中古車目利き講座 日産 スカイライン(セダン)

上質車両を見極める 中古車目利き講座
スカイライン(セダン)
参考車両 : スカイライン 300GT
初年度登録2001年7月
NISSAN
SKYLINE
 GH-HV35
日産 スカイライン(セダン)
どちらかといえばクルマ好きが乗っていることが多い大型セダンなので、点検整備がしっかりしている可能性が高いが、整備状態を確かめよう。定期点検整備記録簿の内容を、まずチェック。ニッサン系販売店で頻繁に整備を受けている車両は、走行系のコンディションは良好だと推察できる。定期点検以外の故障や修理なども、記録簿を探ればわかる。また、車体まわりと室内の様子をチェックしながら、車両の扱い方や走り方も推察してみよう。車体に大きなダメージを受けていなくても、擦り傷や凹みが付いている車両もある。バンパーのずれなどにも注意しよう。
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●参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード 型式 シフト 駆動
・3000 (2987cc)      
300GT Pコレクション GH-HV35 5AT FR
300GT Sコレクション GH-HV35 5AT FR
300GT GH-HV35 5AT FR
・2500 (2495cc)      
250GT Pコレクション GH-V35 4AT FR
250GT Sコレクション GH-V35 4AT FR
250GT GH-V35 4AT FR
250GTe GH-V35 4AT FR
●2001年6月に発売された11代スカイラインセダン。エンジンは、2.5と3.0リッターの2種類で、全車FR(後輪駆動)。トランスミッションは、2.5に4速オートマチック、3リッターに5速オートマチックを組み合わせているが、どちらもマニュアルモード付き。
 仕様グレードは、「GT」がスタンダード装備。パッケージオプションとして、黒を基調にしたスポーティな内装の「Sコレクション」と明るいインテリアの「Pコレクション」を設定。2.5リッター車には前席パワーシートなどを省いた「250GTe」もある。
 2001年9月に、250GTに4WDの「250GT FOUR」を追加設定。
 2002年1月には、250GTeに代えて装備を省いた「250GTm」を発売。同年2月には、3.5リッター(3498cc)エンジンを搭載した「350GT-8」を追加。
 2003年1月に、新型スカイラインクーペが発売されると同時にセダンも一部改良している。
車両の違和感を探る
 やや離れた位置から、全体の様子を観察してみよう。外板パネル立て付け、塗装面の光沢や色むら、車両の傾きなど、外観各部に異常はないかを確認。
 車両の正面からは、ボンネット/グリル/バンパーが並んだ横ラインを見る。左右ヘッドライトを含めて、左右対称になっていることもポイントだ。
 ヘッドライトが片方だけ新しく感じる場合は、交換されている疑いがある。単なる破損や不具合などで交換したのか、車体部の修理に伴う交換なのか、詳しく探る必要がある。
 ナンバープレートの傷や曲がりも、車体修理のヒントになる。
スカイライン(セダン)
スカイライン(セダン) 表面は斜め方向から観察
 車体まわりを探る時は、見る角度を変えながら観察しよう。
 表面を斜め方向から透かして見ると、波跡(波打って見える板金修理跡)や、見落としやすい広くて浅い凹みなども見つけることができる。
 塗装面の状態にも気を付けよう。艶や色調が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっているなど、部分的に不自然な箇所があれば、補修跡か、あるいは板金修理跡かもしれない。
整備状態を確かめる
 定期点検整備記録簿を調べてから、消耗部品を中心にエンジンと周辺の部品をチェック。エンジンオイルのにじみや汚れ(オイル漏れの兆候)にも注意。できれば、冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。
 周囲と比べて新しく見える部品は、事故などでダメージを受けて交換したのか、故障や不良で交換したのか、整備記録を探って確かめよう。
スカイライン(セダン)
内側の鉄板を調べる
