中古車目利き講座 ダイハツ タント カスタム

上質車両を見極める 中古車目利き講座
タント カスタム
参考車両 : タント カスタム X 初度登録2005年8月
DAIHATSU
TANTO CUSTOM 
CBA-L350S
ダイハツ タント カスタム
ファミリーカーとして使われることが多いので、極端に傷んだ車両は滅多にないといえるが、クルマに関心のないユーザーが乗りっぱなしにしていることも少なくない。記録簿の記載内容と合わせて、整備状況をしっかり把握しよう。また、子供を乗せていると内装に汚れや傷が付いていることが多いなど、車内の様子から使い方や走り方を推察することも、車両の状態を判断する目安になる。
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●参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード 型式 シフト 駆動
カスタム X ABA-L360S 3AT 4WD
カスタム X CBA-L350S 4AT FF
カスタム RS ABA-L360S E-4AT 4WD
カスタム RS ABA-L350S E-4AT FF
カスタム L ABA-L360S 3AT 4WD
カスタム L CBA-L350S 4AT FF
●2003年11月に発売されたタントは、軽自動車とは思えないほどの広い室内スペースが特徴。その派生車種として、2005年6月から「カスタム」シリーズが加わり、既存のレギュラーシリーズに対して、専用デザイン(バンパー、サイドステップ、ルーフエンドスポイラーなど)の力強いエクステリアと上質なブラックインテリアなどを備えている。
 660(659cc)エンジンは、自然吸気とターボの2種。トランスミッションは、3速または4速のオートマチック。駆動方式には、FFと4WDがある。
 仕様グレードは、「X」「RS」「L」の3タイプ。Lは、X/RSに比べて、エアコンがマニュアルに、CD/MD・AM/FM付ステレオ がAM/FM付CDステレオに、ABS(EBD電子制御制動力配分システム&ブレーキアシスト付き)がオプション設定になっているなど、一部装備を簡素化している。RSは、ターボエンジンを搭載し、15インチアルミホイール、タントカスタム専用オーバーヘッドコンソールを標準で装備するなど、よりスポーティな仕様になっている。
全体の様子を観察する
 車両の雰囲気を掴んで、違和感を探るために、少し離れた場所から観察してみよう。
 全体を眺めて、部品の立て付けや部分的な異常などを、左右見比べながら探ってみる。
 不審な箇所があれば、近寄って、さらに詳しく調べると同時に、周辺の様子も確認しよう。
タント カスタム
タント カスタム 前部と後部のチェック
 前面は、ボンネット/グリル/バンパーの横線が揃っているか、後面も、リアゲート/バンパーが水平になっているか、チェック。
 また、ヘッドライトもリアコンビネーションランプも、片方だけ新しい場合は、単なる破損で交換したか、周辺部の修理によるものなのか、詳しく探る必要がある。
隙間と色に注意する
 車体前部では、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)、ボンネットなど、それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを受けて部品がずれている、あるいは修理している可能性が高い。
 また、修理や交換でパネルを塗装すると、仕上がった色が微妙に違うことがある。隙間を境に、隣り合うパネルの色調が合っているかどうかも比べてみよう。
タント カスタム
タント カスタム 斜めから透かして見る
 車体側面は、プレスラインやドアの上下の隙間を見てみよう。
 また、パネルに凹みや板金修理跡がないか、チェックしよう。
 表面の色艶が違えば、補修か修理している可能性が高い。しわが寄っているのは、衝撃を受けたか板金修理跡と判断できる。
 見る角度を変えながら観察すれば、小さな凹みや見落としがちな浅くて広い凹みも発見しやすい。
整備状況を把握する
 ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジンと周辺の部品を、まずチェック。エンジンオイルのにじみや汚れ(オイル漏れの兆候)にも注意。
 できれば、冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。
 周囲と比べて新しく見える部品は、交換していることが疑える。事故などでダメージを受けて交換したのか、それとも故障や不良により交換したのか、点検整備記録を探って判断しよう。
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鉄板部分の状態を探る
 エンジンルーム内の鉄板(左右のインナーパネル、奥のダッシュパネルなど)をチェック。
