中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.22 / 掲載日:2014.04.11
トヨタ エスティマ ハイブリッド (2012年5月~) 中古車購入チェックポイント
トヨタ エスティマ ハイブリッド (2012年5月~) 中古車購入チェックポイント
DAA-AHR20W
参考車両:G 7人乗り
初年度登録:2013年5月
追加装備:<メーカーオプション>車体色 ホワイトパールクリスタルシャイン、HDDナビゲーションシステム&パノラミックススーパーライブサウンドシステム+音声ガイダンス機能付カラーバックガイドモニター <販売店オプション>専用ラグジュアリータイプフロアマット (2013年5月)
■全体のチェックポイント
2006年6月から発売しているAHR20W型。参考車両は、2012年5月にマイナーチェンジした後の「G」グレードにオプションのナビを付けている。基本ポイントを押さえながら車体まわりと室内を細かくチェックし、装備機器の機能も確認。もちろん、肝心なハイブリッドシステムをはじめ、運転支援機能なども異常がないか確認することを忘れてはいけない。
外装と同時に関連部の状態も慎重にチェックする
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、外装の異常に注意しながら車体まわりの様子を観察する。前面は、バンパー、フォグランプ、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどをチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷にも注意したい。
2.ドアと関連部をチェック
2.ドアと関連部をチェック
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理、あるいは交換していないか、ヒンジやネジもチェック。同時に、ドアキャッチ(ロックの受け側)など関連部やピラー(柱)、サイドシル(車体の梁)など周辺の状態もチェックする。
3.スライド機構もチェック
3.スライド機構もチェック
スライドドアは、スライド動作に異常がないかチェック。閉めた時の合わせ(立て付け)もチェック。
ブラケット(ドアの支え金具)やローラー、レール(スライドさせる溝金具)などもチェック。後部のリアフェンダーあたりも、損傷や修理跡がないかチェックする。
4.下側に要チェックポイント
4.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、ドアとバンパー部に装着しているマッドガード(クランディングパネル)に損傷がないかチェック。それよりも重要なのは、車体側のサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックする。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、モール、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。
バックドアは、解錠・施錠の具合と開閉の動き具合をチェックし、全開状態で下がってこないか確認。バックドアに損傷や修理跡がないかチェック。ヒンジやヒンジ固定部も、修理していないか見る。
パネル接合部の状態に注意しながら開口部もチェック。後方からの衝撃が広範囲に波及することがあるので、側部やルーフなども慎重にチェック。
6.前部のチェックポイント
6.前部のチェックポイント
ボンネットも、修理や交換していないかチェック。フェンダーの内側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態も調べる。同時に、車体パネルもチェック。車体の左右に繋がっているラジエターサポートも要注意ポイントだ。
7.隣接部も同時にチェック
7.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部に損傷がないかチェックし、ずれていないか立て付けも確認。下側にあるエアスパッツ(タイヤの前にある空気整流板)の破損にも注意。
バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁やクランディングパネル、奥のタイヤハウス内も、損傷や修理跡などがないかチェック。
★損傷箇所や修理歴を確認
「エスティマハイブリッド」は、「エスティマ」に対して、フロントバンパー、グリル、ヘッドランプ、ホイール、エンブレムなどが専用デザイン。サイドクラッディングパネルやリアエアロバンパーも全車標準装備となっている。「G」は、両側パワースライドドアとパワーバックドアを装備しているので、電動開閉動作のほか、イージークローザーや挟み込み防止機能なども正常かチェックしたい。
車体にダメージを負っているのは、いわゆる事故車。骨格部を修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能・動作をチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れ、傷、破損がないかチェック。床や天井の状態も調べるほか、ボックスなどは内部も見る。各所のポケットやホルダー、フックなどもチェック。
シートは、染み、破れ、ステッチのほつれ、盛り上がっているサポート部の傷み。皮革は、擦れやはがれなどにも注意。ボックスの蓋やエアコンの吹き出し口などは、可動部の破損にも注意しながら動き具合もチェック。
2.全席をもれなくチェック
前席周辺だけでなく、室内後部まで丹念にチェック。7人乗りの2列目リラックスキャプテンシートは、スライド・リクライニング・オットマン・サイドテーブル・アームレスト。3列目6:4分割式シートは、左右の床下格納・復帰の具合なども試しながら周辺をチェック。後部の床下ラゲッジボックス周辺も傷みなどがないかチェック。
3.装備機器類の作動を確認
ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ブレーキランプなど保安装置はもとより、パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど、基本的な電装機器の作動状態をチェック。電子キーの機能と各部の動作も確認。フルオートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、調整機能をチェックする。
