中古車目利き講座 日産 テラノ

上質車両を見極める 中古車目利き講座
テラノ
参考車両 :ワイド R3m-R エアロII
初年度登録1998年7月
NISSAN
TERRANO 
E-LR50
日産 テラノ
オフロード走行機能に乗用車の内装や乗り心地を組み合わせた4WD車だが、不整地を走ったことがないシティオフローダーもあれば、悪路走行が趣味のユーザーが酷使した車両もある。また、改造車も少なくないが、見かけだけのドレスアップの場合も多く、先入観で判断すると見誤ることもある。車両チェックの基本はどのタイプのクルマでも同じだが、使い方や走り方を見極めることが必要だ。年式や走行距離は目安として、整備状態をしっかり確かめることが大切だ。
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●参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード 型式 エンジン シフト
・標準ボディ/パートタイム4WD      
アーバン KD-PR50 2.7D 5MT/4AT
・標準ボディ/オールモード4x4      
RX-R KD-PR50 2.7D 4AT
  E-LR50 3.3 4AT
・ワイドボディ/パートタイム4WD      
アーバン KD-PR50 2.7D 5MT/4AT
・ワイドボディ/オールモード4x4      
RX-R KD-PR50 2.7D 4AT
  E-LR50 3.3 4AT
G3m-R KD-RR50 3.2D 4AT
  E-LR50 3.3 4AT
G3m-R エアロII KD-RR50 3.2D 4AT
  E-LR50 3.3 4AT
G3m-R リミテッドパック KD-RR50 3.2D 4AT
  E-LR50 3.3 4AT
・特別仕様車      
アストロード(ワイド G3m-R)・
オールモード4x4
     
  KD-RR50 3.2D 4AT
  E-LR50 3.3 4AT
●乗用車感覚のRVとして、1986年8月に初代(WD21型)新発売。1995年9月発売の2代目(R50型)は、電子制御フルタイム4WD「オールモード4X4」やモノフレームを採用するなど、特にオンロードでの操縦性や快適性を高めている。ボディは4ドアで、標準とワイドの2タイプ。駆動方式は、オールモード4X4と副変速機付き「パートタイム4WD」。トランスミッションは、4速ATを標準に、一部グレードに5速MTも設定。エンジンは、「2.7D」(2663cc)ディーゼルターボと「3.3」(3274cc)ガソリンの2種。
 1996年4月にエアロタイプバンパーなどを装着した「エアロ」を追加設定。1996年8月には「3.2D」(3153cc)インタークーラー付ディーゼルターボを追加。「エアロ」は「エアロII」となる。同時に上級派生車種「テラノ レグラス(JR50型)」を追加。
 参考車両は、1997年6月に一部変更した以降のモデルで、運転席&助手席のエアバッグや後席チャイルドシート固定機能が標準装備となっている。
 仕様グレードは、ベーシックな「アーバン」に対してアルミホイールやオーディオなどを追加装備した「RX」。「G3m」と「R3m」は、オートエアコンやディスチャージヘッドランプも装着。R3mにはキーレスエントリーなど快適装備を充実させた「リミテッドパック」も設定。「-R」は、オールモード4X4車を表している。また、特別仕様車「アストロード」は、R3mをベースに、ガード類や背面タイヤ、専用サスペンション、16インチタイヤ&ホイール、専用シート地&ドアトリムなどを組み込んだカスタムモデルだ。
 1999年2月のマイナーチェンジ(2代目後期型)で外観/室内を一新し、3.0直噴ディーゼルエンジンを搭載。2002年8月に日本国内向けの生産を終了。
全体の様子を観察する
 車両のやや離れた位置から、車体に歪みや傾きはないか。外板パネルの立て付けや塗装面の状態など、外観各部に異常はないかをチェック。
 前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライトなどが並んだ横線が揃っているか。左右対称になっているかを確認。左右のヘッドライト/ウインカーを見比べて、片方だけ新しく感じたら(交換の疑い)、その側の車体部を修理している可能性がある。交換の理由を探ってみよう。
 参考車両は、フロントガード&4連補助ランプ+HIDライト、ルーフキャリア&ボックス、ホイール&タイヤ、2インチ車高アップなど、オフロード車ならではの装備が見受けられるが、改造箇所をしっかり把握する必要もある。
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テラノ 角度を変えると見える
 車体表面をチェックする時は、見る角度を変えながら探ろう。斜め方向から透かして見ると、見落としやすい広くて浅い凹みや、波跡(波打って見える板金修理跡)なども見つけることができる。
 塗装面の状態にも気を付けよう。部分的に艶や色調が違う、ザラザラした肌荒れ状態になっているなど、不自然な箇所があれば、軽い傷の補修程度の場合もあるが、修理跡の可能性もある。
整備状態を確かめる
 ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジンと周辺をチェック。エンジンオイルのにじみや汚れ(オイル漏れの兆候)にも注意。冷却水やオイルの量、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。