 フロントフェンダーは比較的簡単に取り外すことができて、構造上はさほどの補強部分とはなっていないが、インナーパネルは車体の骨格ともなる非常に重要な部分だ。溶接やシーラー、塗装の状態などから、修理跡はないか、念入りに調べよう。また、部品やネジなどに塗装の飛沫が付着していたら、周辺に修理の跡がないか探ってみよう。
タント カスタム ボンネットのチェックポイント
 表面の傷や凹みをチェックする他に、内側に修理跡(特にシーラーの状態)がないかも調べてみよう。
 ダメージを負うと、交換することも少なくない。支えている金具(ヒンジ)の固定ネジも見てみよう。脱着した形跡があれば、車体前部を修理している疑いがある。
車体前部の見どころ
 ラジエターコアサポート(エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっている)は、事故などで車体前部をぶつけると、修理あるいは交換する確率が高い。異常がないか、必ずチェック。
 歪みや手を加えた痕跡を探るだけでなく、フェンダーとの接合部や、ヘッドライトなどの周辺部品の固定ネジに脱着した形跡がないかにも注意しながら、確かめよう。
タント カスタム
タント カスタム ダメージの程度を調べる
 ボンネットを開けて、固定しているネジをチェックしよう。脱着した形跡があれば、修理のためにフェンダーを交換している可能性がある。左右を比べてみれば、取り付け状態の異常を見つけやすい。
 傷や凹みの補修、あるいは損傷を受けて修理しても、きれいに直していれば修復歴車にはならないが、交換している場合は、インナーパネルをはじめ、周辺を再チェックする必要がある。
ドアの交換を推察する
 大きな損傷を受けると、交換してしまうこともある。前後左右ドアのヒンジ(支えている金具)のネジを見比べよう。タントカスタムのネジは、前部ドアは無塗装、後部は塗装ネジになっている。特定部だけ傷が付いていれば、交換修理していることが疑える。
 ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着しているように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。
タント カスタム タント カスタム
タント カスタム ドアを開けてチェック
 開口部を見てみよう。リアフェンダー周辺を補修、あるいは修理した車両には、リアドアの開口部分などにマスキングした跡が残っていることもある。
 また、下部にある溶接の継ぎ目(直線状になった溝)にも注意。溶接やシーラーの状態を調べてみよう。フェンダーを交換していれば、不自然になっている。左右ドア開口部を比べてみると、異常を判断しやすい。
給油口にも修理のヒント
 フューエルリッド(給油口の蓋)を開けてみよう。
 リアドアと同様に、内部にマスキング跡がないか、チェック。
 また、板金修理するためにリッドを外すことがある。脱着した形跡がないか、調べてみよう。交換していれば、塗装の色艶が周囲と違って見えることがある。いずれにしても、手を加えている様子があれば、リアフェンダーを修理していることが疑える。
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タント カスタム 車体後部の様子を探る
 リアゲートを開閉してみよう。スムーズにロックできない場合は、ずれているか、あるいは車体が歪んでいることも考えられる。
 また、閉めた時の立て付けを見て、全体に狂っていれば、ゲートのずれか、車体の歪みが疑える。右または左、片側だけに異常があれば、車体部を修理していると判断できる。
溶接部を観察
 リアゲートの開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接で固定されている。溶接やシーラー、塗装などの状態をチェック。左右を比較しながら、特にスポット溶接に乱れや打ち直した形跡がないか、観察しよう。
 後部から強い衝撃を受けると、キャビン(室内部)との接合部やルーフパネルの前部にまで波及することもある。修理箇所を見つけた場合は、関連する部分も詳しく調べる必要がある。
タント カスタム タント カスタム
タント カスタム 交換した形跡に要注意
 後部に大きな損傷を負うと、リアゲートを交換することもある。支えている金具(ヒンジ)やネジの脱着、周辺に手を加えた痕跡がないか、見てみよう。
 また、車体側のヒンジ周囲に歪みがある場合は、ルーフ、ピラー(リアゲート左右の柱)、フェンダー、バンパーなど、周辺部に修理跡がないか、確かめよう。
側面のチェック
 ドアの下にあるサイドシル(車体左右の前後方向に通っている梁の部分)の下部を覗いてみよう。
 凹みや傷、修理跡、交換跡がないか、チェック。特に下端の接合部に注意しよう。溶接に乱れがあれば、車体側面にダメージを受けて修理している疑いがある。
