中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.14 / 掲載日:2014.05.09
日産 NV350キャラバン ライダーバン(2012年6月~)中古車購入チェックポイント
日産 NV350キャラバン ライダーバン (2012年6月~)中古車購入チェックポイント
CBF-VR2E26
参考車両:ライダーバン プレミアム GX
初年度登録:2012年6月
追加装備:<ディーラーオプション>日産オリジナルHDDナビゲーション、バックビューモニター (2012年6月)
■全体のチェックポイント
2012年6月に発売したE26型「NV350キャラバンバン」のカスタムカー。参考車両は、上級タイプがベースで、オプションも付いている。商用ワンボックスバンは、酷使されることも多い。エアロパーツを装着した「ライダー」は趣味やレジャーで使われていると考えられるが、車両がどこでどのように使われていたか探ってみたい。
外装の小傷よりもボディやフレームの損傷に注意
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、車体まわりを観察して、どこかに異常がないか探ってみる。
前面は、バンパー、グリル、ヘッドライト、フロントパネル、コーナーパネルなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。
2.周辺も含めてチェック
2.周辺も含めてチェック
フロントバンパーは、角や下部、プロテクター(スポイラー)などに損傷がないか見て、立て付けもチェック。同時に、バンパーに連なるフロントドアあたりも損傷や修理跡などがないかチェック
3.ドアと関連部をチェック
3.ドアと関連部をチェック
フロントドアは、外面だけでなく、内側のパネルもチェック。開閉具合をチェックし、取り付け状態を調べる。ヒンジや開口部など関連部もチェックする。
スライドドアも、開閉具合とスライド動作をチェック。損傷や修理/交換の形跡などがないか見て、ドアを支えているブラケットやローラー、レール(スライドさせる溝金具)なども調べる。「プレミアムGX」は、オートクロージャーの具合もチェックしたい。
4.関連部も詳しく調べる
フロントフェンダーは、ホイールアーチ(縁)やタイヤハウス内に損傷や修理跡などがないかチェック。上側は、乗り降りによる傷などにも注意。できれば、カーペットをめくって、フロアパネルなど周辺部もチェックしたい。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどを慎重にチェック。
バックドアは、解錠・施錠の具合と開閉の動き具合をチェック。全開状態で下がってこないか、ダンパーロッドの効き具合も確認。
バックドアの内側も見て、取り付けネジ、ヒンジ、ヒンジ固定部周辺もチェック。開口部も、シーラーや溶接の状態に注意しながら修理/交換跡などがないかチェックする。
6.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部のサイドシル(車体の梁)に傷や凹み、変形、腐食(錆)などがないか、下側とステップ部を調べる。パネル接合部やスポット溶接の状態などにも注意し、修理や交換の形跡がないかチェック。「E26型」は、ジャッキアップポイント(リフトアップ支持位置)がサイドシルではないことも注意ポイントといえるだろう。
7.タイヤとホイールをチェック
7.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、ブロックの欠けなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイール取り付け角)の狂いなども考えられるが、フレームの歪みなどにも要注意。
標準装備のスチールホイールは、ホイールカバーに傷や破損がないか見て、緩みやガタがないかチェック。ホイールは、錆や歪みなどがないかチェック。リム(タイヤと接している部分)に曲がりなどがないか調べる。
8.床下の様子もチェック
8.床下の様子もチェック
下まわりに異常がないか床下も覗いてみよう。ボディパネルやフレーム、補強部材。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡がないかチェック。
オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の破損などにも注意。錆があれば、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態をチェックする。
★損傷の有無や修理/交換歴を確認
「ライダー」は、フロントグリル、フロントプロテクター、フロントバンパー光輝モール、Rider AUTECH エンブレムを装着。ベース車の「プレミアムGX」は、車体同色のバンパー/スライドドアレール/ドアハンドル、メッキのフロントグリル/バックドアフィニッシャー、フロントフォグランプ、プライバシーガラス(スライドドア/リアサイド/バックドア)などをもともと標準装備している。
運転席が前にあるワンボックスバンは、内輪差を見誤って側面をぶつけやすい。ボディが長いと直後が見づらい。「ライダー」のフロントプロテクター(フロントスポイラー)は、縁石や段差などに接触して損傷を負う可能性がある。使い方や走り方、走行距離などによっては、ボディおよびフレームの疲労などに起因する走行中のガタやきしみ音なども注意ポイントだ。
事故などで車体の骨格部を修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
★推奨サイズやタイプにも注意
