中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.25 / 掲載日:2014.12.12

トヨタ シエンタ 中古車購入チェックポイント(2014年12月)

  • トヨタ シエンタ(2013年9月~)中古車購入チェックポイント

    トヨタ シエンタ

    参考車両:1.5G 2WD(DBA-NCP81G)
    初度登録:2013年9月
    追加装備:<メーカーオプション>デュアルパワースライドドア、ナビレディパッケージ(オーディオステアリングスイッチ+バックカメラ)<販売店オプション>オーディオレスカバー、専用フロアマット

  • トヨタ シエンタ

■全体のチェックポイント

2011年6月にマイナーチェンジした後、2013年9月に一部改良した時期の“丸いシエンタ”。外装や内装の状態をチェックすると同時に、“両側スライドドアを備えた3列シート7人乗りコンパクトミニバン”の使い勝手もチェック。もちろん、走行機能に問題がないか確認することも忘れてはいけない。

関連部や周辺の異常にも注意しながらチェック

  • 1.車体のバランスを見る

    トヨタ シエンタ(正面)

  • 1.車体のバランスを見る

     まずは、外装に異常がないか車体まわりを探っていく。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意。

  • 2.縁や奥も覗いてチェック

    トヨタ シエンタ(正面左)

  • 2.縁や奥も覗いてチェック

     バンパーは、角や下部に損傷がないかチェックし、ずれていないか立て付けを見る。下側にあるエアスパッツ(空気整流板)の破損などにも注意したい。
     バンパーやヘッドランプに隣接するフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側に設置しているフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェックする。

3.車体の内側も調べる

 ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーは、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態を調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品も、要チェックポイントだ。

  • トヨタ シエンタ(ボンネット1)

  • トヨタ シエンタ(ボンネット2)

4.後部のチェック

 後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどを細かくチェック。バンパーの下側も覗いて、車両固定用フック(牽引フックとしては使用不可)、車体パネル、マフラー、サスペンションなどもチェック。
 バックドアは、開閉の動き具合をチェックし、全開状態でしっかり止まっているかロッドダンパーの効き具合も確認。バックドアの内側やヒンジ部、ヒンジ固定部周辺の状態もチェック。
 パネル接合部の溶接やシーラー、塗装の異常などに注意しながら開口部もチェック。さらに、スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理跡などがないか見る。

  • トヨタ シエンタ(後部)

  • トヨタ シエンタ(バックドア)

  • トヨタ シエンタ(スペアタイヤ収納部周辺)

  • 5.ドアと周辺をチェック

    トヨタ シエンタ(ドアと周辺)

  • 5.ドアと周辺をチェック

     ドアは、外板パネルだけでなく内側もチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部も見る。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部も慎重にチェックする。

6.下側に要チェックポイント

 車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に損傷や腐食(錆)などがないか、床下側も覗いてチェック。判断は難しいかもしれないが、パネル接合部の修理/交換跡に要注意。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も必ず見る。

  • トヨタ シエンタ(下側1)

  • トヨタ シエンタ(下側2)

7.スライドドアのチェック

 スライドドアは、開閉するスライド動作と閉める時の合わせ具合をチェック。外側と内側のパネル、上・下・側部にあるブラケット(ドアの支え金具)とローラー、車体側のレール(スライドさせる金具)なども異常がないかチェックする。

  • トヨタ シエンタ(スライドドア1)

  • トヨタ シエンタ(スライドドア2)

  • トヨタ シエンタ(スライドドア3)

  • トヨタ シエンタ(スライドドア4)

8.損傷の程度を確認する

 リアフェンダーまわりも、フロントと同様に(フェンダーライナーはない)チェックし、スライドドアのレールカバーやリアバンパーなどの状態も見る。車体左側は、フューエルリッドおよび給油口周辺も、修理/交換跡などがないか調べる。

  • トヨタ シエンタ(リアフェンダー)

  • トヨタ シエンタ(給油口周辺)

  • 9.ホイールとタイヤをチェック

    トヨタ シエンタ(ホイールとタイヤ)