4.関連機能も確認
「G」はHDDナビ&パノラミックライブサウンドシステム+音声ガイダンス機能付カラーバックガイドモニター+ETCを標準装備しているが、参考車両には同様の構成に11スピーカーや後席9型ディスプレイ、音声認識&ハンズフリーなども加わるメーカーオプションが付いている。ナビ機能やAV機能のほか、関連する機能もすべて正常か確認したい。
★販売店で細部まで調べてもらう
「G」は、運転席電動調整シート、運転席/助手席温熱シート、ナノイー(空気清浄)機能付フロントオートエアコン+リアオートエアコン、6:4分割電動床下格納機能付サードシートなども標準装備している上級グレード。装備機器類の状態は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、不具合などがないかは販売店で点検してもらおう。特に電装機器の作動が正常か確認したい。
ハイブリッドシステムと走行機能の調子を確認
1.システムを始動してみる
ハイブリッドシステムの始動時には、電子キーを携行して、ハイブリッドシステムの始動・停止やパワースイッチのモード切り替えの具合をチェック。表示灯・警告灯、インジケーター類、ドライブモニター、マルチインフォメーションディスプレイ、警告メッセージ表示、警告ブザーなどにも注意したい。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.各モードの機能もチェック
電気式無段変速機は、シフトレバーの操作具合をチェック。走行時のハイブリッド動作(停車・発進、低速・通常走行、加速、4WD走行、減速・制動)をチェック。シフトレンジ[D]-[S]-[B]のほか、モーターのみで走行する[EV]や滑りやすい雪道などで駆動力を制御する[SNOW]のモード切り替えスイッチも試してみる。同時に、車両運動制御システムVDIMなども正常か確認したい。
とはいっても、異常や不具合を判断するのはまず無理。走行機能は、販売店で点検してもらおう。
3.タイヤとホイールをチェック
3.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検。傷やひび割れなどがないかチェック。接地面の一部だけが減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイール取り付け角)の狂い、最悪は車体の歪みなども考えられるので要注意。
アルミホイールは、リムの縁(タイヤと接している部分)の損傷や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェック。
タイヤ・ホイールの状態によっては、運転支援機能に異常が生じたり、駆動系に不具合を起こす恐れがあることにも注意したい。
4.床下の様子も覗いて見る
4.床下の様子も覗いて見る
車体パネルや補強部材など車体部。カバー類、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
油汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)や水漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食状態をチェックする。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「エスティマハイブリッド」は、2.4Lガソリンエンジン、フロントユニット(動力分割機構・発電機・モーター・減速機など)、駆動用バッテリー、リアモーター、無段変速機能、回生ブレーキ、排気熱再循環システム、システム稼働や電装品の電源となる補機用バッテリーなどで構成。エンジン・ブレーキ・ステアリングなどを統合制御するVDIMも搭載している。難しい話はともかく、とりあえずオイル漏れなどにも注意しながらエンジンルーム内をチェック。走行機能各部の現状と整備状況は、販売店に聞いて確認。トヨタのハイブリッド車を正しく点検・整備できるかどうかも確認したい。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2006年6月に発売したAHR20W型「エスティマ ハイブリッド」。その後、2007年6月:一部改良。2008年2月:2015年度燃費基準の認可取得。2008年12月:マイナーチェンジ。2009年12月:一部改良。
●2012年5月のマイナーチェンジで、ヘッドランプ/リアコンビネーションランプの色やホイールのデザインを変更し、専用リアエンブレムを採用。
全車に車両接近通報装置やナノイー(空気清浄機能)を採用するなど、内外装および装備を一部変更。あわせて「アエラス」を新設定している。
仕様グレードは、標準スタイルの「X」と「G」、エアロパーツを装着したスポーティスタイルの「アエラス」。2列目席がキャプテンシートの「7人乗り」と6:4分割シートの「8人乗り」がある。
「X」は、左側パワースライドドア、ウレタンステアリングホイール、フロントオートエアコン+リアクーラー、オーディオレス・6スピーカーなどが標準装備。「G」は、両側パワースライドドア、パワーバックドア、本革巻き&バーズアイ木目調ステアリングホイール、リアオートエアコン、AV一体HDDナビなどを装備。
「アエラス」は、専用外装を装着し、本革巻きステアリングホイール、運転席電動シート、フロントオートエアコン+リアクーラー、カーボン調トリムなどを装備。本革シート表皮、パワーバックドア、リアオートエアコン、AV一体HDDナビなどを追加する「レザーパッケージ」も設定している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 |
X 8人乗り/7人乗り | DAA-AHR20W |
G 7人乗り | DAA-AHR20W |
アエラス 8人乗り/7人乗り | DAA-AHR20W |
アエラス レザーパッケージ 7人乗り | DAA-AHR20W |
※電気式CVT(無段変速機)・電気式4WDは、全車共通。※「X」と「アエラス」には、福祉仕様「サイドリフトアップシート装着車」を設定。
●2013年5月に装備設定を一部変更。あわせて、内外装に特別装備を施し、フロントパフォーマンスダンパー(操縦安定性と乗り心地が向上する車体パーツ)を装着した特別仕様車「アエラスプレミアムエディション」を発売している。