目利き講座
トヨタ ランドクルーザー(2009年〜)中古車購入チェックポイント
CBA-URJ202W
参考車両 :AX
初年度登録
(2009年5月)
■全体のチェックポイント
2007年9月から発売している“200系” ランクル。参考車両は、2009年4月に4.6Lエンジンと6速ATを搭載した時期のモデル。パッケージ装備やオプションを付けている中古車が比較的多く、カスタム車も少なくない。まずは、標準装備とは異なる部分がないかを販売店に聞いて確かめる。車体は、事故歴や修復歴、骨格部のダメージがないことを確認。外装や室内の傷みなどから車両がどのように使われていたか推測しよう。大切なのは、エンジンやトランスミッション、ドライブトレイン、サスペンションなど、走行機能のすべてに不調や不具合などがないこと。整備状態も含めて、現状を販売店に聞いてみる。納車点検整備や保証の有無および内容も確かめよう。
■車両の雰囲気から探る
少し離れたやや遠目から、車体の様子を見てみよう。車両の周囲をひと巡りして、どこかに違和感や不自然に見える部分などがないかチェック。
前方からは、バンパー/グリル/ ボンネット/ ヘッドライト/ フェンダーなどのバランスを見る。前面は、基本的に左右対称になっていることもポイントだ。左右ライトの片方だけが新しい(交換している)場合は、その側の車体部を修理している可能性がある。ナンバープレートの変形や修正跡なども、車体部の修理を疑ってみる。細部では、バンパー下側の損傷、ボンネットやウインドウガラスの飛び石傷などにも注意。
■後部のチェックポイント
前面と同様に、バンパー/上下テールゲート(バックドア)/コンビネーションランプ/フェンダーなどのバランスをチェック。
後部ナンバープレートは、封印の傷(ナンバープレートを外した形跡)が車体部の修理/交換を推測するヒントになる。
テールゲートの立て付けが全体に狂っていれば、テールゲートがずれている、あるいは車体が歪んでいる疑いもある。部分的に隙間がずれている箇所は、その部分の車体部を修理/交換していると考えられる。上下テールゲートの合わせにも注意しよう。
■隙間の幅と色調を比べる
外装の立て付けは、例えば車体前部側面では、フェンダーを中心に見てみると、バンパー、ヘッドライト、ボンネット、ドア、ピラー(フロントガラス部の柱)などが隣接している。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、どれかがダメージを負ってずれているか、あるいは修理/交換している可能性がある。
隙間を境に、隣り合う外板パネルの色艶も比べてみよう。修理や交換で塗装していると、色調が微妙に違って見えることがある。
■角度を変えると見える
車体まわりをチェックする時は、見る角度を変えてみよう。プレスラインのずれや崩れ、外装部品の微妙な立て付けの狂いなども確認しやすい。外板表面を斜め方向から透かして見ると、浅くて広い凹みや波打ち(しわ)なども見落とすことがない。
しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡。塗装面の艶が違っている部分やザラザラとした肌荒れ状態になっている箇所なども、修理跡の疑いがある。
■整備状態を確かめる
定期点検整備記録と突き合わせて、消耗部品を中心に、エンジンと周辺をチェック。オイルの滲みや漏れなどにも注意。外見だけではわからない部分もあるので、詳しい整備状態は販売店スタッフに聞いて確認しよう。
交換した新しい部品が付いていたら、消耗品か、不具合か、それとも事故などでダメージを受けたのか、交換した理由を探ってみる。
■車体内側の鉄板を調べる
左右フェンダー側のエプロン(サイドフレーム)や室内側のダッシュパネルなど、エンジンルーム内側の鉄板を調べよう。車体の骨格となっている部分を修理している車両は、修復歴があることを明示しているはずだが、念のために、歪みや修理/交換の形跡などがないか確認。カバーや機器類に隠れている部分もあるが、できるだけ細部までチェックしよう。
■取り付け状態を確認
フロントフェンダーは、エンジンルーム側に腐食や修理跡などがないかチェック。
基本チェックでは、固定ネジを回した形跡がないかもチェックするが、カバーを設置しているので、詳しく調べるのは難しい。サイドフレームの状態に注意しよう。
フロントフェンダーは、車体構成上の重要な補強部材とはなっていないので、修理しても修復歴にはならないが、外して修理、あるいは交換していれば、車体内側の骨格部にダメージがないか確かめる必要がある。
■前部の必須チェックポイント[1]
