中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.18 / 掲載日:2008.12.24
日産 ラフェスタ 中古車購入チェックポイント
日産 ラフェスタ 中古車購入チェックポイント
参考車両:20G
初年度登録:2008年4月
■全体のチェックポイント
傷や修理跡など、外観の基本的なチェックはもちろん、内装の状態もしっかり確認しよう。ファミリー層に人気のあるミニバンなので、子供を乗せていると室内が汚れていることが多く、飲食物によるシートの染み、隙間に詰まったゴミや臭いなどにも注意しよう。汚損や損傷などは、クリーニングで目立たなくできるか、あるいは補修や修理/交換が必要か、判断のしどころだ。また、外装、内装ともに問題がなくても、エンジンや走行機能の整備状態を必ずチェックしたい。
1.全体の雰囲気から探る
1.全体の雰囲気から探る
やや離れた位置から、車両全体の様子を観察しよう。外板パネルの隙間(立て付け)、塗装面の状態など、外観各部に不自然な部分がないかをチェック。
前面は、バンパー/ボンネット/ヘッドライト/グリルなどの横線と縦線のバランスを見て、左右対称になっていることも確認。
左右ライトの片方だけが新しい場合(交換の疑い)は、その側の車体部を修理している可能性がある。ナンバープレートに歪みや修整跡がある場合も、車体にダメージを受けている疑いがある。
2.後部のチェック
2.後部のチェック
後部も前部と同様に、バンパー/テールゲート/コンビネーションランプ(リアライト)などが並んでいるバランスをチェック。
テールゲートの立て付けが全体に狂っていれば、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいる疑いもある。左右の片方だけに隙間の異常があれば、その部分を修理している判断して間違いないだろう。
後部ナンバープレートは、封印を剥がした傷がテールゲートの交換や車両後部の修理/交換を推察するヒントになる。
3.整備状態を確かめる
3.整備状態を確かめる
定期点検整備記録簿とつき合わせて、消耗部品を中心にエンジンルーム内の部品をチェック。冷却水やエンジンオイルの量および汚れ、ブレーキ液量なども点検したい。オイルの滲みや汚れ(漏れの兆候)にも注意しよう。
周囲と比べて新しく見える、交換の疑いがある部品があれば、消耗部品か、故障や不良か、あるいは事故などでダメージを受けたのか、記録簿も調べてみよう。
4.鉄板部の異常に注意
エンジンルーム内は、左右フェンダー側のインナーパネル、室内側のダッシュパネルなど、各部の鉄板を必ずチェック。大きなダメージを受けると、走行機能面に不具合が生じる部分だ。溶接、シーラー、塗装などの状態に注意しながら修理跡がないか調べよう。歪みやしわなどにも注意。
部品やネジなどに塗装の飛沫が付着している場合は、周辺に修理跡がないか探ってみよう。
5.ボンネットのチェック
5.ボンネットのチェック
裏面に修理跡などがないかも確認しよう。表裏2枚のパネルを貼り合わせている接合部のシーラーに注意。
ダメージを負うと、外して修理、あるいは交換することもある。ヒンジ部のネジを脱着した形跡がないかも確認。ボンネットの修理/交換跡は、ボンネット単独の損傷も考えられるが、車体部を修理している可能性がある。
6.取り付け状態をチェック
6.取り付け状態をチェック
フロントフェンダーは、取り付けネジもチェック。脱着した形跡があれば、外して修理、あるいは交換している可能性がある。ブラケット(台座金具)やサイドフレームに異常がないかも確認。
フロントフェンダーを修理しても修復歴にはならないが、外して修理/交換していれば、車体骨格部にダメージが及んでいないかを調べる必要がある。
7.隙間の幅と色調を比べる
7.隙間の幅と色調を比べる
前部側面では、バンパー、ヘッドライト、フロントフェンダー、ドア、ピラー(フロントウインドウ部の柱)などが隣接している。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、どれかがずれているか、修理/交換している(組み付ける際にずれることがある)可能性がある。
隙間を境に、隣り合うパネルの色艶も比べてみよう。修理や交換で塗装すると、色調が違って見えることがある。
8.必須チェックポイント
8.必須チェックポイント
エンジンルームの最前部にあり、車体の左右に繋がっているラジエターコアサポートを必ずチェック。車体前部に受けた衝撃の影響が及びやすく、外観をきれいに修理していても、ここで車体にダメージを受けていることがわかる。交換の形跡がないか確認。左右フェンダーとの接続部をはじめ、ヘッドライトやフロントグリルなど、関連部品の取り付けや周辺の状態にも注意しよう。
9.角度を変えると見える
9.角度を変えると見える
