中古車購入チェックポイント
更新日:2020.01.07 / 掲載日:2014.06.24

ダイハツ ムーヴ (2012年12月~2014年5月) 中古車購入チェックポイント

  • ダイハツ ムーヴ (2012年12月~2014年5月)

    ダイハツ ムーヴ

    DBA-LA100S
    参考車両 : L SA
    初年度登録: (2013年7月)

  • ダイハツ ムーヴ

全体のチェックポイント

5代目「ムーブ」が、2012年12月にマイナーチェンジした時期のモデル。参考車両は、スタンダードグレードに衝突回避支援システム[スマートアシスト]を加えている。外装・内装をしっかりチェックし、装備類も異常がないか確認。エンジンや変速機などはもちろん、エコ機能や走行安定機構などの整備状況も忘れずに確認しよう。

  • 1.車体のバランスをチェック

    ダイハツ ムーヴ (正面)

  • 1.車体のバランスをチェック

    まずは、外見に異常がないか観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷などにも注意。

  • 2.ぶつけやすい部分に注目

    ダイハツ ムーヴ (正面左)

  • 2.ぶつけやすい部分に注目

    バンパーは、角や下部に損傷がないか見て、ずれていないか立て付けを確認。バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、タイヤハウス内、内側にあるライナー(泥よけカバー)などもチェック。

3.車体の内側もチェック

 ボンネットは、内側やヒンジ部。フロントフェンダーは、エンジンルーム側と取り付け部。車体内側のフレームや補強部材。エンジンルーム最前部にあるラジエターサポートおよび関連部品なども、車体前部の要チェックポイントだ。

  • ダイハツムーブ 内側1

  • ダイハツムーブ 内側2

4.バックドアを開けてチェック

後部も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。
 バックドアは、開閉具合をチェックし、内側やヒンジ周辺も調べる。開口部も、パネル接合部に注意しながら修理/交換跡などがないかチェック。
 できれば、スペアタイヤ収納部周辺やリアパネルあたりも、歪みや修理/交換跡などがないか見てみたい。

  • ダイハツムーブ 車体骨格1

  • ダイハツムーブ 車体骨格2

  • ダイハツムーブ 車体骨格3

  • 5.ドアと周辺をチェック

    ダイハツ ムーブ ドアと周辺

  • 5.ドアと周辺をチェック

    ドアは、外板パネルだけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジのネジも見る。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部もチェックする。

6.下側に要チェックポイント

車体側面下部は、床下側を覗いて、サイドシル(車体の梁)に損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も、特にフェンダーやピラー(柱)との接合部に注意しながらチェック。

  • ダイハツ ムーブ 下側1

  • ダイハツ ムーブ 下側2

7.下側に要チェックポイント

リアフェンダーは、ドア開口部に乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認。車体左側は、フューエルリッドと給油口周辺もチェックする。

  • ダイハツ ムーブ 下側1

  • ダイハツ ムーブ 下側2

外装の小傷よりも車体骨格のダメージに注意する・・・・・★損傷の有無と修理歴を確認

「ムーヴ」は、室内空間が広い“スペース系軽自動車”で、全ドアが横開き式。車体各部の剛性や遮音性を高めて静粛性を確保しているのも長所。2012年12月の大幅改良で、ボンネット、バンパー、グリル、ヘッドライトなどフロントまわりを変更。リアコンビネーションランプのLEDが従来の4個から12個へと増えた。サスペンションの変更で全高15mm・最低地上高10mmダウン。といった細かい点も気になるところだが、それよりも中古車としての品質を見極めたい。
 事故などで車体の骨格部を修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。

室内の状態と装備機器類の具合をチェックする

  • 1.隅まで細かくチェック

    ダイハツ ムーブ 室内

  • 1.隅まで細かくチェック

    室内は、シートや内装材に汚れや染み、傷などがないかチェック。床や天井の状態も調べるほか、ボックスやポケットなどの内部、トレイやフックなどもチェック。ボックスの蓋や収納式カップホルダー、エアコンルーバーなどは、可動部の破損などにも注意。

2.後部まで調べる

 前席の運転席/助手席スライド、リクライニング、フラットアレンジ。後席の一体スライド、分割リクライニング&格納なども試しながら周辺を丹念にチェック。
 後部ラゲージスペースも、傷みなどがないかチェック。デッキボードを上げて、アンダーボックスの状態も見る。

  • ダイハツ ムーブ 後頭部1

  • ダイハツ ムーブ 後頭部2

装備機器の作動を確認

ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど、基本的な機能の作動具合をチェック。キーレスエントリーの機能および各ドアの解錠・施錠などもチェック。標準装備のCD・AM/FM付ステレオ(CD-R/RW対応)&16cmフロントスピーカー+AUX端子のオーディオ機能も正常か確認。エアコンは、調整機能をチェックし、冷房・暖房の効き具合を確認。[エコアイドル]とも関連するエアコン(冷房)制御にも注意したい。

  • ダイハツ ムーブ 室内1

  • ダイハツ ムーブ 室内2

室内の状態と装備機器類の具合をチェックする・・・・・・・・★細部の具合は販売店で点検

車両の装備内容は、販売店に聞いて確認。装備機器の状態は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合などがないかは販売店で調べてもらおう。特に電装機器の故障に注意したい。

走行機能全般のコンディションと整備状況を確認

  • 1.エンジンをかけてみる

    点検 整備

  • 1.エンジンをかけてみる

    エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示灯・警告灯類の点灯、インジケーターやマルチインフォメーションディスプレイの表示、警告オンなどにも注意。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。

