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更新日:2018.11.28 / 掲載日:2016.10.17

ONE MAKE MARKET RESEARCH NISSAN JUKE

個性的な外観で鮮烈デビューしたコンパクトSUVブームの火付け役

前期型(2010年~2014年)

まるで彗星のように、新ジャンルとして突如出現したジューク。デビューするやいなや爆発的なヒットを記録、今回はその魅力と人気の秘密を探ってみよう。

  • 日産 ジューク

    中古車参考価格帯:70万円~190万円(10年~16年 ※NISMOを除く)

  • 主要諸元
    2010年式 日産 ジューク 15RX(CVT)
    全長×全幅×全高:4135×1765×1565mm
    ホイールベース:2530mm
    トレッド前/後:1540/1540mm
    車両重量:1170kg
    総排気量:1498cc
    エンジン:直4DOHC
    最高出力:114ps/6000rpm
    最大トルク:15.3kgm/4000rpm
    JC08モード燃費:17.2km/L
    サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム
    ブレーキ前/後:Vディスク/ドラム
    タイヤ前後:205/60R16

個性を尖らせ目指したのは新世代のクーペ!?

奇抜なデザインにはだれもが驚いた。顔つきはまるでジオン軍(アニメ「機動戦士ガンダム」に登場する敵対勢力)のモビルスーツのようだし、飛行機のキャノピーをイメージしたというキャビン、そして張り出したフェンダーのデザインもそれまでのSUVとは一線を画する斬新なものだった。
そもそも日産はコンパクトカークラスにSUVを持っておらず、ジュークは同社にとってまったく新しい車種として登場。だから挑戦的なのだ。
その思い切りは外観だけに留まらない。たとえば室内。一般的にSUVといえば後席や荷室を広くするのが常識だが、はっきりいってジュークのそれらは広くない。「狭い」と言っていい。
それはデザインを重視したための割り切りであると同時に、もうひとつ大きな意味を持つ。「SUVは室内も荷室も広くて当たり前」という固定概念にとらわれず、ユーザーへ新しい価値を提案する目的があったからだ。
日産がジュークを通じて提案したのは「パーソナルカーの未来形」である。かつて若者が乗るクルマの定番といえば「クーペ」だったが、現在のクーペにその元気はない。
そこで新しくて小さなSUVに「実用車ではなく少人数で人生を楽しむクルマ」という、かつてのクーペのようなキャラクターを与えたのだ。言い換えれば、ジュークはSUVというジャンルにありながら「新世代の提案型クーペ」なのである。個性的なスタイルも、広くない後席や荷室も、形を変えたクーペだと思えば納得できるのだ。
こうして世に送り出されたジュークは、先立って発売された欧州で大ヒット。遊び心を持った小型SUVのジャンルを切り開いたパイオニアとなる。

MINOR CHANGE マイナーチェンジ

  • MINOR CHANGE マイナーチェンジ

    後期型(2014年~)

  • エクステリアを一新 新機能も搭載された
    フロントのVモーショングリルに立体感を持たせるほか、フロントポジションランプとリヤシグネチャーランプをLED化。インテリジェントコントロールディスプレイの機能向上などもはかられている。

MINOR CHANGE マイナーチェンジ

車両を真上から見下ろす画像をナビ画面に表示する「アラウンドビューモニター」が新たにオプションとして選べるようになった。

EXTERIOR エクステリア

  • EXTERIOR エクステリア

    パッケージングは実用性を求めたものではない。たとえば車体後部の絞り込みは後席居住性や荷室を狭くしてしまうが、軽快さを演出する。

  • 奇抜なスタイルが人生を楽しくする
    シルエットから細部まで、デザインはどこをとっても個性的だ。フロントはヘッドライト(正解は丸いライト)がどこなのかわからないほど斬新だし、後方へ向かって低くなるルーフもSUVでは珍しい。

EXTERIOR エクステリア

2ドアのように見せるため、後席のドアノブは窓の脇に目立たないようにした。フェンダーからテールランプにかけての意匠も独特だ。

MECHANISM メカニズム

  • MECHANISM メカニズム

  • 新メカニズムを積極的に投入する
    エンジンはコンパクトとしては大きめで1.5Lと1.6Lの直噴ターボ。後者のエンジンやトルクベクトル付きの4WDシステムなど、走行性能を高めるために日産初のメカニズムを積極的に投入。見た目に負けないよう中身にも先進性を盛り込んでいる。

MECHANISM メカニズム

先代マーチやキューブと同じ「Bプラットフォーム」を使うが車体構造を強化。リヤサスペンションはひとクラス上の車種用を使う。

INTERIOR インテリア

  • INTERIOR インテリア

    前期型(2010年~2014年)

  • 後発の小型SUVにも大きな影響を与えた
    欧州に続いて発売された日本でも、「個性的なクルマは日本では売れない」というジンクスを破って大ブレイク。異端児だったはずのジュークは気づけば表通りを疾走するようになり、マツダCXー3など後の小型SUVに大きな影響を与えることとなった。
    もうひとつ注目したいのは、新しいメカニズムの投入だ。1.6Lのターボエンジンや日産初のトルクベクタリング機構など、走りに関するメカニズムが惜しみなく組み込まれている。この流れも、かつてのクーペの感覚。日産にとってジュークは単なるSUVではなく新世代のパーソナルカーであり、その新しさこそが大きな魅力なのだ。

INTERIOR インテリア

真っ赤なセンターコンソール(黒や仕様によってイエローなども設定)はバイクの燃料タンクをイメージ。傷がつきにくい塗装を施している。メーターは頑丈な金属のフレームをモチーフにしたデザインだ。

