日産 ティアナの上質な中古車の見極め方


上質車両を見極める 中古車目利き講座
ティアナ
参考車両 :230JK M セレクション
初年度登録2006年2月

日産 ティアナ

比較的リーズナブルな大型セダンということもあって、年配ファミリー層のユーザーが多い。外観の小さな傷や凹みなどを念入りにチェックするのはもちろん、インテリアの様子などから車両の扱い方を探ってみよう。また、しっかり点検整備している車両が多いが、必ず整備記録を確かめよう。頻繁に点検して、オイルや消耗部品の交換などを実施しているなら安心できるが、不具合などで整備に出している場合もある。定期点検整備記録簿の記載内容を読み取ることも大切だ。

●2003年2月にセフィーロの後継車として新発売(UA-J31/TNJ31/PJ31)された大型セダン。2004年6月に一部改良(CBA-J31/TNJ31/PJ31)があり、参考車両は2005年12月にマイナーチェンジした後のモデルで、フロント/リアおよびアルミホイールのデザインを変更している。
 インテリアは、ドアスリムに成型クロス、木目調加飾デザイン、ドアスイッチ部を照らすLED間接照明を採用し、メーターのデザイン、配色を変更。運転席オートドライビングポジションシートやバイキセノンヘッドランプ+アクティブAFSも装備。さらに、ヘッドランプレベライザーなどを設定し、平成18年1月から実施された灯火器(改正)基準にも適合。
 マイナーチェンジにともない車種体系を見直し、合わせて「アクシス」の外観と内装を一新している。
 エンジンはV型6気筒で、「230(2349cc)」、「250(2488cc)」、「350(3498cc)」の3種がある。トランスミッションは、230と250は4速AT。350にはCVT(6速マニュアルモード付無段変速機)を組み合わせている。駆動方式は、2WD「FF(前輪駆動)」が基本だが、2.5は4WD「FOUR」だけの設定になっている。
 仕様グレードは、ベーシックな「JK」と本革巻きステアリングなどを備えた上級の「JM」の2タイプ。230JKには、パワーシートや助手席オットマンなどを備えてJMに近い装備になる「M コレクション」も設定している。「アクシス」は、エアロパーツやレザーシートなどを標準装備したカスタマイズモデル。

●参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード 型式 シフト 駆動
230JK CBA-J31 4AT FF
230JK M-コレクション CBA-J31 4AT FF
230JM CBA-J31 4AT FF
アクシス CBA-J31 4AT FF
250JK FOUR CBA-TNJ31 4AT 4WD
250JM FOUR CBA-TNJ31 4AT 4WD
350JM CBA-PJ31 CVT FF
アクシス CBA-PJ31 CVT FF
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全体の雰囲気から探る

 やや離れた位置から車両の全体を観察しよう。立て付けや塗装の状態などをチェック。モール類の曲がりや破損にも注意しよう。

 前面は、バンパー/ボンネット/ヘッドランプなどが並んでいる縦線と横線のバランスを見る。左右対称になっていることも確かめよう。左右ヘッドライトやフォグランプが片方だけ新しい(交換の疑い)場合は、その側が補修されている可能性もある。また、ナンバープレートの変形や文字の修正ペイントなども、修理を推察するヒントになる。

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角度を変えながら見る

 車体まわりを探る時は、見る角度を変えながら観察しよう。斜め方向から透かして見ると、見落としがちな浅くて広い凹み、エクボと呼ばれる小さな凹み、あるいは波うち(しわ)なども確認できる。しわが寄っているのは、衝撃を受けたか、板金修理跡と判断するのが妥当な見方だ。

 また、艶が周囲と違っていたり、変色や色むらなど、塗装面の異常箇所も修理跡の可能性がある。

整備状態を確かめる

 ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジンと周辺の部品をチェック。定期点検整備記録簿ともつき合わせて、冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキ液量なども点検したい。エンジン周辺のオイルの滲みや汚れ(漏れの兆候)にも注意しよう。

