新車試乗レポート
更新日:2018.10.28 / 掲載日:2007.10.10
ホンダ シビックMUGEN RR 試乗レポート
ホンダ シビックMUGEN RR 試乗レポート
試乗
発表/2007年6月28日
文:森野恭行 写真:柳田由人・犬塚直樹
■マニア垂涎の「究極の赤バッジ」。その手綱を握れるのはたったの300人!
第2のホンダワークスとも言える無限が、心血を注いで開発したのがRR。まず驚くのは約480万円の価格だが、シビックタイプR(FD2)からの進化をつぶさに検証すれば・・・目利きならお宝度の判別ができるはず。なにしろ、心臓は吸排気系中心のチューンにより15馬力/0.3kg mを上乗せした逸品で、サスやブレーキもスペシャル!加えてフードはアルミ製、フロントバンパースポイラーはドライカーボン製で、1台ずつハンドクラフト技法で仕立てられるのだから、まさしく「究極の赤バッジ」だ。
■ドライビング/ユーティリティ
最新にして、現時点で唯一のタイプRであるFD2の走りの能力の高さは、いまさら説明の必要がない。ボディの拡大や車重増加をはね返し、DC5(インテグラタイプR)を凌ぐラップタイムを各サーキットで刻んだのだから、その速さは本物だ。が、RRのステアリングを握ると・・・上には上があることを教えてくれる。
まずはエンジン。低回転で重低音、高回転で甲高く乾いた無限ミュージックを奏でる排気音もグッとくるが、より以上に光るのは高回転域の突き抜けるようなパワー感と超鋭敏なレスポンスだ。6000回転手前から8400回転オーバーに至る回転域に詰め込まれている速さと官能性は、ベースのK20Aを確実にしのぐレベル。ショートシフターを組んだ6MTを操り、エンジンの力をフルに引き出す作業は、最高の快感を与えてくれると言える。
そしてハンドリング。ノーマルより操舵の正確性が高く、旋回速度が高いのは当然。より感心したのは限界域のコントロール性で、ストローク感のいいリヤサスが最後まで高い接地性を保つから、より大胆に、安心して攻めの走りを楽しむことができる。ブレーキの効きや姿勢安定性も秀逸! 速さと洗練の高度なバランスは、無限のコンプリートカーならではのものだ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
3連アシストメーターや専用デザインのタコメーター&スポーツペダルを採用したコックピットにはレーシーなムードが漂う。ベースのタイプRと同様、デジタルスピードメーター左にREVインジケーターを装備。
カーボンシェル採用のリクライニング&上下調整機構付きバケットシートは、RECAROとの共同開発によるもの。高G旋回でも強力に体をサポートする。
クイックシフターを採用し、一段と素早いシフトワークを実現!シリアルナンバー入りプレートや専用シフトノブも、マニアの所有欲を大いにかき立てる。
■インテリア/エクステリア写真[2]
カーボン製カバーの「RR」の刻印が誇らしげ。専用のカム、インテークダクト&大容量エアボックス、4-2-1エキゾースト、デュアルエキゾーストなどの採用で吸排気効率を高めた。
8Jサイズの鍛造ホイールは当然のこと、「RRスペック」仕立てのポテンザRE070や、ブレーキのローター、パッド、ホース(ステンメッシュ)も専用品。
ボディカラーは専用色のミラノレッド。ディフューザー&バックフォグを採用したリヤバンパーは、まさにフォーミュラカーのイメージで、大型リヤスポイラー(ウイングはカーボン製の可変式!)とともにド迫力のリヤビューを演出する。
シビックMUGEN RR(6MT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 4570×1790×1415mm |
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ホイールベース | 2700mm |
車両重量 | 1240kg |
エンジン | 直4DOHC |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 240ps/8000rpm |
最大トルク | 22.2kg m/7000rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/ダブルウイッシュボーン |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤ前後 | 225/40R18 |