新型アルファード登場で再燃するデカバン抗争
そりゃあ"ミニバン人気"を支えているのは、2Lクラスのエンジンを積む5ナンバーミニバンだ、というのはわかっている。相変わらずヴォクシー&ノアの売れ行きはすさまじいし、セレナも単独では"ミニバン売れ行きナンバーワン"の好調ぶり。奥様方にも扱いやすいサイズ、子供を喜ばせる豊富なシートユーティリティ、そしてこの不景気で不安定で物価高騰な世の中で、ランニングコストと燃費など経済性のよさが、2Lクラスミニバンをこれだけ盛り上げている理由だろう。
だけど、ちょっと待って。それよりもうひとまわり大きい、Lクラスミニバン(通称:デカバン)はどうなった?
そう、じつはこっちだって負けていない。とくにこの5月に登場したトヨタの新型アルファード&ヴェルファイアが、起爆剤になり、再び"デカバン抗争"が活発化しそうな勢いなのだ!
はっきり言って、これまでのデカバン勢力争いは(実売はともかく)、日産・エルグランドが一歩も二歩もリードしてきた印象がある。強烈にアピールするコワモテのマスク、セカンドコンフォタブルキャプテンシートに代表される、ファーストクラスな装備の数々。そして何より、3.5L V6エンジンの豪快な走り……。また2.5L V6も用意するなど、ユーザー層の裾野を広げていたりもした。
もちろん、アルファードもエルグランドと同等の人気を誇ってはいた。だが、イメージリーダーとして考えると、どうしてもエルグランドほどのインパクトが感じられなかったのが事実。とくに3L V6と2.4L直4のエンジンラインアップが、エルグランドより1クラス下というイメージさえ定着させていた。
そしてもう1台のエリシオン。こちらも昨年(平成19年)1月に、3.5L V6を搭載する"プレステージ"を追加して、エルグランドの追撃態勢を整えているが、ライバルたちの圧倒的な存在感のなかで、ちょっと苦戦中だ。
新型アルファード&ヴェルファイアは、そんなさなかでの登場となった。エンジンはもちろん、ライバルに対抗すべく、3.5L V6を用意。これでこの"国産Lクラスミニバン"は、3台ともすべて3.5L V6エンジンを搭載するという、同じ舞台に立ったわけ。まさにLクラスミニバンの、新しい"戦国時代"が到来したといってもいいだろう。
そんなわけで今回は、"デカバン御三家"とも言える3台を、徹底チェックしてみようと思う。どれもフルサイズのボディを採用し、エンジンも強力なユニットを用意。では、いちばん装備が豪華なのは?もっとも便利に使えるのは?乗っていて最高に快適に過ごせるのは?そう、3台とも同じように見えて、中身はそれぞれ、けっこう個性的なのだ。そのあたりも浮き彫りにしてみたい。
もちろん、物価高騰、エコ志向、ガソリン高と、ある意味、Lクラスミニバンは時代と逆行する存在でもあるかもしれない。でも、やっぱりこの存在感は捨てがたい。名実ともに"でかい顔"して乗れるし。走りも室内快適性も、そして存在感や豪華装備も、5ナンバークラスの比じゃない。時代の流れに逆らっても乗り続ける美学が、Lクラスミニバンにあるのだけはたしかだ。