバックアップしてくれて安心です。無料で代車を貸してくれる場合は、何世代も付き合いのある工場や、大得意となっているディーラーとの「信頼関係」で用意してくれるものです。なお、有料、無料どちらの場合も間に人が入っている以上「信頼は信頼で」返さなくてはいけません。「ガソリンを満タンにして返す」「傷をつけたら正直に報告」「車内のごみは片づける」など、最低限のマナーは守って代車を借りるようにしましょう。

車検の種類ごとの特徴とメリット・デメリットとは

車検の種類ごとの特徴とメリット・デメリットとは

平成7年に車検制度が規制緩和の流れによって見直しを受けてから、色々なところで車検を依頼し検査を受けられるようになりました。そのため、ガソリンスタンドや車検代行業者など、車検を取り扱う業者が多くなり選択に迷うことでしょう。この項では、車検を受ける場所によるメリットやデメリットについて紹介します。

車検業者の選び方とは

例えばどのような買い物をするにしても「品質とサービス」が良い業者を選びたいものです。
反対に品質とサービスが不良にも関わらず、価格は高い業者は選びたくないものでしょう。
車検業者を選ぶ際にも、以下のように考えてはいかがでしょう。

【業者選びの考え方】

・整備の質は満足がいくか
・サービスについても、手の届かないところまで親切に提案してくれるか
・価格は妥当で納得いくものか
・そこまでは求めていない、余分なサービスはないか

あくまで愛車を健康に保つのか、後のメンテナンスは自分できっちりやるからとりあえず無事に車検を通してほしいと考えるのか、目的によっても車検業者の選び方は変わってくるでしょう。それでは、どの車検業者がどのようなメリット、デメリットを持っているかについて見ていきましょう。

指定工場と認証工場の違いとは

民間の自動車整備工場で車検を依頼する場合に、少々わかりにくいことがあります。それが「指定工場」と「認証工場」があるということです。ここでいう工場は「指定工場(指定自動車整備事業)」と「認証工場(自動車分解整備事業)」の指定を受けている工場です。指定工場は「民間車検場」とも呼ばれ、陸運局に代わって車検を行うことが出来ます。陸運局と同じ検査ラインを工場内に持っているため、それが可能なわけです。この指定工場で検査を受ければ、必要書類を陸運局に持ち込むだけで新しい車検証を発行してくれます。一方、指定工場と違い「認証工場」は検査ラインを持ちません。法定点検などの定期検査は行うことができ、点検整備記録簿の記入できますが、車検は車両を実際に陸運局など検査ラインに持ち込んで検査を受けます。

民間車検の特徴とメリット・デメリットとは

民間車検とは街中にある自動車整備工場が国の指定を受け陸運局に代わって車検を行うことが出来るものを指します。

【民間車検のメリット】

・指定工場であれば検査ラインを自社で保有しており点検・整備から車検まで行えます。
・価格設定が比較的安めです。

【民間車検のデメリット】

・工場によって設備や技術にバラつきがあります。
・基本的に車両の持ち込みと持ち帰りはユーザーがします。

ディーラー車検の特徴とメリット・デメリットとは

新車を販売しているディーラーがサービス工場も併設し、車検を受け付けています。このサービス工場で受ける車検が「ディーラー車検」です。

【ディーラー車検のメリット】

・メーカーのサービスとして質の高い点検整備が受けられます。
・設備、知識、経験が充実しています。
・メーカー純正パーツを使用しています。

【ディーラー車検のデメリット】

・自社メーカー車以外の知識は多くありません。
・価格は一般的に割高です。

ユーザー車検(持ち込み車検)の特徴とメリット・デメリットとは

車検を受ける際には通常、車検を代行してくれるディーラーや自動車整備工場、代行業者に依頼するものですが、ユーザー車検はご自身で車両を陸運局に持ち込み車検を受けることで、車検費用を安く抑えることが出来る仕組みです。ただしある程度車に詳しく、書類の作成や車検56項目に精通している方に向いている方法と言えるでしょう。また、法定24か月点検は特殊な工具を使用し点検を行い、点検整備記録簿に記入するため、整備工場に依頼されることをおすすめします。

【ユーザー車検(持ち込み車検)のメリット】

・車検にかける費用が格安になります。
・車検の知識が身に付きます。

【ユーザー車検(持ち込み車検)のデメリット】

・車検整備の知識が必要です。
・平日に時間(お休み)が取れることが条件になります。
・検査に落ちて再検査になる可能性があります。

ガソリンスタンド車検の特徴とメリット・デメリットとは

ガソリンスタンドでも車検を受け付けるところが増えてきました。そのため国家資格を所有した整備士を配置し、ガソリンを給油しに来てくれるお客様の車両の整備まで受け持とうとしている傾向にあるようです。

