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更新日:2018.11.27 / 掲載日:2017.08.18

ONE MAKE MARKET RESEARCH 日産セレナ(2016年04月)

日産 セレナ

※写真は20G(2010年)

日本のミニバン市場でトップを争う人気の日産セレナは、大きすぎない車体に広い室内スペースを持つ、正統派ミニバンだ

先代(4代目)2010年~2016年

  • 主要諸元 2010年式 日産 セレナ 20G(CVT)

    日産 セレナ

    中古車参考価格帯:100万円~250万円(10年~16年 ※全グレード)

  • 主要諸元 2010年式 日産 セレナ 20G(CVT)

    全長×全幅×全高 4685×1695×1865mm
    ホイールベース 2860mm
    トレッド前/後 1480/1485mm
    車両重量 1630kg
    総排気量 1997cc
    エンジン 直4DOHC
    最高出力 147ps/5600rpm
    最大トルク 21.4kgm/4400rpm
    JC08モード燃費 14.6km/L
    サスペンション前/後 ストラット/トーションビーム
    ブレーキ前/後 Vディスク/ディスク
    タイヤ前後 195/65R15

室内が広いだけでなくシートアレンジも秀逸

セレナが多くのユーザーに愛されている最大の理由は、実用的なパッケージングだ。狭い道や駐車場でも容易に運転できる5ナンバーサイズのボディ(ただしエアロ仕様の「ハイウェイスター」は5ナンバーサイズを若干オーバーしている)ながら、室内は広々。1列目や2列目はもちろんのこと、3列目にも大人がゆったり座ることができる。
もちろんそれはライバルに相当するトヨタヴォクシーノアホンダステップワゴンも同様なのだが、それらに差をつけているのが独特のシートアレンジだ。
セレナの2列目シートは横にスライドする左側と前後にロングスライドする中央部を組み合わせることで、2人掛けと3人掛けを切り替え可能なのである。8人が車両に乗りたい時は3人掛けにすればいいし、2人掛けにすれば空間がゆったりで、3列目へのアクセスも容易。状況にあわせて使い分けできるのがライバルにはない強みといえる。
モデル途中からは同クラスのミニバンのなかで初となるハイブリッドモデルが設定され、燃費性能が一段と向上したのもトピックである。

INTERIOR インテリア

広くて実用的だから子育てファミリーに最適

ライバルのステップワゴンやヴォクシー/ノアなどとも室内の広さを競っているが、この世代ではセレナがもっとも広い。とくに3列目に座った際、足元の広さを実感できるだろう。実用的なシートアレンジは全車共通だ。

  • INTERIOR インテリア

    ※写真は20G(2010年)

  • INTERIOR インテリア

    写真の2列目は3人が座れるベンチシート状態だが、変形させて左右が独立した2人掛けにもできる。使い分けできるのが便利。

INTERIOR インテリア

細いAピラーで斜め前方視界も良好。3列目シート格納は左右跳ね上げ式だが、アシスト機構を内蔵するので軽々と動かせる。

MECHANISM メカニズム

  • 使いやすいミニバンを具現化

    MECHANISM メカニズム

    MR20DDと呼ぶエンジンは低回転のトルクが太いから運転しやすい。高効率で良好な燃費も自慢。

  • 使いやすいミニバンを具現化

    カメラ映像を合成して車両を真上から見下ろすアングルで画面へ表示する「アラウンドビューモニター」や、ワンタッチでスライドドアを開けられるボタンなど、使って便利なアイテムの充実もセレナの美点。

MECHANISM メカニズム

アラウンドビューモニターは駐車時に周囲との位置関係が把握しやすく、車両直近の死角もなくして安全に貢献。

燃費をさらに高めるマイルドハイブリッド

「S-HYBRID」はエンジンの効率が悪い低回転域を小さなモーターでアシストして燃費をよくする仕掛けで、「マイルドハイブリッド」とも呼ばれる。プリウスのように大型モーターを積むモデルほど燃費はよくないが、価格がリーズナブルなので費用対効果が高い。