 フェンダー側のインナーパネル、室内側のダッシュパネルなど、各部の鉄板を見てみよう。スカイラインのエンジンルームは、遮音、遮熱、振動減衰などの対策に二重隔壁を設けているのも特徴だ。
 修理跡(溶接、シーラー、塗装の異常)をはじめ、歪みやしわなどはないか、チェック。
 部品などに塗装の飛沫が付いている場合は、周辺に修理の跡がないか、探ってみよう。
スカイライン(セダン) 車体前部の必須チェック
 エンジンルーム内は、いちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターコアサポートを必ずチェック。
 車体前部に損傷を受けると、修理あるいは交換する確率が高い。
 スカイラインは樹脂製なので、交換している形跡がないか、要確認。
 コアサポートが新しい場合は、車体前部に衝撃を受けて、修理している可能性が高い。周辺を詳しく調べよう。
ボンネットのチェック
 外面のチェック以外に、裏側に修理跡がないかも確かめよう。
 同時に、ヒンジ(支えている金具)部のネジもチェック。
 ボンネットを交換している疑いがあれば、車体前部に大きなダメージを受けた可能性がある。
スカイライン(セダン)
スカイライン(セダン) 取り付け状態を確かめる
 フロントフェンダーは、ボンネットを開けて、固定しているネジを確かめよう。
 脱着した形跡があれば、修理のために外したか、交換している可能性がある。
 補修や修理をしていても、きれいに直していれば修復歴車にはならないが、フェンダーを外すような修理なら、他の部分にダメージを受けていて、広範囲に修理していることも考えられる。
隙間の幅と色調を見る
 車体前部の側面は、フェンダーを中心に、ヘッドライト、バンパー、ドア、ピラー(フロントガラス左右にある柱)、ボンネットなどが隣合わせになっている。
 それぞれの隙間の幅を見てみよう。均等になっていなければ、ダメージを受けているか、修理している可能性が高い。
 隙間を境に、隣り合う塗装の色調も比べてみよう。補修や修理、交換をすると、色艶が違って見えることがある。
スカイライン(セダン)
スカイライン(セダン) スカイライン(セダン) 車体側面のチェック
 ドアに大きな損傷を受けると、交換してしまうこともある。前後左右のドアを支えているヒンジのネジを見比べてチェック。特定部だけ傷が付いていれば、交換修理していることが疑える。
 ただし、ドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともある。ネジを脱着している形跡があっても、必ずしもドアを交換しているわけではない。
フェンダーのチェック
 フェンダーを擦っている例も少なくないが、擦り傷を見つけたら、凹みを伴っていないか、見る角度を変えたり、触って確認。
 ホイールアーチも調べよう。内側に折り曲げている縁の部分を覗いて、修理跡などがないか、チェック。特に、スポット溶接が乱れていないかに注意。
 さらに、フェンダーの奥も覗いてみよう。部品などに塗装の飛沫が付いているが飛散している場合は、周辺の修理を探ろう。
スカイライン(セダン)
スカイライン(セダン) スカイライン(セダン) 給油口の蓋にもヒント
 リアフェンダー周辺を補修したり、修理している車両は、リアドアの開口部にマスキング跡が残っていることもある。表面に「塗装の段差」がないか、チェック。
 フューエルリッド(給油口の蓋)を開けて、内部にマスキング跡や修理跡がないかも確かめよう。
 リッドは、リアフェンダーを修理するために外すことがある。取り付け状態もチェック。リッドの色艶が違う場合は、リアフェンダーを修理している可能性が高い。
車体後部のポイント
 後面も、前面と同様に、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ(リアライト)が並んでいる線がずれていないか、左右対称になっているかを確認。
 リッドを閉めた時の立て付けを見て、全体に狂っていれば、リッドのずれか、車体の歪みが疑える。右または左、片側だけに異常があれば、その側の車体部を修理していると判断できる。
 リッドを開閉してみて、スムーズにロックできない場合も、リッドのずれか、あるいは車体が歪んでいることも考えられる。
スカイライン(セダン) スカイライン(セダン)
スカイライン(セダン) スペアタイヤの下も探る