 周囲と比べて新しい、交換が疑える部品があれば、故障や不良か、消耗部品か、あるいは事故などでダメージを受けたのか、定期点検整備記録も探って確かめよう。
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鉄板部の様子を探る
 左右フェンダー側のインナーパネル、室内と隔てているダッシュパネルなど、各部の鉄板を調べよう。大きなダメージを受けると、走行機能面に不具合が生じることもあるので、要注意ポイントだ。修理跡(溶接、シーラー、塗装の異常)などはないか。歪みやしわなどはないか、チェック。
 部品やネジなどに塗装の飛沫が付いている場合は、周辺に修理跡がないか、探ってみよう。
車体前部の必須チェックポイント
 エンジンルーム内は、ラジエターサポート(エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっている部材)に異常がないか、必ずチェック。車体前部に衝撃を受けると、影響を受けやすく、修理あるいは交換する確率が高い。外観をきれいに直していても、ここで車体にダメージを受けていることがわかることがある。
テラノ 取り付け状態も調べる
 フロントフェンダーは、外面のチェック以外に、固定しているネジも確かめよう。ネジを脱着している形跡があれば、外して修理したり、交換している可能性がある。
 フロントフェンダーは、重要な車体構成部材ではないので、修理しても修復歴車にはならないが、外して修理/交換するからには大きな衝撃を受けていることが考えられる。車体前部を広範囲に修理している疑いもある。
ボンネットのチェック
 外面だけでなく裏面に修理跡などがないかも調べよう。表と裏のパネル2枚を貼り合わせている縁の状態に、特に注意。
 ヒンジ部のネジを脱着した形跡がないかもチェック。ボンネットを修理/交換していれば、車体前部を修理している可能性がある。
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テラノ 周辺を詳しく調べる
 参考車両はエアロ仕様で、バンバンパーやフェンダー、ドアなどに樹脂製エアロパーツを装着している。取り付け位置のずれ、塗装状態、交換の痕跡などに注意してチェックしよう。
 また、エアロ仕様に限らないが、参考車両のように傷が付いている場合は、傷の深さを確かめると同時に、どの程度の衝撃を受けたか、周辺に及んだダメージの範囲を確かめる必要がある。
隙間の幅と色調を比べる
 車体側面前部は、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)などが隣接している。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ずれているか、修理している可能性が高い。 
 また、隙間を境に、隣り合うパネルの色調が合っているかどうかも比べてみよう。表面の補修程度の場合もあるが、修理や交換で塗装すると、仕上がった色が微妙に違うことがある。
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テラノ 車体側面のチェック
 サイドステップに損傷や歪み、修理/交換跡などはないか、チェック。同様に、サイドシル(ドア下の車体前後方向に通っている梁)に異常がないかをチェック。
 ドアに修理跡、あるいは交換の形跡がないかも確かめよう。また、ドアの開口部もチェック。マスキング跡があれば、補修、あるいは修理している。周辺を詳しく調べよう。鉄板の接合部に異常がないかも確かめよう。
リアフェンダーのチェック
 フューエルリッド(給油口の蓋)を開けて、内部にマスキング跡や修理跡などがないか、チェック。
 フューエルリッドの色調が周囲と違っていれば、リアフェンダーを修理している。
 また、フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている縁の部分)に修理跡がないか、覗いて確認。さらに奥のタイヤハウス内の部品に塗装の飛沫が付着していないか(修理の痕跡)にも、注意
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テラノ テールゲートをチェック
 後部も前部と同様に、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ(テールランプ)などが並んでいるバランスを見る。
 テールゲート全体の立て付けが狂っていれば、テールゲートがずれているか、車体が歪んでいることも考えられる。左右の片方だけに隙間の狂いがあれば、その側の車体部を修理している可能性が高い。
 また、ナンバープレートの傷や変形、文字の修正ペイントなども、修理を推察するヒントだ。特に後部は封印を剥がした傷跡に注意。
後部の修理跡は要注意
 テールゲートを開けて、裏側に修理跡はないか。ヒンジのネジを脱着して、修理/交換していないか、チェック。
 また、開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、接合されている。シーラーや塗装の状態などを調べよう。
 コンビネーションランプの交換にも注意しよう。
