ペーパードライバーに捧ぐ!

検証!教習所で聞いてみましたペーパードライバー教習ってどんなことをするの?
世田谷自動車学校相談役 川井幹夫氏 世田谷自動車学校相談役 川井幹夫氏 お話を聞いた人
世田谷自動車学校相談役
川井幹夫氏
運転歴45年、教官歴32年というベテラン。「世田谷自動車学校では30年近く前からペーパードライバー教習を行っています。海外から帰国し、左側通行は初めてという人もいる」。
ペーパードライバーのための教習がある!
 脱ペーパードライバー宣言をしたいが、いきなりクルマに乗ることはむずかしいと考えている人のために、自動車教習所では特別な教習を実施しているところがある。それが「ペーパードライバー教習」。友だちや家族といったベテランドライバーに同乗してもらってレクチャーを受けるのもひとつの方法だが、そうもいかない人のための教習といってもいい。
 はじめに断っておくが、ここで紹介するペーパードライバー教習は、ひとつの例であって、すべての教習所が同じカリキュラムやスタンスで教えているのではない。
 とはいえ、話を聞いて、いつもクルマを運転している我々には意外な発見もあった。
 まず、教習は普段乗るであろう自宅や自分のクルマではなく、最初から最後まで専用の教習車で教習を受ける、というのが意外だった。
「ペーパードライバーの方に乗ってもらって、必ずといっていいほどよくやる失敗がオーバーラン。信号や踏切の停止線を、軽く1mは超えてしまうんです。それで、事故防止のために助手席にもブレーキが付いている専用教習車で行うのです」
 というのも、長くクルマに乗らずにいると、クルマの前方のやブレーキの踏み具合などの運転感覚の基礎を忘れてしまうのだという。
 それ以外にも、やはり忘れてしまっていること、あるいは未体験のままなことがペーパードライバーにはたくさんある。そこで、教習はまず個々に運転歴(ペーパードライバー歴というべきか)や、これまでの体験、さらに今後のクルマの使い方などを聞くことから始める。
「多くの人が、必要に迫られて教習を受けに来られる。たとえば、病人の介護のためとか、クルマがないと生活できない地域に転居するとか。あるいは、すでに引っ越しているが、当教習所で免許を取ったので再び門を叩いてくださったなど。普通の免許教習とは違って、決められた課程や時間というのはないですから、それぞのご事情や実力、ペースに合わせて、カリキュラムをひとつひとつ相談して決めていきます」という。
 個々のスキルによって最低2時限から教習は始まる。その後何時限になるかは異なるが、取得してもらいたい内容は共通しているのではないか? それについて聞いてみた。
「先ほどのブレーキ感覚、それとすれ違いや追い越しなどの車両感覚。この2つを教習所内で十分マスターしてから路上に出ます。そこでは公道を走る感覚、テクニックというのではなく、自然体でちょっとした気づかいとともに道を走れるようになる、というのが大きな目標ですね」
 ごくふつうに道を走れるように上達したら、それで卒業ということ?
「そうです。萎縮せず自信を持ってもらうことがペーパードライバー教習の目的。自信さえつけばだれでも自然に上達していくんですよ」
 なるほど、「習うは慣れろ」なワケだ。で、脱ペーパードライバーにオススメなクルマってありますか? 
「いつでもストレスを感じることがないクルマ。乗りやすさ、大きさや乗せる人との関係、それとおサイフに対してストレスフリーなことも重要かもしれませんね」
 ペーパードライバー専用教習車はATの5ナンバーセダン。助手席には、ちゃんと教官用のブレーキがある。世田谷自動車学校では教習料金は2時限1万6000円から。初回のみ曜日が限定されるが、それ以外は時間や曜日はフレキシブルに選べる。万が一の事故を考慮して、生徒以外は同乗できない。
教官の脱ペーパードライバーのご教訓! だれでもクルマの運転はできる!恐がらない、あせらない
ペーパーな人たちが恐れる4つのシチュエーション
踏切 踏切
「ここで多いのがブレーキ感覚の不足によるオーバーラン。停止線で止まるのが正しいのですが、歩行者や自転車に乗っているときと同じ感覚で、遮断機を目印に止まってしまう人もいるんですよ。アブナイアブナイ」と川井さん。踏切によっては、線路の部分が道路よりも高く、少し上り坂になっているところもあり、そんな場合は坂道発進のスキルも必要になってくる。意外とハイレベルな運転が求められるのだ。
狭路 狭路
「車両感覚に対して不慣れな人は、道が狭いというだけで萎縮してしまいます。だめかもしれないと思ったら、無理せず何度も切り返してスルーしましょう。慌てたり、焦ったりすることがいちばんよくない。狭い道での対向車や障害物に対しても同じです」。ボディの横ばかり気にしていたらフロントを……なんてことになってもあとの祭り。精神的な余裕と、感覚的な道幅は比例しているのかもしれない。
交差点 交差点
踏切ほど緊張感を伴わない交差点も「踏切と同じで、ブレーキ感覚を忘れていて起こすオーバーランが多いです。反対にカックンブレーキで手前すぎることも多いですが……。上手な方法は、ブレーキは最初は強く、近づくのにしたがって徐々に緩めていき、そして最後は静かに止まる。何度か練習すれば、大抵の人は昔習った感覚を思い出してくれます。オーバーランが克服できたら一般道デビューも間近ですね」
坂道発進 坂道発進
「ペーパードライバー教習を受ける方の大半は、実際に乗るクルマはAT車。ですから坂道発進についてはほとんど心配ないですが、もたもたしているとAT車でもじりじりと下がってしまうことがあります。ちょっとした機敏さと思いきりを身につけてください。ごくたまにMTに乗るという人もいますが、何度も練習してマスターしていただきます」。苦手なところを集中的に受講できるのが、ペーパードライバー教習のよさ。
世田谷自動車学校 取材協力:世田谷自動車学校
東京都世田谷区粕谷1-14-14
TEL:03-3302-3141
<<TOP ペーパードライバー教習ってどんなことをするの?
ペーパードライバー教習ってどんなことをするの?
乗ったその日から愛車と呼びたくなる違和感のない乗り味と使い心地
好きこそもののじょうずなれ……昔の人はうまいこと言いました
TOP > クルマ関連記事 > 中古車特集 > ペーパードライバーに捧ぐ!