Nシリーズはホンダが不振にあった軽自動車事業の起死回生を図るべく、すべてを抜本的に見直して開発された新世代の軽乗用車だ。 「N」の名は「ニュー」「ネクスト」「ニッポン」「のりもの」というキーワードの頭文字。同時に、60年代の軽自動車界に革命を起こしたN360に由来する。ホンダの軽造りの原点に立ち返り、全身全霊を込めて軽の常識を覆すクルマを開発する決意の表れと言えよう。 車両の基礎となり全性能を左右するNシリーズ共通のプラットフォームには、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトを採用。燃料タンクを前席下に置き、リヤに驚きの空間とシートアレンジを実現した実力は歴代フィットでおなじみだ。 もちろん、パワートレーンも新開発。エンジンは軽トップに躍り出る動力性能と、ハイレベルな低燃費性を達成。ミッションには伝達効率が高く軽トップレベルの軽量化も果たした新世代CVTが採用された。 こうしたコンポーネンツによって誕生したNシリーズの第1弾が、スーパーハイトワゴンのNボックスだ。超背高のスクエアボディは軽最大級の室内空間とともに、従来の軽と一線を画した堂々たる存在感を備えた。軽ユーザーだけでなく登録車からのダウンサイザーからも注目を集め、軽クラスに一躍N旋風を巻き起こす。 デビュー7カ月後には第2弾のNボックスプラスを加え、人気はさらに上昇。一気に12年〜13年度の軽販売台数ナンバー1の座を獲得し、新たなN伝説を作ったのだ。 12年12月には燃費改善や装備拡充を実施し、NボックスのターボモデルとコンプリートモデルのモデューロXを追加。13年12月には第2世代エンジンへの換装、安全装備の拡充などが行われた。
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