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真新しく生まれ変わった聖地
よりエキサイティングであるために
 どかんと抜けたストレートを一気に加速、瞬く間にコーナーが迫る。車速は180km/hを超えんとし、曲がりきれーんと覚悟を決める。刹那、圧倒的な力で体は前のめり、シートベルトに押しつけられる。ギュルッと響くタイヤ音に似合わず、クルマは何事もなかったかのように第1コーナーを回って行く。
 これはヴィッツやアルテッツァのチューニングカーの助手席での実感。レーシングカーとなれば、この10倍以上の迫力、圧力で、レーサーといえどもそこには恐怖を伴うという。
 平成12年、トヨタが富士スピードウェイに経営参画し、15年10月から全面改修に着工、この4月10日にリニューアルオープンした。レーシングコースは、F1を開催することができる、FIA(国際自動車連盟)のサーキット評価基準「グレード1」認定をすでに取得し、近年中のF1開催を目指している。
「伝統のよさを生かし、最新の施設を構築する」新しいレーシングコースのコンセプトである。それは、エキサイティングなレースを開催できるだけの設備の充実や安全性の確保などに顕著だ。
 安全でエキサイティングなレース、ここに矛盾はない。たとえばランオフエリアの拡大によって、視覚的な恐怖が緩和され、レーサーはよりチャレンジングなドライビングに挑める。つまり安全性の高い、レーサーに安心感を与えるサーキットでこそ、よりエキサイティングなレースが展開されるということだ。
 富士スピードウェイは、数々の名レースの舞台となった一方で、大事故が少なくなかったのも事実。世界屈指のチャレンジングなサーキットとしての伝統を生かしつつ、安全性を高め、よりエキサイティングに。
 首都圏からクルマで1時間半のところでのF1開催。いざ富士へ!
●各施設はグレーと赤を基調色としたデザインに統一。折り鶴をモチーフとした大胆なデザインのメインスタンドは約2万2000席を用意。ランオフエリアの拡大をはじめ、コース内外にめぐらされたサービスコース、FIA規格をクリアしたタイヤバリアや防護フェンスの設置など安全性も向上。見学会当日は、プロドライバーによる同乗走行も行われ、TRD開発のヴィッツとアルテッツァが快走。
●トヨタモータースポーツの本拠地ながら、ペースカーは日産フェアレディZ。トヨタの懐の深さか?
高速から激しいバトル
一気加速のストレートへ
●片岡正彦選手(左)のオススメ観戦ポイントは中盤から後半にかけて。「最終コーナーからストレートへの立ち上がりも決め手」と、影山龍也選手(右)。
●全長4.6kmのレーシングコース。後半は細かいRが続くテクニカルな設計。 ●旧コース。世界最長1.5kmのメインストレートはリニューアル後も健在。
Text:編集部 Photo:諸星陽一/富士スピードウェイ
data
富士スピードウェイは昭和41年に開業。数々の国内・国際レースの舞台となり、51年には日本で初めてF1を開催した。新しいメインコースの設計はドイツ・ティルケ社が担当。
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