クルマのお役立ち情報[2017.07.20 UP]

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S90 T6 AWD Inscripiton VISUAL MODEL:S90 T6 AWD Inscripiton

「ボルボ、かっこよくなったな・・・」。新しいボルボのモデルを見かけて、そんなことを思ったひとは少なくないだろう。安全にこだわる北欧ブランドは、かつて実直にクオリティ感を伝えるデザインが特徴でもあった。しかし、近年、ブランド全体が急速にスタイリッシュになっていることをご存じだろうか。洗練されたプレミアム感を見つけたボルボは、走りのポテンシャルも大きく高まっている。今回は、V40をはじめ、トップレンジのXC90、S90、V90にもスポットを当て、今まさに大きく開花しているボルボの魅力に迫ります!

写真●伊藤大介、GooWORLD、ボルボ・カー・ジャパン

S セダン か V ワゴン かそこが問題だ!?

V90 S90

SUVのXC90に続いて華々しく登場したセダン「S90」とステーションワゴン「V90」。新生ボルボのフラッグシップたちは、ブランドが急速にプレミアム性を高めていることを確信させた。

文●石井昌道 写真●GooWORLD

大変化というよりは劇的なレベルアップ

 プラットフォームにパワートレーン、そしてデザインまですべてが新世代となったS90とV90。以前は強すぎるジャーマン・プレミアム勢に対してボディサイズや車両価格を微妙にずらしてリーズナブルさをアピールするようにも見受けられたが、今回はガチンコでぶつけていることからも、自信のほどがうかがえる。

 このクラスでは縦置きエンジンのFRベースが多いが、ボルボは伝統的に横置きエンジンのFFベース。室内空間は広くとれるもののスタイリングの伸びやかさでは不利とされてきたが、新プラットフォームのSPAはフロントアクスルをグッと前出しでき、フロントのショートオーバーハング化およびロングホイールベース化が実現した。

S90 S90

 真横からみると、フロントフェンダー後端とフロントドア前端の間が横置きエンジンとしては異例に長くとられており、ボンネットもスラリと長い。デザインのテイストが新しくなっただけではなく、基本的なフォルムが美しくなっているのだ。

 これまでも定評のあったインテリアはさらに魅力を増している。先進的でプレミアムな雰囲気を醸し出そうとするとクールになりがちだが、S90/V90は暖かみを感じさせるところに、スウェディッシュ・ラグジュアリー独自の世界観がある。

 走りの実力は想像以上。ボロンスティールなど高品質な素材、熱間成形など高度な生産技術を駆使して軽量・高剛性に仕上がったボディとスムーズにストロークするサスペンションがおりなす乗り味はじつに快適。興味深いのはボロンスティールサスペンションで、インテグラルアクスルと呼ばれるマルチリンク式ながら、一般的なコイルスプリングではなく樹脂製のリーフスプリングを採用していることだ。昔は板バネなどと呼ばれ、旧態依然とした代物と思われていたが、省スペースであり、現代の優れた樹脂製を使えば特性でも理想を追えるのだという。

V90 V90

 たしかに、オプションの20インチタイヤを履いていてもまったくゴツゴツ感がなく、大入力に対してもしなやかにいなしてくれることには驚きを覚えるほどだ。その気になれば、ワインディングでもボディサイズを忘れさせるほどスポーティな走りも披露するが、あくまで快適性を主眼としていることにも好感がもてる。

 セダンのS90とワゴンのV90のどちらを選択するべきか悩ましいところではあるが、乗り味の差は少ない。以前のワゴンボディはリヤ周りの剛性確保が難しく、ロードノイズの侵入も大きくなったものだが、現代の技術をもってすればほとんど同等にできる。とくにノイズが気にならないのは立派といえる。だが、子細にチェックすればセダンのほうが少しだけ動的な質感は高い。また、ワゴンではオプションのエアサスペンションを装着したモデルにも試乗し、それはそれで悪くはなかったものの、リーフスプリングは素直な動きに一貫性があってより好ましかった。

 ボルボといえばワゴンでしょ!とばかりに迷わずV90に飛びついても間違いはないが、新世代ボルボの真の実力を味わい尽くしたいなら、あえてリーフスプリング仕様のS90も視野に入れてみてほしい。見識の高い選択になるはずだ。

Profile
自動車ジャーナリスト 石井昌道
●レースの参戦経験を持つ自動車ジャーナリスト。日々、国内外で行われるニューモデルのテストドライブへ精力的に赴き、ステアリングを握る。専門誌はもちろん、一般誌でも大人気。

V90 S90

V90、S90ともに伸びやかなボンネットと低いルーフラインが特徴。アクティブなルックスはV90クロスカントリーとXC90に譲り、上質なエレガンスを目いっぱい強調した美しい洗練されたスタイリングとなっている。

V90

前後ともにボリューム感のあるゆったりとしたシートはまさにボルボ。2940mmにも及ぶロングホイールベースが、乗員すべてにゆったりとしたスペースを提供してくれる。

V90 S90

V90のラゲッジ容量は通常時で550L、後席を展開してフルフラットにすると最大1520Lを誇る。S90のほうは500Lだ。

V90

タッチスクリーンのセンターディスプレイとドライバーディスプレイが自然に溶け込んだ景観。

V90 S90

大排気量エンジンに引けを取らない高出力を発揮するのは、コンパクトな2L直4ターボエンジン。

ボルボ S90 T6 AWD Inscription(8速AT)

全長×全幅×全高 4965×1890×1445mm
ホイールベース 2940mm
トレッド前/後 1615/1620mm
車両重量 1820kg
エンジン 直4DOHCターボ
総排気量 1968cc
最高出力 320ps/5700rpm
最大トルク 40.8kg m/2200-5400rpm
サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ前後 ディスク
タイヤサイズ前後 255/35R20
新車価格 644万円〜842万円(全グレード)

ボルボ V90 T6 AWD Inscription(8速AT)

全長×全幅×全高 4935×1890×1475mm
ホイールベース 2940mm
トレッド前/後 1615/1620mm
車両重量 1840kg
エンジン 直4DOHCターボ
総排気量 1968cc
最高出力 320ps/5700rpm
最大トルク 40.8kg m/2200-5400rpm
サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ前後 ディスク
タイヤサイズ前後 255/35R20
新車価格 664万円〜899万円(全グレード)

さらに悩めるこのモデル!

V90 クロスカントリー V90 クロスカントリー
V90 Cross Country

V90よりも車高を55mmアップし、フロントのスキッドプレートやホイールアーチエクステンションによって、そのアクティブな機能性を形でも表現しているプレミアムクロスオーバーだ。

V90 Rデザイン V90 Rデザイン
V90 R-Design

スポーティでダイナミックなスタイリングだけでなく、専用のエンジンプログラムやサスペンションが、走りのレスポンスを高め、ダイレクトなコントロール性能に磨きをかけている。

※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

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