燃費をさらに高めるマイルドハイブリッド

MODEL HISTORY モデルヒストリー

  • 2010年11月 フルモデルチェンジ

    2010年11月 フルモデルチェンジ

    シートアレンジなどは継承しつつ、先代に比べて室内長を伸ばして居住性を向上。エンジンは全車2Lガソリンを搭載する。

  • 2010年11月 フルモデルチェンジ

  • 2012年8月 ハイブリッドを設定

    2012年8月 ハイブリッドを設定

    ライバルに先んじてハイブリッドモデルを投入。システムは「S-HYBRID」と呼ぶシンプルな構造だが実燃費も向上した。

  • 2012年8月 ハイブリッドを設定

  • 2013年12月 マイナーチェンジ

    2013年12月 マイナーチェンジ

    ヘッドライトを大型化するなど、デザインにも手を入れたマイナーチェンジを実施。緊急自動ブレーキも設定された。

  • 2013年12月 マイナーチェンジ

2015年11月 自動ブレーキを全車標準装備

これまで非設定だったベーシックグレードの「20S」にも緊急自動ブレーキを標準採用。全車に標準装備となった。

MARKET DATA マーケットデータ

いまは相場が高めだが、今後の値下がりに期待したい
昨年新型が登場したが、中古車相場に影響が出るのはもう少し先のようだ。標準グレードや前期型は安いが、物件豊富な人気のハイウェイスターは少し高め。今後の値下がりに期待したい。

グレード×年式別相場(先代セレナ)

2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年
20S/20X/20G95万円115万円132万円151万円166万円179万円203万円
20Xハイブリッド/20Gハイブリッド136万円141万円162万円182万円176万円
ハイウェイスター/ハイウェイスターG128万円145万円157万円203万円220万円217万円224万円
ハイウェイスター ハイブリッド/ハイウェイスターG ハイブリッド160万円174万円199万円208万円228万円

走行距離×年式別相場(先代セレナ)

2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年
3万km未満148万円161万円170万円184万円207万円216万円224万円
3万km~5万km146万円157万円164万円177万円196万円192万円200万円
5万km以上108万円126万円140万円156万円172万円172万円
  • 年式

    年式
    ハイブリッドが登場した2012年以降の物件が多い。中古車は後期型の割合が多く、これが市場全体の相場を底上げしている。

  • 走行距離

    走行距離
    走行距離にはあまり偏りがなく、低走行から過走行まで幅広い。物件数の分母の数が多いため、3万km未満の低走行車は豊富だ。

  • グレード

  • グレード
    ハイウェイスターの割合が非常に多い傾向にある。とくにハイブリッドのハイウェイスターが全体の6割にもおよび、それ以外は少なめ。

※すべての価格は参考価格です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2017年7月調べ。

日産 セレナ

乗りやすさにこだわった国産ミニバンの人気モデル

パッケージングは現行車とほぼ同様。だから広い室内を求めるのであれば、リーズナブルに購入できる先々代モデルも魅力的な選択肢だ

先々代(3代目)2005年~2010年

日産 セレナ ハイウェイスター

中古車参考価格帯:40万円~160万円(05年~10年 ※全グレード)

主要諸元 2007年式 日産 セレナ ハイウェイスター(CVT)

全長×全幅×全高 4740×1725×1840mm
ホイールベース 2860mm
トレッド前/後 1480/1485mm
車両重量 1610kg
総排気量 1997cc
エンジン 直4DOHC
最高出力 137ps/5200rpm
最大トルク 20.4kgm/4400rpm
10・15モード燃費 13.2km/L
サスペンション前/後 ストラット/トーションビーム
ブレーキ前/後 Vディスク/ドラム
タイヤ前後 195/60R16

軽い力で操作できる3列目シートも実用的

3代目セレナのデビューは2005年と10年以上前だが、現行モデルにつながるパッケージングはすでにこの世代でできあがっている。だから室内の広さなどやシートアレンジは最新モデルとほとんど変わらず、居住性に関しては今なお古さを感じさせることはない。
3代目セレナでミニバン界に衝撃を与えたのが、3列目シートの格納・展開を楽にしてくれるアシスト機構。従来、左右跳ね上げ式のシートを折り畳んだり展開する作業時は、シートの重さをすべて人間が支える必要があったため、力が必要だった。しかし3代目セレナは、ステーにスプリングによるアシスト機構を組み込んだことで操作に必要な力を軽減。指先でシートを支える程度の力で動かせるようになったのは革新的だ。
同様の仕掛けは後に他社にも普及するが、先駆けはこのセレナである。

INTERIOR インテリア

  • 6人で快適に移動できる居住性が自慢

    INTERIOR インテリア

    ※写真はハイウェイスター(2007年)

  • 6人で快適に移動できる居住性が自慢

    全車とも乗車定員は8人。さすがに大人がシートに3人掛けすると左右幅にゆとりがないが、各列2人ずつ座る6人乗車ならゆったりとロングドライブができる。インパネは小型シフトレバーが特徴。

MECHANISM メカニズム

新規開発のプラットフォームを採用

プラットフォームからエンジンまで、メカニズムがすべて刷新されているのが3代目セレナの特徴のひとつ。全長をクラス最長に設定したのも、ライバルに勝る居住性を手に入れている理由のひとつだ。