「バン」は、フルホイールカバー付15インチスチールホイール+商用タイヤ195/80R(最大負荷能力は前103/101L LT・後107/105L LT)が標準装備。推奨以外のホイールやタイヤを変更している車両は、足まわりや走行バランスなどに支障がないか注意したい。
改装していた形跡にも注意しながら丹念に調べる
1.室内の隅までチェック
シートや内装材に汚れや染み、傷、穴などがないかチェック。床や天井の状態も確認。ボックスやポケットなどは、内部の状態も見る。シートの擦れ、へたり、破れ。フック類の破損。ボックスリッドやエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意。
2.後席や荷室も調べる
前席だけでなく、スライドサイドウインドウや5:5分割リクライニング・折り畳みシートの具合などを試しながら後席周辺もチェック。荷室も、パーテーションパイプ、サイドトリム、カーペットなどの傷み具合を観察し、車両がどのように使われていたか推測してみる。
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置のほか、ウインドウ開閉やドアロック、室内ランプの点灯など基本的な部分の作動状態をチェック。
「プレミアムGX」は、インテリジェントキーによる機能と各部の作動を確認。デュアルエアコンの[フロント・リア]も、特に冷房の効き具合に注意しながら調整操作してみる。
4.追加装備もチェック
4.追加装備もチェック
「プレミアムGX」は、標準装備ではオーディオレス・4スピーカーだが、参考車両にはディーラーオプションの日産オリジナルHDDナビゲーションとバックビューモニターが付いている。ナビ機能をはじめ、AV機能やドライブサポート機能などに異常がないか確認。バックビューモニターも、表示機能が正常か確認したい。
★改装や使用状態などにも注意
「NV350」は、荷室に棚を組むためのラゲッジユーティリティナット(埋め込みナット)を設けているが、キャンピング仕様やバイクなどを積むトランポ(トランスポーターの俗称)などに改装していた形跡がないか注意したい。
参考車両は、「プレミアムGX」の標準装備にディーラーオプションのナビとバックモニターを加えている。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、細部は販売店で点検してもらおう。特に電装機器に不具合がないことを確認したい。
走行に関わる部分の調子と整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示灯・警告灯類の点灯やディスプレイ表示なども見る。「プレミアムGX」は、インテリジェントキーとエンジンスイッチの具合も確認。可能なら試乗して、メーターの動きや車両情報ディスプレイの表示機能もチェック。わからないことは販売店スタッフに聞いてみよう。
2.変速動作に異常がないか確認
2.変速動作に異常がないか確認
5速ATは、エンジンをかけて、セレクトレバーを[P・R・N・D・3・2]に切り替える操作具合をチェック。可能なら試乗して、走行時のオートマチック動作や[オーバードライブ]、[スノーモード]などもチェックしたいが、不具合がないかは販売店で点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
参考車両は、2.0Lガソリンエンジン・5AT・2WD車。エンジンは、前席の下。とりあえずオイル漏れなどがないか見る。せめて日常点検項目くらいはチェックしたいところだが、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、エンジンやトランスミッションはもちろん、ブレーキやサスペンション、ステアリング、駆動系など走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●従来の「キャラバン」から車名を変え、2012年6月に発売した5代目E26型「NV350 キャラバン」。商用ワンボックスバンの基本性能を高めると共に、趣味やレジャーなどでも使える多目的車として利便性や快適性を向上。当初は2.0Lガソリンエンジンのロングボディ車を発売。7月には2.5Lディーゼルエンジン搭載車とスーパーロングボディ車を発売している。オーテック カスタムカー「ライダー」は、[ロングボディ・標準幅・標準ルーフ・低床・5ドア]車の「バン DX 6人乗り」と「バン プレミアムGX 5人乗り」および[スーパーロング・標準幅・ハイルーフ・低床・4ドア]車の「ワゴンGX 10人乗り」をベースに、専用のフロントグリル/プロテクター/フバンパー光輝モール、リアRider AUTECH エンブレムを装着。「バン プレミアムGX」には、本革巻3本スポークステアリングホイール/防水シート地/ドアトリム地/LEDデイタイムランニングライトを追加装備する「インテリアパッケージ」を設定。オーテック扱いオプションの専用LEDデイタイムランニングライト、オーテック扱いディーラーオプションの専用ボディサイドデカールや専用車内カーテンセットなども設定している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
2.0L ガソリンエンジン
グレード | 型式 | シフト | 駆動 | 定員 |
DX | CBF-VR2E26 | 5AT | 2WD | 6人 |
プレミアムGX | CBF-VR2E26 | 5AT | 2WD | 5人 |
2.5L ディーゼルエンジン
グレード | 型式 | シフト | 駆動 | 定員 |
DX | LDF-VW2E26 | 5AT | 4WD | 6人 |
プレミアムGX | LDF-VW2E26 | 5AT | 4WD | 5人 |
※ここでは、10人乗り(2.5Lガソリンエンジン搭載)の「ライダー ワゴン」は省略しています。