ミニバンとしては「老舗」にあたるブランドで、知名度もとても高いのがオデッセイ。だが、5代目は大きな改革を実践した。先代より150mmも高い全高1695mmの設定とし、歴代初のスライド式リヤドアを採用したことが変革のカギだ。
Lクラスミニバンにふさわしい広々したキャビンと、スライドドアがもたらす日常ユースでの高い利便性が、5代目の見どころだ。でも、変革にはホンダの内部事情も見え隠れする。3代目以降のオデッセイは、スポーティなルックスと走りをウリとしたが、その特徴を継承しながら、上級に位置していたエリシオンとの統合を図ったのが5代目と言うこともできるからだ。
そこでパッケージをみると、最大のライバルのエスティマに、確実な差をつけていることがわかる。ひとつ目の魅力は、超低床設計がもたらした高い天井。次に光るのは、広い空間と大人も快適に座れるシートが自慢の3列目。空間効率はエルグランドと比べても「上」と言っていい。
今度は走り。スライドドア採用の全高1.7m級ミニバンとしては、操縦安定性のレベルは群を抜くものだ。低床&低重心の設計がしっかりと活かされている。なお、登場当初のアブソルートはサスセッティングがハードすぎた印象だが、その点も比較的早い時期に修正されている。
で、最後はエコ性能。待望のハイブリッドを追加し、この分野でもクラスをリードする存在となった。ハイブリッドのモード燃費値は24.4〜26.0km/Lとかなり優秀だ。
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