  • 9.ホイールとタイヤをチェック

     「シエンタ」は、樹脂フルキャップ付14インチスチールホイール&175/70Rタイヤ。ホイールは、キャップの傷、破損、取り付け状態。ホイール自体の錆やリム(タイヤと接している部分)の曲がりなどに注意しながらチェック。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの異常や車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、走行安定制御VSCなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。

★損傷と修理/交換の有無を確認する

「シエンタ」は、リア両側スライドドアを備えた3列シート7人乗りのコンパクトミニバン。標準車「X/G」は“丸いスタイル”。「G」は、左側パワースライドドアやスマートドアロックリモコンなどを標準装備。参考車両は、オプションの両側パワースライドドアを装備している。ドアまわりは、ワイヤレスリモコン機能と開閉動作をチェック。スライドドアのイージークローザーやパワースライドドアの挟み込み防止機能などもチェックしたい。
 事故などで車体の骨格部を修理/交換している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理している部分がないか販売店に聞いてみよう。

室内の状態と装備機器類の機能をチェックする

  • 1.隅まで細かくチェック

    トヨタ シエンタ(室内1)

  • 1.隅まで細かくチェック

     室内は、シートや内装材に汚れや染み、傷などがないか。ドアまわり、床、天井なども見る。ボックスやポケットなどの内部、トレイ、ホルダー、フックなどもチェック。ボックスの蓋やエアコン吹き出し口などは、可動部の破損にも注意しながら動き具合もチェックする。

2.後部まで慎重にチェック

 前席周辺だけでなく、2列目席の背もたれ前倒し&座面跳ね上がり、座面を上げて固定するチップアップ、フラットモード。3列目席のリクライニングや床への格納なども試しながら周辺をチェック。
 後部ラゲッジスペースも、傷みや破損などがないかチェック。床のデッキボードを上げて、アンダートレイの状態も(2WD車はデッキボックスも)見る。

  • トヨタ シエンタ(室内2)

  • トヨタ シエンタ(後部ラゲッジスペース)

3.装備機器の作動を確認

 ヘッドライト、ウインカー、ワイパー、ミラー、テール/バック/ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な機能の作動具合をチェック。ワイヤレスドアロックリモコンの機能と各ドアの解錠・施錠、パワースライドドア開閉なども確認。オートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意しながら調整・設定具合をチェック。

  • 4.追加装備の機能も確認

    トヨタ シエンタ(追加装備の機能)

  • 4.追加装備の機能も確認

     メーカーオプションのナビレディパッケージは、ステアリングスイッチとバックカメラを装着するが、ナビ(販売店オプション)は含んでいない。ステアリング操作連動ガイド線を画面表示するにはメーカーオプションのバックカメラ用ガイドキットも必要だ。いずれにしても、装備機器の機能が有効か確認したい。

★細部は販売店で点検してもらう

 「G」は、プラズマクラスターオートエアコン、左側パワースライドドア、スマートドアロックリモコンなどを標準装備。参考車両は、オプションの両側パワースライドドアを装備しているが、細かいところでは、グレードやオプション装備によってワイヤレスキーのタイプと機能が異なっている。ナビレディパッケージ(オーディオステアリングスイッチ+バックカメラ)も追加しているが、ナビを装着していないかわりにオーディオレスカバーが付いている。いずれにしても、販売店で車両の装備内容をまず確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。特に電装機器の具合に注意したい。

走行機能のコンディションと整備状況を確認する

  • 1.エンジンをかけてみる

    トヨタ シエンタ(始動)

  • 1.エンジンをかけてみる

     エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、エンジンスイッチの機能も確認。表示灯・警告灯類の点灯、メーターやシステム作動表示なども注意して見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。

  • 2.運転支援機能もチェック

    トヨタ シエンタ(運転支援機能)

  • 2.運転支援機能もチェック

     CVTは、[P・R・N・D-S・B]レンジへのシフト具合をチェック。可能なら、走行時の自動無段変速動作をチェック。通常[D]・坂道[S]・急な下り坂[B]のほか、[SNOW]スイッチON/OFFなどの各走行モード制御もチェック。
     走行機能としては、エンジンをはじめ、駆動系、ステアリング、EBD付ABS、ブレーキアシスト、VSC&TRCなども異常がないか確認したい。とはいっても、正常かどうか判断するのは難しいので、不調や故障などがないかは販売店で点検してもらうほうがいい。

