新車試乗レポート
更新日:2018.11.30 / 掲載日:2016.05.19
フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン 試乗レポート(2016年05月)
新世代プラットフォームで洗練の走りを披露
初代の誕生はゴルフVの前だったのだから、トゥーランの世代交代は待望のもの。じつに13年ぶりの一新だ。でも、長く待たせただけのことはあり、2代目は大きな進化をカタチにした。まずは新世代プラットフォームの「MQB」に注目。パッケージの効率化や安全性の進化だけでなく、車台一新のメリットは車重軽減にも表れている。つけ加えるなら、プロポーションのバランスもグッとよくなった。
なら、走りの印象は?先代の持ち味は「走りのしっかり感」にあったが、新型は操縦安定性の能力を引き上げた上で、快適性も大幅に高めたのが見どころだ。上級のハイラインは17インチ55タイヤを標準で履くが、オプションのDCC(電子制御可変ダンパー)を装着したサスは、凹凸の吸収、うねりのいなしともに得意とし、やさしい乗り心地を提供してくれる。ミニバンにとってこれは大きな加点要素となる。それでいて、「コンフォート」から「ノーマル」、「スポーツ」とモードを切り替えれば、走り味は全体に締まったものとなり、スポーティな運転にも十分に応えてくれるのだから懐が深い。
また、過給システムをツインからシングルチャージャーに変更した、新世代1.4L TSIユニットの出来もいい。性能は先代比10馬力/3.1kg mアップの150馬力/25.5kg mだが、発進・加速のフィールは数値から想像する以上に力強く、ゆとりがある。そこでは、20kg軽くなった車重や、変速やクラッチミートの洗練度を高めたDSGの存在も見逃すことができない。静粛性の向上を含めて、パワートレーンがひと世代新しくなった効果は明らかなものだ。
つまり、「欧州MPVの優等生」のキャラクターを変えずに、すべての性能と能力を高めたのが新型トゥーランというわけ。唯一の気がかりは、1830mmにまで拡大した全幅だが・・・。実際の取りまわしで、明らかなネガを感じさせるシーンはなかった。
文●森野恭行 写真●GooWORLD
問い合わせ フォルクスワーゲン・カスタマーセンター TEL:0120-993-199
Detail Check
コックピット
コックピット
「いいもの感」を進化させたコクピット。旧世代のゴルフ兄弟はインパネを共用する例が多かったが、MQB世代となり、インテリアの個別化が進んだのも注目点。ハイラインは充実した豪華装備も魅力。
インテリア
インテリア
キャビンが広くなったのは、ホイールベースを110mm拡大するなど、ボディサイズを少し大きくした効果が大きい。3席独立タイプの2列目を踏襲した上で、3列目の居住性を向上させた。
エンジン
エンジン
アルミブロックの新世代1.4L TSIを積む。機械式過給機併用の「ツイン」ではなく、ターボのみの「シングル」となり、150馬力を生む。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
7人乗車の荷室は必要最小限だが、3列目を格納すれば最大917Lの容量を確保できる。さらに2列目もたためば1857Lにまで拡大可能。
主要諸元:フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン TSIハイライン(7速AT・DSG)
全長×全幅×全高 | 4535×1830×1660mm |
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ホイールベース | 2785mm |
トレッド前/後 | 1560/1535mm |
車両重量 | 1560kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1394cc |
最高出力 | 150ps/5000-6000rpm |
最大トルク | 25.5kg m/1500-3500rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/4リンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前・後 | 215/55R17 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2016年1月)
ゴルフトゥーラン TSI トレンドライン(7速AT・DSG) | 284万7000円 |
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ゴルフトゥーラン TSI コンフォートライン(7速AT・DSG) | 317万円 |
ゴルフトゥーラン TSIハイライン(7速AT・DSG) | 376万9000円 |
Body Color
□ピュアホワイト ■アトランティックブルーメタリック ■ディープブラックパールエフェクト ■カリビアンブルーメタリック ■リフレックスシルバーメタリック |