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更新日:2018.10.28 / 掲載日:2015.11.19
【マツダ】新開発の2.5L 直噴ターボエンジンを発表
ユニット・コンパス/Goo-net編集部
マツダが、新開発の2.5L 直4 直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」を発表した。新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」シリーズの上位ユニットで、2016年春より北米を皮切りに販売が開始される予定の新型クロスオーバーSUV「CX-9」に搭載する。
SKYACTIV-G 2.5Tは、SKYACTIV-Gシリーズ初のターボエンジン。「アテンザ」などに搭載されているNA(自然吸気)エンジン「SKYACTIV-G 2.5」をベースに、ターボチャージャーの搭載をはじめとする改良を加えたユニットとなる。ボア、ストローク、ボアピッチなどの諸元、インジェクターや燃料ポンプなどの部品を共通化することで、SKYACTIV-Gの燃焼効率の高さを受け継ぎ、ターボ化しながらも軽量コンパクトな設計とした。圧縮比は、ボアサイズ89mmのレギュラーガソリンン対応型直4ターボエンジンとして最高レベルの10.5を実現。燃焼後の排出ガスの一部を低温不活性ガスとして再度吸気する「クールドEGR(Exhaust Gas Recirculation)」機構を採用しており、燃焼室の温度を下げてノッキングの発生を防止しながら、理論空燃比領域の拡大と点火タイミングの最適化を図ることで燃費を向上させている。
SKYACTIVエンジンシリーズは、カタログ上の数値だけでなく実際に走行したときの優れた動力性能と燃費性能の両立を目指して開発されている。搭載車両の車格に応じた最適な排気量、シンプルな構造をコンセプトに掲げており、SKYACTIV-G 2.5Tもその理念に則って開発された。新型CX-9の使用シーンとして9割以上を占めると想定される中低速領域では、リニアで力強い加速感を実現し、「ターボラグ(加速時にコンプレッサーが機能するまでのタイムラグ)」のない高い応答性を発揮。最高出力は230ps/5000rpm、最大トルクは4.0L V8自然吸気エンジン並みの42.8kg-m/200rpmを発生させる。
SKYACTIV-G 2.5Tには、新技術「ダイナミック・プレッシャー・ターボ」も搭載される。従来の可変ターボはタービンに流入する排気の流速や方向を調整するが、ダイナミック・プレッシャー・ターボはタービンの手前に設置されたバルブを運転条件に合わせて開閉し、排気の脈動を制御することでタービンの駆動力を調整する世界初の機構。1620rpm以下低速域ではバルブを絞ることで各排気ポートからの排気の干渉を抑制し、排気圧力の脈動を活かしてタービン駆動力を高める。十分な排気エネルギーが得られる高速域ではバルブを開き、通常のターボと同様の脈動の少ない状態でタービンを稼働させる。