日産セレナ試乗インプレッション

日産セレナ試乗レポート

試乗
マイナーチェンジ
発表／2013年12月25日
日産・お客様相談室 0120-315-232
文●森野恭行　写真●編集部（2013年12月）

■人気に奢ることなく大幅に進化果敢に攻めるミニバンの大本命

今回のマイチェンは「ビッグ」という形容が相応しいもの。まずはルックスだが、より大型化したメッキグリルと二段構えのヘッドライト（LED式も新設定）を採用して、押し出し感を大きく高めたのが見どころだ。でも、より以上に注目したいのはセーフティメカの充実。衝突回避を支援するエマージェンシーブレーキや車線逸脱警報（LDW）を全車に標準化することで、宿敵のノア／ヴォクシーに明確な差をつけたカタチだ。

■ドライビング／ユーティリティ

Report　森野恭行

いま、多くのユーザーが強い関心を示すのはエコと安全。エコの項目ではフルハイブリッドを採用するノア／ヴォクシーの優位は明らかだが、安全については……。自動ブレーキをいち早く搭載し、踏み間違い衝突防止アシスト（パッケージオプションとして設定）も採用した新型セレナが、クラスをリードしている。なら、走りはどうなのか？
　マイクロハイブリッドとも表現できる自慢のSハイブリッドメカは、燃費値を改善しただけでなく、走り味も熟成させた印象がある。ECOモードにおける走りは穏やかだが、ノーマルモードでは発進＆加速の元気なピックアップや、力強い速度の伸びを体感させてくれる。そう、意外なほどスポーティな走りも楽しめるのがセレナの魅力だ。
　また、シャシーバランスも良好。リニアなハンドリングや、高速域でも十分なしっかり感を伝える高い安定性、そして突き上げ感を排除した快適な乗り心地に、セレナの走りの質の高さが表れている。後発のノア／ヴォクシーのハイブリッド車と比べても、実力は上位にあると言っていい。日産の国内販売の柱といえるモデルだけに、マイチェンも本気の本気。2L級ミニバンをめぐるトヨタと日産の首位争いは、ますます過熱しそうだ。

■インテリア／エクステリア写真[1]

キャビンの広さはクラストップレベル。スマートマルチセンターシートを採用し、2列目の3人掛けとウォークスルーを両立させている点も高く評価できる。
全体に装備の充実を図るとともに、ハイウェイスターGに上質感を演出するプレミアムハイコントラストインテリアを新設定。開放感あふれるキャビンは、変わらないセレナの魅力だ。

■インテリア／エクステリア写真[2]

グリルやヘッドライトだけでなく、フード、フェンダー、バンパー、LEDリヤコンビランプ（ハイウェイスター）なども一新する大幅なリニューアルを実施。車格感をグッと高めたことがわかる。
3列目はコンパクトに折りたためる左右跳ね上げ式。低めの格納位置が操作を容易にしている。格納すればご覧の通り、大容量の荷室を確保できる。
Sハイブリッド車（2WD）はJC08モード燃費値を以前までの15.2km／Lから16.0km／Lへ改善した。

日産セレナハイウェイスターG Sハイブリッド（CVT）

全長×全幅×全高	4770×1735×1865mm
ホイールベース	2860mm
トレッド前／後	1535／1560mm
車両重量	1680kg
エンジン	直4DOHC＋モーター
総排気量	1997cc
エンジン最高出力	147ps／5600rpm
エンジン最大トルク	21.4kg m／4400rpm
モーター最高出力	2.4ps
モーター最大トルク	5.5kg m
JC08モード燃費	15.4km／L
サスペンション前	ストラット
サスペンション後	トーションビーム
ブレーキ前／後	Ｖディスク／ディスク
タイヤ前後	195／60R16