車のエンタメ
更新日:2018.11.11 / 掲載日:2017.06.23
話題のニューモデル、ボルボ「XC60」が守る「瞬間」とは?
1927年の創業以来、安全性を高いレベルで追求しながらクルマを開発してきたメーカー、ボルボ。3点式シートベルトやサイドエアバッグ、歩行者用エアバッグなどを世界ではじめて搭載したのはボルボのモデルでした。現在は「2020年までに新しいボルボ車において、交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする」という安全目標「ビジョン2020」を掲げ、さらなる技術開発を続けています。
ボルボが守ろうとしているのは、自車に乗っている人だけでなく、歩行者、サイクリスト、他の車両に乗る人など、つまり道路を利用するすべての人の命です。ボルボが考える「人命を守る」とはどういうことなのか、それを示したのがこちらの動画なんですが、テーマもさることながら映像作品としても秀逸なのです。
玄関でうつむく少女と、やさしく話しかける母親。ふたりの会話から動画はスタートします。初登校の日、いろいろと不安で学校に行きたくないようなのですが、母親は叱りつけるのではなく「誰でも少しはナーバスになるものよ」と言いながら娘の気持ちに寄り添っているんです。
「でも、なにが起こるかわからないじゃない」と話す娘に、「あなたが決めていいのよ」と声をかけたところで、シーンがパッと切り替わります。コーヒーを紙コップに注ぎ、クルマのキーを持って、キスをして出かける日常の風景。
学校に行くのを怖がっていた少女は、母親と話すうちに勇気が湧いてきたようです。「わたしが決めていいの?」、「もちろんよ。想像してごらんなさい?」と続く母娘の会話に重ねるように映像が流れていきます。
少女が家を出たころ、コーヒーを淹れ、キスをして家を出た女性もボルボ「XC60」でガレージを出発します。
「おともだちとは100年間毎日一緒にランチを食べること、それが無理でもずっと連絡を取り合うことを約束するの。ティーンエイジャーになったら学校を楽しんで勉強も一生懸命するわ」と少女。母親は「それから?」とやさしく続きをうながします。
母親が「あなたがひとりぼっちでいるとは思わないわ。きっと一緒に歩む誰かと巡り合ってるんじゃないかしら?」と答えると、「どういう意味?」と少女は無邪気に問いかけます。「なんでもないわ。続けて」と言う母親の声はほんとにやさしくって、思わずキュンとなっちゃいます。
「それから、誰かと出会って……。家がほしいかな。家族もできるの。女の子だわ」。それぞれ独自に進んでいるように見えた3つの時間――少女の描く未来と、少女の現実の時間と、XC60の女性の現実の時間――が、シンクロしていくように重なり合っていきます。
安全運転支援システム「インテリセーフ」の高解像度カメラで少女を捉え自動ブレーキを作動させたことで事故は回避できるのですが、ドライバーの女性はコーヒーに気を取られていたほんの一瞬の出来事に茫然としてしまいます。
歩行者とクルマとの事故が起きれば、歩行者の人命が一瞬のうちに奪われることはすぐに想像できますが、被害者の未来も、被害者家族の未来も、ドライバーとその家族の未来も消えてしまうのです。
交通事故で笑顔を消してしまわないために技術ができるサポートは、まだ残されているのかもしれません。しかし、どんなに技術が進歩しても、ドライバー自身が安全運転を心がけるということはぜったいに忘れないようにしたいですね。