ランクルは車体骨格の最前部にメンバー(補強部材)を設けているが、上部で車体の左右に繋がっているラジエターコアサポートは、車体部に強い衝撃を受けると影響が及びやすい。上側はカバーで覆われているが、修正/修理/交換している形跡がないか調べよう。フェンダーに繋がっている部分やヘッドライトなど関連部も慎重にチェックしよう。
■裏側もチェック
ボンネットは、外面をチェックしたら、裏面側に修理跡などがないかもチェック。特に縁のシーラーの状態に注意。
外して修理、あるいは交換することもあるので、ヒンジ部のネジもチェック。ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺の状態も調べよう。
ボンネットを修理/交換していれば、ボンネット単独の損傷なども考えられるが、車体部を修理/交換していないかも慎重にチェックする必要がある。
■縁と奥も覗いてチェック[1]
フェンダーは、膨らんでいるホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)に損傷を負うことも多い。傷や凹み、修理跡などがないかチェック。フェンダーに歪みがないかも確認。
縁の部分に修理跡がないかもチェック。さらに奥を覗いて、タイヤハウス内の状態もチェック。下部にあるマッドガードもチェック。フロントフェンダーは、内側にある泥よけカバーの状態も調べる。
■側面のチェックポイント[1]
ドアに損傷を負うと、外して修理することもあり、交換してしまうことも多い。ドアヒンジ部のネジをチェックしよう。ただし、立て付け調整などでネジを回すこともあるので、ネジの状態を見ただけではドアを修理/交換しているとは断定できない。ドア自体をはじめ、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、周辺も詳しく調べて判断する必要がある。
■リアフェンダーのチェック[1]
リアドアを開けて、開口部を調べよう。後席への乗り降りなどによる傷や凹みなどがないか。簡易補修跡などがないかチェック。修理跡がないかも確認。開口部にマスキング跡があれば、リアフェンダーを補修、あるいは修理している。周辺を調べて、損傷の程度と範囲を確かめよう。
車体右側は、フューエルリッドを開けて、内部にマスキング跡や修理跡などがないかチェック。リッド表面の艶や色調にも注意。
■下側にチェックポイント[1]
サイドステップは、車体への損傷や泥はねなどを防ぐ役目もある。損傷や修理/交換跡などがないかチェック。重要なサイドシル(車体の梁)にダメージがないかも調べよう。床下側に損傷や腐食、修理跡などがないか確認。ドアを開けて、サイドシルの上側の状態も調べよう。
■テールゲートのチェック
解錠・施錠の具合をまずチェック。運転席スイッチ、バックドアスイッチ、リモコンキーによる操作も試してみよう。
開閉して、テールゲートの動きがスムーズかどうかチェック。上側ゲートは上げた全開状態でしっかり止まっていることも確認。上側ゲートのダンパーロッドと下側ゲートのロータリーダンパー、どちらもダンパー機能に注意。
閉める時にカチッと収まらないなど締まり具合がよくない場合は、テールゲートがずれている可能性もあるが、車体が歪んでいることも考えられるので要注意。
■開口部を慎重にチェック[1]
開口部には、外側と内側とのパネル接合部がある。溶接、シーラー、塗装の状態に注意して、修理/交換の形跡などがないかチェック。開口部下部は、コンビネーションランプやバンパーなどの状態に注意しよう。
後方から強い衝撃を受けると、ルーフやキャビン(室内)などに波及することがあるので、修理/交換している形跡があれば、他にダメージが及んでいないかを広範囲に調べる必要がある。
■取り付け部もチェック[1]
上下テールゲートとも、内側に修理跡などがないかチェック。テールゲートを交換している形跡がないかもチェック。ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺に歪みや修正跡、修理の形跡などがないかもチェックしよう。
■タイヤとホイールのチェック
タイヤは、スリップサインを目安に、残り溝の深さを点検。傷や異物の刺さり、ひび割れなどがないかもチェック。同時に、接地面の摩耗状態も調べよう。外側だけとか内側だけなどが極端に減る偏摩耗、部分的に削れたようなスポット摩耗など、いくつか種類があるが、不適正なエア圧、アライメント(ホイールの取り付け角度)の狂い、車体の歪みなど、異常摩耗が起こる原因もさまざまなので要注意。
ホイールは、傷や破損などがないかチェック。リム部(タイヤと接している縁の部分)に曲がりなどがないかも確認。アルミ合金ホイールは、過度な衝撃を受けると生じることがある変形や割れなどにも注意したい。
■床下を覗いて確認[1]