MECHANISM メカニズム

エンジンは実用領域でのフィーリングの滑らかさに定評のあるMR20DE。トランスミッションにCVTを組み合わせることで燃費性能も大幅に高めた。

RIVAL ライバル

手ごわい存在だが選択肢は豊富

ホンダ ステップワゴントヨタ ヴォクシーノア、そしてセレナは車体サイズと室内の広さがほぼ同じ。スポーティな走行感覚では背の低いステップワゴン優勢だ。

  • ステップワゴン

    ステップワゴン 中古車参考価格帯:40万円~130万円(05年~09年 ※全グレード)

  • ノア

    ノア 中古車参考価格帯:70万円~210万円(07年~13年 ※全グレード)

MODEL HISTORY モデルヒストリー

  • 2005年5月 フルモデルチェンジ

    2005年5月 フルモデルチェンジ

    先代からパッケージングを大きく変更し、居住スペースを拡大。側面の窓ガラス面積が広くなり高まった解放感もポイント。

  • 2005年5月 フルモデルチェンジ

  • 2006年6月 ハイウェイスターを設定

    2006年6月 ハイウェイスターを設定

    エアロ仕様の「ハイウェイスター」を設定。スポーティなエクステリアに黒内装を組み合わせ、一躍大人気となる。

  • 2006年6月 ハイウェイスターを設定

  • 2007年12月 マイナーチェンジ

    2007年12月 マイナーチェンジ

    フロントデザインを刷新してシャープな顔つきになり、上級車エルグランドに続きアラウンドビューモニターが設定された。

  • 2007年12月 マイナーチェンジ

MARKET DATA マーケットデータ

最終型でも100万円以下の予算で買える
さすがに古さを感じるものの、価格重視ならいまでも十分選択肢に入る。物件数は非常に多く、5万km未満かつ年式が新しめでも100万円前後が相場。機関はもちろん、室内の状態もしっかりチェックしたい。

グレード×年式別相場(先々代セレナ)

2005年2006年2007年2008年2009年2010年
20G37万円40万円48万円63万円83万円83万円
20S35万円35万円45万円54万円73万円83万円
20RX/20RS36万円38万円38万円
ハイウェイスター51万円56万円71万円95万円108万円

走行距離×年式別相場(先々代セレナ)

2005年2006年2007年2008年2009年2010年
5万km未満57万円73万円88万円99万円115万円121万円
5万km~8万km51万円57万円66万円84万円97万円100万円
8万km以上34万円34万円41万円52万円68万円81万円

IMPRESSION インプレッション

ユーザー口コミレビュー

デザインや機能は申し分ないクルマです。とくに子育て世代には、この上なく便利な1台。広い視界、高い天井のおかげで室内は非常に快適。外観はスマートで、2列目シートへのアクセスも良好。多彩なシートアレンジも魅力のひとつです。
総合評価:3.3/5.0(3代目)
ドライバー歴:35年
グレード:20S

車体の大きさ、室内の広さ、運転のしやすさ、乗り心地など全てにおいてバランスがいい。とくにすごいと思わせるところはないが、逆に大きくマイナスを感じさせるところもない。また、街乗りの平均燃費で10km/Lを下まわることがない。
総合評価:4.3/5.0(4代目)
ドライバー歴:27年
グレード:ハイウェイスター Sハイブリッド

室内空間が広く視界もよい。防音カーペットなので音も静かです。シートアレンジも多彩で、まさにトップクラスのファミリーカーだと思います。赤ちゃんを乗せる家庭では、両側スライドドアはとても便利。ただ燃費はやっぱり厳しいです。
総合評価:4.4/5.0(4代目)
ドライバー歴:不明
グレード:20G

※口コミレビューは、グーネットに投稿されたものを一部抜粋・改変して記載しています。総合評価は5点満点。

工藤貴宏氏

自動車ジャーナリスト工藤貴宏の○と×

GOOD

広い室内と高い実用性
ファミリーミニバンにとって最大の正義は、広い室内と高い実用性だろう。その視点に立つとセレナはじつに王道で、5ナンバーというかぎられた車体サイズのライバルのなかでもっとも広い室内スペースを実現しているのは強力なセールスポイントである。また独特のシートアレンジやドア開閉機構などの工夫で高めた実用性も、思わず感心させられる。

BAD

最上の道具ではあるのだが・・・
ひととモノと思い出を運ぶためのツールとして考えたら、セレナはパーフェクトと言える存在。広くて快適で便利で、そして運転もしやすく、道具として文句の付けどころはないほどだ。ただしクルマ好きにとっては運転する歓びに欠ける操縦性など、実用性のために犠牲になっている部分が気になるかもしれない。どちらを取るか、ということなのだが。

※すべての価格は参考価格です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2017年7月調べ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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