クルマのお役立ち情報[2017.09.07 UP]

The Spice of Life
僕が見てきたオモシロ輸入車オーナーたち

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クルマも個性的ならオーナーも変わり者!?

クルマも個性的ならオーナーも変わり者!? 文と写真●内田俊一

 輸入車の魅力とは何だろう。ハード面では走る、曲がる、止まるといったクルマの基本性能の高さ。また、個性的なデザインも挙げられるだろう。さらにはそれぞれのメーカーが持つヘリテージもその魅力のひとつとして数えられる。

 いっぽうで日本車は利便性や細かい気づかいをもとにした使いやすさ。そして何よりもプライシングや、身近にディーラーがあるのも魅力だ。

 あえて、そういった日本車の魅力を無視し(ときに後悔はしているかもしれないが)、輸入車を楽しんでいる、私が出会ったそんな友人たちを紹介させてもらいたい。そうすることで、輸入車の魅力をまた違う一面から伝えられればと思う。

 ひとり目は40代男性の「I」さん。以前は積極的にクラシックカーイベントに参加し、「クラシック アバルト」や「チシタリア」といったイタリアの名車を駆っていた。最近は「アバルト 695 トリブート・マセラティ」を足にして、もう1台、1957年式の「ヌオーヴォ500」を手に入れて楽しんでいる。この500で普段、お嬢さんふたりを乗せてお使いに出かけたり、ひとりでふらふらと近所へドライブへも出かけたりしているという。

 彼は年1回、関東近郊で開催されるクラシックカーイベントにこの500に乗ってひとりで向かう。そして、別のクルマで現地に到着した家族と合流して、家族ぐるみでイベントに参加しているのだ。

 くるくると巻き上げたソフトトップからの日差しを受けながら、娘さんたちは最高の笑顔を見せ、彼女たちと「I」さんを見つめる奥様のまなざしも優しさにあふれていた。

クルマも個性的ならオーナーも変わり者!?

 「I」さんはいう。「以前クラシックカーイベントに参加していたときは妻にナビを務めてもらっていましたが、最近は子育ても忙しく、なかなかいっしょに出掛けられません。でも、1日だけのイベントで、子供たちもいっしょならば家族皆で楽しめるでしょう」と。さすがに高校生になる長男君は以前のように出られなくなったが、将来的には彼をナビにしてクラシックカーイベントに復帰したいという夢も抱いている。

 そして、次はアメリカ車をこよなく愛する50代男性の「N」さんだ。好きが高じて、毎年10月に「アメリカン ヒストリックカーショー」というイベントを開催しているほどだ。

 「N」さんは、「映画やドラマに出てきたアメリカ車、とくにあのサイズとパワーに憧れていましたね」と振り返る。そして、それが買えるようになったいま、いくつかのクルマを乗り継ぎ、「C2コルベット」を自らの手でフルレストア。前出のイベントのマスコットカーにもなっている。さらに「C1コルベット」も入手して現在レストア中。近々完成予定だ。

 じつは彼、このほかにも「W124(Eクラス)」や「W126(Sクラス)」なども持っておりかなり“雑食”なところもあるが、どうやら「大らかなクルマが好き」という琴線に触れているようだ。

 最後のひとりは、フランス車好きの「U」さんだ。免許取得後すぐに「ルノー5」を購入したのを皮切りに、7台以上のルノーを乗り継いできた。「フランス車に乗ると、フロントウインドウから見る東京タワーはエッフェル塔に見える」なんて当時の雑誌に書いてあったけれど、東京タワーは東京タワーだった、などとうそぶきながら、それでも、「ルノー25バカラ」を修理する算段を付けるべく、日夜努力している。

 なぜ彼はルノーに乗り続けるのか。いわく、「どこまでも走り続けられそうな乗り心地」が魅力。しかし、ルノーに乗り続けたのはたまたまだとか。クルマを買い替えるタイミングに、お付き合いのある営業マンがルノーに関係していたからだという。もしその彼が日本車の営業だったらどうか。「う〜ん、わからないけど、たぶんそういうひとだとしたら、最初から付き合いがなかったんじゃないかな(笑)」とも。

 類は友を呼ぶということわざがある。気の合う者や似通った者同士は、自然に寄り集まって仲間を作るものということだが、今回紹介した3人はともに友人同士だ。イタリア車好きとアメリカ車好き、フランス車好きとでは共通点はないようにも想像されるが、お互いの趣味を尊重しつつ、その知識を深めあいながら交流を続けている。そんな彼らの会話を聞いていると、話題はクルマにかぎらずさまざまな方面へと広がっていく。カメラや時計、食事だけでなく、古典落語や芸能まで多岐にわたる。

 そして、そんな彼らのまわりには年齢や性別、職種を問わず、魅力的なひとたちが集まる。たったひとつ、“クルマが好き”とくに“輸入車が好き”というキーワードだけで素敵な友人が増えていく。だから輸入車はオモシロイのだ。

 ちなみに、ここに出て来る「U」さんとは、じつは私のことである。

クルマも個性的ならオーナーも変わり者!?

PROFILE
自動車ジャーナリスト 内田俊一
●日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に長年在籍し、その後フリーとなり、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。クラシックカーの分野も得意とする。保有車は車検切れのルノー25バカラと同じくルノー10。

愛車をきっかけに広がる、豊かな輸入車ライフ

愛車をきっかけに広がる、豊かな輸入車ライフ

輸入車の楽しみ方もさまざま。サーキットでタイムを競ったり、仲間とツーリングをしたり。あるいは皆でワイワイバーベキュー。いずれも気心の知れた仲間がいて初めて成立するものばかり。そういったひととの出会いも、輸入車の大きな楽しみのひとつである。クルマをただの移動手段としてつまらなく思っていたなら、輸入車を手に入れて貴方の世界観をさらに広げてみてはいかがだろう。

クルマ愛にとどまらない 広がる、人とのつながり

クルマ愛にとどまらない 広がる、人とのつながり

友人たちとの語らいは、いつも笑顔にあふれている。そこには年齢や性別、さらには職種といった壁は存在しない。クルマについての情報交換はもとより、人生の先輩たちからも貴重な知識を授かり、それを若い友人たちに伝えていくこともまた楽しい。

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