【ガソリンスタンド車検のメリット】

・価格が安い傾向にあり、費用が抑えられます。
・営業時間中であれば、何時でも受け付けられます。

【ガソリンスタンド車検のデメリット】

・ディーラーなどと比べると点検整備の質が見劣りする場合があります。
・車両は基本的にガソリンスタンドまでご自身で持ち込み、引き取りをします。

車検代行の特徴とメリット・デメリットとは

ユーザー車検が陸運局にご自身で車両を持っていき検査を受けることに対して、平日に時間が取れない場合など、車検場への持ち込みから持ち帰りまで代行してくれる業者が車検代行です。

【車検代行のメリット】

・ユーザー車検の代行となるため、通常の車検よりも価格が抑えられます。
・ユーザー車検に比べ、陸運局に車両を持ち込む手間を省くことが出来ます。

【車検代行のデメリット】

・法定点検整備は行わない。
・業者への持ち込みは、基本的にご自身で持ち込み、引き取りをします。

1日車検の特徴とメリット・デメリットとは

1日車検とは通常5日ほどかかる車検を、「朝、車を預ける」「検査を通す」「夕方、車を引き取りに行く」という流れで、車検を1日で済ませる手法のことです。

【1日車検のメリット】

・忙しい場合でも1日で車に乗れます。
・24か月点検も行っているところでは、交換すべき部品も教えてくれます。
・費用が安く済みます。

【1日車検のデメリット】

・部品交換の必要がある場合には、1日で終わらない場合があります。

いかがしたでしょうか。車検を受け付けるパターンが増えて、車検業者によっても得意な分野と不得意な分野があるなどバラツキもあります。ご自身にとっての善し悪しを判断した上で、車検業者や車検の方法を選ぶようにしましょう。

車検を受ける前に出来ることや、やっておくと良いこととは

車検と同時に必ず法定24か月点検があります。点検の実施は車検の前でも後でも良くはなりましたが、整備のときにあれもこれも「交換しましょう」となると、消耗品の交換にかかる費用がかさみます。全てをお任せにしていると想定外に高い整備費になってしまいますが、自身でできる消耗品の交換やメンテナンスを行う事で、車検費用の節約にもつながることも考えられます。

【洗車編】

車検に出す前に車を洗ってきれいにしておくことは、点検整備をする人間や検査をする検査官にとって心証が良くなるという決して目に見えるお得ではありませんが、車検が通りやすくなるよう丁寧に整備してくれる、検査がスムーズになるということは十分にあり得ることでしょう。また、ごくまれに車検業者の整備見積りに「下回り洗浄」工賃という項目に金額が書かれていることがありますが、この工賃を節約する意味でもできることはしておきましょう。

【オイル編】

オイル交換は、ドライバーとして車の健康管理には絶対に必要と言って良いほど必須科目の中に入っているものと言えます。点検整備の際に、オイル交換をしてもらう事も可能ですが、節約したい場合は、ご自身で交換されてみては如何でしょうか。

【車内編】

日常的に車を使用されている方は、ちょっとしたものでも車内に載せたままということもあるでしょう。男性に多い「ゴルフバッグ」「工具類の入ったケース」、女性に多い「ぬいぐるみ」、お子様がいらっしゃる方の「チャイルドシート」などが考えられます。車検に出す際は、出来るだけ車検の検査項目に関係のない荷物(特に重量のあるものや貴重品)は降ろしておいたほうが良いでしょう。万が一トランクに入れていた荷物の重量があって偏った置き方をしていると、車高が下がってしまい、光軸検査に引っかかって車検に通らないということも考えられます。同時に盗難や紛失にも注意したいものです。

【車外編】

カーショップに行くと、これをつけたら格好いいなと思ってしまう外装パーツもあります。最近は減りましたが、中には車検対応していない「違反パーツ」もないとは言い切れません。車外の外装サイズも検査項目のひとつですから、メーカー設定のオプション部品以外は取り外しておいた方が無難でしょう。

【エンジンルーム編】

エンジンルームや電気関係の配線など、プロでなければわからないパーツも多く含まれます。車に詳しい方以外で、目視によって確認できる交換しなければならないパーツはそう多くはありません。前述のエンジンオイル同様、その他に「ブレーキオイルの減りや劣化」「冷却水(ラジエーター液)の減り」「エアエレメントの汚れ」などは、減っていたらつぎ足し、劣化したら交換しておくと良いでしょう。

車検を安く済ませる方法やコツはあるのか

車検を安く済ませる方法やコツはあるのか

車検を安く済ませようと思っても、基本は税金や保険料ですから簡単に金額は下がりません。節約できるとしたら、車検を依頼する車検業者の手間賃(工賃)と交換する部品代です。見積りの内容をよく見て、ご自身で手配して安くなる部品があれば車と一緒に持ち込みましょう。特にディーラー車検の場合はメーカー純正品を使用するので、特殊な部品ではなく、同等の性能を持つ部品ならば安く済む場合もあります。例えば車検に際し、タイヤに過度な摩耗や劣化が見られる場合、交換が必要となります。車検に通るタイヤかどうかは、下記を参考に判断してください。

・タイヤの溝が1.6mm以上あるか
・タイヤのどこかに「スリップサイン」は出ていないか
・タイヤのサイドウォールに亀裂やひび割れはないか

これだけチェックして交換するだけでも、タイヤ検査の項目はクリアできます。上記のような事も含め、「不要な部品を交換しない」ことが節約につながることを覚えておいてください。

車検が不合格になる場合ってどんな時?

