車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.10.21 / 掲載日:2015.03.06
スバル XV ハイブリッド 中古車購入チェックポイント
スバル XV ハイブリッド(2013年6月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:ハイブリッド 2.0i-L(DAA-GPE)
初度登録:2013年6月
追加装備:〈メーカーオプション〉ルーフレール〈ディーラーオプション〉AV一体SDナビ
■全体のチェックポイント
2013年6月に発売したスバル初のハイブリッド車。「XV」をベースに、車体やサスペンションなどを最適化。専用のランプ類や上質感のある内装なども採用している。車体・内装・装備をしっかりチェックするのはもちろん、水平対向エンジン、ハイブリッド、4WDなどスバル独自の機構をはじめとする走行関連機能の状態も必ず確認する。
走行機能に影響するようなダメージがないか確認
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、外装に異常がないか探ってみる。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
フロントバンパーは、角や下部、フォグランプなども損傷がないか見て、ずれていないか立て付けも調べる。グリルやヘッドランプもチェック。下側にあるエアフラップ(空気整流板)の破損にも注意。
フェンダーは、プロテクター、フェンダー本体、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけ)なども慎重にチェック。
3.周辺も詳しく調べる
3.周辺も詳しく調べる
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、関連部も慎重にチェックする。
4.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、プロテクターに損傷や修理/交換跡などがないかチェック。それよりも重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側にあるパネル接合部に損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェック。
5.損傷の程度と範囲も確認
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易塗装補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認。右リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺もチェックする。
6.後部のチェック
後面も、バンパー、リアゲート、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラー、ルーフなどをチェック。
リアゲートは、開閉具合やロッドダンパーの効きなどをチェックし、内側やヒンジ部も調べる。開口部も、パネル接合部に注意しながら慎重にチェック。カーゴフロアボードを開けて、サブトランク、バッテリーユニットカバー、周辺のパネルなども、異常がないか見る。
7.車体の内側もチェック
ボンネットは、内面やヒンジ部もチェック。フェンダーは、カバーで覆われているが、腐食(錆)や修理跡などがないか見て、取り付け状態もチェック。同時に、車体パネルもチェック。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品も、修理/交換していないか必ず調べる。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷、ひび割れ、欠けなどがないかチェック。接地面の一部だけが減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの異常や車体の歪みなどにも要注意。アルミホイールは、塗装の傷みや剥げ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃による変形や割れなどに注意しながらチェックする。
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態を調べる。
★損傷と修理/交換歴の有無を確認する
「XV ハイブリッド」は、「XV」がベース。サイドクラッディング(プロテクター)を設けたSUVスタイルや車体寸法・最低地上高・全高などは同じだが、ハイブリッド化にあわせて車体の一部を再構築している。
エンジンルームには、ガソリンエンジン、補機用12Vバッテリー、再始動用12Vバッテリー、再始動用スターター兼発電機。トランスミッション後部に、駆動/発電モーターと高電圧電動オイルポンプ。カーゴルーム下部に、高電圧100Vニッケル水素バッテリーやコントロールユニット。床下には、高電圧ケーブルがある。
ヘッドランプ、リアコンビネーションランプ、ハイマウントストップランプなどはハイブリッド専用。フロントフォグランプ、LEDウインカー付電動格納式ドアミラー、リアフォグランプなどは全車標準装備。「ハイブリッド2.0i-L」は、HIDロービームヘッドランプ、ヒーテッドドアミラー、メッキドアハンドルなどを装備。参考車両には、メーカーオプションのルーフレールも付いている。
車体構造などはともかく、外装の損傷だけでなく、走行機能に支障が生じるようなダメージにも注意したい。車体の骨格部を事故修理した修復歴車でなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
★足まわりの状態を確認する
「XV ハイブリッド」は、専用デザイン17インチアルミホイール&225/55R17タイヤ(XVと共通のエコタイヤ「ヨコハマ ブルーアースE70」)を標準装備。タイヤの状態によっては、走行安定制御VDCなどが正常に作動しないことがある。また、ブレーキ、ステアリング、サスペンションなどは、互いに連携していることにも注意したい。
内装の状態と装備機器類の機能・作動をチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷などがないか。ダッシュボードからドア、床、天井までチェック。ボックスやポケットなどは、内部も見る。シート表皮の染み、しわ、破れ。本革部分の擦れ、剥げ、ひび割れ。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損にも注意したい。
