新車試乗レポート
更新日:2018.11.21 / 掲載日:2017.09.07

アイサイト ツーリングアシストを公道でテスト! D型レヴォーグはここまで進化した!

文●ユニット・コンパス 写真●SUBARU


 これなら使いものになる。これは、新型レヴォーグに搭載されたアイサイト ツーリングアシストを首都高速道路という日本で有数の交通量を誇る路上で試した正直な感想だ。
 アイサイト ツーリングアシストは、自動運転技術を利用して操舵と速度調整をクルマがアシスト(自動制御)するシステムで、スバルによればアクセルとブレーキの操作時間は96%、ハンドル操作量も78%低減することが可能になったという。もちろん、システムが対応できる速度やコーナー曲率には限界があるが、システムの限界を積極的にドライバーに知らせてくれることも含め、ドライバーの意にそぐわないような急な制御やひやりとするようなシーンは試乗中一度もなかった。

 2017年8月の改良によって、D型へと進化したスバル レヴォーグ、そしてWRX S4。改良の目玉となったのが、ステレオカメラを核とするスバルの先進予防安全技術アイサイトの新機能ツーリングアシストだ。これは、従来の車線中央維持機能をさらに充実させ、車間距離が近づいた際や車線が不明瞭なケースでも先行車を追従する機能を追加したもの。合わせて低速から高速までシステムの作動領域を広げることで、高速道路におけるほとんどのシーンで操舵と速度調整のアシストを行えるようになった。同様の機能をうたうシステムは他社からも登場してきているが、スバルは車両制御と画像解析技術を磨きあげることで、高い車線キープ率と操舵の信頼性、そして高い作動率を実現したという。すでにクローズドコースでアイサイト ツーリングアシストを体験したことがあったが、改めて公道でのプレス向け試乗会が開催された。リアルワールドでの作り込みを行なってきたというだけに、公道でその実力を試してほしいというわけだ。

上質さアップでクルマ自体の魅力も増した

試乗したレヴォーグ 2.0 STI Sport Eyesight

 我々に割り当てられたのは、レヴォーグ 2.0 STI Sport Eyesight。D型となったことで、アイサイト以外にも少なからず改良が加えられている。
 注目すべきは目に見えない走行性能および動的質感の改良だ。乗員すべてが実感できるレベルアップとしては、静粛性の改善が大きい。ドアガラスの板厚アップやウェザーストリップの改良、そしてサイレンサー、吸音材等を追加しているという。とくに後席での違いが大きく、ざわざわとした騒音が減ったことで前席と後席での会話の明瞭さが大幅に高まった。さらに、電動パワーステアリングの改良による、操舵フィールの改善も見逃せない進化だ。切り始めから一貫してスムーズな手ごたえが提供されており、すっきりと気持ちのいいフィーリングとなっているのだ。エンジニアによると、パワステユニットについてはフルモデルチェンジ級の改良が施されているという。電動パワステの品質は自動運転技術におけるキーテクノロジーのひとつだが、今回の改良についてはツーリングアシストを磨きあげるために、従来よりワンランク上のレベルが必要だと判断したとのことだ。自動運転技術のために、人間が感じる味わいがよくなるというのも面白い話だが、ロボット制御するにも、出来のいい機械とそうでない機械とでは、結果が変わってくるということである。
 また、レヴォーグのSTI Sport以外のモデルではサスペンションも操縦安定性を維持しながら乗り心地をよくする方向へとリセッティングされている。全体的にグランドツアラーとしてのキャラクターを強化する改良であり、これはスバルの伝統を受け継ぐものでもある。ファンにとってますます好ましい仕上がりになったと言えるだろう。

真面目な企業姿勢が体現された先進技術

 話をアイサイト ツーリングアシストに戻すと、まさしくグランドツアラーとしての魅力を引き上げる機能であることは間違いない。積極的にステアリングを握るクルマ好きであったとしても、たとえば週末の夕方、遊びに出かけた先からの帰り道。たとえば両親や知人を乗せての長距離行。そんなときは、積極的に流れをリードするような運転よりも、テンポを落としてまったりと走りたいもの。また、だらだらと動く渋滞では、すべての操作を自分で行いたいとは思わないだろう。そんなときにこそアイサイト ツーリングアシストは役に立つ。疲労や事故のリスクも低減されるから、ドライブに出かけたいという気持ちもきっといままで以上に強くなるはず。

 自動運転への注目が世界的に高まるなか、アイサイト ツーリングアシストを、あくまでもドライバーを支えるサポート機能として位置付けているスバル。今回のテストで確認できたステアリング制御の巧みさと販売面でのアピール力を考えれば、「アイサイトが自動運転に進化」とうたった方がわかりやすく、スバルファン以外からも注目を集めるだろう。しかしスバルは決してそれをやらないという。そして、そんな企業だからこそ、スバルというブランドを信頼し、クルマを購入するというユーザーがいることも間違いない。

【スバル レヴォーグ 2.0 STI Sport EyeSight(CVT)】
全長          4690mm
全幅          1780mm
全高          1490mm
ホイールベース     2650mm
重量          1570kg
エンジン        水平対向4気筒DOHC+ターボ
総排気量        1998cc
最高出力        300ps/5600rpm
最大トルク      40.8kgm/2000-4800rpm
サスペンション前/後  ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後      Vディスク
タイヤ前後       225/45R18
販売価格(税込)    282万9600円~405万円(全グレード)

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グーネットマガジン編集部

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