  • ★正しく点検・整備してもらう

    トヨタ シエンタ(エンジン)

  • ★正しく点検・整備してもらう

     「シエンタ」は、1.5Lエンジンに、CVT(自動無段変速機)・2WD(FF前輪駆動)と4速AT・4WDを設定。制動力配分[EBD]付タイヤロック防止[ABS]、急ブレーキ時などにより大きなブレーキ力を発生させる[ブレーキアシスト]、横滑り防止[VSC]&空転防止[TRC]などを搭載している。それぞれの構造などはともかく、走行機能が正常か確認したい。
     できれば点検整備記録を探ってみたいが、とりあえずはオイル漏れなどに注意しながらエンジンルーム内を見る。走行機構各部の詳しい整備状況を販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。

■最初に車両の現状を確かめる

 中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。

目利きはココを見る!

  • トヨタ シエンタ(車両の情報)

    「車両の情報」を見る
    ●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

  • トヨタ シエンタ(車両の情報)

  • トヨタ シエンタ(立て付け)

    「立て付け」を見る
    ●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

  • トヨタ シエンタ(立て付け)

「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。

  • トヨタ シエンタ(取り付け状態)

    「取り付け状態」を見る
    ●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。

  • トヨタ シエンタ(取り付け状態)

  • トヨタ シエンタ(接合部)

    「接合部」を見る
    ●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。

  • トヨタ シエンタ(接合部)

■今回の車両のプロフィール

●2003年9月新発売から2010年11月で一旦販売を中断していた「シエンタ」は、マイナーチェンジして2011年6月に再発売。内外装デザインを一部変更。従来同様、1.5LエンジンにCVT・2WD(FF)と4速AT・4WDを設定し、2WD車は燃費を向上。従来の“丸いスタイル”は標準タイプ「X/G」が引き継ぎ、新たにスポーティな“四角いスタイル”の「ダイス」を設定。2012年4月に、特別仕様車「ダイス リミテッド」を発売。
●2013年9月に一部改良。装備設定を一部変更するとともに、「ダイス-G」を新設。2WD車には、走行安定制御機構VSC&TRCを採用している。UVカット機能付プライバシーガラス、サイドターンランプ付電動格納式ドアミラー、両側スライドドア、5:5分割セカンドシート、左右独立サードシート、ワイヤレスドアロックリモコン、ファブリックシート表皮、オーディオレスなどは全車標準装備。
仕様グレードの「X」は、ハロゲンヘッドランプ、アナログメーター、ウレタンステアリングホイール、マニュアルエアコンなどが標準装備のベーシックタイプ。「L パッケージ」は、ディスチャージヘッドランプや左側電動スライドドアなどを追加する。
「G」は、赤外線カットフロントガラス、ディスチャージヘッドランプ、左側電動スライドドア、スマートドアロックリモコン、自発光式メーター、プラズマクラスターオートエアコンなどを標準装備。
「ダイス」は、専用デザインの角形ヘッドランプ/フロントバンパー&グリル/リアコンビネーションランプ/ホイールキャップ/アナログメーターを装着。フロントフォグランプ、メッキドアハンドル、本革巻ステアリングホイールなどを標準装備。基本的な装備は、Xに準じる。「ダイス-G」は、ダイスとGを合わせた装備に、本革巻シフトノブやピアノブラック加飾などを追加している。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
XDBA-NCP81GCVTFF
DBA-NCP85G4AT4WD
X L パッケージDBA-NCP81GCVTFF
DBA-NCP85G4AT4WD
GDBA-NCP81GCVTFF
DBA-NCP85G4AT4WD
ダイスDBA-NCP81GCVTFF
DBA-NCP85G4AT4WD
ダイス-GDBA-NCP81GCVTFF
DBA-NCP85G4AT4WD

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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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