中古車購入
更新日:2015.01.28 / 掲載日:2003.03.25

トヨタ アルテッツァ 中古車購入チェックポイント

  • トヨタ アルテッツァ
    中古車購入チェックポイント

    トヨタ アルテッツァ(全体)

  • トヨタ アルテッツァ(全体)

■全体のチェックポイント

アルテッツァは、ミドルクラスのFR(後輪駆動)スポーツモデルとして、走り好きに人気がある。中古車になると、過剰に負担がかかった車両もあるので、基本的な車体チェックはもちろん、エンジンやサスペンションなどの走行に関わる部分を徹底的にチェックしよう。また、改造の有無などもポイントだ。必ず試走して、各部の作動状態を感じ取ってみよう。

  • 1.車体の全体から異常を読みとる

    トヨタ アルテッツァ(車体の全体から異常を読みとる)

  • 1.車体の全体から異常を読みとる

    車両からやや離れた位置から、全体を見てみよう。大きな事故などを起こした車両は、なんとなく歪んで見えることがある。ナンバープレートは曲がっていないか?左右のヘッドライトの色は同じか?バンパーはずれていないか?車体の切れ目の隙間(チリ)は真っ直ぐか?部分的に艶がないとか、色がくすんでいたり他の部分と違って見えたら、補修したか修理したことが考えられる。

  • 2.ボンネットを開けてチェック

    トヨタ アルテッツァ(ボンネットを開けてチェック)

  • 2.ボンネットを開けてチェック

    エンジンルーム内の全体を見回して塗装の状態をチェック。ラジエターを支えていているラジエターサポートやエンジンルームの左右にあるフェンダーの色を見て、微妙に色が違っていないか比べてみる。色が違っていたら、その部分だけ再塗装している。つまり修理をしているということになる。また、エンジン関係では、消耗部品のゴムホースやベルトの劣化などを点検し、オイルのにじみや汚れにも注意しよう。

  • 3.ボンネットを交換した理由

    トヨタ アルテッツァ(ボンネットを交換した理由)

  • 3.ボンネットを交換した理由

    車体前部をぶつける事故などでボンネットにまでダメージが及ぶと、新しいボンネットと交換することが多い。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジに工具をかけた跡を発見したら、ボンネットを交換した可能性が高い。ただし、まれにエンジンを修理するためにボンネットを外す場合もある。もし、エンジンの整備などのために外したのなら、記録が残っているはず。整備手帳を確かめてみよう。

4.フェンダーの状態で判断

フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷が付いていれば、工具を使ってボルトを脱着した跡、つまりフェンダーを交換あるいは修理している。フェンダーに手を加えても事故車(修復歴車)扱いにはならないが、フェンダーが無傷なら大きな事故は起こしていないと判断できる。

  • トヨタ アルテッツァ(フェンダーの状態で判断)

  • トヨタ アルテッツァ(フェンダーの状態で判断)

  • 5.隙間と塗装状態をチェック

    トヨタ アルテッツァ(隙間と塗装状態をチェック)

  • 5.隙間と塗装状態をチェック

    新車では外板パネルの切れ間の部分(チリと呼ぶ)は、隙間が均等になっている。しかし、事故を起こすなどして衝撃を受けると車体が歪み、外板部品を交換してうまく取り付けたとしてもチリが整わなくなることも少なくない。チリの状態を見て、修復歴を推測できるわけだ。車両各部のチリを見比べるとわかりやすいが、フロントウィンドウの付け根周辺は特に狂いやすいので、必須チェックポイントだ。また、修理で再塗装する際は、本来の車体色に色を合わせるが、色合わせは高度な技術が必要で、新しく塗装した部分だけ微妙に周囲と色調が異なることがある。チリの状態が微妙でも、隣り合う外板の塗装を比べると修復を判断できることもある。

  • 6.ダメージ跡が残りやすい部分

    トヨタ アルテッツァ(ダメージ跡が残りやすい部分)

  • 6.ダメージ跡が残りやすい部分

    ボンネットを開けて、フロントグリルの後ろにあるラジエターサポートと呼ぶ部品(エンジンルームの一番前で左右に渡してある)を見てみよう。これは、前部をぶつけると、簡単にダメージを受けるので、修正あるいは交換することが多い。左右のフェンダーとの接合部も、不自然なところはないか点検しよう。

7.前後左右のドアヒンジを比べる

車体側面のドア部分に大きな損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換の際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)のネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。前後左右のドアを見比べて、特定のドアだけのネジの頭に傷が付いていれば、工具を使ったと考えられる。ただし、新車の組み立て時や、ドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着したように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。

  • トヨタ アルテッツァ(前後左右のドアヒンジを比べる)

  • トヨタ アルテッツァ(前後左右のドアヒンジを比べる)

  • 8.塗装表面に指先を滑らせてみる

    トヨタ アルテッツァ(塗装表面に指先を滑らせてみる)

  • 8.塗装表面に指先を滑らせてみる

    ドアを開けて細部を観察すると、マスキングテープ(塗装作業の際に塗装しない部分を覆うために貼る)の跡を見つけることもある。塗装の表面に指先や爪を軽く滑らせてみて、引っかかる段差があれば、再塗装していると推察できる。マスキングテープを貼った跡は段差が直線になっているはずだ。とくに後部フェンダー周辺を板金修理して、ドアの開口部に形跡が残っていることが多い。

