車のエンタメ
更新日:2016.12.26 / 掲載日:2016.12.26
オーダーメイドもプロトタイプも超簡単!?? フォードの機械加工が進んでる
機械モノの商品を開発するには「プロトタイプ」と呼ばれる少量生産の試作品を作ってテストをするのが不可欠で、クルマだって同じこと。初期の試作車の場合、何もない状態から腕利きの職人さんが手作りで部品を生み出してクルマを作り上げていくんです。ボディやシャシーだって、鉄板からハンマーで叩いて形を整えながら板金していくのですよ。
1枚の鉄の板から形にしていく様子はまるで魔術師。あるメーカーの開発現場の見学の際にその様子を見たことがあるのですが、職人さんの手はまるで神の手かと思いましたね。しかし、そんな話は過去のものになってしまうかもしれません。なぜか? フォードが開発した加工マシンが凄いからです。
もちろん立体物だって思いのまま。3Dプリンターのようなノリでしょう。でも違うのは素材。3Dプリンターは樹脂ですが、こちらは鉄板ですからね。
これで試作品作りがこれまで以上にスピーディに。しかもメリットはそれだけじゃなくて、大きさにより数百~数千万円とも言われる金型を作らなくても板金部品を製作できるから少量生産の部品も作りやすくなるんですよね。これまで金型を製作するとコスト的に割が合わずに手作業で作らざるを得なかった少量生産車のボディパネルなども、機械で作れるということです。そして値段も下げられるということ。地味だけど凄い技術です、これは。
Ford Freeform Fabrication Technology(略して「F3T」)には多数の特許技術が盛り込まれていて、すでに実用レベル。従来の方法に比べて短納期で少量生産の板金が作れ、フレキシブルなモデルの生産にも対応する。旧車乗りにとっては、すでに在庫がなくなった部品だって供給してくれるという期待が持てるのもうれしいですよね。
あっ、動画を見る限りシステムはFORDが開発したようですが、この加工機械は日本の「FANUC」社製ですね。すごいですね。メイド・オン・ジャパン