 トランクの底にあるスペアタイヤを外してみよう。大きなダメージを受けてできた歪みなどが床部に残っているのを見つけることもある。防音パッドがずれているなど張り替えた形跡がある場合は、板金修理の疑いがある。
交換の痕跡を探る
 トランクリッドは、裏側に修理跡がないかも確かめよう。
 また、後部に大きな損傷を負うと、トランクリッドを交換することもある。支えている金具(ヒンジ)やネジの脱着、周辺に手を加えた痕跡がないか、探ってみよう。
スカイライン(セダン)
スカイライン(セダン) 鉄板の接合部を観察する
 トランクリッドを開けると、鉄板が横から回り込んで、接合されているのが見える。シーラーや塗装の状態などをチェックして、修理の形跡がないか探ってみよう。疑わしい場合は、車体の左右同じ場所を見比べると、判断しやすい。コンビネーションランプの周辺に特に注意。リンク式トランクヒンジのトランク側の取り付け状態にも注意しよう。
 後方から強い衝撃を受けると、フェンダーやピラーだけでなく、キャビン(室内部)との接合部やルーフパネルにまで波及することもある。修理跡を見つけた場合は、関連する部分も詳しく調べる必要がある。
ドアの下も確かめる
 サイドシル(ドアの下にある車体左右の前後方向に通っている梁の部分)の下部を見てみよう。傷や凹み、修理跡、交換跡などがないか、チェック。特に下端の接合部に注意しよう。
 疑わしい場合は、車体の左右を比べてみれば確かめやすい。
 大きなダメージを受けて車体の歪みを修整している車両は、修正機で挟んだクランプ(爪)跡が残っていることもある。
スカイライン(セダン)
スカイライン(セダン) 床下を覗いてみる
 鉄板部の変形や凹み、支え金具類の歪み、修理跡、交換跡などはないか、床下全体をチェック。
 マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかも、探ってみよう。オイルやグリスなど、油脂類の漏れにも注意。
 錆を見つけることも少なくないが、表面の浮き錆なら問題ない。どの程度腐食が進んでいるか、確かめよう。
エンジンをかけてみる
 かかり具合、アイドリング、排気ガスの色などをチェック。
 エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも、試してみよう。
 容易にエンジンがかからない場合は、バッテリーが弱っていたり、エンジンの調整が必要かもしれない。
 スカイラインの6気筒エンジンは、正常なら振動は少なく、エ音も静かだ。異音や大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。
スカイライン(セダン)
スカイライン(セダン) オートマチックのチェック
 セレクトレバーを操作して、トランスミッションをチェック。
 エンジンをかけて、ブレーキを踏んだまま、PからDへ、NからRへなど、各ポジションにレバーを動かして、切り替え時に異常がないか、試してみよう。
 できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないか、繋がるタイミングが長すぎないかもチェック。マニュアルモードの切り替えも確かめたい。異音の発生にも注意。
装備機器はすべて操作
 室内は、汚れや傷、穴などをチェックするが、運転席まわりだけでなく、後部シート周辺も念入りに探ろう。
 また、保安機器(ヘッドライト、テール/ブレーキ/バックランプ、ウインカーなど)の作動状態を必ずチェック。
 さらに、エアコンやオーディオなども試してみよう。
 調整機構が付いている機器や装備は、すべて操作して、正常に機能していることを確かめよう。
スカイライン(セダン)
スカイライン(セダン) 車両の情報を確かめる
 車両の取扱説明書以外に、純正オプションや後付けの社外製品が付いている場合は、それぞれの使用説明書などが揃っていることを確かめよう。
 定期点検整備記録簿は、車体まわりをチェックする前に、記載内容を調べておこう。定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。
●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
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