  • 9.車体の裏側を覗いてみる

    トヨタ アルテッツァ(車体の裏側を覗いてみる)

  • 9.車体の裏側を覗いてみる

    日頃はあまり見ることがない、クルマの床下もチェックしよう。鉄板の歪みや部分的な変形をはじめ、マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうか探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がなく見えない部分は、そのまま手を付けていないことがあるので、大きなダメージを発見することもある。

  • 10.トランクリッドを開閉してみる

    トヨタ アルテッツァ(トランクリッドを開閉してみる)

  • 10.トランクリッドを開閉してみる

    後部をぶつけると、トランク部もダメージを受けやすい。トランクリッド(蓋)がしっかり閉まるかどうかも目安になる。スムーズにロックできなかったり、リッドと車体との隙間の幅が均等でない場合はダメージを受けているかもしれない。車体の後部全体が歪んで、リッドの位置が微妙にずれていることもある。

11.固定しているネジをチェック

車体後部に損傷を受けると、ダメージが大きい場合はトランクリッドを交換することも多い。このことから、トランクリッドを交換しているかどうかで事故歴の判断もできる。見るべきポイントは、リッドを支えている金具(アーム)と固定しているネジだ。ネジを脱着した形跡がないか、チェックしてみよう。

  • 12.左右を比べながら観察する

    トヨタ アルテッツァ(左右を比べながら観察する)

  • 12.左右を比べながら観察する

    トランクの蓋を開けると、左右に鉄板の接合部がある。シール材(鉄板の合わせ目を埋めている)の盛り方を左右とも見比べてみよう。溶接の状態とも合わせて、不自然なら、修理した可能性がある。

■初期点検や定期点検などの記録も必須チェックポイント

  • 点検記録簿などのデータは、クルマのメンテナンス情報が記入されているカルテ。前オーナーがクルマをメンテナンスしていたかどうかの証拠になるのだ。部品交換の履歴や定期点検時の走行距離が明記してある車両は信頼できる。

アルテッツァのコンディションはここで見極める!

改造部品をチェック

スポーツタイプの車両にはチューニングパーツ(改造部品)が装着されていることも少なくない。参考車両のアルテッツァも、インチアップ(標準より径が大きい)ホイール&タイヤやマフラーなどを組み込んでいる。一般には判断するのは難しいので、車両の販売者にどの部分が改造されているか聞いてみよう。また、部品の取り付け状態や、その部品が車検に対応しているかどうかを確認しよう。

  • トヨタ アルテッツァ(改造部品をチェック)

  • トヨタ アルテッツァ(改造部品をチェック)

  • 異音や振動を感じる

    トヨタ アルテッツァ(異音や振動を感じる)

  • 異音や振動を感じる

    エンジンを始動してみよう。異音が聞こえたり、大きな振動が出ているようならトラブルを抱えている可能性がある。実際に走ってみるのが望ましいが、できなければエンジンが暖まってから少しアクセルを踏んでみて、スムーズに回転が上下するか試してみよう。

  • ハンドルの握り部を見る

    トヨタ アルテッツァ(ハンドルの握り部を見る)

  • ハンドルの握り部を見る

    ハンドル(ステアリングホイール)は、長期間使用するうちに、握っている部分が劣化してくる。革やプラスティックなどの材質に関わりなく、手を添えている部分に艶が出てくるのだ。走行距離が少ないのに、ステアリングホイールが極度に劣化しているようなら、走行距離の表示か、あるいは運転によって異常な癖の跡が付いたか、どちらかがおかしいといった推測ができる。

  • 試走してチェック

    トヨタ アルテッツァ(試走してチェック)

  • 試走してチェック

    マニュアルトランスミッションは、クラッチの状態を、1速ギアから入れて試走してみる。ギアチェンジ(シフトアップ&ダウン)を繰り返して、繋がり具合をチェックしよう。運転方法が悪いと、1万kmに満たない走行距離でクラッチが消耗し、滑っていることもある。クラッチを繋いだときに、エンジンが空回りしてクルマがスムーズに動かなかったら、クラッチが滑っている可能性がある。オートマチックは、NからDへ、NからRへなど、各ポジションにセレクトレバーを入れてみて、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないかをチェック。使い方によっては5万kmも走行しないうちに不良になることもある。アクセルを踏んで動き出す時や加速する時のタイミングが長い場合は繋がりが悪くなって滑っているので要注意。

■今回の車両のプロフィール

アルテッツァは、1998年10月から発売されている現行モデル。RS200は、2リッター210psエンジンを搭載し、クロスレシオ6速マニュアルトランスミッションとトルセンLSD(リミテッドスリップディファレンシャル)などを組み合わせている。160psエンジンを搭載したAS200は4速オートマチックトランスミッションの設定。2001年のマイナーチェンジで6速マニュアルが追加された。基本の仕様バリエーションは2タイプで、それぞれにZとLエディションがある。

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グーネットマガジン編集部

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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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