車体まわりは、見る角度を変えながらチェックしよう。プレスラインや外装部品のずれなどを見つけやすい。
車体表面を斜め方向から透かして見ると、見落としやすい広くて浅い凹みや波跡(波打って見える板金修理跡)なども確認できる。
部分的な艶や色調の違いや肌荒れ状態など、塗装面の不自然な箇所も、傷や凹みの補修跡の場合もあるが、修理跡の疑いもある。
10.ドアのチェック
10.ドアのチェック
大きな損傷を負うと、外して修理したり、あるいは交換すること少なくない。取り付けネジを脱着していないか調べよう。無塗装ネジはわかりにくいので、左右のドアを比べてみよう。
ただし、立て付け調整などでネジを回すこともあるので、ネジ脱着の形跡だけでなく、ドア本体をはじめ、ピラー(柱)やサイドシル(ドア下の梁)など、周辺も調べて判断する必要がある。
11.縁の部分にも注意
11.縁の部分にも注意
フェンダーは、膨らんでいる部分に傷を付けることも多い。傷を見つけたら、凹みを伴っていないか確かめよう。ホイールアーチ(タイヤを囲んでいるフェンダーの縁)部の鉄板を折り込んでいる部分に修理跡などがないかもチェック。修理跡があれば、傷や凹みの補修か、板金修理か。ダメージの大きさと修理の範囲を確かめよう。
12.リアフェンダーのチェック
12.リアフェンダーのチェック
リアバンパー、コンビネーションランプ、リアドア、スライドレール(スライドドアの溝金具)など、周辺部の状態とあわせてチェック。
リアドアを開けて、開口部も調べよう。リアフェンダー周辺を補修、あるいは修理した車両には、修理跡やマスキング跡が残っていることもある。
13.スライドドアのチェック
外見の損傷の有無と立て付けを確認したら、スムーズに開閉できるかどうかもチェック。動きが重かったり、途中で引っ掛かるような感じがないか注意しよう。
電動クローザー(半ドア状態から自動的に最後まで閉める)や電動開閉機構を装備している車両は、それらの機能が正常に作動することも必ずチェック。電動ドアは運転席側のスイッチでの作動も忘れずに確認しよう。
14.スライド機構もチェック
スライドドアもフロントドアと同様に、大きなダメージを受けること、外して修理したり、交換することもある。ドアの取り付け状態と、ドア自体に修理跡などはないかチェック。
ドアを支えているアーム金具やレール(開口部の上下と車体側面にあるスライドさせる溝金具)に歪みなどがないかも確認。各部のネジの脱着、金具類の交換の形跡などにも注意しよう。
15.テールゲートのチェック
15.テールゲートのチェック
スムーズに開閉できることを確認。上げた状態でしっかり止まっていない場合は、ダンパーロッド(開閉を補助している左右の棒)がへたっている。スムーズに閉まらない(容易にロックできない)場合は、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいることも考えられる。
また、後部に大きな損傷を負うと、テールゲートを交換することもある。取り付けネジの脱着をはじめ、ヒンジや周辺部に歪みや修理跡などがないか確かめよう。
16.開口部を慎重にチェック
テールゲートの開口部を見ると、左右両側共に鉄板の接合部ある。溶接やシーラー、塗装などの状態に注意しながら修理/交換の形跡がないかをチェックしよう。疑わしい部分があれば、左右を比べると判断しやすい。
後方から強い衝撃を受けると、衝撃を吸収するものがない(前部にはエンジンがある)ので、キャビン(室内)やルーフ前部にまで波及することがある。修理/交換の形跡があれば、他部のダメージも広範囲に調べる必要がある。
17.減り具合と減り方を点検
17.減り具合と減り方を点検
タイヤは、残り溝の深さをまず点検。スリップサインを目安にするが、1.6mm以上が合格基準だ。
溝が十分に残っていても、減り方も調べよう。接地面の外側だけとか内側だけなど、一部が極端に減っている「偏摩耗」を起こしていれば、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけか、あるいは車体が歪んでいるのか、確かめる必要がある。偏摩耗は、車体前部のインナーパネルが変形して生じることもあるので要注意。
18.床下も覗いてチェック
18.床下も覗いてチェック
フレーム(骨格部)やメンバー(補強部)などの鉄板部、ステー(支え金具)やアーム、マフラーなどの部品類に、損傷や曲がり、歪みなどがないか。修理や交換の形跡がないか。床下全体をチェック。見えない部分は修理しないこともあるので、意外なところにダメージを受けているのを発見することがある。
ゴム部品の劣化(ひび割れなど)、水(エンジン冷却液)漏れ、油脂汚れ(オイルやグリスの漏れ)、錆の発生などにも注意しよう。
19.エンジンをかけてみる
19.エンジンをかけてみる