2.変速動作をチェック

 CVTは、各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら試乗して、自動無段変速動作をチェック。アイドリングストップのエンジン停止・再始動および作動を停止する[ecoIDLE OFF]スイッチ。坂道発進時の後退を軽減する[ヒルスタートシステム]などもチェック。「SA」車は、衝突警告・警報→1次ブレーキ→2次ブレーキ→停止保持・解除と[スマートアシスト OFF]スイッチ。駆動輪のスリップを防ぐTRCと横滑り制御を組み合わせたVSCの作動。[VSC&TRCOFF]スイッチによるTRC停止・VSC&TRC停止なども、正常か確認したい。

  • 変速動作をチェック1

  • 変速動作をチェック2

  • 3.タイヤとホイールをチェック

    ダイハツ ムーブ ホイール

  • 3.タイヤとホイールをチェック

    タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面に異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの不具合や車体の歪みなどにも要注意。「L」は、フルホイールキャップ付14インチスチールホイール。ホイールキャップに損傷がないか見て、取り付け状態をチェック。ホイールは、リムの縁(タイヤと接している部分)の曲がり、ディスク部の錆などにも注意しながらチェック。

  • 4.床下の様子も覗いてみる

    ダイハツ ムーブ 床下

  • 4.床下の様子も覗いてみる

    車体パネルや補強部材など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスの漏れ、樹脂やゴム部品の破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を調べたい。

正しく点検・整備してもらう

「ムーヴ」は、3気筒12バルブエンジン+CVT、アイドリングストップシステム[ecoIDLE(エコアイドル)]、エコアイドル専用バッテリー、エコ発電制御、ヒルスタートシステムなどを搭載。「e:Sテクノロジー第2弾」では、CVTサーモコントローラーやエンジン/CVT最適統合制御。衝突回避支援システム[スマートアシスト]装備車は、フロントグリルにレーザーレーダーを設置し、[低速域衝突回避支援ブレーキ・誤発進抑制制御・先行車発進お知らせ]機能とVSC&TRC機構を備えている。
 各機構の構造などはさておき、とりあえずオイル漏れなどにも注意しながらエンジン周辺だけでも見て、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認する。車両の購入を決めるなら、エンジンやCVTのほか、ステアリング、ブレーキ、サスペンションなど、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。

足まわりもチェック

「ムーヴ」は、2012年12月のマイナーチェンジで、「ムーヴカスタム」に設定していたフロントスタビライザーやローダウンサスペンションを全車標準装備し、2WD車にリアスタビライザーを採用。前後ブレーキサイズを大型化し、フロントベンチレーテッドディスクを12→13インチ、リアドラムブレーキ径を165→180mmに変更している。 ブレーキは、ブレーキ液などを点検し、ブレーキの効き具合を確認。サスペンションも、ダンパーの抜けやオイル漏れなどにも注意し、正常に機能するか確認したい。

最初に車両の現状を確かめる

中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。

  • 書類

    「車両の情報」を見る
    ●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

    「立て付け」を見る
    ●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

    「塗装の状態」を見る
    ●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。

    「取り付け状態」を見る
    ●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。

    「接合部」を見る
    ●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調

  • 書類

  • 目利き1

  • 目利き2

  • 目利き3

今回の車両のプロフィール

●フルモデルチェンジして2010年12月に発売した5代目「ムーヴ」。標準スタイルの「ムーヴ」は全車NA(自然吸気)エンジン、エアロスタイルの「ムーヴカスタム」はNAとTC(ターボ)エンジン。全車に2WD(FF前輪駆動)と4WD、NA車にアイドリングストップ[エコアイドル]を設定。2011年11月に一部改良し、NA車に新開発低燃費技術[e:S(エネルギーセイビング)テクノロジー]の一部を採用し、新エンジン・新アイドリングストップを搭載。2012年5月には、TC車にもe:Sテクノロジーを採用。

●2012年12月にマイナーチェンジ。フロントフェイスを一新するとともに、インストルメントパネル(センターメーターを運転席前に移動)なども変更。[e:Sテクノロジー第2弾]を採用し、全車に新アイドリングストップを装備。NA車に衝突回避支援システム[SA(スマートアシスト)]を設定。サスペンションやブレーキなども変更している。「ムーヴ」の仕様グレードは、「L」は電動格納式ドアミラー、ウレタンステアリングホイール、キーレスエントリー、マニュアルエアコン、フルホイールキャップ付14インチスチールホイールなどが標準装備のスタンダードタイプ。「X」は、革巻ステアリングホイール、キーフリーシステム、プッシュボタンスタート、キーフリー連動オート格納式ドアミラー、オートエアコン、オートライト、14インチアルミホイールなどを装備した上級タイプ。両グレードともに衝突回避支援システム[SA(スマートアシスト)]を装備した「LSA」「XSA」を設定している。

参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
LDBA-LA100SCVTFF
DBA-LA110SCVT4WD
L SADBA-LA100SCVTFF
DBA-LA110SCVT4WD
XDBA-LA100SCVTFF
DBA-LA110SCVT4WD
X SADBA-LA100SCVTFF
DBA-LA110SCVT4WD

●2013年10月の一部改良で[エマージェンシーストップシグナル]を全車に標準装備。「ムーヴ」にTCエンジン車を設定。2014年5月には、[スマートアシスト]や[スマートフォン連携メモリーナビゲーションシステム]などを装備しながら低価格設定とした特別仕様車「スマートセレクションSA/SN/SA&SN」ならびに専用外装やブラックインテリアを採用した特別仕様車「VS」を設定し、仕

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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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