車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.12 / 掲載日:2012.07.26
【徹底紹介】メルセデス・ベンツ CLSクラス
高級車の新ジャンルを確立したメルセデス・ベンツCLS。昨年デビューした2代目は、マーケットの牽引役としてさらに内容を充実。その存在感は、エレガントなサルーンとして目が離せない。
際立つ存在感を放つマーケットの牽引役
そして、一歩先を行くメルセデスは、早くも11年に第2世代のCLSを投入。初代が大好評を博しただけに、キープコンセプトのモデルチェンジだが、スタイルをよりダイナミックに変身させ、内外装のクオリティに磨きをかけることで、存在感をさらに高めることに成功している。
クッキリと刻まれたサイドのキャラクターラインと、フルLED構成のパフォーマンスヘッドライトが目を引く精悍なマスクが、2代目CLSのエクステリアの見せ場だ。
さらに、エコ対応の面でも2代目は大きく進化している。まずはエンジンだが、3.5L V6は新世代の直噴(希薄燃焼にも対応)へとスイッチし、V8は550用が自然吸気5.5Lから4.7L直噴ツインターボ、63AMG用が自然吸気6.2Lから5.5L直噴ツインターボに変更されている。
しかも、63AMGを含む全車にECOスタート/ストップ機構を採用。動力性能をより高めながら、エコ性能を大幅に改善することができたのは、こうしたハイテクのおかげだ。
写真●佐藤亮太 文●森野恭行 お問い合わせ●メルセデス・ベンツコール TEL:0120-190-610
Detail
メルセデス・ベンツ CLS 350 ブルーエフィシェンシー AMGスポーツパッケージ(7速AT)
全長×全幅×全高 | 4965×1880×1415mm |
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ホイールベース | 2875mm |
トレッド前後 | 1600mm |
車両重量 | 1790kg |
エンジン | V6DOHC |
総排気量 | 3497cc |
最高出力 | 306ps/6500rpm |
最大トルク | 37.7kg m/3500~5250rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前・後 | 255/35R19・285/30R19 |
新車価格
CLS 350 ブルーエフィシェンシー | 930万円 |
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CLS 550 ブルーエフィシェンシー | 1175万円 |
CLS 63AMG | 1645万円 |
HISTORY
2011.02 | 新型CLSクラス発売 セダンの実用性とクーペのエレガントなスタイルを融合させた初代CLSから6年ぶりに、よりダイナミックに生まれ変わる。走行性、安全性、燃費を進化させた。 |
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2011.05 | CLS 63AMGの装備変更 最上級グレードCLS 63AMGで、「ラグジュアリーパッケージ」としてオプション装備とされていた前席シートベンチレーターと後席分割可倒式シートが標準装備となる。 |
2011.10 | CLS 550 ブルーエフィシェンシー追加 大幅なパワーアップと低燃費化(先代比約50%)を達成した、新開発4.7L V8エンジンを搭載したアッパーグレードCLS 550ブルーエフィシェンシーが新たに発売される。 |
2012.01 | 限定車デジーノ リミテッド発売 高級ナッパレザーがふんだんに使用されたデジーノレザー、ガラススライディングルーフ、AMGスポーツパッケージを装備した限定車「デジーノリミテッド」を発売。 |
Eクラスとは異なる非日常的なムードを演出
CLSの魅力はやはり、クーペならではのスポーティかつ優美な容姿。カギを握るのは低く、伸びやかなプロポーションだ。ホイールベースは2875mmと母体のEクラス(W212)と共通だが、全長は95mm長い4965mm(AMGスポーツパッケージ)、全幅は25mmワイドな1880mm、全高は40mm低い1415mmに設定されている。
そこから想像できるように、キャビンのムードはEクラスセダンと大きく異なるものだ。低めのヒップ&アイポイントと、適度な囲まれ感を特徴とするCLSのコクピットは、非日常的なムードを演出する。