 新しい部品が付いている場合は、故障や整備で交換したか、車体部の修理に伴う処理か、整備記録も探って確かめよう。

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鉄板部の様子を探る

 エンジンルーム内は、インナーパネル(車体内側の鉄板)をしっかりチェック。走行に影響を及ぼす重要な部分だ。

 塗装や溶接、シーラーの異常などがあれば、車体内部にまで及ぶ大きなダメージを受けて修理している。サスペンションの上部取り付け部付近は、特に注意。

 部品やネジなどに塗装の飛沫が付着している場合は、周辺に修理跡がないか、探ってみよう。

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ボンネットの裏も確認

 表面以外に、裏面に修理跡などがないか調べよう。ボンネットは、外と内の2枚のパネルを貼り合わせている。縁の接合部の状態に気を付けながらチェック。

 大きなダメージを受けると交換することもある。ボンネットヒンジのネジを脱着した形跡がないかもチェック。ボンネットを交換している疑いがあれば、車体前部一帯を詳しく調べる必要がある。

車体前部の必須チェック

 エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエーターサポートを必ずチェック。車体前部に衝撃を受けるとダメージが及びやすい部品だ。修理や交換の形跡がないか、確かめよう。
 ラジエーターサポートに固定されている関連部品をはじめ、ヘッドライトの取り付けなど、周辺の異常がないかも確かめよう。

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車両の情報をチェック

 備え付けの書類に車検証(初年度登録年月日と型式がわかる)、定期点検整備記録簿、車両取扱説明書、オプションや後付け装備類の説明書などが揃っていることを確かめよう。
 定期点検整備記録簿は、必ず記載内容を調べよう。過去からの整備状況がわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。

 また、フロントウィンドウに「車検年月」、運転席側ドア周辺に「タイヤサイズと空気圧」など、車体各部に貼ってある車両の情報にも注意しよう。

隙間の幅と色調を比べる

 立て付けを見る時は、例えば車体側面では、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス部左右の柱)などが隣り合わせになっている。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、いずれかがダメージを受けてずれているか、あるいは修理/交換した際に取り付け位置が狂ったと考えられる。

 また、修理や交換をすると、仕上がった色が微妙に違うことがある。隣り合うパネルの塗装の色調にも注意しよう。

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取り付け状態をチェック

 フロントフェンダーは、外面だけではなくエンジンルーム内の固定ネジも調べよう。大きな損傷を負うと、外して修理したり、交換することもある。

 フロントフェンダーは車体を構成する重要な補強部材ではないので、修理しても修復歴車にはならないが、外して修理、あるいは交換していれば、インナーパネルに異常がないかを確かめる必要がある。インナーパネルを修理していれば、修復歴車となる。

リアフェンダーを調べる

 リアドアを開けて、開口部を見てみよう。リアフェンダー周辺を補修、あるいは修理した車両には、マスキング跡が残っていることもある。

 フューエルリッド(給油口の蓋)も開けて、内部に修理跡がないかを確認。リッドの色調が周囲と違っている場合も、リアフェンダーを修理していると考えられる。

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車体側面のチェック

 ドアに大きな損傷を負うと、外して修理したり、交換してしまうことも多い。ドアヒンジの固定ネジをチェックしよう。

 ドアの立て付け調整のためにネジを回すこともあるが、ネジを脱着した形跡があれば、ピラー(ドア左右の柱)をはじめ、サイドシル(ドア下の梁)やルーフ、フェンダーなど、周辺に修理跡などがないか、確かめる必要がある。

減り具合と減り方を点検

 タイヤは、スリップサインを目安に残り溝の深さをまず点検。

 溝が十分に残っていても、減り方を見てみよう。接地面の一部が極端に減っている偏摩耗を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)狂っているだけか、あるいは車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。

 参考車両のように、冬用のスタッドレスタイヤを装着している場合は、通常タイヤが付属しているかどうかを確かめたい。

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フェンダーの縁もチェック

 フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている縁)の鉄板を折り込んでいる部分も、下から覗いてチェックしよう。