 後方から強い衝撃を受けるとキャビン(室内)やルーフにまで波及することがある。修理跡があれば、周辺部をはじめ、ダメージが及んだ範囲を確かめる必要がある。
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テラノ 床下を覗いて確認
 フレーム(骨格部)やメンバー(補強部材)など、鉄板部に傷や凹み、歪みなどはないか。マフラーやサスペンションなどの部品類の他、ステー(支え金具)やアーム類などに傷や曲がり、修理/交換の形跡がないか。一方向だけでなく、前後左右から覗いて確かめよう。
 オイルやグリスなどによる油脂汚れ(漏れの兆候)などにも注意。
装着部品にも注意
 参考車両はサスペンションやマフラーなどを交換している。改造部品は目立つ色で判別できることもあるが、セッティングや車検対応なども含め、改造の知識がなければショップに聞いて確かめるのが賢明だ。 
 また、古い年式の車両になると、床下に錆が目立つことも多い。表面の浮き錆程度なら大きな問題はないといえるが、錆の進行状態(腐食の程度)を見極める必要がある。
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テラノ 錆の拡がりにも注意
 参考車両は、カバーの切り欠き穴からテールゲートのキャッチ(ロックの受け金具)部に錆が発生しているのが見える。このような場合は、リアバンパーの裏側周辺も探って、錆が拡がっている範囲をチェックしよう。
 また、修理や交換で溶接した(熱を加えた)部分から錆が発生することもあるので注意したい。
タイヤ&ホイールのチェック
 タイヤは、減り具合(残り溝の深さ)を、まず点検。スリップサインを目安にするが、溝が十分に残っていても、減り方(摩耗状態)も調べよう。接地面を見て、一部が極端に減っている偏摩耗を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけか、あるいは車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。
 参考車両のように、標準以外のタイヤ/ホイールを装着している場合は、車検適合かどうか、走行の影響(乗り心地や操縦性)はどうか、ショップに尋ねよう。改造については、オフロード車専門店なら答えられるはずだが。
テラノ
テラノ トラブルの前兆を探る
 エンジンをかけて、始動時の状態やアイドリング回転の様子ををチェック。エンジンが温まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも、試してみよう。
 エンジンがかかりにくい場合は、バッテリーが弱っている他にも、充電や点火、燃料、吸気など、さまざまな不調要因が考えられる。
 また、異音や大きな振動(ディーゼルは多少の震動はある)が発生している場合も、トラブルを抱えている可能性がある。
操作して確かめる
 ATは、エンジンをかけてブレーキを踏んだまま、セレクトレバーを各ポジションに動かして、切り替え時にショックなどはないか、試してみよう。できれば試走して、ギヤが切り替わる時に大きなショックはないか、繋がるタイミングが長すぎ(滑っている感じ)ないか、確認したい。
 MTの場合は、クラッチ操作と同時にシフトをチェック。引っかかりやぐらつき、異音の発生などがないことを確かめよう。
 また、試走が可能なら、4WDの切り替え機構の動作確認も行いたい。オールモード44なら自動式だが、パートタイム4WDの場合は、トランスファー(駆動配分装置)の状態とホイールハブ(4WDと2WDの切り替え)の作動をチェックする必要がある
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テラノ 機能の状態を調べる
 まず、ヘッドライト、テールランプ/ブレーキ/バック、ウインカーなど、保安機器類が正常に機能していることを確認。
 さらに、エアコンやオーディオなどは、スイッチをオン/オフするだけでなく、調整操作してみよう。電装機器や電動機構などは、機能を確かめることがポイントだ。エアコンは、寒い日でも冷房の状態を試してみる。パワーウインドウの開閉や室内灯の点灯などのチェックを忘れがちなのでので、注意しよう。
 また、カーナビを装備している場合は、機能をチェックする他に、地図ソフトの発行時期(古くなっていないか)も確かめよう。
不可解な穴にも注意
 室内の汚れや傷などは、後部シートやラゲッジスペースも、細部まで念入りに探ろう。部品の欠損や脱落などにも気を付けよう。
 参考車両はオーディオ機器を設置しているが、穴開けに注意。また、後付け機器類を取り外した後の穴が残っていることもある。
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テラノ 車両の情報を確かめる
 備え付けの書類は、車検証や車両取扱説明書の他に、オーディオやカーナビなど、装備機器類の使用説明書などが揃っていることも確認しよう。
 特に、車体のチェックには、定期点検整備記録簿が不可欠だ。事前に定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。
●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
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