スポーティな走りを楽しむのにも、ゴージャスなムードに浸るのにも最適なのが、CLSというクルマ。デザインの洗練度と質感をレベルアップさせた2代目は、高級パーソナルカーとしての魅力をより明確にした。
大柄なモデルだけに、取りまわし性が気になる人もいるだろうが、「小まわりが得意」というメルセデス伝統はCLSにもきちんと継承されている。最小回転半径は5.2mと小さく、狭い道や駐車場においてもEクラスに迫る扱いやすさを確保している。
なお、操作系はEクラスに準じたもので、ATセレクターは350と550がコラム式のダイレクトセレクト、63AMGがフロア式のAMG・Eセレクトレバーを採用。7速ミッションを自在に操ることができるパドルシフトを全車に装備する。
前後シートサイズを拡大することなどで、先代よりくつろぎ度を高めたのがポイント。後席も十分な広さを確保している。
キャビンは後席をセパレートシートとした4シーター。本革シートを全車に標準採用する。
AMGスポーツパッケージはフロントスポイラー&リヤスカートを標準装着。
片側だけで61個(標準仕様)ものLEDを使用したLEDパフォーマンスヘッドライト。
AMGスポーツパッケージはAIRマティックサスと19インチタイヤの組み合わせ。足まわりも充実。
高いパフォーマンスを維持しながら、エコにも配慮
最大の注目は心臓。バンク角から異なる新世代V6は、34馬力/2.0kgmの性能向上とJC08モードで12.0km/Lの好燃費を両立させている。また、自然吸気5.5Lから直噴ツインターボ4.7Lに代わった「550」用のV8も、21馬力/7.2kgmを上乗せすると同時に大幅な燃費改善も実現。そのカギを握るのは、新採用の直噴メカやECOスタート/ストップ機構、電動パワステだ。とくに感心するのはアイドリングストップで、超500馬力のV8ツインターボを積む63AMGでも、システムは的確に作動をする。エンジン停止時間は意外と長く、着実なエコ効果が実感できる。加えて、再始動の動作も洗練されている。
超高張力鋼板を全体の約72%に使用するボディ。ドアパネルやフロントフードはアルミ製だ。
ピエゾインジェクターを使う第3世代ガソリン直噴メカや、超高精度を誇るマルチスパークイグニッションを採用。ハイテクを満載する。
スタイリングに負けないエレガントな走りを披露
心臓がV6の「350」でも、AMGスポーツパッケージは前255/35・後285/30のファットな19インチタイヤを装着。つい「乗り心地は期待薄」と思ってしまうが、じつはタイヤの硬さを伝えるのは荒れた路面の低速走行に限られる。秘密はAIRマティックサスにあり、コンフォートモードは高級サルーンにふさわしい上質な乗り心地と、しっかり感ある走りをバランスさせている。で、思う存分に走りを楽しみたい場面では、スポーツモードを選択すればOKだ。ワインディングにおいては、大柄なボディを忘れさせるほどの冴えたフットワークを披露してくれる。また、車重約1.8トンに達するため、「V6では走りがつらい!?」と心配する人もいるだろう。でも、バンク角60度の直噴3.5Lになった新世代V6の実力はかなりのもの。どんな場面でも十分な動力性能を生み出す。スムーズネスや静粛性も優秀で、CLSらしいエレガントな走りを楽しむことが可能なのだ。
AMG
AMG
頂点に位置するのはCLS63AMG。新開発の5.5L V8直噴ツインターボは、標準で524馬力/71.3kgm、パフォーマンスパッケージ仕様で557馬力/81.6kgmの圧倒的な高性能を発揮する。もちろん、サスペンションも専用セッティングになっている。
どのグレードを選んでも高い満足度を提供してくれる
CLSに求められるのは、ルックスを裏切らないスポーティな走り味や、高級車に相応しい快適性。「350」が積む3.5L V6は、その要件を十分満たすものだ。で、エアサス+19インチが標準のAMGパフォーマンスパッケージでも、新車価格は1000万円を切る設定なのだから、大いに食指をくすぐる。だが、V8ツインターボの速さとゆとりはやはり格が違う印象で、より高度な贅沢感を求める人には「550」をお薦めする。AMGスポーツパッケージは標準で、セミアニリン本革シートもパッケージオプションとして設定するという充実ぶりだ。そして、モンスター級の性能を誇る63AMG。こいつは、スタイルと走りにとことんこだわる人のために用意されたメルセデスだ。
中古車市場データ
中古車市場データ
発売後1年が経ったCLSは、ようやく中古車市場にクルマが増えてきた。物件はCLS 350が圧倒的で、AMGスポーツパッケージ仕様も多い。CLS 550やCLS 63AMGは見られない。