2.後部まで慎重にチェック
後席も、6:4分割可倒式リアシートの折り畳み具合なども試しながら周辺を丹念にチェック。カーゴルームも、フロアボード/サブトランクリッド、サイドパネル、フック、スカートトリム(開口部のカバー)などに傷みがないかチェックする。
3.装備機器の機能を確認
ヘッドライト、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な機器の作動状態。アクセスキーによるドアの解錠・施錠およびタッチセンサー/リクエストスイッチなどの機能。フルオートエアコンの自動制御や調整・設定具合。マルチファンクションディスプレイの機能と表示モード切替などもチェック。参考車両は、追加装備しているAV一体SDナビの付随機能や連携機能なども正常か確認したい。
★販売店でチェックしてもらう
ブルー照明メーター、エネルギーフロー表示モード付マルチファンクションディスプレイ、ブルーエンジンスイッチなどがハイブリッド車を表す装備。参考車両は、「ハイブリッド 2.0i-L」にディーラーオプションのAV一体SDナビ(パナソニック 地デジTV/DVD/CD内蔵SDナビゲーションシステム・200mmワイドコンソール用)を追加している。中古車をチェックする際は、車両の装備内容を販売店でまず確認。装備機器類の具合は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、細部は販売店で点検してもらう。特に電装機器に異常がないか注意したい。
システム制御と走行関連機能の具合を確認する
1.システムを始動してみる
エンジンおよびハイブリッドシステムの始動具合をチェック。始動時には、キーレスアクセスとプッシュエンジンスイッチの機能も確認。表示・警告灯、メーターやディスプレイ表示、警告音などにも注意する。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
可能なら試乗して、ハイブリッドシステムの制御・作動具合をチェック。6速マニュアルモード付CVTのシフト具合、自動無段変速動作と制御、[M]モードパドルシフト/[D]モードパドルシフトの変速具合などもチェック。
SI-DRIVEのインテリジェント[I]モード・スポーツ[S]モード、ヒルスタートアシスト、クルーズコントロールなどの機能。EBD、ABS、ブレーキオーバーライド、ブレーキアシストなどブレーキ関連機能。走行安定制御VDC/TCSの作動と[VDC OFF]スイッチなども、走行時の機能動作および車両の挙動をチェックしたい。
とはいえ各機能が正常かどうか判断するのはまず無理なので、販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「XV ハイブリッド」は、ハイブリッド専用2.0L水平対向4気筒エンジンをトランスミッション後部に内蔵したモーターでアシストする方式で、モーター走行・モーターアシスト・エンジン走行・回生ブレーキ・アイドリングストップなどを制御するハイブリッドシステム、6速マニュアルモード付CVT、2モードSI-DRIVE、アクティブトルクスプリットAWDを搭載。EBD付ABS、VDC(横滑り抑止VDC/空転抑止TCS)、ヒルスタートアシスト、クルーズコントロール、ブレーキアシスト、ブレーキオーバーライド、車両接近通報装置なども備えている。
各機構の話はさておき、とりあえずはエンジンルーム内を見て、走行関連各部の詳しい整備状況を販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、スバル独自のシステムをきちんと点検・整備できるか確認したい。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションやディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを付けていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●スバル初のハイブリッドシステムを搭載して2013年6月に発売した「XV ハイブリッド」。クロスオーバーモデル「XV」をベースに、エンジンをモーターでアシストするハイブリッドシステム、電子制御4WD、6速マニュアルモード付CVT、2モードSI-DRIVEなどを組み合わせて搭載。車体やサスペンションの一部を最適化するとともに、遮音材や吸音材を追加し静粛性を向上。外装や内装の一部にも専用装備を採用している。
クリアレンズとLEDを採り入れたランプ類、5スポーク17インチアルミホイール、常時発光式ブルー照明メーター、エネルギーフロー表示モード付マルチファンクションディスプレイ、フルオートエアコン、キーレスアクセス&プッシュスタート(ブルーエンジンスイッチ)、オーディオレス・6スピーカーなどを全車標準装備。
仕様グレードの「ハイブリッド 2.0i」は、ハロゲンヘッドランプ(マニュアルレベライザー付)、カラードドアハンドル、クルーズコントロール、本革巻セレクトレバー、ファブリック/トリコットシート表皮などが標準装備のベーシックタイプ。
「ハイブリッド 2.0i-L」は、HIDロービームランプ(オートレベライザー、ポップアップ式ヘッドランプウォッシャー付)、クリアビューパック(フロントワイパーデアイサー/ヒーテッドドアミラー/撥水加工フロントドアガラス)、メッキドアハンドル、本革巻セレクトレバー&シフトブーツ、アルミパッド付スポーツペダル、シルバーアルカンターラ/トリコットシート表皮、運転席/助手席8ウェイパワーシートなどを標準装備した上級タイプ。
「ハイブリッド 2.0i-L アイサイト」は、ハイブリッド 2.0i-Lの装備に、運転支援システム[アイサイトver.2]を加えている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
ハイブリッド 2.0i | DAA-GPE | CVT-6M | 4WD |
ハイブリッド 2.0i-L | DAA-GPE | CVT-6M | 4WD |
ハイブリッド 2.0i-L アイサイト | DAA-GPE | CVT-6M | 4WD |
●2013年11月に「XV」を一部改良。2014年12月には「XV/XV ハイブリッド」を一部改良。「XV」は、燃費や走行性能を向上し、内装を一部変更。アイサイトにver.3を設定。「XV ハイブリッド」は、内装の加飾および装備設定を一部変更したが、走行系の機能・装備は変更していない。