フレームやメンバー(補強部材)など鉄骨部、マフラーやサスペンションなど部品類、ブラケット(ステー)など金具類も、傷や曲がり、歪み、修理/交換の形跡などがないかチェック。
オフロードを走った車両は少ないと考えられるが、念のために、底を擦ったり打ったような損傷がないか確認。衝突事故によるダメージにも注意。
オイルやグリスなどの滲みや漏れ、ゴム部品の劣化などがないかも見ておく。錆が発生していれば、範囲と腐食状態を確かめよう。
■エンジンをかけてみる
エンジンをかけてもらい、始動具合やアイドリング回転などをチェック。できれば自分で始動して、スマートエントリー&スタートシステムとエンジンスイッチの操作具合も確認したい。
始動困難、不安定なアイドリング回転、異音や大きな振動などは、なんらかのトラブルがあると考えられる。始動時には表示/警告灯類の点灯などにも注意するが、異常を判断するのは難しい部分もあるので、車両の購入を決めたら、販売店で念入りに点検してもらおう。
■変速機と駆動装置をチェック[1]
ATは、セレクトレバーを各ポジションに切り替えて、操作具合をチェック。できれば試乗して、走行時のオートマチック動作を確認。マニュアルシフトモードも走行時に試したい。さらに、走行モード切り換え、トランスファーのレンジ、クロールコントロールの速度モード、アクティブハイトコントロールの車高モードと自動切り替わりなど、各種機構の状態も確認する。とはいっても、異常や不具合を判断するのは難しい。エンジンを始め、AT、駆動系、サスペンションなど、走行に関わる部分の状態は販売店で点検してもらうようにしよう。
■装備機器類の機能を確認
ヘッドライト、ウインカー、テール/ブレーキ/バックランプなど、保安装置の作動をチェック。電装機器や電動機構は、スイッチを入れるだけでなく、調整操作して機能を確認。エアコンは特に冷房の効きに注意。パワーウインドウの開閉や室内ランプの点灯、電動収納ミラー、リモコンキーなど、基本的な部分も忘れずにチェックすること。
参考車両はメーカーオプションのHDDナビ&サウンドシステムが付いているが、グレードによって異なる標準装備やオプションなど追加装備の有無は、販売店で事前に確かめておこう。
■隅まで細かくチェック[1]
室内は、シートや内装材などに汚れや傷、染み、穴などがないか。フロント、セカンド、サードの各席周辺と、ラゲッジスペースも、念入りにチェックしよう。床や天井の状態も確認。ボックスやポケットなどは、内部もチェック。ボックスの蓋やエアコンのルーバーなど、可動部の破損にも注意。セカンドシートの分割やリクライニング、跳ね上げ式サードシートなど、シートの機能も試してみよう。
■車両の情報をチェック
備え付けの書類は、「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、オプションや後付け装備などの使用説明書が揃っていることも確かめよう。
現車をチェックする時には、「定期点検整備記録簿」の記載内容を必ず確認。車両がどのように使われ、扱われてきたかがわかる。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。最後に点検整備した日付と記録内容も見ておこう。
■車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合は、周辺の状態を慎重にチェック。エンジンルームやスペアタイヤ収納部などは、新車時から外装とは塗色が異なってることがある。●ドアの開口部など、外から見えない部分にマスキング(塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)した跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような“ 直線状の段差” があれば、何らかの理由で塗装している。●部品などに塗料が付着している場合も、周辺を詳しく調べる必要がある。●車種によっては、スペアタイヤ収納部などに、塗装の飛沫が付着しているように見える、新車時から仕上げが荒くなっている部分もある。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ネジの頭が塗装されていれば比較的容易に確認できるが、無塗装ネジの場合は判断しにくい。傷や錆に注意して、関連する近隣のネジや、車体左右の同じ部品のネジと見比べる。
溶接とシーラー
