クルマのお役立ち情報[2017.05.25 UP]

Chapter2 Plug-in Hybrid Vehicle

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ヨーロッパブランドがディーゼル以上に注力するPHV
MERCEDES-BENZ GLC 350e 4MATIC Sports

メルセデス・ベンツ GLC 350e 4マチック スポーツ メルセデス・ベンツ GLC 350e 4マチック スポーツ

少し前までは、日本車の独壇場とも言えたハイブリッドカー。ところが、ヨーロッパブランドがリリースしてくるここ最近のエコモデルといえば、「プラグインハイブリッドカー(PHV)」。その変化が意味することとは!?

文●石井昌道 写真●GooWORLD

欧州ブランドはなぜPHVに走るのか

 ほんの少し前までは、日本がハイブリッドカーやEVで先行している一方、欧州はクリーンディーゼルと高効率ガソリンなど内燃機関をブラッシュアップすることで燃費改善とCO2排出量低減を図っていた。

 だが、ここにきて欧州勢が続々とPHVをリリースしてきている。スタンダードなハイブリッドカーを飛び越して一足飛びにプラグインへいった背景には、世界でもっとも厳しいCO2規制がある。企業平均のCO2排出量規制は、現在130g/km(燃費に換算すると17.8km/L)でこれはクリアされたが、2021年は95g(24.4km/L)。大幅な改善が求められるわけで、PHVは計算方法が有利なのだ。たとえば先代プリウスはスタンダードで89g/kmだがプリウスPHVは49g/kmと半減近くになる。メルセデス・ベンツGLCは2LガソリンのGLC250 4MATICが152g/km、2.2LディーゼルのGLC220d 4MATICが129g/kmなのに対して2LガソリンのPHVである350e 4MATICなら59g/kmになる(いずれも欧州仕様)。

 充電電力でのEV走行はCO2排出量がゼロカウントとなり(つまり発電によるCO2排出量は考慮されない)、ハイブリッドで25kmの距離を走行した後に再充電するという計算方法により、PHVはかなり有利になるのだ。とはいえ、ユーザーの平均的な走行パターンから割り出した一日当たりの走行距離に占める電力走行の貢献度を考慮したものであり、一定の根拠はある。また、欧州の都市部は大気中のPM2.5が問題視されており、街の中心部へは排気ガスを出さないゼロエミッションカーしか入れないようにする動きが出てきている。純粋なEVではなくても、電力走行のPHVならOKだというのも、普及が見込まれる要因だ。

メルセデス・ベンツ GLC 350e 4マチック スポーツ

 現在発売されているPHVのほとんどは、EVモード、ハイブリッドモードに加え、チャージモード、セーブモードといった走行モードが備えられている。チャージモードは積極的にエンジンが発電してバッテリーの電力量が増え、セーブモードは電力量を減らさないようにするもの。都市部へ入るときにEV走行できるよう配慮しているわけだ。

 CO2排出量で不利になりがちな大型車が多いドイツ勢にとってPHVは不可欠。PHVなら普通充電でも十分であり、日本よりも自宅駐車場にコンセントをひくことが容易だろうから普及は早いかもしれない。電動化において、日本と欧州の事情が逆転しそうなのだ。

Profile
自動車ジャーナリスト 石井昌道
●レースの参戦経験を持つ自動車ジャーナリスト。日々、国内外で行われるニューモデルのテストドライブへ精力的に赴き、ステアリングを握る。専門誌はもちろん、一般誌でも大人気。

メルセデス・ベンツ GLC 350e 4マチック スポーツ

メルセデス・ベンツ GLC 350e 4マチック スポーツ

インテリアはブラックで統一され、シックな印象を受ける。インパネは機能的で、シートをはじめとする内装素材の質感も高く、プレミアム感を十分に抱かせてくれるものだ。ラゲッジスペースは、ワンアクションでリヤシートが展開されるなど、機能的で積載性も申し分ない。

メルセデス・ベンツ GLC 350e 4マチック スポーツ

13.9km/L(JC08モード)の燃費は、パフォーマンスや快適性から考えれば十分に納得がいくレベルと言えるだろう。ブルーのキャリパーは、エコモデルにふさわしい。

メルセデス・ベンツ GLC 350e 4マチック スポーツ

「350 e」のエンブレム。エンジンは「2504MATIC」に搭載されているのと同じ2L直4であるが、モーターが付き最上位グレードとなる。

Check

メルセデス・ベンツ GLC 350e 4マチック スポーツ
デキのいいSUVに磨きをかけるPHV

 手ごろなボディサイズから、また完成度の高さから、登場以来人気を誇っているコンパクトSUVの「GLC」。そこに、日本市場にもマッチングがいいプラグインハイブリッドモデルが登場したのだから、注目を集めるのは必至。静かで快適な走行を低燃費を達成しながら、0-100km/h加速をわずか5.9秒でこなすスポーティさも備える。

メルセデス・ベンツ GLC350e 4MATIC スポーツ(7速AT)

全長×全幅×全高 4670×1900×1640mm
ホイールベース 2875mm
トレッド前/後 1615/1610mm
車両重量 2110kg
エンジン 直4DOHCターボ+モーター
総排気量 1991cc
エンジン最高出力 211ps/5500rpm
エンジン最大トルク 35.7kg m/1200-4000rpm
モーター最高出力 114ps
モーター最大トルク 34.7kg m
サスペンション前 4リンク
サスペンション後 マルチリンク
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤサイズ前後 255/45R20
新車価格 873万円(GLC350e 4MATIC スポーツのみ)

充電も手軽にできる静かで便利なEV走行

充電も手軽にできる静かで便利なEV走行

 リチウムイオンバッテリーはフル充電された状態で、およそ30kmのEV走行が可能とされている。AC200V電源では約4時間でフル充電となるが、「CHARGE」モードで走行すると、わずか1時間ほどで完了する。帰路の途中で簡単にフル充電にできるのは便利だ。

※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

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