 塗装の異常やマスキング跡などがあれば、補修、あるいは修理していると考えられる。スポット溶接に乱れがあれば、間違いなく修理跡だ。周辺を詳しく調べよう。

鉄板の接合部を確かめる

 トランクリッドは、裏側に修理跡などがないか。交換している形跡がないか、チェック。開閉して、スムーズに閉まらない場合は、リッドのずれか、車体の歪みを疑ってみる。

 また、トランクルームの開口部を見ると、両脇には左右両側共に鉄板が横から回り込んで接合されている。溶接やシーラー、塗装の状態などに異常がないか、確かめよう。コンビネーションランプの周辺を、特に念入りに調べよう。
 修理跡があれば、他の部分にもダメージが及んでいないか、周辺を広範囲に探る必要がある。

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後部のチェックポイント

 後部も前部と同様に、バンパー/トランクリッド/コンビネーションランプ(テールライト)などが並んでいるバランスをチェックしよう。

 トランクリッドを閉めた時の立て付けを見て、全体に狂っていれば、トランクリッドがずれているか、あるいは車体が歪んでいる可能性もある。右左の片方だけの隙間に異常があれば、その側の車体部を修理していると判断して間違いないだろう。
 ナンバープレートの状態をみるのも前部と同じだが、後部は封印を剥がした形跡(傷)に注意。

床下も覗いてチェック

 フレーム(骨格部)やメンバー(車体横方向に渡している補強部材)など、鉄板部に傷や歪みなどはないか。マフラーやサスペンションなどの部品類、ステーやアームなどの金具類に傷や曲がり、交換の形跡がないか、確かめよう。

 サイドシル(ドア下にある車体の前後方向に通っている梁)下端の外板と床板の鉄板を接合している部分に傷や歪み、修理の痕跡がないかも、要チェックポイント。

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スペアタイヤの下を確認

 トランクルームの床内にあるスペアタイヤの収納部も確かめよう。波打ち、修理跡、交換跡などないか、チェック。

 底や周辺に貼ってある防振シートに、切り接ぎや張り替えた形跡などがあれば、修理している可能性がある。
 塗装跡があれば、錆などの補修か、あるいは修理跡かを確かめる。また、水が溜まっていたり、水溜りの跡があれば、水が浸入した原因を探る必要がある。

装備機能を操作して確認

 保安機器類(ウィンカー、ヘッドライト、ホーン、ブレーキ/バックなどのテールランプ類)の作動状態をまず確認。

 さらに、電装機器や電動機構などは、正常に機能しているか、確かめよう。エアコンは、温度調節や風量も試してみるが、寒い日でも冷房の効きを必ず確かめよう。

 すべてのパワーウィンドウの開閉やドアロック、室内ランプの点灯なども忘れずにチェックしよう。

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不具合の発生を掴む

 エンジンをかけて、始動時の状態やアイドリング回転などを確かめよう。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽って、スムーズにエンジン回転が上下するかどうかも、試してみよう。

 エンジンがかかりにくい場合は、バッテリーが弱っている他に、発電/充電/点火などの電装系や燃料系など、さまざまな不調原因が考えられる。コンピュータの不良にも注意する必要がある。
 ティアナのV6エンジンはアイドリング時の振動は少ない。大きな振動や異音が出ていれば、トラブルを抱えている可能性がある。

隅まで細かく調べる

 室内は、シートや内装材に傷や汚れ、穴あきなどがないか。運転席周辺だけでなく、後席の細部まで見落としなくチェックしよう。

 参考車両は、シートにレースのカバーを掛けているが、念のためにカバーをめくって確かめよう。

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オートマチックのチェック

 エンジンをかけて、プレーキを踏んだまま、各ポジションにレバーを動かして、ひっかかりやゆるみ(ぐらつき)などはないか、切り替え時に大きなショックがないか、試してみよう。

 できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないか。繋がるタイミングが長すぎないか。走行時に表れる不具合や故障の徴候なども確かめたい。

車両チェックの勘どころ
塗装

●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。

●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。

●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。

取り付けネジ

●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。

●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。

溶接とシーラー

●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。

●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。

●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。

●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。

●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。

立て付け

●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。

●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。

●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。

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