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更新日:2018.11.28 / 掲載日:2017.09.15

初のターボエンジン搭載! 新型スイフト スポーツにスズキの本気を見た!

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス

 約6年ぶりのフルモデルチェンジで待望の4代目に生まれ変わったスズキ・スイフトスポーツ。ドイツ・フランクフルトでおこなわれたモーターショーで世界公開され、翌13日に日本でも正式に発表、20日から発売を開始する。
 スイフトスポーツはコンパクトカースイフトをベースに高い走行性能を与えたモデル。走りの愉しさに加えてリーズナブルな価格というのも初代から続く美点である。
 そんなスイフトスポーツは見た目やサスペンションのチューニングがスポーティに仕立てられているが、それだけに留まらず専用開発の標準車よりもハイパワーなエンジンを搭載するのが初代から伝統的に続く魅力。新型でもその点は抜かりないのだが、なんとスイフトスポーツの歴史を変えるほどの大きな事件が起きた。なんと歴代ではじめてターボエンジンが搭載されたのだ。

 ここで強く伝えておきたいのはスイフトスポーツにかけるスズキや開発者の意気込みは半端ではないということだ。たとえばエンジンの仕様。「K14C」と呼ぶターボエンジンは基本設計こそ先日エスクードに追加搭載されたものと同じだが、チューニングは別物。レギュラーガソリン仕様のエスクード用に対してスイフトスポーツ用はハイオク化されて出力が4馬力、トルクが2kgmアップしている。しかし単にスペックが向上しているだけでなく、トルクの立ち上がりを鋭くしつつアクセルレスポンスも向上するなど運転を楽しむために求められるフィーリングを実現することに最大限の配慮がはらわれ、スポーツ走行に最適化した味付けになっている。
 ターボ化によりトルクは先代に比べて約1.5倍という太さに。その結果MT車の40~80km/h追い越し加速タイムは先代に対して約50%も短縮と俊足がさらに強調されたのが新型のポイントだ。
 一方で車体は先代よりも軽量化し、MT車で車両重量970kgという驚きの軽さを実現。エンジンが強力になったうえで車体は軽量化というスポーツカー作りの黄金方程式を満たしたクルマに仕上がっているのである。
 ターボを身に着けて性能アップしたエンジンと軽量ボディの組みあわせは、トヨタヴィッツシリーズのヴィッツRSやホンダフィットシリーズのフィットRS、そして日産マーチ・ニスモなどのライバルに対して動力性能で大きく差をつけたことを意味している。加速の力強さに関しては、ライバルはもはや新型スイフトスポーツの相手ではない。

ワイドボディを採用しスイフト初の3ナンバーに

 さて、内外装の見どころはまず標準車とは異なるワイドボディである。トレッド幅を拡大するためにワイドフェンダーを装着し、それにあわせたドアパネルを組み合わせた結果、スイフト史上初めて3ナンバーボディを身にまとうようになった。従来に比べるとやや大人しくなった印象のエクステリアデザインだが、エアロパーツに頼らずフェンダーやドアパネルからして標準車と別物というのはスタイリングの特筆すべき特徴だ。
 一方でインテリアは、従来同様に身体をしっかり支えられるようにサイドサポートを大きくしてスポーツドライビングに備えたフロントシートを標準装備。260km/hまで刻んだ専用メーターと並ぶタコメーターを赤くし、ステアリングなどの赤ステッチに加えてグラデーションで赤を挿し色にしたオーナメントを組み合わせるなど、スポーティな雰囲気は歴代モデルでもっとも強調されている印象を受ける。

 ところで、エンジンとともに従来のスイフトと大きな違いといえるのが年々要求の高まる安全装備だろう。なんと新型スイフトスポーツは、「セーフティパッケージ」と呼ぶオプション設定ではあるものの衝突被害軽減ブレーキシステムを用意。単眼カメラに赤外線センサーを組み合わせた自動ブレーキ機能は自車速度約5~100km/hで作動し、歩行者にも対応。車線逸脱抑制機能、先行車発進アシスト機能、ハイビームアシスト機能、そして誤発進抑制機能(AT車のみ)を組み合わせて予防安全性を高めている。アダプティブクルーズコントロールが組み込まれるのもうれしい。
 グレードは1タイプだが、トランスミッションは6速MTのほかに6速ATも用意。価格はMT車が183万6000円、AT車が190万6200円である。本格的な走りを実現したスポーツモデルでありながら、200万円を切るリーズナブルな価格を実現しているのだからありがたい。

 スイフトスポーツはどうしてこんなにこだわるのか? それはスズキの頂点に立つスポーツモデルだからである。単にコンパクトカーのホットバージョンに留まらず、スズキを代表するスポーツカーだからこそ驚くほど手間をかけた渾身の作品になっているのだ。

スズキ スイフトスポーツ(6速MT)
全長×全幅×全高 3890×1735×1500mm
ホイールベース 2450mm
トレッド前/後 1510/1515mm
車両重量 970kg
エンジン 直列4気筒DOHCターボ
総排気量 1371cc
最高出力 140ps/5500rpm
最大トルク 23.4kgm/2500-3500rpm
JC08モード燃費 16.4km/L
サスペンション前/後 ストラット/トーションビーム
ブレーキ前/後 Vディスク/ディスク
タイヤ前後 195/45R17

販売価格 183万6000円~190万6200円(全グレード)

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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