中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.16 / 掲載日:2009.08.07
三菱 パジェロ(2008年10月~)中古車購入チェックポイント
日産 デュアリス クロスライダー 中古車購入チェックポイント
ADC-V98W
参考車両:ロング スーパーエクシード 3.2 ディーゼル
初年度登録:2008年10月
■全体のチェックポイント
伝統的なオフロード走破性能を受け継いでいるが、悪路を走り回っている車両は少なく、ほとんどが街乗り中心といえる。とはいっても、土木工事や農漁業などの業務、あるいは山間部や海岸部、降雪地など、使用状況によって酷使されている車両もないとはいえない。外観の些細な傷に目を奪われて、大きなダメージや修理/交換跡を見落とさないように。床下の状態にも注意。エンジン、サスペンション、駆動系など、走行機能のコンディションと整備状態も念入りに確認したい。
1.車両の雰囲気を観察する
1.車両の雰囲気を観察する
やや離れた位置から、全体の様子を見てみよう。外装部品の立て付けや塗装の状態など、外観に異常がないかチェック。不自然に感じる部分があれば、近寄って詳しく調べよう。
前面は、バンパー/グリル/ヘッドライト/ボンネットなどが並んでいるバランスをチェック。左右対称になっていることも確認。細部では、ボンネットなどの先端部やフロントガラスの打ち傷にも注意しよう。
2.後部のチェックポイント
2.後部のチェックポイント
後面も、バンパー/フェンダー/テールゲート/コンビネーションランプ(テールライト)などのバランスをチェック。
テールゲートの立て付けが全体に狂っていれば、テールゲートのずれ、あるいは車体の歪みも疑える。部分的に隙間が狂っていれば、その部分の車体部を修理している。
前部も同様だが、ライト類の左右片方だけが新しく感じる場合(交換の疑い)は、その側の車体部を修理している可能性もある。
3.ガードしている内側を確認
3.ガードしている内側を確認
フロントガードをはじめ、サイドステップ、サイドシルガーニッシュ、ドアガーニッシュ、ホイールリップモールなど、車体を守るプロテクター類は、外見の小傷などよりカバーされた内側の車体部にダメージがないか注意したい。
4.床下の状態にも注意
フロントスキッドプレートやリアバンパーアンダーカバーなど、下面にもアンダーガードを設置しているが、損傷などがあれば不整地を走っていると考えられる。車体各部を注意深く観察して、車両の使用状況を推察してみよう。
5.整備状態を確かめる
5.整備状態を確かめる
定期点検整備の記録とつき合わせて、消耗部品を中心にエンジンと周辺をチェック。
オイルの滲みや汚れ(漏れの兆候)、冷却水やオイルの量および汚れ、バッテリーやブレーキの液量などにも注意したい。
新しい部品が付いていれば、消耗品か、故障か、それとも事故などでダメージを負って交換したのか、整備記録も調べてみよう。
6.車体内側の鉄板部を確認
左右フェンダー側のインナーパネルやサイドフレーム、室内側のダッシュパネルなど、エンジンルーム内の鉄板を調べよう。ダメージを受けると、走行機能面に不具合が生じる重要な部分だ。部品やカバー類歪みやしわ、修理跡などがないかチェック。
部品やネジなどに塗装の飛沫が付いている場合は、周辺に修理の形跡がないか探ってみよう。
7.取り付け状態を調べる
7.取り付け状態を調べる
フロントフェンダーの取り付けネジをチェックしよう。脱着している形跡があれば、フロントフェンダーを外して修理、あるいは交換している可能性がある。
フロントフェンダーは、重要な車体補強部材とはなっていないので、修理しても修復歴にはならないが、大きな衝撃を受けて修理/交換していれば、車体内側の骨格部にダメージが及んでいないか調べる必要がある。
8.裏面側もチェック
8.裏面側もチェック
ボンネットの外面をチェックしたら、内側の裏面に補修跡や修理跡などがないかも調べよう。
アルミ製ボンネットは、ダメージを負うと交換してしまうことが多い。ヒンジ部のネジを脱着した形跡がないかも忘れずにチェックしよう。
9.要確認ポイント
9.要確認ポイント
エンジンルームの最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートは、車体前部に大きな衝撃を受けると影響が及びやすく、修理/交換する確率が高い。左右フェンダーやヘッドライト、フロントグリル、バンパーなど、関連部品や周辺の様子も含めて慎重にチェックしよう。
10.隙間の幅と色調を比べる
10.隙間の幅と色調を比べる
外板パネルの立て付けは、例えば車体前部側面では、フェンダー、ボンネット、ドア、ピラーなどが隣合わせになっている。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを受けてずれてしまったか、修理あるいは交換した際に取り付け位置が狂った可能性がある。
隙間を境に、隣り合うパネルの色調も比べてみよう。修理や交換で塗装していると、色艶が違って見えることがある。
11.角度を変えると見える
11.角度を変えると見える
車体まわりは、見る角度を変えながらチェックしよう。プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども確かめやすい。
斜め方向から透かして見ると、見落としがちな浅くて広い凹み、あるいは波打ち(しわ)なども確認できる。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡。部分的に塗装面の艶が違うとか、肌荒れ状態になっている箇所なども、修理している疑いがある。