 異常があれば、車体左右を見比べて判断しよう。
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タント カスタム 床下の異常を探る
 鉄板部の変形や凹み、支え金具類の歪み、修理した痕跡などがないか、チェック。フレーム(車体の骨格部)やメンバー(車体の補強材)などの鉄板部は、特にしっかり確認しよう。
 また、マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分は修理や部品交換をしないこともあるので、床下を覗いてみると、意外なところにダメージを受けているのを発見することがある。
装備機器を確認
 装備類は、すべて操作して、作動状態をチェックしよう。
 保安関係(ヘッドライト、テールランプ/ブレーキ/バック、ターンシグナル(ウインカー)を、まず確認。
 さらに、エアコンやオーディオなども、試してみよう。パワーウインドウの開閉、後部座席ランプの点灯なども忘れないこと。 電装機器や電動機構などは、スイッチを入れるだけでなく、操作して、正常に機能しているかを確かめることも大切だ。
タント カスタム
タント カスタム エンジンをかけてみる
 かかり具合、アイドリング、異音、回転の上下、排気ガスの色をチェック。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも、試してみよう。
 容易にエンジンがかからない場合は、バッテリーが弱っていたり、エンジンの調整が必要かもしれない。異音や、大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。
タイヤの減り方に注意
 減り具合(溝の深さ)を、まず点検。1.6mm以上を目安にするが、溝が十分に残っていても、減り方も調べてみよう。
 接地面を見て、一部が極端に減っている「偏摩耗」を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。偏摩耗は、車体前部のインナーパネルが変形して生じることもある。
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タント カスタム 操作して動きを確かめる
 セレクトレバーを操作して、トランスミッションの状態をチェック。
 エンジンをかけて、ブレーキを踏んだまま、PからDへ、NからRへなど、各ポジションにレバーを動かして、引っかかりやゆるみ(ぐらつき)などはないか、切り替え時にショックがあるなどの異常がないか、試してみよう。
 できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないか、繋がるタイミングが長すぎないかも、チェックしたい。
傷の程度と波及を調べる
 バンパーの角に擦り傷が付いているのを見つけたら、深さを調べると同時に、衝撃の度合いを探ってみよう。隣接するヘッドライトやフェンダーとの隙間にずれが生じていることもある。
 傷を残したままにしているということは、修理や交換するまでもない軽度の損傷といえるが、ずれているのを新車時の状態に戻すには、取り付け調整に手間がかかることを考慮する必要がある。
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タント カスタム 車両情報を見落とさない
 車体まわりをチェックする前に点検整備記録の内容を確認しておこう。過去にどのような整備を受けてきたのかがわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
 また、エンジンルーム内やドアに隠れたピラー部などに、エンジンオイル交換の記録シールを貼っていることもある。その他にも、フロントガラスには車検日、運転席側のドア開口部には推奨タイヤ/ホイールサイズと空気圧、リアウインドウには排出ガス基準認定など、車両に関する情報が表示されている。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。
●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
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 中古車の目利きチェックポイントをアドバイスしてくれるのは、財団法人「日本自動車査定協会」。経済産業省と国土交通省の指導の下で中立公正な第三者機関として、査定士の技能検定試験や、実車を使った修復歴判定の査定トレーニングなどを行っている。車両の状態を判断するプロフェッショナルだ。全国の52カ所にある支所に依頼すれば、査定目的に応じた査定額を算定して、証明書を発行(有料)してくれる。
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