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更新日:2018.11.26 / 掲載日:2017.09.06

日産リーフがフルモデルチェンジ! EV性能を大幅強化

文●ユニット・コンパス 写真●日産自動車

 2017年9月6日、電気自動車(EV)普及の立役者とも言える日産リーフがフルモデルチェンジを受けて2代目となった。初代リーフの登場は2010年12月。当時、日本で販売されていた量産型EVといえば軽自動車三菱 アイミーヴしかなく、普通車の量産型EVはリーフが最初のモデルとなった。それから7年のあいだ、新興自動車メーカーであるテスラがこのジャンルに乗り出したことが話題となるなど、EVに対する世間の認知度と理解が少しずつ深まってきた。ショッピングモールや高速道路のサービスエリアでEVが急速充電している光景を目にしたひとも多いはず。EVはもう、当たり前の世の中になってきたのである。

 EVが辿るこれからの10年は、さらに多くの自動車メーカーが参入し、普及台数が加速していくだろう。新型リーフは、EVの黎明期(これまでの10年)から成長期(これからの10年)というターニングポイントにおいて、新たなベンチマークとして注目すべき1台だと言えよう。

スポーティなエクステリアに一躍大変身

先代と比べると大きくイメチェン。スポーティなルックスが目を引く。

安定感のあるリヤビュー。ルーフがブラックアウトされ、車高が低く見える。

 今回登場した新型リーフは、まず見た目が大きく変わった。初代は親しみを覚えるなめらかなデザインが特徴だったが、今回は日産のファミリーフェイスであるVモーショングリルを強調した、全体的にシャープなスタイルを構築。「COOL & TECH」をエクステリアコンセプトに掲げ、大きなイメージチェンジを図ったのが見どころである。2015年の東京モーターショーで公開されたIDSコンセプトを発展させたデザインで、よりモダンでスポーティなデザインとなった。

 ボディサイズは、全長4480mm(先代比+35mm)、全幅1790mm(同+20mm)、 全高1540mm(同-5mm)と、全高以外はわずかに大きくなったものの、ほぼ同じサイズ感と言っていい。ホイールベースも先代同様2700mmだから、先代オーナーは同じ感覚で乗れるはずだ。またルーフとボディが異なるツートーンカラーを採用したことも新型の特徴で、そのおかげでロー&ワイドがより一層強調された。またボディ色も豊富に設定され、クルマを選ぶ楽しさもしっかりと残されている。

細部のクオリティにもこだわったインテリア

奇をてらわないシンプルなデザインのインテリア。

 インテリアの造形を見ると、シンプルながらも居住性と機能性を両立させているのがわかる。最近の日産ブランド共通のインテリアデザインテーマである「グライディング・ウイング」がリーフにも導入され、だれもが違和感なく乗れる。その一方で、シートやダッシュボード、ステアリングはブルーのステッチが施されており、これがEVであることをアピールしている。メーター内には7インチフルカラー(TFT)ディスプレイが装備され、モーター出力や回生エネルギー発生状況を表示するパワーゲージ、オーディオやナビゲーションの情報などが分かりやすく表示されている。なお、ナビゲーションには「Apple CarPlay」と「Android Auto」機能が追加された。

 一方、新型リーフは静粛性のさらなる改善にも取り組まれている。音の侵入経路となるわずかな隙間を徹底的に排除し、遮音材と構造を最適化。それにより、欧州プレミアムセダン並みの静粛性を実現したのが見どころだ。モーター特有の静粛性と相まって、その走りは高級車顔負けの上質なものとなっている。

  • ナビゲーションには「Apple CarPlay」と「Android Auto」機能が追加された。

新開発バッテリーにより航続距離を大幅アップ!

 新型リーフの最大のアピールポイントは、なんと言っても航続距離が長くなったこと。先代リーフのユーザーアンケートでは、充電時間の長さと航続距離の短さについて多く指摘されていたという。それを改善すべく、新型には高出力インバーターと大容量バッテリーが搭載された。モーター制御の要となるインバーターは、先代の80kWから110kWに出力をアップ。バッテリーにおいては24kWh/30kWhという2種類の容量を設定していた先代に対し、新型は40kWhと大幅に増加。これは先代の大容量モデルだった30kWhと比べると33%以上も大きい数値である。これにより一充電における航続距離(JC08モード)は、280km(30kWh仕様)から大きく伸び、400kmを実現。前者が東京から名古屋までの距離に対し、後者は東京から大阪までの距離におおよそ相当すると言えば、どれほど伸びたかわかるはず。充電に関しては、電極材の変更により大きな電流で効率良くチャージすることが可能になった。バッテリー容量の拡大にともない、短時間でも多くの電力を確保でき、実用面で使い勝手がよくなったのも見逃せないポイントだろう。

 ほかに注目すべきところは、動力性能の向上。最高出力は先代比41馬力アップの150馬力、最大トルクは6.7kgmアップの32.6kgmとなった。一般的にEVはゼロ発進加速が得意だが、先代リーフは中間加速がやや伸び悩む傾向にあった。新型ではそれにも改善のメスが入れられ、どの速度域でもストレスのない加速が味わえるようになっている。また今回「e-Pedal」と呼ばれる新機軸も投入された。これはアクセルオフで自動的にブレーキが掛かるシステムで、最大でエンジンブレーキのおよそ4倍の減速度を発生させるというもの。アクセルのみのワンペダルで走行シーンの多くの減速をまかなえるので、アクセルとブレーキを踏み換える頻度が減り、ドライバーの負担を軽減しつつも気持ちの良い走りが味わえるというわけだ。

パーキングにおける操作がすべて自動化

「プロパイロットパーキングブレーキ」を押すと、駐車時の操作をすべてやってくれる。

 セレナエクストレイルで導入された自動運転支援システム「プロパイロット」が新型リーフにも採用された。これは、高速道路や自動車専用道路において、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御してくれる便利な装備。とくに渋滞した高速道路では大活躍してくれるはず。さらにリーフでは国内メーカー初となるパーキングアシスト機能「プロパイロット パーキング」が新採用されたのが大きなトピックとなる。こちらは、車体に取り付けられた4つのカメラと12個の高性能ソナーが周囲の状況を認識し、パーキング時にステアリング、アクセルおよびブレーキ、シフト、パーキングブレーキのすべてを自動で操作。これにより、後ろ向き駐車はもちろん、縦列、前向き駐車(充電時に便利)をすべてクルマがやってくれるのだ。運転が苦手なひとにとって非常に心強い装備と言えそうだ。

 先代リーフはEV普及のパイオニアという大きな役割を果たした。そして新型ではクルマとしての魅力をさらに追求し、EV以外のクルマもライバルに見据え、乗ってワクワクする楽しさも身につけた。今後は出力を高めたモーターを搭載したハイパフォーマンスモデルの発売も予定しているというから、非常に楽しみだ。また活躍の場は交通シーンにかぎらず、家庭用蓄電池として、災害時などに役立つことも見逃せない。今まで「EVは不安…」というひとも、新型リーフを、次期マイカー候補のひとつに加える価値は大いにありそうだ。

【日産 リーフ】
全長         4480mm
全幅         1790mm
全高         1540mm
ホイールベース    2700mm
重量         1490-1520kg
バッテリー容量    40kWh
航続距離       400km(JC08モード)
最高出力       150ps/3283-9795rpm
最大トルク      32.6kgm/0-3283rpm
販売価格       315万360円から399万600円(全グレード)

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