INTERIOR インテリア

容量的にはライバル未満となる荷室だが、後席格納時は完全にフラットな床とするなど機能性は高い。床下収納もある。

インテリジェントコントロールディスプレイを初採用

  • インテリジェントコントロールディスプレイを初採用

  • 「空調」と「走行モード切り替え」という2つの働きを持たせたコントロールパネルを採用。ボタンで切り替えて機能を使い分けられ、あわせて表示も変化する。

MARKET DATA マーケットデータ

低年式の個体なら100万円以下の予算でもOK
少し前までは中古車でも高値だったジュークだが、ここ最近は相場が落ち着きを見せている。「15RX」の5年落ちは111万円、3年落ちは130万円が価格の目安。走行距離や年式を妥協すれば100万円以下の物件も少なくない。ただしニスモ系はかなり高価で、200万円以上の予算は必要。こちらは物件数も少なめだ。

グレード×年式別相場

2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年
15RS93万円103万円112万円119万円116万円125万円
15RX101万円111万円123万円130万円139万円162万円178万円
16GT127万円132万円135万円146万円167万円191万円232万円
NISMO/NISMO RS187万円211万円243万円274万円

走行距離×年式別相場

2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年
3万km未満109万円114万円125万円143万円157万円180万円199万円
3万km~5万km106万円114万円124万円136万円126万円131万円
5万km以上98万円108万円110万円133万円138万円
  • 年式

    年式
    デビュー翌年の2011年式が36%ともっとも豊富。その後はほぼ同程度の割合となる。後期型はかなり少なめ。

  • 走行距離

    走行距離
    3万km未満の低走行車両が半数以上を占める。物件数も豊富にあるので、状態のよい車両が入手しやすい。

  • グレード

  • グレード
    上級グレードの「15RX」が75%を占めている。2010年11月に追加された1.6Lモデルは全体のおよそ1割だ。

※すべての価格は参考価格です
※中古車参考価格はすべてグーネット9月調べ。

個性的な外観で鮮烈デビューしたコンパクトSUVブームの火付け役

icon NISMO ニスモ

  • NISMO ニスモ

    中古車参考価格帯:170万円~280万円(13年~16年 ※NISMO系のみ)

  • アスリートに進化した突然変異種のジューク
    日産のモータースポーツ部門である「ニスモ」によるセッティングが施されたモデル「ジューク ニスモ」。オンロードでの走行性能向上がねらいで、「16GT FOUR Type V」をベースにエアロパーツのほか専用サスペンションや高出力化したエンジンを搭載する。

NISMO ニスモ

シートも専用品。エンジンは通常仕様で200馬力だが高出力仕様の「ニスモRS」では内部の部品まで手を加え、214馬力まで出力アップしている。

RIVAL ライバル

icon ホンダ ヴェゼル

  • ホンダ ヴェゼル

    中古車参考価格帯:190万円~270万円(13年~16年 ※全グレード)

  • フィットをベースに開発されたコンパクトSUV。躍動的な車体ながら後席の居住性や荷室の広さでジュークに勝る。最高27.0km/Lの低燃費を誇るハイブリッドモデルも選べる。

icon マツダ CX-3

  • マツダ CX-3

    中古車参考価格帯:200万円~290万円(15年~16年 ※全グレード)

  • ディーゼルエンジンだけで展開するクロスオーバーSUV。クオリティの高いインテリアの仕立てなど、プレミアム感を重視する。後席や荷室の広さはジュークとヴェゼルの中間。

IMPRESSION インプレッション

ユーザー口コミレビュー

デザインにひと目ぼれして購入しました。街中を走っていてもほかのクルマとは違う感じがしてとても楽しいです。静音性も高く、装備も充実しているのも魅力。ボディサイズは横幅があるので、軽自動車から乗り換えた場合は少し戸惑うかもしれません。
総合評価:4.4/5.0
ドライバー歴:4年
グレード:不明

全長が短いので小まわりが利き、運転しやすい。インテリアのデザインもオシャレだと思います。1.5Lモデルに乗っていますが、スタート時の加速がいまいち。燃費もそれほどよくありません。欠点はいろいろありますが、買ってよかったと思います。
総合評価:4.6/5.0
ドライバー歴:10年
グレード:15RX

走行性能は不満ありません、しっかり走ってしっかり止まる。クルマの基本的な能力は高いです。デザインがユニークで、これがいちばん気に入ってます。ただし欠点は装備が貧弱なところ。クルーズコントロールくらいは設定してほしいです。
総合評価:3.9/5.0
ドライバー歴:34年
グレード:15RS パーソナライズパッケージ

※口コミレビューは、グーネットに投稿されたものを一部抜粋・改変して記載しています。総合評価は5点満点。

工藤貴宏氏

自動車ジャーナリスト工藤貴宏の○と×

GOOD

なによりあふれる個性 そして冒険的なキャラクター
デビュー当初は奇抜なデザインに馴染めなかったが、見慣れてくるとカッコよく見えてきた。ジュークの最大の特徴はそんな個性であり、美的感覚にさえマッチすればこんなに魅力的なパートナーはほかに見当たらないとすら思えるだろう。実用性を欲張らず、あえて広さを求めないパッケージングもクーペ感覚の贅沢さを楽しませてくれる。

BAD

実用車としての使い勝手はライバルの水準におよばない
実用性能の高い小型SUVを求めるのなら、ヴェゼルやCX-3に対して霞んで見えてしまうのは否めない。とはいえそんな実用性を欲張らなかったからこそ実現できたのが冒険的なスタイリングであり、ライバル勢とは目指す方向が違うと解釈するのが正解だろう。降雪地域の人にとっては、価格の高い1.6Lモデルしか4WDが選べないのは残念。

※すべての価格は参考価格です
※中古車参考価格はすべてグーネット9月調べ。

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