12.フェンダーの中もチェック
膨らんでいるホイールアーチ部(タイヤを囲っている部分)に損傷を負うことも多いが、オーバーフェンダータイプのフェンダーにプロテクター(ホイールリップモール)を被せている構造になっている。傷や凹み、修理跡などがないか、外見をチェックしたら、縁と奥を覗いて関連部品類の取り付け状態を確認。フェンダー内側の修理/交換跡を見逃さないように。
13.ガードされている側も調べる
13.ガードされている側も調べる
側面下部には、サイドステップとサイドシルガーニッシュを設置している。サイドステップは、乗降時に足をかけるのに便利だが、車体側面やサイドシル(車体前後方向に通っている梁)をガードしており、サイドシルガーニッシュも、サイドシルの損傷を防ぐ役目をしている。
まず立て付けをチェックして、損傷や破損、修理/交換の形跡などがないか確認。さらに、下から覗いて取り付け状態を調べよう。サイドステップのブラケット(支えている金具)に傷や曲がり、錆によるダメージ、修理/交換の形跡などがないかチェック。サイドシルにダメージや修理跡などがないかも慎重にチェックしよう。
14.周辺も調べて判断
ドアは、下半分をドアガーニッシュで守っているが、大きなダメージを受けると、外して修理したり、交換することもある。ドアヒンジのネジをチェックしよう。ただし、ドアの立て付け調整などでネジを回すこともあるので、ネジ脱着の形跡だけではドアを修理/交換しているとはいえない。ドア自体をはじめ、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、周辺に修理跡などがないかも調べて判断する必要がある。
15.リアフェンダーのチェック
リアドアを開けて、開口部を見てみよう。乗り降りなどで付けた傷を見つけることもあるが、補修跡や修理跡がないかチェック。
マスキング跡が残っていれば、リアフェンダーを補修、あるいは修理している。開口部の下側は、閉めたドアで覆われるので、開口部にダメージがあればドアもダメージを受けている。
車体右側は、フューエルリッド(給油口のカバー)も開けて、マスキング跡や修理跡などがないか調べよう。
16.開閉してチェック
16.開閉してチェック
横開き式テールゲートを開閉してみよう。スムーズに開け閉めできるかどうか動きをチェック。
閉まり具合がよくない(ロック部がうまく収まらない)場合は、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいる疑いもある。
テールゲートのずれは調整で直ることもあるが、調整が効かない状態なら要注意。また、車体が歪んでいる車両などは、論外だ。
17.テールゲートのチェック
17.テールゲートのチェック
ダメージや修理跡がないか、外と内の両面をチェック。交換することもあるので、ヒンジ部のネジも調べよう。ヒンジと周辺もチェック。
背負っているスペアタイヤの固定状態やスペアタイヤガーニッシュの取り付け状態も確認。
18.鉄板の接合部を調べる
開口部の左右を見ると、鉄板の接合部がある。修理/交換の形跡がないか、溶接やシーラー、塗装の状態を慎重にチェック。
同時に、コンビネーションランプ、バンパー、バンパーステップ、バンパーアンダーカバーなどの取り付け状態もチェックしよう。
後方から強い衝撃を受けると、広範囲にダメージが波及することもある。開口部に修理/交換の形跡があれば、フェンダー、ピラー、ルーフ、キャビン(室内)など、周辺および関連部する部分も詳しく調べる必要がある。
19.タイヤとホイールを点検
19.タイヤとホイールを点検
タイヤは、スリップサインを目安に残り溝の深さを点検。傷や異物の刺さり、ひび割れなどがないかもチェック。
溝が十分に残っていても、摩耗状態も調べよう。接地面の外側だけとか内側だけなど、一部が極端に減っている偏摩耗が生じていれば、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけか、あるいは車体が歪んでいるのか、確かめる必要がある。
ホイールは、リム部(タイヤと接している外周部)の傷に注意。傷があれば、凹みや曲がりを伴っていないか確認。アルミホイールは、過度な衝撃で生じる変形や割れにも注意したい。
20.床下を覗いて確認
20.床下を覗いて確認
フレーム(骨格部)やメンバー(補強部)、アダーカバーなどにダメージを負っていないか。サスペンションやマフラー、ブラケットなど、部品類に損傷や曲がり、歪みなどがないか。修理/交換の形跡にも注意して、前後左右、四方から覗いてチェックしよう。
ゴム部品の劣化(ひび割れなど)、油脂汚れ(オイルやグリスなどの漏れの兆候)など、整備に関わる部分にも注意したい。錆が発生していれば、広がり範囲と腐食の進行状態を調べよう。
21.エンジンをかけてみる
21.エンジンをかけてみる
始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。エンジンがかかりにくい場合は、バッテリーが弱っているだけなら問題は少ないが、発電系統をはじめ、他の部分に不具合があることも考えられる。アイドリングが安定しないとか、異音や大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。
ガソリンエンジンと比べると、ディーゼルエンジンは音や振動に少し違和感があるかもしれないが、疑問を感じたらショップでチェックしてもらおう。