始動状態やアイドリング回転などをチェック。エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽って、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。
容易にエンジンがかからない場合は、バッテリーが弱っていることも多いが、発電装置をはじめ、他の不具合も考えられる。エンジン回転中に異音や大きな振動が出ているようなら、なんらかのトラブルを抱えている。排気ガスの色は、水蒸気なら問題ないが、白煙や黒煙に注意。
20.オートマチックのチェック
20.オートマチックのチェック
エンジンをかけてブレーキを踏んだままセレクトレバーを操作して、各ポジションに切り替えながら、引っかかりやゆるみ(ぐらつき)などはないかチェック。できれば試走して、スムーズな変速も確認したい。CVT(無段変速機)は、基本的にギヤが切り替わるショックを感じない。連続的な変速やアクセルペダルの踏み込みとの連携に違和感があれば、販売店にチェックしてもらおう。
21.装備機器の機能を確認
21.装備機器の機能を確認
保安機器類(ヘッドライト、ウインカー、ハザード、テール/ブレーキ/バックランプなど)が正常に作動することをまずチェック。さらに、エアコンやオーディオなど、電装機器や電動機構などは、スイッチを入れるだけでなく調整操作して、機能を確かめよう。エアコンは、寒い日でも冷房の効きを必ず確認。パワーウインドウの開閉や室内ランプの点灯なども忘れないこと。カーナビを装備している場合は、地図の発行時期も調べよう。
22.室内を細かくチェック
シートや内装材などに、汚れや傷、染み、破れ、穴などはないか。運転席の周囲だけでなく、後席やラゲッジスペースの隅までしっかりチェック。フロアマットの下や、天井の内張などの状態も調べよう。
内装パネルやエアコンの通風口、収納ボックス、ポケット、トレイ、カップホルダーなど、樹脂部品の傷や破損などにも注意しよう。
23.車両の情報をチェック
23.車両の情報をチェック
車両をチェックする際には、「定期点検整備記録簿」の記載内容を必ずを調べよう。車両がどのように使われてどのような整備を受けてきたのかがわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。
また、備え付けの書類もチェックしよう。「車検証」で初度登録年月日と型式などを確認。「保証書」で保証内容と期限を確認。「車両取扱説明書」の他に、オプションや後付け追加装備などの説明書が揃っていることも確かめよう。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
■今回の車両のプロフィール
●2004年12月にリバティの後継車種として登場したミニバン。背が低めの車体は5ナンバー枠に収まるサイズで、運転感覚は乗用車に近い。パノラミックルーフと呼ぶガラス製ルーフも特徴だが、装着車と未装着車がある。2005年12月の一部改良でATのシフトレバーを大型化。オートライトシステムを標準装着(20Sを除く)している。
参考車両は2007年5月マイナーチェンジ後のモデルで、外装は、前部のフロントグリル、バンパー、ヘッドランプ、後部もバンパーとランプのデザインを変更。内装は、シート形状とシート表皮を変更、1列目と2列目に大型ヘッドレストを装着、ドアトリムにクロスを採用。メーター内の液晶画面には瞬間燃費や平均燃費を表示する機能も追加している。
2.0(1997cc)エンジンとCVT(無断変速機)の組み合わせは全車共通で、駆動方式はFF(前輪駆動)と4WDがある。
仕様グレードは、ベーシックな「20S」、本革巻きステアリングホイールなどを備える上級の「20G」、エアロパーツを装着した外装と共に内装もスポーティに仕立てた「ハイウェイスター」の3タイプ。
日産の関連会社オーテックジャパンによるカスタマイズ仕様車「ライダー」もモデルタイプに設定している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
20S | DBA-B30 | CVT | FF |
DBA-NB30 | CVT | 4WD | |
20G | DBA-B30 | CVT | FF |
DBA-NB30 | CVT | 4WD | |
ハイウェイスター | DBA-B30 | CVT | FF |
DBA-NB30 | CVT | 4WD | |
・オーテックジャパン特装車 | |||
ライダー | DBA-B30 | CVT | FF |
DBA-NB30 | CVT | 4WD | |
ライダースポーティパッケージ | DBA-B30 | CVT | FF |
DBA-NB30 | CVT | 4WD |
●その後、2008年11月1日に仕様変更し、一部グレードの装備充実を図っている。