車検という規則は文字通り「検査」ですから、検査基準に至っていない場合は「不合格」となり「再検査」を受けるという結果になります。それではどのような原因で不合格となるのでしょうか。よくある事例を元に原因を探ってみました。

車検に通らない理由にはどんなものがあるのか

まず考えられることは「書類の不備」です。車検には、車検証の他にも自動車税納税証明書や自動車損害賠償責任保険証明書といった書類が必要となりますが、そもそも自動車税に未納がある場合や、自賠責保険の有効期間がない場合は、車検を受けることができません。さらに「反則金の未払い」があります。駐車禁止違反の反則金を未払いのまま放置していると、反則金を納付したことを証明する書面を提示しなければ、車検を受けることができません。最後に車検の目的の本題である「整備不良」があった場合は、どうやっても合格しません。灯火類の不備やブレーキ・ハンドルの故障などの整備不良、灯火類の色を変更する、ドアガラスへ着色フィルムを貼り付けるなどの違法改造があった場合も不合格となります。上記のような箇所を確認して、万全の整備で検査を受けましょう。

車検が不合格となった場合のその後の手続きや流れについて

ユーザー車検で残念ながら車検が不合格となった場合は、車検を受けた当日2回までなら無料で再検査を受けることが出来ます。この2回でも不合格となった場合、有料で再検査申請をすることになります。当日中に再検査を受けることが出来ない場合は、限定自動車検査証を発行してもらわなければいけません。限定自動車検査証には検査で不合格となった箇所が記載されていますので、不適合箇所の整備を行った上で2週間以内に再度検査を行いましょう。なお、2週間を過ぎてしまうと、不適合箇所だけでなく再度全項目の検査が必要となるため注意が必要です。

車検が通っていない車を運転したらどうなるのか

「そろそろ車検だ」とは思いつつも、きちんと期限を確認しなかったために、「車検の有効期限が切れていた」などということはありませんか。

車検が切れていたらどうしたら良いのか。やってはいけないこととは?

車検切れになってしまった車は、どうすれば良いのでしょうか。基本的には、そのままガレージに置いておいておくだけなら問題はありませんが、公道で走らせてはいけません。「無車検車運行」として厳しい罰則があります。

車検が切れていた場合の罰則

車検切れの車は公道を走らせると違法になり、罰則が規定されています。道路運送車両法に違反しますので、「違反点数が6点、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」となります。(道路運送車両法第58条1項、108条)また、車検が切れているということは同時に「自賠責保険も切れている」ことが想定されます。そうすると「自動車損害賠償保障法に違反する」ことになり「違反点数6点、12ヶ月以下の懲役50万円以下の罰金」に該当することになります。(自動車損害賠償保障法第5条、86条の3)また、同時に2つ以上の違反行為に該当する場合は、違反行為の点数のうち点数の最も高いものが適用されることになります。なお、点数が同じ場合は、その内の1つの点数が適用されます。(道路交通法施行令 附則第9条 別表第2)車検が切れている車でも少しの距離なら大丈夫、車検場までの運転なら仕方ない、などと安易な気持ちで運転してしまうと、重大な罰則が待っています。車検が切れていたら、絶対に公道を運転してはいけません。

車検が切れた時の再登録の手続き方法と流れについて

車検の切れた車に乗ることは絶対にいけませんと申し上げましたが、車検切れの車にそのまま乗り続けることができなくなるわけではありません。車検が切れてしまった場合は、「車検をもう一度受けて検査に合格すれば良い」だけです。車検切れの車だからといって特別な申請方法はありません。ただし前述の通り、車検が切れているわけですから公道を走って陸運局に行くわけにはいきません。「車検業者に依頼して車を引き取ってもらう」か「臨時運行ナンバー」を取得して、車検を受けに行く必要があります。また、公道を走れない車検切れの車を運ぶためには、それなりの追加費用がかかることを覚悟してください。車両を運ぶためのトラック(車両積載車)を用意したり、運ぶための専用の人員も必要になったりするので、見積りにその経費が追加されるのが一般的です。国土の広さ、人口、車に対する考え方の違いが起因しているのかもしれませんが、世界でも車検制度を持つ国は多くありません。車は便利である一方、一歩間違えるとけがをさせたり命を奪ってしまったりすることもあるということを認識しなければいけません。車検は面倒くさいなどと思わず、人の命を運ぶ便利なものと理解して、長く「安全で健康な車」で運転することを目指してください。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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