22.装備機器類の機能を確認
22.装備機器類の機能を確認
ウインカーやヘッドライト、ブレーキランプなど、保安機器類が正常に作動することをまず確認。
電装機器や電動機構などは、スイッチをオン/オフするだけでなく、調整操作して機能を確かめよう。
エアコンは、必ず冷房の効き具合を確認。パワーウインドウの開閉や室内ランプの点灯など、目立たない部分のチェック忘れが多いので注意しよう。
グレードによる標準装備の違いやオプションの追加など、車両の装備は事前に確かめておこう。
23.オートマチックのチェック
23.オートマチックのチェック
エンジンをかけてブレーキを踏んだままセレクトレバーを操作して、各ポジションにスムーズに切り替えできることを確かめよう。
できれば試走して、アクセルを踏んだ時に、大きなショックや滑っている感じなどがないことを確認。マニュアルモード操作も試してみよう。同様に、4モードの4WD切り替え機構の状態も確かめたい。
トランスミッションやトランスファー、デファレンシャルなど、駆動伝達系統全体では、走行時に発生する異音に注意したい。
24.隅まで細かくチェック
24.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材などに汚れや染み、傷、穴などがないかチェック。運転席の周囲だけでなく、後席やラゲッジスペースまでしっかり調べよう。各部にある樹脂部品の傷や破損などにも注意。ボックス類は蓋の開閉と内部の状態。フロアマットの裏や天井の内張もチェック。室内の汚れや傷み具合から車両がどのように使われていたか推察してみよう。
車両の情報をチェック
「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で保証期間と保証内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、オプションなどの後付け装備の使用説明書が揃っていることも確かめよう。
「定期点検整備記録簿」は、必ず記載内容をチェック。車両がどのように使用され、整備されてきたかが記録されている。定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。
●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
■今回の車輛のプロフィール
●新型「オールラウンドSUV」として2006年10月に発売された、1982年5月新発売の初代から数えて4代目となるモデル。参考車両は、2008年10月にフロントグリルやアルミホイール、一部グレードに本木目や本革巻きステアリングホイールを採用するなど、外観および内装を一部改良、あわせて、2004年から販売を休止して以来の新ディーゼルエンジンをロングボディ車に(ショートボディ車は2009年3月)追加設定した時期のタイプ。
●ボディタイプは、ロング(5ドア/3列シート/7人乗り)とショート(3ドア/2列シート/5人乗り)があり、エンジンは3.0(2972cc)レギュラーガソリンと3.8(3827cc)プレミアムガソリン、3.2(3200cc)ディーゼルの3種類。駆動方式は、4モードセレクト式「スーパーセレクト4WD」。トランスミッションは、マニュアルモード付「スポーツモード5速AT」が基本だが、ベーシックグレードには5速MTもある。
仕様グレードは、ロングに、ベーシックタイプの「GR」、ウインカー/アプローチランプ付ドアミラー、本革巻ステアリングホイール、ステアリングリモコンスイッチなどを備えた「エクシード」、18インチタイヤを装着している「エクシードX」、本木目&本革巻きステアリングホイールやアルミペダル、本革シートなども標準装備している最上級の「スーパーエクシード」を設定。
ショートは、ベーシックな「VR-I」に対して、「VR-II」はエンジンカバーやウインカー/アプローチランプ付ドアミラー、本革巻ステアリング、ステアリングリモコンスイッチなどを装備。さらに、「スーパーエクシード」は、18インチタイヤ、インテリアの本木目パネル、本革シートなども標準装備となっている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定(2008.10)
ロング(5ドア/7人乗り)
グレード | 型式 | エンジン | シフト | 駆動 |
GR | CBA-V93W | 3.0 | 5MT | S-4WD |
CBA-V93W | 3.0 | S-5AT | S-4WD | |
ADC-V98W | 3.2D | S-5AT | S-4WD | |
エクシード | CBA-V93W | 3.0 | S-5AT | S-4WD |
ADC-V98W | 3.2D | S-5AT | S-4WD | |
エクシードX | CBA-V97W | 3.8 | S-5AT | S-4WD |
スーパーエクシード | CBA-V97W | 3.8 | S-5AT | S-4WD |
ADC-V98W | 3.2D | S-5AT | S-4WD |
ショート(3ドア/5人乗り)
グレード | 型式 | エンジン | シフト | 駆動 |
VR-I | CBA-V83W | 3.0 | 5MT | S-4WD |
CBA-V83W | 3.0 | S-5AT | S-4WD | |
VR-II | CBA-V87W | 3.8 | S-5AT | S-4WD |
スーパーエクシード | CBA-V87W | 3.8 | S-5AT | S-4WD |