最新WRXの注目ポイントは、なんといってもハイレベルな走行性能だ。初代から続く伝統でもあるハイパワーなターボエンジンとAWD(四輪駆動)の組み合わせを軸に、さらに進化した電子制御システムや強固なボディなど走りはさらに磨かれた。とくにボディ剛性向上は大きな意味を持ち、一般的な軽自動車の6台分以上もあるエンジンパワーをしっかりと無駄なく路面に伝えることで速さを高め、さらに限界領域でもより安定感あふれるハンドリングを実現。腕に覚えのあるドライバーはもちろんのこと、そうでなくてもごく普通の市販車とは比較にもならない異次元の走りを実感できる。
そして現行型WRXの大きな特徴は、『WRX S4』と『WRX STI』という性格の異なるふたつのモデルが用意され、しっかりとキャラクターの作り分けが行われていることだ。
『WRX S4』は上質なスポーツセダン。トランスミッションはAT免許でも運転できるCVTで、エンジンは「DIT」とも呼ばれる「FA20」型新世代ユニットである。走りはしなやかで、ハイレベルな走行性能を気軽に楽しめるのが特徴だ。『WRX STI』に比べると乗り心地もよく、大人のスポーツセダンという表現がしっくりくる。
いまやスバルを代表するアイテムとなった高度な自動ブレーキ&追従型クルーズコントロールの「アイサイト」を搭載しているのもうれしい。
一方の『WRX STI』は、圧倒的な速さを誇る伝統的なリアルスポーツ。エンジンは競技での使用も視野に入れて実績豊富な「EJ20」型で伝統を継承。トランスミッションは6速MTと乗り手を選ぶ組み合わせになっている。
その乗り味はまさに「WRX」の正統派。パワートレインのフィーリングや乗り心地に荒っぽさが顔を出すシーンもあるが、それがまたじゃじゃ馬テイストを演出し、競技ベース車両を実感させてくれる味にもなっている。かつてからのWRXファンも納得できるに違いない。
未来を見据えた『S4』と正統派の『STI』。好みに合わせて選べるのが最新のWRXなのだ。
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