試乗記[2017.02.16 UP]

ルノー トゥインゴ 試乗レポート

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ルノー トゥインゴ

コンパクトなサイズでヨーロッパの街を快活に走りまわるルノー トゥインゴ。待望の3代目は個性の強いデザインに加えて、RRレイアウトを採用するなど大きな注目を集めている。その実力はいかに!?

RRで大変身した欧州カジュアルの決定版

 1993年に発売された初代トゥインゴは、ドイツのプレミアムブランドのようにお金をかけているわけではないが、センスのよさでお洒落に仕立ててしまうというフランスならではの強みを見せつけたモデルだ。

 当時の同クラスの日本車は安いからこんなモン、という諦念ただようばかりだったから、その存在はなおさら新鮮だった。3代目となった新型トゥインゴもそういった美点は受け継いでいる。インテリアはいたってシンプルでカーナビが綺麗に付きそうな場所もない。今どきはグーグルマップなどのほうが使いやすいという割り切りから、スマフォから小型タブレットが固定できるホルダーが付いているだけ。ここはフランスおよびパリジャンのもうひとつの側面である合理主義のなせる技だ。

 販売ボリュームの大きいBセグメントより小さいAセグメントに属するトゥインゴは、VW up!やフィアット500がライバルとなるが、そのなかではボディサイズがやや大きめでホイールベースが長く、5ドアなのでユーティリティは高い。ここにもまた合理主義が表れている。それを実現したのがレアなRRだ。

 古くはVWビートル(タイプ1)やフィアット500(NUOVA)など、多くの実用的なモデルが採用していたRRだが、直進/操縦安定性の確保が難しかったため、ネックだったジョイント技術にめどがたったFFに主流の座を奪われたという背景がある。だが、現在ではシャシー技術や電子デバイスの進化によって安定性確保は難しいものではなく、さらに衝突安全性の確保とパッケージングを考えるとFFを凌駕する面もある。自動車はさまざまな部品も含めて大量生産しないとコスト高となってしまうのが悩みで、なかなかRRに手を出せないのが現実だが、今回はスマートとコラボすることで折り合いが付いたようだ。トゥインゴは1.0L NAエンジン+5速MTなら171万円、0.9Lターボ+EDC(デュアルクラッチ)でも180万円〜というリーズナブルな価格を実現している。

ルノー トゥインゴ

 試乗してみてもRRのユニークさが随所に感じられる。もっともわかりやすいメリットは最小回転半径が4.3mと小さいこと。同クラスのFFに比べると0.3〜0.5mほど小さく、これ以上ないぐらいにUターンなどは楽だ。操舵輪に駆動系がないから切れ角を大きくとれるのがメリットとなっている。それ以上に感心させられるのがシャシー性能の高さだ。Aセグメントの小さなクルマだということを忘れさせるほどのドッシリ感がありながら、乗り心地は軽やか。高速道路ではRRながらまったく問題なく真っ直ぐ走ってくれる。こんなに直進安定性がいいと、曲がる性能に疑問符がつきそうなぐらいだが、それもじつは得意科目。ステアリングを切り込めばノーズの重さを意識させず、軽やかに向きが変わっていく。ステアリングから伝わってくるフィーリングが、この価格帯のモデルとしては優れているのもRRゆえだろう。前輪荷重が少ないから細めのタイヤと容量の少ないパワーステアリングで事足りるから、ナチュラルな感覚があるのだ。

 試乗車は0.9Lターボ+EDCのモデルだったが、これなら動力性能にまったく不満はない。低回転からトルクは十分で、デュアルクラッチになっているのでミッションのマナーもまずまず。そこそこにスポーティな気分になれるほどだ。

 トゥインゴは見た目が愛らしく利便性に優れただけのモデルではない。RRがもたらすハイポテンシャルなシャシー性能にもぜひ注目したい。

文●石井昌道 写真●GooWORLD
問い合わせ ルノーコール TEL:0120-676-365

Detail Check

ルノー トゥインゴ

どこか懐かしさを覚えるデザインは、やはりこのクルマの大きな魅力。初代トゥインゴやルノー サンクとの親和性も感じられる。

ルノー トゥインゴ(インテリア)

インテリア

インテリアはボディカラーによって、ブルー(写真)、ルージュ、ブラン(白)の3色となる。機能的なシンプルさを追求したようなデザインだが、「クルマって、これでいい」と思わせる。

ルノー トゥインゴ(シート)

シート

シートは簡素ではあるが、座り心地はしっかりしていて疲れなさそうだ。ホイールベースは拡大され、後席のスペースは、そのミニマムなボディサイズから想像する以上に非常にゆったりとしている。

ルノー トゥインゴ(エンジン)

エンジン

エンジンの設定は、0.9Lの3気筒ターボの1種類。なかなかトルク感があって、21.7km/L(JC08モード)と燃費も優秀。

ルノー トゥインゴ(ラゲッジルーム)

ラゲッジルーム

ラゲッジルームは通常174L、後席を倒すと最大980Lの容量を誇る。見た目から想像する以上に「積める」という印象だ。

主要諸元:ルノー トゥインゴ インテンス キャンバストップ(6速AT・EDC)

全長×全幅×全高 3620×1650×1545mm
ホイールベース 2490mm
トレッド前/後 1455/1445mm
車両重量 1030kg
エンジン 直3DOHCターボ
総排気量 897cc
最高出力 90ps/5500rpm
最大トルク 13.8kg m/2500rpm
サスペンション前/後 ストラット/ド・デオン
ブレーキ前/後 Vディスク/ドラム
タイヤサイズ前・後 165/65R15・185/60R15

全国メーカー希望小売価格(発売 2016年9月)

トゥインゴ ゼン(5速MT) 171万円
トゥインゴ ゼン(6速AT・EDC) 180万円
トゥインゴ インテンス(6速AT・EDC) 189万円
トゥインゴ インテンス キャンバストップ(6速AT・EDC) 199万円

Body Color

 ブルー ドラジュ  ブルー メディテラネ メタリック  ルージュ フラム メタリック
 カプチーノ メタリック  ジョン エクレール  □ブラン クリスタル

独創的なRRレイアウトはじつは利点が多かった!

独創的なRRレイアウトはじつは利点が多かった!

 最近では珍しくなっているRR(リヤエンジン・リヤドライブ)を採用。エンジン/ミッションと駆動輪がまとめられて室内空間を広くとれるのはFFと同様だが、クラッシャブルゾーン確保ではさらに有利なため、より優れたパッケージングを実現することができる。乗り味でも美点は少なくない。

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