●修理/交換で溶接している(熱を加えた)部分は、錆が発生しやすくなっている。特に床下は、溶接部の塗装の剥がれや浮きに注意する。●鉄板の接合部分に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理/交換で再溶接すると塗り直すので、不自然に見える。●爪で押して、表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を比べてみる。●スポット溶接(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)を修理工場で打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理/交換すると、組み付ける際に誤差が出ることがある。隣接するパネルの隙間(チリと呼ぶ)の幅が均等になっていなければ、修理/交換している可能性がある。●バンパーなどは、ぶつけたり、押されてずれることもある。たとえ修理/交換していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角の線)やモール類(ドアなどに付いている飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2007年9月に発売した新型ランドクルーザー。本格オフロード4WD車としての機能を向上すると同時に、トヨタの最上級SUVとして、快適性や安全性を充実。外観は、タフな角形ステーションワゴンスタイルのイメージを残しながら近代的なデザインを採り入れている。リクライニング機構付可倒式2列目シートや跳ね上げ式3列目シートなどによって3列シート8人乗りとしての利便性も高めた。
車体骨格は伝統的なラダー(はしご形)フレームを継承し、フロントサスペンションをトーションバーからダブルウィッシュボーンに変更。V型8気筒4.7Lガソリンエンジンに連続可変バルブタイミング機構VVT-iを採用し、出力を大幅に向上。マニュアルモード付5速AT、トルセンLSD(トルク感応型駆動力配分機構)付トランスファー、アクセルやブレーキを踏まなくてもオフロードを低速で安定走行できるクロールコントロール、不整路面に対応するマルチテレインABSなどを採用。横滑り抑制 VSC、ヒルスタートアシストコントロール、10エアバッグ、アクティブヘッドレスト、前後左右独立温度調整フルオートエアコン、スマートエントリー&スタートシステム、盗難防止システムなども全車に標準装備。前後スタビライザーの作動を制御し、オンロードでの車両安定性とオフロードでのサスペンションストロークを確保するKDSS(キネティックダイナミックサスペンションシステム)を設定した。
2009年4月に一部改良。エンジンを新開発V型8気筒4.6Lエンジンに替え、ATをマニュアルモード付6速に変更。上級グレード「ZX」を追加し、車高切り換え機構AHC&ダンパー減衰力制御AVSを設定。各グレードの装備内容も変更した。
●仕様グレードの「AX」は、18インチアルミホイール、本革巻き4本スポークステアリングホイール&メタル調・本革巻きシフトレバーノブ、モケット表皮シート、運転席シート上下アジャスター、オーディオレス・6スピーカーが標準装備のスタンダードタイプ。
「Gセレクション」はグレードとは別に設定しているパッケージ装備で、AXに、VGRS(可変ギヤレシオステアリング)、木目調・本革巻きステアリングホイール&シフトノブ、本革巻きブレーキレバー、8ウェイパワーシート、前席/2列目席シートヒーターなどを追加する。上級タイプの「ZX」は、AHC&AVS、VGRS、20インチアルミホイール、チルト&スライド電動ルーフ、エアロタイプサイドステップ、サイドプロテクションモール、リアルーフスポイラー、メッキドアハンドル、木目調・本革巻きステアリングホイール&シフトレバーノブ、本革巻きブレーキレバー、クッション長可変機構・運転席メモリー付8ウェイパワーシート、パワースライド機構付セカンドシート、前席/2列目席シートヒーター、HDDナビシステム&トヨタプレミアムサウンドシステム(フロント/サイドモニター、音声ガイダンス機能付バックガイドモニターを含む)などを標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定(2009.05)
| グレード |
型式 |
シフト |
駆動 |
| AX |
CBA-URJ202W |
6AT-M |
4WD |
| AX G セレクション |
CBA-URJ202W |
6AT-M |
4WD |
| ZX |
CBA-URJ202W |
6AT-M |
4WD |
●その後、2010年7月に2列シート5人乗りグレード「GX」を追加。各グレードの標準装備を一部変更。あわせてランドクルーザー生誕60周年記念「60th ブラックレザーセレクション」を設定している
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